最新ゲームが毎日大量にリリースされる昨今。メーカーやストアのゲーム紹介だけでは「どんなゲームかわからない!」とお嘆きのGame*Spark読者も多いのではないでしょうか。そこで“なるべく早く”ゲームの生の内容をお届けするのが本企画「爆速プレイレポ」となります。
今回は2022年9月27日に発売されたNovaquarkのPC(Steam)向けサンドボックスSFMMO『Dual Universe』を紹介します。
『Dual Universe』とは
まるで台風が秋を引き連れてきたかのように、あの暑さが嘘のように鳴りを潜め一気に秋が深まった今日この頃。中秋もとうに過ぎてしまいましたが、今宵も相変わらず見事な月が辺りを照らしています。月や星を愛でるには、実にいい季節となりました。そして、かかるキレイな星月を眺めていると、ふとSF好きの心に火が灯るのです。
ということで、本日紹介するのはNovaquarkのPC(Steam)向けサンドボックスSFMMO『Dual Universe』です。このゲームは単一の世界に複数人が参加するMMOで、ボクセル系サンドボックスの要素が取り入れられており建物から宇宙船まで色々と思いのままに作れるゲームなのです。
とこう聞けば、SFMMOの金字塔『EVE Online』を連想されるかもしれませんし、ボクセル系サンドボックスというと『マインクラフト』などが有名ですね。言うまでもなく、どちらも知名度抜群で人気のほども言わずもがな。これらの人気のエッセンスを混ぜ混ぜしたような本作、はてさて実際はどうなのか、少し味見をしてみましょうか。
『Dual Universe』の実内容に迫る!
ゲーム開始、って早速地球は滅びています。でもSFだからってよくありがちな敵対的な宇宙人による侵略などではありません。中性子星の衝突だそうです。まぁそういうことなら仕方がないですよね。「未曾有の天災」ってやつです。
仕方がないので、人類は星間移民船で新天地へ向け大移動を開始。うん、いいですねこの構図。まるで「2001年宇宙の旅」みたいじゃないですか。
カットシーンが終わると、まず初期の拠点と地表移動用のホバーシップの選択、それと拠点の場所を決めます。
ずらりと並んだ人工冬眠カプセル。そこからプレイヤーが覚醒して本編開始です。
…あの、ここどこでしょうか?オロオロしているとAIさんが声をかけてくれました。なんでも軌道降下用のドロップシップの中だそうです。促されるままに操縦席に着くとちょっとした操縦チュートリアルの開始です。といってもまったり降下するだけなのですが。
ドロップシップってもっとこう重装甲で重装備、複数の兵器(人型)が搭載可能なものと相場は決まっているはずですが、あくまでこれは非武装のようです。
そうこうしているうちに地上に到着。地表にはこのように様々な鉱石があります。ついでなので軽く採掘しておきましょうか。
しばらくは画面左上のチュートリアルに従って進めていきます。
インベントリ内には最初に選んだ拠点とホバーシップの青図面が入っています。なんとこれ、ボタンひとつで複雑な構造物も組み上げてくれるすごいものなんですよ。
…ただし、設置前に入念に整地をしておきましょう。手を抜くと、このように拠点横の滑走路のど真ん中に岩があったりキノコが生えていたりしてすごい邪魔ですから。
TABキーを押すと、左側にズラズラとメニューが出てきます。…どこか既視感のあるUIですが、まぁいいでしょう。できることは山ほどありますが、当面は素材を獲得して、生産して、売買するというのが基本的な流れになるでしょうか。
成長要素ですが、一定時間ごとに溜まっていくタレントポイントを任意の能力に割り振っていく形となります。タレントポイントは時間経過で獲得するのが一般的ですが、チュートリアル完了の報酬であったりその他獲得する機会がままあります。
ボクセルによる建造要素ですが、実はまだ触れられていません。前述のタレント獲得にしろアイテム生産にしろ、何かと時間が必要なのです。
軽くホバーシップやチュートリアル代わりのVR訓練の中で触った感じだと、宇宙船や航空機の操作具合は割と簡単で、なめらかに操縦できます。大型艦になるとまた違う感覚なのかもしれませんが、現時点で体験できるのはあくまで小型機なので。
ターレット操作の訓練もあります。といってもここでは目標を選んで攻撃開始を選択するだけですが。レーザー砲がバシバシ目標を攻撃してくれますが、いかんせんエフェクトが地味です。…もうちょっとこう、派手な爆発とか穴だらけになる装甲とかシールドに舞う紫電とか、SF好きに刺さるエフェクトが欲しいところですね。
総評すると、コンセプトは理解できるし魅力的でもあります。ただし、いろいろ物足りない部分や逆に要素を詰め込みすぎている部分もあったりする印象です。
前述のエフェクトもそうですが、自分が思う一番の課題はとにかく初期段階でできることが少ないという部分です。初期選択のホバーシップですが、あくまで非武装の単なる移動用。せめて武装した戦闘型、積載量と速度重視の交易型、速度特化のレース型といった具合にプレイヤーの好みに合わせた選択と、最低限のタレントセットの初期取得ぐらいはして欲しいかなとは思います。
加えて、拠点付近には野生動物やら敵性NPCが湧くわけでもなく、できるのが採取だけというのがなんとも味気ない。弱くてもいいからレーザーの1発ぐらいは撃たせてよってね。で、暇つぶしにVR訓練を受けてみても、淡々とAしろBを押せやれ視点移動だなんだの繰り返し。こういうやらされている感溢れるチュートリアル、苦手なんです…。
逆にごちゃごちゃしているのが、UIだったりタレント要素です。直感でわかりやすくというのがUIの鉄則のところ、小さめでかつ似たようなアイコン。加えて同じ色なもんでぱっと見では混乱します。タレント要素もやたら数が多くて、初心者にはハードル高いなと思いました。
さらに拍車をかけるのが月額課金制という珍しいスタイル。謳い文句である「いろいろできる」ようになるには、タレントポイントを貯める時間が必要。でも、あまりに初期段階でできることが少なすぎて課金までするモチベーションが…というわけです。
このあたりは『EVE Online』が無料でも体験できる要素を増やしてきている辺り、新規プレイヤーの定着を考えているのは明らかで、今後差がつく要素ではないでしょうか。
ボクセル系サンドボックスとスペースコンバットシムの組み合わせですが、実のところさして珍しいものではありません。冒険重視となれば『Empyrion』がありますし、スペースコンバットシム色が強いものだと『Avorion』などがあります。あるいは、スペースコンバットシムでいえば『X』シリーズや『Elite』シリーズなどが、またMMOでも『Star Citizen』や『EVE Online』があるわけで、こうした先行作品と互角の戦いをするのであれば、何かしら一芸に秀でる必要があるのですが現段階では決定的に欠けているように思われます。
また、リリースから間もないこともあり、動作の安定性や最適化、またバグなども少々気になる点であります。執筆時点の2時間弱の間にCTDが3回、影の設定を一段階変えるだけで大きく変化する負荷、拠点のドアが反応しなくなるバグ、エラーによるログイン不能などがありました。後者の2点に関しては、サーバーメンテナンスを経て解消したように思われますが、引き続き今後の改善を期待したい部分かと思います。
あー、レーザー砲やら大型レールガン撃ちたかったなぁ…。派手な爆発、見たかったなぁ…。昨日公開のあの映画見に行こうかな…。
タイトル:Dual Universe
対応機種:PC(Steam)
発売日:2022年9月27日
記事執筆時の著者プレイ時間:2時間30分
価格:月額1,520円