真似をしたくなるほど格好良い主人公っていますよね。
『FF7』のクラウドに魅力を感じていた中学生の頃、何事にも興味がない人間を演じていた痛い時期がありました。
今回のゲームの主人公は、真似るのが簡単そうです。なぜなら……

……ただトイレで唸っているだけのおっさんだな。
そう、グラスホッパー・マニファクチュアが手掛け、マーベラスから発売されたニンテンドースイッチ向けソフト『ノーモア★ヒーローズ3』です。
本作は、オタクな殺し屋トラヴィスが、愛用のビーム・カタナでスタイリッシュに敵をぶっ倒し、殺し屋ランキング1位を目指す『ノーモア★ヒーローズ』シリーズの最新作。セーブポイントがトイレなのがシリーズ通しての特徴で、ゲームを終了する時も再開する時もトイレに入らなければなりません。
これはまさか今年のトイレ・オブ・ザ・イヤー最有力候補なのかも……。
本作では、ついに宇宙人が敵として登場するのだとか。一体どんな超展開が待ち受けているのでしょうか。
危なくなったらトランスフォームで大逆転!

昔、トラヴィスがハマっていたものがあった。それは宇宙人の襲来に一人の男「デスマン」が立ち向かうゲームだ。
凶悪なデス星人を倒し、最後のデス将軍を倒せばデスマンは自らの正体を明らかにするのだが……結末は忘れてしまった。
デスマンの謎は今も残ったままだった……。

そういえば昔、『神龍の謎』や『イカロスの謎』、『十王剣の謎』といったゲームタイトルをプレイしていたなあ。ただ、どれも未クリアで、謎は謎のままだった。

オープニングムービーが終わり、ソファで寝落ちしていた主トラヴィスが目を覚ましたところから本編が始まる。

トラヴィスが外に出ると……ちょうど「デスマン」よろしくの宇宙人が地球を侵略するために襲来していた!

超展開の勢いそのままにザコ宇宙人とのチュートリアルバトルが始まる。
攻撃方法は弱攻撃と強攻撃の2種類。ボタン連打やジャンプを組み合わせることでコンボが派生する。
敵の攻撃をタイミングよく回避すると周囲がスローモーションの状態になり、敵をタコ殴りにするチャンスが生まれる「ジャスト回避システム」なんてのもある。
ゲームが得意な人にとってはノーダメージクリアなんかも目指せちゃう役立ちシステムだが、ゲームが下手くそな僕にとってジャスト回避は……

ボタンを連打しまくっていたらたま~に発動するもの……。
ジャスト回避システムがあるゲームでは、敵の攻撃をひきつけ過ぎていつもタコ殴りにされていた……。

他にもドロップキックなどのプロレス技や、スロットの演出が行われ、揃った絵柄によって効果が変わるスラッシュリールといったシステムもある。

スリーセブンが揃えば、なんとフルアーマートラヴィスにトランスフォーム!ミサイルをぶっ飛ばして敵に大ダメージを与えられるのだ!
これが全米ナンバーワンの伝説の殺し屋に秘められた力か……!
地球を守るためにはトイレ掃除も大事!

突如現れた宇宙の破滅王「FU」は、銀河系スーパーヒーローランキングに名を連ねる10名の宇宙人を率いて地球征服を宣言した。
トラヴィスはその企みを阻止するため、地球代表として10名のランカーたちと戦うことになる。

ランカーに挑むには指定試合を一定数クリアしなければならない。フリーマップを移動して指定試合のポイントを見つけ出す必要がある。

指定試合以外にも、押し寄せる敵を倒し続ける防衛ミッションや、街の人からのお願いを聞くボランティアミッションが存在するぞ。

個人的に一番好きなミッションは、トイレ詰まりを直すミニゲームだ。
これもうトイレ・オブ・ザ・イヤー確定だろ……!

