女性アンドロイドを操るハードSFホラー『SIGNALIS』を先行プレイ…ゆるやかに増えていく“不協和音”のような不気味さ【爆レポ】 | Game*Spark - 国内・海外ゲーム情報サイト

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女性アンドロイドを操るハードSFホラー『SIGNALIS』を先行プレイ…ゆるやかに増えていく“不協和音”のような不気味さ【爆レポ】

ふしぎなディストピアでサバイバル!

連載・特集 プレイレポート
女性アンドロイドを操るハードSFホラー『SIGNALIS』を先行プレイ…ゆるやかに増えていく“不協和音”のような不気味さ【爆レポ】
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最新ゲームが毎日大量にリリースされる昨今。メーカーやストアのゲーム紹介だけでは「どんなゲームかわからない!」とお嘆きのGame*Spark読者も多いのではないでしょうか。そこで“なるべく早く”ゲームの生の内容をお届けするのが本企画「爆速プレイレポ」となります。

本記事では2022年10月27日にリリース予定のコズミックホラーアクション『SIGNALIS』を先行プレイ。実際に遊んでみた生の内容をお届けしたいと思います。

※本記事はストーリーに関わる記述を含みます。ネタバレ・ホラー表現が苦手な方はご注意ください。

◆『SIGNALIS』とは?

本作は未知の惑星を舞台にしたコズミック&サバイバルホラー。主人公は、人型アンドロイドーー通称“レプリカ”の「エルスター」。彼女を操って未知の現象に相対していく、謎解きがベースのサバイバルアクションです。

「スタンリー・キューブリック、庵野秀明、デヴィッド・リンチの作品や古典的コズミックホラーに影響を受けた」と説明される本作は、「自分とはなにか」「記憶とはなにか」というテーマと、アイデンティティの不確かさを味わわされるモノ。レトロテイストでありながらも練られたビジュアル・演出に裏打ちされた世界観が蠱惑的な一作です。

◆本当にコールドスリープから目覚めたの? 虚実いり乱れる“不安”なストーリー

さて、ゲームは「オ・キ・テ」という声と共に、主人公がコールドスリープから目覚めたところからスタート。無人の宇宙船でひとりっきり。まずは状況把握から始まります。

ちなみに本作は基本的には見下ろし型でゲームが進行。一部マップでは一人称視点に切り替わり、3D空間を探索することになります。

謎解き要素を含めて、直接的な説明が少ないのが本作の特徴。語り部となる主人公は言葉数が少ないので、状況から自分の置かれている状況、そして彼女のアイデンティティを理解していくのはプレイヤーの役目です。

そんな中、探索の途中訪れたコックピットに白い髪の女性が映った写真を発見。絶対にキーアイテムだ! と判断してピックアップします。

そして、豪雪の惑星に宇宙船が不時着していたこと、同乗者が一人いたこと、そしてその人間は先に目覚め、外に出たらしきことが徐々に分かってきましたが……あくまでこれは「2着あるはずの船外活動服がひとつしかない」「コールドスリープ機器がふたつあった」などから筆者が立てた推測で、物語の中で明確に説明されてはいません。

その後、チュートリアル代わりの簡単な謎解きを経て船外に脱出。雪でホワイトアウトした世界を歩いていきます。

しばらく歩くと、雪山のど真ん中に、謎の大穴が……。明らかに場にそぐわない空間です。豪雪の中にあるにも関わらずほぼ雪が落ちていません。そこをさらに進んでいくと、謎の部屋に到達しました。

ある本を取った後、急にPCが動き始め……ホラーな演出が挿入。OPと同じく「オ・キ・テ」と表示され、ふと気が付くと奇妙な施設のトイレに移動していました。

初めの「オ・キ・テ」がコールドスリープからの目覚めを意味してるとなると、次の「オ・キ・テ」は何からの覚醒を意味しているのでしょうか……。

それはさておき、ここでようやく主人公の目的が判明します。この施設にて、先ほど宇宙船の内部で入手した写真の女性、「アリーナ・ソウ」を探していくようです。しかし、写真にはさっき見たときと違う人物が映っています……!

