PS4版『Complete Edition』(2017年)の発売からおよそ3年弱、驚きのPC版リリースとなったGuerrilla Gamesのオープンワールド・アクションRPG『Horizon Zero Dawn』(2020年8月7日発売)ですが、一体どんなPC版ならではの要素が追加されているのでしょうか。また、PC版の不具合対応状況は。PS4版のプラチナトロフィーを取得するまでハマっていた筆者が紹介します。
『Horizon Zero Dawn』とは
1000年前、世界は大災厄に襲われ、闇に包まれた。
やがて大地は変化し、地球は動物の姿を模した機械たちに支配される。
かつて存在した文明に一体何が起きたのか?
なぜ地球上に機械の生物たちが存在するのか?
熟練ハンター「アーロイ」となり
古の遺物や謎に満ちた建造物が点在するオープンワールドを探索し
忘れ去られた大地の秘密と謎を解き明かそう。
PC版に新規追加された要素
- ウルトラワイド対応
- 無制限フレームレート
- 動的な草木描画
- グラフィック設定のカスタマイズ
- 水面反射の強化
- 操作設定のカスタマイズ
- ベンチマークツール搭載
上記の通り様々な要素が追加されており、特にPS4版の30FPS制限が撤廃され、滑らかなフレームレートでプレイする『HZD』はかなり新鮮です。アーロイや機械獣たちの作り込まれたアニメーションも、PS4版の2倍以上のフレーム数で堪能できます。
しかしながらリリース前の公式アナウンスにもあったように、一部のアニメーションや物理演算は30FPSのみに対応しており、それ以外のフレームレートだと表示に乱れが生じる場合があります。
またマシンへの負荷も大きくなりがちで、同じくDecimaエンジンを使用したコジマプロダクションによる後発タイトル『DEATH STRANDING』(2020年7月PC版発売)よりも重く感じる場面が多々あるため、グラフィック設定から都度調整を行うのが良いでしょう。インゲームのベンチマークツールもオプション画面からアクセスできるため、そのリザルトを活用するのもいいかもしれません。
海外メディアEurogamerの技術分析部門Digital Foundryでは、PS4Pro版/PC版『HZD』のパフォーマンスやクオリティを比較した分析映像を公開しています。
PC版『HZD』の現状
本作はリリース前より公式アナウンスを通じて、既知の不具合に関する情報をユーザーに共有してきました。
本記事執筆時点で最新のバージョンは1.01(8月14日配信)で、ゲーム起動時のクラッシュやGPUに起因するハングのほか、WindowsやSteamのプロファイル名に特殊文字が含まれる場合のセーブ不具合などが解消されました。
しかしながら、パフォーマンスの低下やクラッシュ、メモリの使用率が非常に高い、異方性フィルタリングが動作しない、4K解像度表示やHDRが正常に動作しないなど、PC版特有の不具合がまだ多数残っています。
筆者の環境ではクラッシュやセーブデータトラブルなど深刻な不具合には遭遇しなかったものの、急激な負荷増加や(高フレームレートでの動作時に)髪の毛の表示が崩れる、カメラの向きとアーロイの移動方向にズレがあるなど、とても「完璧な移植」とは言いづらい出来だと感じました。
ゲーム内容そのものはユニークなアートスタイルや世界観、軽快なアクション、サブクエストのボリュームなどで満足度が高いのですが、今回のPC版移植は(少なくとも現状では)残念としか言いようがありません。
ですが、Guerrilla Gamesは本作の既知の不具合や今後の方針について積極的に情報発信を行っており、「いずれは改善されるはず」と希望を持てるのは不幸中の幸いかもしれませんね。
PC版『Horizon Zero Dawn Complete Edition』はSteam/Epic Gamesストアにて4,900円(税込)で発売中です。本作には新たな土地やスキル、武器、機械獣が登場する大型ダウンロード版拡張パック「凍てついた大地(The Frozen Wilds)」が含まれます。