英語版ベヨネッタ旧声優のヘレナ・テイラー氏は10月24日、自身が先日呼びかけた『ベヨネッタ3』ボイコットに関連した声明を出しました。
2022年10月15日、テイラー氏は自身が『ベヨネッタ』『ベヨネッタ2』でベヨネッタの英語版声優を務めたにもかかわらず、最新作『ベヨネッタ3』に登板しない理由として“最終的に提示された報酬4,000ドル(約60万円)が自身のキャリアに対して安すぎる”ことを説明。ファンたちに対しては、“本作や今後出るかもしれないスピンオフ作品のボイコット”を呼びかけていました。
本ツイートは話題を呼び、新たに英語版声優を務めるジェニファー・ヘイル氏が“円満な問題解決を願う”旨のメッセージを、開発元プラチナゲームズがヘイル氏の立場と主張を支持するアナウンスを出すなどの影響が見られています。一方、海外メディアBloombergは、実際には最低でも15,000ドル(約225万円)ほどが報酬として提示されていたほか、テイラー氏が6桁(少なくとも100,000ドル)の報酬と売上に対するロイヤリティを要求していることを報じました。
しかし前述の報道を受けてか、同氏は「私を金目当ての嘘つきと呼んでいる人がいることに気づいた」として、「自身と業界における評判を守るため」に新たな声明を出しました。今回の声明によると、最初に提示された報酬は合計10,000ドルだったといい(参照元とされる当初の投稿では「侮辱的なオファー[an insulting offer]」とのみ言及しており、金額は明かされていなかった)、『ベヨネッタ』シリーズが4億5000万ドル規模のフランチャイズなのに対して安すぎることを説明しています(フランチャイズ規模のソースは明示されておらず、海外ジャーナリストのImran Khan氏はゲーム売り上げ推定サイトを基にした計算であると推測している)。
テイラー氏は本作のエグゼクティブディレクターである神谷英樹氏に、“自身の価値”を尋ねたところ「50,000ドル(原文ではカンマの位置がズレているため、5,000ドルの誤字の可能性がある)」を追加で提示されたそうです。しかし、この報酬額での仕事も断ったテイラー氏は11カ月後、「いくつかのセリフの仕事を一律4,000ドルで提示された」といい、海外報道で伝えられた一部内容を「完全な捏造である」と否定しました。なお、同氏は他にも「腐敗した強欲な人々からゲームを買うのではなく、チャリティに寄付して欲しい」といった要望などを綴っているものの、そのリプライ欄ではファンによる否定的な声が多数確認できます。
また今回のテイラー氏による声明では、同氏による当初のツイートでは明かされなかった情報が含まれており、プラチナゲームズからは記事公開時点で明確な反論はありませんが、前述の報道記事を執筆したにジェイソン・シュライアー氏は、本騒動に関して「多くの人々が"この話が不鮮明であり、両者の言い分を待つべきである”と意見しているのを目にしてきた」とツイート。「私の仕事は真実の側に立つことである」として、「真実を明らかにすることは、開発者、ローカライズ者、他の声優などの助けになる」と主張しています。