
孤島にそびえ立つ、怪しげな館。そして謎の招待状によって集められた登場人物たち……と、ここまで聞くと実に本格ミステリーが始まりそうなムードですが、その犯人が「星メガネ黒マスク&ボイスチェンジャーメイド」だと明らかになった状態で始まるゲームはいかがでしょうか。
今回は、2026年3月28日に京セラドーム大阪9階の「スカイホール」にて開催されたインディーゲーム展示会「ゲームパビリオンjp 2026」から、サークル「ななにのん」による新作タイトル『ミステリーアドベンチャー 犯人はメイド』の体験版プレイレポートとミニインタビューをお届けします。
ツッコミ所の応酬!されど舞台は着実に惨劇(予定)の館へ
タイトルの時点で、既にゲームの説明とネタバレを同時にしてしまっているようにも感じる本作。いざデモ版をスタートしてみると、早速主人公から自己紹介が行われました。

どうやら主人公は強い恨みを持つ人物たちへの復讐のため、連続殺人へと踏み切ることを決意しており、それを完全犯罪として成し遂げる計画を持っている様子。そのため、ターゲット全員をミステリーのド定番「孤島の館」へと招待しようとしているのです。
そこでまずは、ターゲットに怪しまれずに孤島へ呼び出すための招待状を作成することに。選択肢から好きな一文を選んでいくだけであら不思議、怪しく謎に満ちており、それでいて受け取った人物が招待に応じざるを得ないメッセージが完成……しませんでした。
これは決して筆者が全力でふざけたのではなく、むしろできるだけ良い感じにしようとしての結果であることはお伝えしたいと思います。


本作はフルボイスに対応しており、筆者が一生懸命書いた招待状も読み上げてくれるのが地味に嬉しいポイント。主人公はアルバイトを頑張ったから、奇妙な仕掛けがある「安房吉水の館」の一棟を購入できたとのことで、復讐にかける情熱がうかがえますね。
そして時間は流れ、遂にターゲットたちが島へと到着。やってきたのは、
ちょっと気障な感じの名探偵
関西弁で話す小太りで偉そうな社長
あまり深く考えてなさそうな日焼けした肌の陽キャ
どこか他人を見下した高慢な雰囲気の金髪がまぶしい双子の姉妹
チャンネル登録者100万人を誇るインフルエンサー 兼 未亡人
と、ミステリーの教科書の第1章に並んでいそうな特徴を持った人物ばかり。もちろん彼らもフルボイスです。


名探偵まで含まれているとは驚きでしたが、これでターゲットは出揃いました。早速主人公は招待状の送り主のメイドに扮し、彼らを惨劇の舞台となる館へと案内します。
見た目はもちろん完全に隠し通し、声で素性に気づかれないよう「メイド服型ボイスチェンジャー」も装備する徹底ぶり。

主人公のあまりの怪しさにめちゃくちゃ警戒こそされているものの、まさか完全犯罪を計画しているとは夢にも思わない一行を館へと連れていくことに成功。なんとかバレずに計画を進められるのではないでしょうか。
それでは到着しました、こちらが……。

「皆殺シ館」です!……というプレイヤーだけでなく、登場人物にまでネタバラシが行われたところで体験版は終了。
本作は犯人視点で描かれる「完全犯罪」を予告したミステリーであり、何よりも散りばめるどころか軸になりつつあるツッコミどころの数々もコミカルで、色々な意味で続きが大変気になるところです。
「コメディ目当てでも安心して遊んで欲しい」作品に
そして今回は、会場ブースにて『ミステリーアドベンチャー 犯人はメイド』を手がけるゲーム制作サークル「ななにのん」代表であるゲームクリエイター・伏見ひなた氏にお話を伺うことができましたので、ミニインタビューで謎に包まれたゲームの内容に迫りました。
――よろしくお願いします。最初に、本作での担当を教えてください。
伏見ひなた氏(以下、伏見):伏見ひなたです。『犯人はメイド』にて、主にディレクターとシナリオを担当しています。
――デモ版もすごく先が気になる展開でした。ただ、今後ミステリーになるのかは少し不安です。
伏見氏:本作は宣伝でも「タイトルの通りです」と言っているので、ちゃんとミステリーにはなります。ご安心ください。

――冒頭の招待状を書くシーンだけでも笑える選択肢がほとんどで、コメディ要素を強く感じましたし、一部の選択肢なんかは「これでちゃんとゲームが進むのか」と疑ってしまいました。コメディとミステリーのバランスはどういった想定なのでしょうか。
伏見氏:「コメディタッチミステリー」として丁度良い塩梅を目指して作っていますが、前面に出てくるのはやはりコメディ色だと思いますので、笑いながらプレイしていただけるような作品になればと思います。
選択肢についても「シングルエンディング」を謳っていて、バッドエンドやゲームオーバーはありませんので、好きな選択肢で楽しんで選んでいただければと。
――それは安心しました。影響を受けている作品などはありますか?
伏見氏:ミステリー部分については、私が好きなミステリー小説や、「名探偵コナン」「金田一少年の事件簿」といった作品の影響は強く受けていると思います。コメディの部分では、あまり思いつかないですね。
インディーゲーム界でもミステリーはとても人気ジャンルになっていて、だからこそコメディ要素が刺さるんじゃないか、と考えて作っています。

――確かにコメディのテイストも「ミステリーあるある」をイジるような内容が多く、ミステリー好きだと一層笑えるかもしれません。
伏見氏:そうですね。登場人物もミステリー作品のステレオタイプをイメージして設計しましたし、他にも「ミステリーあるある」はたくさん入れています。孤島が舞台なので、「クローズド・サークル」ものが好きな方は、テンプレすぎて笑える部分も多いかと思います。
もちろん、ミステリーに詳しくない方にもギャグ目当てで遊んでいただきたいですし、例えば今の「クローズド・サークル」を解説してくれる用語集のような機能も盛り込んでいきます。
――現在の開発状況はいかがですか。
伏見氏:シナリオやゲームシステムの面では、かなり完成に近い状況です。後はボイス収録が残っているのですが、それがとんでもないボリュームなので、まだ完成は少し先になりそうです。2026年発売予定で開発を進めています。
――最後に「こんな方に遊んで欲しい」という想いがあればお願いします。
伏見氏:ミステリー好きな方に刺さる作品ではありますが、そうでない方にもコメディを面白そうと思ってプレイしていただいて、次第に私も好きなミステリーの世界に親しんでもらえるようになれば嬉しいなと思っています。

今回の「ゲームパビリオンjp」は、野球場の上階という一風変わったロケーションで行われたイベントでしたが、それと同じくらいかそれ以上に一風変わったシチュエーションが楽しめるアドベンチャーゲームとなっている『ミステリーアドベンチャー 犯人はメイド』。
果たして主人公は無事に完全犯罪を完遂できるのかと、ミステリーでありながら犯人のメイドを応援したくなる気持ちも生まれる独特なプレイ感が印象的な作品でした。
Steamではストアページと今回プレイできたデモ版も公開されていまするので、気になった方は製品版ストアページもあわせてチェックしてみてください。













