!注意!
本記事は『都市伝説解体センター』をクリア済みの方向けです。重大なネタバレを含むため、閲覧にはご注意ください。
『都市伝説解体センター』は、2026年2月13日で発売から1周年を迎えました。
「日本ゲーム大賞2025」を受賞したり、コミカライズ展開があったり、「全国解体大巡廻」といった大きなイベントが開催されたりと、話題に事欠かない1年間。今後も、たくさんの展開が期待される人気IPに育ちました。
そんな『都市伝説解体センター』には、SNSをはじめとしたインターネットに関するツールや、そこにある人々の想いが大きく関わっています。プレイした皆さんも、クリア後に思わずSNSに書き込んだり、友達に話したりしたのではないでしょうか?実際、インターネット上では様々な感想や反応を見かけます。
そこでGame*Sparkでは、本作をプレイしたライターと編集者が、この作品について語り合う座談会を行いました。様々な意見がありますが、読者の皆さんが改めて本作について思い返したり考えたりする機会になれば幸いです。
※『都市伝説解体センター』のネタバレにご注意ください。
※書かれているのはあくまでも一個人の解釈です。
▽参加者プロフィール
各務都心:Game*Sparkなどで活動中のライター。RPG、格ゲー、カードゲーム、ぬいぐるみが好き。マーダーミステリー『探偵シド・アップダイク』シリーズシナリオも執筆。
重田雄一:Game*Spark日中デスク担当の編集者。ストーリー性のあるゲームを好むが、メインで遊んでいるのはMOBAとFPS。アドベンチャーゲームで好きなのは『STEINS;GATE』。
タカロク:Game*Sparkやインサイドで活動中のライター。普段はゲーム会社でシナリオをこさえている。最近は推しのVTuberに会えて泣いたり、格ゲーの大会で応援しているチームが勝って泣いたりしている。
初見の印象を思い出しながら、気になった部分も話していこう
タカロク:本日は『都市伝説解体センター(以下、としかい)』をプレイしたライター、編集者にお集まりいただきました。よろしくお願いいたします!
2人:よろしくお願いします。
タカロク:早速ですが、『としかい』を遊ぶ前などの印象はどうでしたか?
重田:僕は『VA-11 Hall-A ヴァルハラ』や『コーヒートーク』などのインディーのアドベンチャーが好きだったので、『としかい』にも注目していました。都市伝説を題材としたインディーゲームがこれから他にも出始めるぞ!みたいな空気もあって、その先駆けとしてブームが来るんじゃないかと。
タカロク:実際遊んでみて、どう思いましたか?

重田:まずセンター長と出会うところで、グラフィックに惹きつけられました。集英社ゲームズがパブリッシングするアドベンチャーということもあって、ゲームならではのビジュアルで物語を体験させるディレクションが、しっかりできていると思いましたね。
オープニングだったりとか、解体ポーズであったりとか、各話ごとのブリッジになる主題歌とか……そういったところに惹かれていきました。
各務都心:色々角度はあるのですけれど、まず集英社ゲームズがまだヒットを飛ばしておらず、そして過去作の値段設定もやけに高いため、出版社がインディーゲームを取り組む意味ってどこにあるんだろう?と思っていました。正直あまり印象が良くなかったんですよね。
ただ、ゲームのルックは良かったし、凄まじく宣伝されていたので、本作の発売自体は楽しみにしていました。実際遊んでみたら思っていたより面白くて、すぐ終わらせちゃいましたね。

タカロク:私はドット絵が好きなので、シンプルに「良いな~」と。お二人に比べてライトな印象でしたね。近年は割とカラフルな色の表現で見せるビジュアルが多いかなと思っていたので、この色味とシンプルさは攻めていると思いました。
重田:アートで言えば、まず思ったのは『ファミレスを享受せよ』のように色数が少ないことでしょうか。タイミング的にもこういうアートスタイルが同時期に出てくるのは、インディーならではというか、面白いなと思っていて。
このスタイリングの何が良いかと言うと、二次創作が非常にやりやすいと思うんですよ。描く側は描きやすいし、見る側もこのゲームだ!となる。
タカロク:確かに、『としかい』はファンアートが盛んですもんね。では、遊んでからの印象もお伺いしたいです!
重田:遊ぶ前は、「都市伝説」が題材のゲームだから怪異が出ると思っていました。「ベッドの下の男」のシーンとか、「本当にバケモンがいるでしょ」って思っていたら……非常に現実的。
本当にありえそう、居そうなものが、徐々に都市伝説になっていく恐怖と言いますか。怪異や呪術バトルなどがあると思っていたので、そこは遊んでからの印象とはだいぶ違いました。

タカロク:私も出てくると思ってました!解体とはいえ、怪異が起きて、妖怪やお化けが出てくるんだろうなと……ホラーが苦手なので、「どのぐらい怖いんだろう?」と思っていましたが、最終的には怪異ではなく生きている人間が一番怖いという。
重田:第3話ぐらいまで進んで、「あ、このゲームもう怪異とか出ねえな」って。
各務都心:明らかに霊が介在してるっぽいオチで終わるのは、1個だけありますけどね……!京極夏彦先生とかのノリを感じて、講談社ノベルスっぽいなと思いながら、楽しくやれました。
摩訶不思議だと思われてるものを、ひとつひとつ明らかにしていくと、人間が起こした事件なんだって分かるところがすごい楽しくて。1話から4話ぐらいまでは独立したホラー、ミステリー短編集みたいで、とても良かったです。
一方、第5話は少しブリッジで、若干味気なかったですが……。一方で6話は畳みかけるところですごくワクワクしたのですが、大オチにはあまり納得がいっておらず。欲張りだと思っちゃいましたね。仕掛けが強引だなって。
とは言っても、SNS社会を否定するってメッセージ自体は好きです。僕は日頃からXは滅んだ方がいいって思っている人間なので、非常に気持ちは分かります。ただその……、SNS調査があまり面白くなかったですね。

タカロク:なるほど。SNS調査は、ほぼ総当たりでしたね……。
各務都心:もっと細かいところで言うと、都市伝説なのかどうかが怪しいテーマもいくつかあって、少し要素がちぐはぐな面もあるなと思いました。
タカロク:お二人は本作に発売前から注目していて、発売後すぐにプレイされたのですか?
各務都心:タカロクさんは発売初日に買ったわけじゃないんですか?
タカロク:そうなんです。私はユーザーからの評価がどんどん上がっている状態でプレイしたので、正直、期待値がものすごく高い状態でした。
重田:今からやる人は、自然とそうなってしまいますよね。

タカロク: その上SNSでの流行り方を見て、ゲームの構造を察してしまったんですよね。「きっと最後に引っ繰り返るような展開があるんだ、一体何が起こるんだろう?」とワクワクしていたら……いつの間にか終わっていました。
重田:“大きな何か”がある前提だったんですね?
タカロク:はい。先ほども言いましたが、SNSでの流行り方が「共感してほしい」「驚いてほしいから絶対ネタバレは言わない」みたいなタイプの流行り方だったので、どうしても最後への展開への期待値が高くて……。
各務都心:この作品、どんでん返しはいらないんじゃないかって気がするんです。あった方がバズるのは分かるのですが……それより手前がこんなに楽しかったのに、となる。
タカロク:『逆転裁判』のような1話完結型のゲームだと思って遊んでいたら、また印象は違ったかもしれません。












