
いよいよ配信される、アイレムの横スクロールシューティングゲーム『R-TYPE III』をフルリメイクしたKRITZELKRATZ 3000開発の『R-Type Dimensions III(アールタイプ・ディメンションズ3)』。コンソール版に先駆けて配信されるPC版のSteamキーをININ Gamesより提供いただいたため、本作のプレイレポをお届けします。
なお、本作のパブリッシャーはプラットフォーム毎に異なっており、PCとXbox版はININ Gamesが、ニンテンドースイッチ/ニンテンドースイッチ2/PS5版はTozai Gamesが担当しています。
以降の内容については、Steam版ローンチ前のビルドによるものであるということはご了承ください。
2D/3D表示に切り替えられるディメンションズ化を果たした『R-TYPE III』
本作は2009年にリリースされた『R-Type Dimensions』のコンセプトを引き継ぎ、『R-TYPE III』の移植という側面を持ったオリジナルの2D表示に加え、リメイクされた3D表示へリアルタイムで切り替えられる特徴を持つSTGです。なおオリジナルとなる『R-TYPE III』は、1993年にSFC向けに発売された横スクロールSTGで、高い完成度からシリーズファンには人気の作品でした。
基本的なシステムは『R-Type Dimensions』を踏襲しており、戻り復活のクラシックとその場復活でゲームを続行できるインフィニティの2つを搭載しています。画面設定では3Dカメラのノーマル表示と斜め後ろから傾けたアングルの他に、2Dエフェクトにはスキャンラインを実装しています。特に力が入っているのが3Dエフェクトで、32bit機のコンソールの解像度を意識したような表現にするレトロ8ビットという設定などもあります。


グラフィックモードを3Dにして早速ゲームプレイを始めてみると、3Dモデルやエフェクト、ライティングの水準は高く、3月末のハピネットゲームフェスで触れた際に感じた感触の良さや派手なサウンドは健在でした。
3Dグラフィックの特徴と言えば、敵やステージの背景が新しく解釈されていることでしょう。これはフォース選択時に見える自機のコックピット内も同様です。3D化されたフォースと共にパイロットの腕や計器も変化しています。3Dモデルの解釈自体も元のデザインの特徴を上手く拾えており、「こんなデザインだったのか」と感心するシーンもありました。また、自機の波動砲や通常ショットがステージへ与えるライティング効果によって、かなりリッチに見えます。

特に素晴らしいのが通常ショットの発射音とヒットサウンドです。「自機が撃った」と「敵に当てた」感覚が明確になっているために、敵の出現パターンがほぼ同じなのに新作を遊んでいる気分になったのは、まさにフルリメイクという宣伝文句に恥じない内容であると思えました。加えて、アレンジBGMもオリジナルBGMに負けず劣らずパワーアップしており、全ステージ通して中弛みせずにテンションが維持出来ているのは見事です。


ゲームプレイそのものはオリジナル版にあった処理落ちは無くなっているために、全ステージを通して快適に遊べるようになったと感じる瞬間は多いです。しかし、処理落ちがなくなったことでステージ3のボス戦の難易度が上昇しているため、新しくパターンを組む必要があります。しかし、これらは本稿の後半で後述するような内容に比べれば、十分な新鮮さに基づく面白さも提供しています。
3Dグラフィックで新たに生まれ変わったステージ達
ここからは、3Dグラフィックによって変化した各ステージの印象を紹介します。2Dグラフィック自体はオリジナルの『R-TYPE III』と同じなので触れませんが、3D版になるとステージの見た目が大きく変わります。
次元カタパルトが舞台のステージ1は、3Dグラフィックにすると進行方向から流れてくるデブリがより詳細に見えることや、フレームの枠組み、回転する筒状の物体を含めて新たな発見が多く、見ていて楽しいステージに仕上がっています。ステージ2は、元のデザインをそのまま3D化したような内容なので、音楽面も含め、光沢感が特徴的な生物系ステージをよりリッチに表現していると思いました。


ゲームプレイ的に変化したのがステージ3でした。道中そのものの攻略はオリジナルとほぼ変わりませんが、ボスのコース・グラブ戦の処理落ちによる猶予がなくなったことで、結果的に難易度が上昇しています。ボスの動きをしっかりと覚え、しっかりと対応すれば突破できますが、初めて戦うようなボスであるとも思えました。


