サイケデリックメトロイドヴァニア『Fearmonium』―SFC『ピノキオ』に感銘を受け、半年は画力の向上に専念しほぼ一人で作り上げた【開発者インタビュー】 | Game*Spark - 国内・海外ゲーム情報サイト

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サイケデリックメトロイドヴァニア『Fearmonium』―SFC『ピノキオ』に感銘を受け、半年は画力の向上に専念しほぼ一人で作り上げた【開発者インタビュー】

ロシアのソロインディー開発者による新作。日本語にも対応予定とのことです!

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サイケデリックメトロイドヴァニア『Fearmonium』―SFC『ピノキオ』に感銘を受け、半年は画力の向上に専念しほぼ一人で作り上げた【開発者インタビュー】
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気になる新作インディーゲームの開発者にインタビューする本企画。今回は、Redblack Spade開発、PC/Mac/Linux向けに5月20日にリリースされたサイケデリックメトロイドヴァニア『Fearmonium』開発者へのミニインタビューをお届けします。

本作は、少年Maxの心の中を冒険するサイケデリックメトロイドヴァニア。巨大なマップ、コンボアタックやユニークな能力、人間の認知や恐怖症の描写、そして『Cuphead』のようなレトロ風手書きグラフィックなどが特徴です。記事執筆時点では日本語未対応。

『Fearmonium』は、1,320円(5月28日までは10%オフの1,188円)で配信中



――まずは自己紹介をお願いします。

Slava Gris氏(以下Slava)皆さん、こんにちは!Slava Grisです。本作の開発はほとんど私1人で行いましたが、音楽とローカライズだけは周りの人に助けていただきました。とは言え、本作のアート、プログラミング、ゲームデザイン、プロット、その他すべては私1人で行っています。

――本作の開発はいつどのようにして始まったのでしょうか?

Slava本作の開発は3年前、私の一つ前の作品である『Catmaze』(開発者インタビュー)のリリース直後にスタートしました。この作品はドット絵スタイルだったのですが、私はドット絵を描くのに疲れてしまい、これまでとまったく異なる、新しいスタイルのゲームを作ろうと決めたのです。当初、今ご覧いただけるスタイルの描き方がまったくわからず、最初の半年はただただ画力を上げることに集中しました。

――本作の特徴を教えてください。

Slavaゲームというものは、遊んだ人に素晴らしく奥深いストーリーを体験していただくことができるものだと思っています。このような形の芸術作品は、「若者が世界を救う」と言うようなもの以上のことを伝えることができると思っていますので、私はまずプロットを作り、それに肉付けしていくようにして本作を形作っていきました。私は心理学の修士号を持っているので、心理学の知識とそれを面白く伝える術を使わないのは勿体ないと思いました。そのため、本作ではMaxの頭の中の世界を描きつつ、人々が肥大するノイローゼに対して使用することができる「心理的防衛」の原理の説明を試みています。

本作のゲームプレイですが、メトロイドヴァニアというジャンルに多様性を追加するため、ゲームプレイが大きく変わるような場面が多くあります。例えば、バスからスクーターに乗って逃げたり、水の上でピエロの頭に乗ったりと言ったシーンが登場するのです。

――本作が影響を受けた作品はありますか?

Slava本作のビジュアルスタイルを模索しているとき、ある有名で美しい、30年代~60年代のディズニースタイルの2Dアクションゲームに出会いました。完璧なアニメーション、多様なゲームシステム、素晴らしい雰囲気には感銘を受けました…スーパーファミコンの『ピノキオ』です。

本作のためにアイデア集めをしていたときに感銘を受けたものが、本作のビジュアルを決定しました。初期のディズニー作品のアニメーションの質とスタイルには驚かされたのですが、活気に満ちた雰囲気やカラフルさがすぐには好きになれませんでした。しかし、GHOSTEMANEと言うミュージシャンの「Mercury」と言う曲のミュージックビデオを見て、考えが変わったのです。

昔のカートゥーン風でありながら、ダークでアグレッシブな音楽に合わせ、サイケデリックに変化する様が大好きです。まさにこれこそ、私が求めていたものだったのです。

――本作の日本語対応予定はありますか?

Slava本作のSteamでのリリースはセルフパブリッシングですが、コンソールでリリースするにはパブリッシャーが必要です。すでにラタライカゲームスと契約し、いくつかの言語への翻訳も開始しています。もちろん、日本語も含まれていますよ!準備ができましたら、Steam版も日本語に対応させる予定です。

――新型コロナウイルスによる開発への影響はありましたか?

Slava正直、ありました。しかし、良い意味でだったのです。私は1人で仕事をしており、本作を完成させるために必要だった唯一のものは、自由な時間でした。ロックダウンの間、外の世界はまるで時間が止まったかのようであり、自由な時間がたくさんできたのです。パーティーもなくなり、イベントもなくなり、友達に邪魔されることもなくなりましたので、気が散ることもほとんどなくなったのです。

――本作の配信や収益化はしても大丈夫でしょうか?

Slava本作を楽しんでいただいているのでしたら、それを止める理由なんてありません。私がゲームを作る理由は、皆さんをハッピーにするためですので、楽しんでもらえるのでしたらどんなことでもしていただいて大丈夫です。もちろん、まずはご購入いただきますが(笑)。収益化などについても、誰かを楽しませるものでしたらまったく問題ありません。

――最後に日本の読者にメッセージをお願いします。

Slava私は日本文化が大好きです。たくさんの変わったゲームが日本では作られてきました。実は、私のお気に入りのゲームはどれも日本のゲームです!そして日本のゲーム会社が名作を作り続けられるのは、皆さんのサポートがあるからです。つまり、皆さんのセンスが素晴らしいのです!

――ありがとうございました。

◆「注目インディーミニ問答」について
本連載は、リリース直後インディーデベロッパーメールで作品についてインタビューする連載企画です。定期的な連載にするため質問はフォーマット化し、なるべく多くのデベロッパーの声を届けることを目標としています。既に400を超える他のインタビュー記事もあわせてお楽しみください。

《Chandler》
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