そして指定試合をこなしていけばいよいよランクバトル。つまりボス戦だ。
最初のボスはMr.ブラックホールだ。「ワープホール強盗」の二つ名を持つ。異空間から腕を伸ばして攻撃してきたり、ブラックホールの落とし罠を使ってきたりする。

その次のボスはゴールド・ジョー。二つ名は「宇宙鉱物密売人」で、磁力を操る。
ボスステージにある色がついた床を踏むと、トラヴィスの体にS極あるいはN極の磁力が纏ってしまう。ゴールド・ジョーは、これを利用してトラヴィスを磁力で引き寄せたり弾き飛ばしたりして攻撃してくる。トラヴィスもその攻撃を回避するためにタイミングよく反発する極の床を踏む必要があるのだ。
ボスには「爆殺王」や「異空間誘拐犯」といった物騒な二つ名がつけられており、それぞれが二つ名に合ったユニークな戦い方を仕掛けてくる。それでも攻撃方法さえじっくり見極めれば恐るるに足らずと思っていた。
しかし……それはゲームが上手い人の話。ゲームの腕前が良いとこ中の下の僕では、頭でわかっていても指先がついていかないのだ……。

回復アイテムの寿司をムシャムシャ食べながら戦うも、あっけなく敗北。
本作には3段階の難易度があり、僕が選んだのはノーマルにあたる「BITTER」のはずなんだけど……ちょっと難しくない?

ゲームオーバーになると……ルーレットが回せる!
止まった場所によって、リトライ時に攻撃力が増加したり、体力が全快してその場で復活出来たりする。ハズレもあるが、利点のほうが遥かに大きい。

死を乗り越えて調子をこいたおじさんは……なんか感じ悪い!
自宅は癒やし空間…猫チャンと遊べ!

バトルに疲れた時は自宅のモーテルで心を癒やすと良いだろう。
寝室はアニメのポスターなどのキャラクターグッズに溢れている。さすがはオタクだ。

地下の部屋ではトラヴィスのパワーアップが出来る。バトルで手に入れたお金を使って体力や攻撃力、スキルレベルの向上が可能だ。

ステータス向上などの効果を持つ装備アイテムの作成や、寿司の出前も注文出来る。

また過去に戦ったボスと再戦出来るタイムマシンの設備もある。

難易度は5段階から選択出来るので、各種設備でパワーアップしたあとに低難易度で挑めば、かつて苦戦した相手もボコボコに出来るぞ!

そして本作最大の癒やしは……トラヴィスの部屋にいる猫のジーンだ。でっぷりしていて可愛い!
僕が飼っている愛猫のひじきもでっぷりしているので、ジーンにはどこか親近感がある。

このジーンに対しておやつをあげたり、キャットタワーの上にいるところを撮影したり、ボール投げのミニゲームで遊んだりと愛でる方法は幅広い!可愛い!
「本作にハマりっぱなしで、今日はひじきと遊んであげていなかったな。仕事は中断して遊んでやるか!」と思ったのだが……

今はそういう気分じゃなかったのか、軽く無視されてしょぼん。
そういえば、ジーンも猫じゃらしには無反応だったな……。
クリア時間は25時間ほどでした。いや~、今回もハチャメチャでしたね!過去作に比べてバトルのテンポが良くなり、爽快感が増していました。
難易度は中間にあたるBITTERで挑んだのですが、かなり手こずりました。リトライ時のボーナス付与、寿司や強化要素のおかげで詰まることはありませんでしたが「素直に一番優しい難易度にしとけばなあ……」と後悔することがちょくちょくありました。
バトルの操作性は良かったのですが、フリーマップを移動する際にカクつくところがあったのが少し気になりました。また、ロードもちょっと長かった印象です。
いたるところにゲームやアニメのオマージュが散りばめられていますが、元ネタを知らなくても雰囲気だけで全然楽しめると思います。シリーズ未プレイの人でも「ぶっ飛んだオタクの殺し屋が主人公」とだけ知っていれば問題なくハマれるストーリーになっています。
『ノーモア★ヒーローズ3』はニンテンドースイッチを対象に発売中です。