写真に写っていたのは白髪の女性だったはずですが、どうみても違う女性です。そもそも謎の部屋からトイレに移動していること自体が奇妙です。そのことに主人公は困惑していなく、プレイヤーである筆者にはかなりの違和感。

謎の部屋で何か認識が変わったのか、あるいは過去の話・それとも未来の話なのか……。すくなくとも、同じ構図の写真であることは間違いないので、居心地の悪い気味悪さを感じます。

前提からして不可思議な状態ですが、ゲームとしてはここからが本番。全体主義政権「Eusan」が運営し、今ではクリーチャーがはびこる状態になっている「レン軌道インターチェンジ シェルピンスキー」で、写真の女性「アリーナ・ソウ」を探しながら進んでいきます。

謎のクリーチャーとコズミックホラーな演出、そして全体主義ディストピアの融和!

本作はホラー作品として見るなら、クリーチャーが次から次へと襲い掛かってくるような“刺激的なホラー”ではありません。むしろ、不協和音がフェードインするかのようにゆっくりと違和感が増えていく演出が秀逸なモノとなっています。

いま体験していることは現実なのかどうかがあやふやになる、そんな“コズミックホラー”な感触を十二分に体感できる一作ですね。

アクションはシンプルな銃撃戦になりますが、銃弾や所持品が限られます。敵は群れて襲ってくるわけでなく、倒せばそのまま死体が残るタイプとなるので、どの順番で敵を倒すべきかも考えどころ。銃弾やアイテムが無くなったら「逃げる」しか選択肢がありません。

倒れた敵は銃弾をつかわず踏むことでとどめを刺せるのですが、これも弾薬節約のためには非常に重要。走り書きのメモで「倒れたら踏みつけろ 倒れたら踏みつけろ 倒れたら踏みつけろ」と書かれたものがあるのですが、本当にその通りです。

ちなみに、主人公はアンドロイドだけあって、回復手段はやや物騒。電気ドリルのような「修復スプレー」で回復したりします。

謎解き要素に着眼すると、筆者がプレイした範囲ではそこまで難解なものは出てこなかったイメージです。とはいえ簡単すぎということではなく、「視点を変え、読み解いていく」というタイプ。頭を捻るというよりは「そういえば手に入れたメモに記述があったような……」と思い出して、手がかりを集め攻略していく“謎解き”になっていました。

逆に言えば、しっかりとメモを読んでいなかったり、スルーしている要素があると謎が解けない形式。探索が最重要となっていきます。

ですのでストーリーに没入していれば、さくさくとゲームプレイが可能でしょう。しかし、本作のキモは「積み重なっていく不安感」。「さくさくプレイできる」ということは、その分だけホラー展開にさくさく突き進んでいくということです。筆者的に、ストーリーを疎外するレベルに難しい謎解きがないのはありがたいと考えました。

そして、作中には主人公以外のアンドロイドや人間も多く登場。一見可愛らしいのですが、「あっ、どうも」と言いながらナイフを手にクリーチャーらしきモノを解体中だったりします。

基本的に「シェルピンスキー」内部で話は展開するのですが、ところどころで雪山や電車の内部に視点が飛びます。主人公がアンドロイドであるために記憶のバグが発生しているのか、あるいは超常的な何かによって認識が歪むのか……。少なくとも筆者にとっては非常に魅了される演出です。

パッと見は「シンプルな見下ろし型アクション」に見える本作ですが、実際にプレイしてみると、非常に練られた演出が見事でプレイヤーを飽きさせません。たとえば一部のエリアで切り替わる一人称視点や、サブリミナル効果のようなカットイン。今置かれている現状が真実かどうかわからない……そんな空気感を存分に体感できますよ。


本作品はディストピア的世界観と、コズミックホラー的な常識の崩壊が融合した一作となっています。探索の楽しみと、真綿で首を絞められていくような不安感が好きな方はぜひプレイしてみてはどうでしょうか。

タイトル:SIGNALIS
対応機種:PC(Steam / Microsoft Store)ニンテンドースイッチ / PlayStation 4/ Xbox One
記事におけるプレイ機種:PC(Steam)
発売日:2022年10月27日
記事執筆時の著者プレイ時間:3時間
価格:ダウンロード版 1,980円 パッケージ版 4,378円

UPDATE(2022/10/17 19:40):対応機種を修正しました。ご指摘、ありがとうございました。


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《高村 響》

ゲームライター(難易度カジュアル) 高村 響

最近、ゲームをしながら「なんか近頃ゲームしてないな」と思うようになってきた。文学研究で博士課程まで進んだものの諸事情(ゲームのしすぎなど)でドロップアウト。中島らもとか安部公房を調べていた。近頃は「かしこそうな記事書かせてください!」と知性ない発言をよくしている。しかしアホであることは賢いことの次に良い状態かもしれない……。

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