ノンストップレトロ風アクション『Speed Limit』―イベントがオンラインとなり、オフラインでは考えられない量のイベントに参加できた【開発者インタビュー】 | Game*Spark - 国内・海外ゲーム情報サイト

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ノンストップレトロ風アクション『Speed Limit』―イベントがオンラインとなり、オフラインでは考えられない量のイベントに参加できた【開発者インタビュー】

クロアチアのスタジオによる作品。いろんな国から個性豊かな作品が出てくるのは担当としても嬉しいです。

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ノンストップレトロ風アクション『Speed Limit』―イベントがオンラインとなり、オフラインでは考えられない量のイベントに参加できた【開発者インタビュー】
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気になる新作インディーゲームの開発者にインタビューする本企画。今回は、Gamechuck開発、PC/PS5/PS4/Xbox Series X|S/Xbox One/スイッチ向けに2月17日(機種によって多少前後)にリリースされたノンストップレトロ風アクション『Speed Limit』開発者へのミニインタビューをお届けします。

本作は、次々とジャンルが変わるステージを高速で駆け抜けるレトロ風アクション。通勤電車に乗っていたプレイヤーは、突然事件に巻き込まれます。謎の組織に追われ、プレイヤーは11の様々なステージをノンストップで駆け抜けなければなりません。日本語にも対応済み。

『Speed Limit』は、900円で配信中(Steam)





――まずは自己紹介をお願いします。

AlexGamechuckのCEOのAlexです。本作の開発初期において、プログラミングとレベルデザインも行いました。Gamechuckは設立間もないスタジオで、本作はすべてのコンソールに対応した初の作品となります(以前Steam向けにインタラクティブコミックをいくつか配信しました)。Gamechuckは、ゲーム開発において面白いアプローチをとっています。私たちはオープンソースソフトウェアの大ファンなのです(Gamemaker StudioからオープンソースであるGodot Engineに切り替えたり、PhotoshopではなくKritaを使ったり、など)。また、労働組合を作り、ゲーム開発においてクランチ(注:ゲームリリース前に行われる過酷な長時間労働)をしないように気を使っています。

――本作の開発はいつどのようにして始まったのでしょうか?

Alex本作は、弊社のゲームデザイナー兼共同創設者のIgor Kolarが以前から温めていたアイデアの一つでした。本作の開発については、Igorが様々な視点からブログに書いています(英語)

簡単にいうと、本作は何年もの間プリプロダクション段階でした。しかし2019年の夏に開発資金が得られたので、開発をスタートさせたのです。信じられないかもしれませんが、一年で完成できました。最初の6ヶ月間はプログラマーが一人しかおらず(グレート・ドラゴン・ウィザードのVanja、又の名はNerri)、ドット絵アーティストも一人だけでした(Jurica Cvetko。クロアチアにおいて数少ないプロのドット絵アーティスト)。もちろん、ゲームデザイナーのIgor Kolarもサポートを行いました。

2020年春にデモ版が完成すると、チームの人数を増やし、もう一人のプログラマー(Karlo。弊社ブログ上で本作のプログラミングについて執筆しています)とすべてのレベルデザインを刷新することになるJanが参加しました。この時、私たちはパブリッシャーと契約し、本作の本格的な開発が始まったのです。

2020年の夏には開発が終了し、テストプレイ、品質保証、マーケティング、移植作業、ローカライズと言ったポストプロダクションが始まりました。素晴らしいパブリッシャーであるChorus Worldwide Gamesには大変お世話になりました。

――本作の特徴を教えてください。

Alex本作は短いながらも、とても作り込まれたゲームになっており、あらゆるディテールにこだわっています。音楽は昔のサウンドトラックのようにアナログシンセサイザーを使用して作られていますが、現代のデジタル技術も使われています。グラフィックは360pですが、突然1080pのドット絵が突然飛び出してきて、おじいちゃんの時代のドット絵じゃないんだということに気づかされるでしょう。

ゲームプレイ面でもかなりクレイジーです。いくつかステージが終わり、プレイヤーが「慣れてきたかな」と思った途端、突然ゲームのジャンルが変化し、横スクロールだったものが俯瞰視点のカーチェイスになったり、3Dバイクゲームになったりするのです。他のゲームではできない体験であり、特にレトロゲーム好きにとってはぴったりな作品でしょう。

――本作が影響を受けた作品はありますか?

Alex本作はビジュアル面で「ダイ・ハード」「ターミネーター2」「スピード」「ブルーサンダー」「トゥルーライズ」と言った古典的アクション映画から、「マトリックス」「ウルヴァリン」と言った最近のアクションものまで、幅広く影響を受けています。ゲームプレイ面では、『メタルスラッグ』『Road Rash』『Earthworm Jim』、アタリ版『Star Wars: Return of the Jedi』『グランド・セフト・オート(初代)』『Spy Hunter』『アフターバーナー』と言った多くのレトロゲームから影響を受けました。他にも80年代、90年代のアクション映画の影響もありますね。

本作が影響を受けたものは、本作で解除できる実績を見て貰えばわかるかと思います。そのほとんどが原作へのオマージュとなっているのです。

――新型コロナウイルスによる開発への影響はありましたか?

Alex春にあった短いロックダウンの際、私たちは自宅から作業をしなくてはいけませんでしたが、それが本作の開発にとって良かったのか悪かったのか、正直わかりません。開発が遅れてしまうんじゃないかとパニックになり、毎日オンライン会議を行い、開発が加速したということもあるかもしれません!

また、ロックダウンにより多くのイベントがオンライン開催となり、オフラインでは考えられないような量のイベントに参加できました。これにより本作を宣伝でき、多くの人の目にも留めていただき、連絡先を交換することもできたのです。

――本作の配信や収益化はしても大丈夫でしょうか?

Alexはい、本作を使ってぜひお金を稼いでください!私たちは気にしませんよ。

――最後に日本の読者にメッセージをお願いします。

Alexいつか日の出ずる国を訪れ、美しい寺社や葛飾北斎の絵を見てみたいです。日本の皆さんには、私たちのゲームを気に入っていただけると嬉しいです。本作のスイッチ版の無料体験版が、日本で配信開始わずか数日で何千回もダウンロードされたという話を聞きました。すでに興味を持っていただけている方もいるようで嬉しいです。

最後に、日本語でダジャレを考えてみました。通じるかわからないのですが、「速度制限はありません」です。つまり、「速度制限(Speed Limit)をぶち壊せ」という意味と、「何でもあり」という意味です(訳者注:きびしい)。生まれ変わったら、ゲーム開発じゃなくて言語学を勉強するのも良いかなと思っています。それではまた!

――ありがとうございました。

◆「注目インディーミニ問答」について
本連載は、リリース直後インディーデベロッパーメールで作品についてインタビューする連載企画です。定期的な連載にするため質問はフォーマット化し、なるべく多くのデベロッパーの声を届けることを目標としています。既に400を超える他のインタビュー記事もあわせてお楽しみください。

《Chandler》
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