グラフィック的に大きく変化したのがステージ4でしょう。2Dグラフィックでは、背景の溶鉱炉的な物体は控えめに暗く描かれていましたが、ステージ全体を含めて明るくなっており、このステージのモチーフがわかるようになっています。特にボス戦は、背景が回転するのですが、3D表示においてはスムーズに回転するために、光球やボスの挙動が把握しやすく、プレイしていて楽しいボス戦になっています。ここは『R-TYPE FINAL 2』のオマージュステージX1.0で再現されていなかった要素なだけに嬉しいものです。




ステージ5は、大きく変わったと感じられる部分が多くなく、2Dグラフィックをそのまま3D化したような印象を受けます。変わったと思えるのはボスのファントム・セル戦において、ドブケラドプスなどかつて戦ったボスへ変異する時の演出がより自然となったところでしょうか。


ステージ6は、ワームホールの表現が気になりました。2Dでは自機と背景が明確に仕切られていましたが、3Dではグラデーションのように色が変わり、ワームホールの先端位置が直感的に把握しづらくなっています。一方でマザーバイド戦では、胴体撃破後の亜空間から通常宇宙への脱出シーンで背景の表現が豊かになったのは良い変化です。



他にも全体的に3Dグラフィックは明るいものの、視認性それ自体は悪くなく、敵の弾を含めて見やすいと思えました。自機の当たり判定はコクピット根本からエンジン先端までの四角で、これもプレイ感覚からはそう乖離しておらず若干横に広いと感じるぐらいです。ロード時間やフレームレートも気になるほどではありませんでした。また、ボスなどの爆発表現はフルリメイクとして遜色なくパワーアップしており、初発表トレイラーであった2Dの爆発表現をそのままトレースしたものよりかは印象が良くなっています。
所々に見受けられる不具合、調整は間に合うか…?
ただプレイしていて全体的に気になったのは不具合や、調整不足を匂わせる部分が目立ってしまっていたことです。
純粋な不具合として目立ったのは、インフィニティモードにおいてラウンドフォースの対空レーザーが途中で射撃されなくなる現象でした。他にも、オリジナルと異なり敵の一部攻撃をフォースが防げないこと、BGMがループしないことや、BGMのフェードイン/フェードアウト処理が実装されていないこと、一部画面エフェクトとサウンドエフェクトが無いこと、ボスやザコ敵の耐久力がオリジナルより高すぎたり低すぎたりすることなど、本作がグラフィックを変えただけの完全再現復刻版ではないということを前提にしたとしても、デバッグと調整が最後まで終わっていない印象を受けます(特に目立つのがステージ2のボスがフルチャージ波動砲2発で倒せてしまうこと。SFC版では7発ほど必要)。

フルリメイクとしてみた際にSTGの基本のひとつともいえる「敵を倒した感触」が非常に良いだけに、アレンジBGM版によるタイトル画面のSEに迫力がないこと、オープニングの演出がSFC版を踏襲していないなど所々小さな不満も含めて、(発売前の製品ではあるのですが)完成一歩手前の作品をプレイしているような感覚でした。

月並みながらも「アップデートに期待」
『R-Type Dimensions III』が目指すリメイクされた3Dグラフィックやサウンドはとても良く、まさに「最新版として現代的に再構築された体験」というSteamストアの説明文の通りです。弾を撃ち、敵を倒す快感は高く、次世代のスタンダードと旧作のグラフィック・サウンドの両立も実現しています。しかしながら、調整されていないような敵の耐久力や、ラウンドフォースで対空レーザーが撃てなくなる不具合を含めて、「とても惜しい」と言わざるを得ません。
とはいえ、問題となる内容自体は決して修正が不可能なほどに根が深いようにも見えず、願わくはSteamローンチには間に合わずともコンソール版発売までにはパッチが配信され、改善をみてくれればと思います。あと一歩、あと一歩だけ、という感じなので余計にただただ惜しいです。そのあたりはシリーズファンなら、アップデートに期待して、本作を支えるための購入を検討しても良い範囲ではあるとは思います。

『R-TYPE Dimensions III』はPC版が5月19日に、ニンテンドースイッチ/ニンテンドースイッチ2/PS5/Xbox Series X|S版が6月18日に発売予定。価格は、ニンテンドースイッチ/PS5パッケージとDL版が5,940円(税込み)、ニンテンドースイッチ2パッケージとDL版が6,930円(税込み)。ニンテンドースイッチ限定版が9,790円(税込み)、ニンテンドースイッチ2限定版が10,780円(税込み)です。











