※注意※
本記事では、ビジュアルノベルを取り扱うため、どうしてもネタバレが含まれてしまいます。そのため事前情報無しで遊びたい方におかれましては、この時点でブラウザバックなどで離脱されることをおすすめします。
今回はWinged Cloudが開発し、2023年4月29日にSteamにてWindows PC向けにリリースした新作ビジュアルノベルRPG『Leveling up girls in another world』をご紹介したいと思います。
GW期間中にちょっと異世界でRPGを遊びたいなーとお考えの方、ひとつこのゲームをプレイしてみるのはどうでしょうか?
『Leveling up girls in another world』とは?
本作は、異世界に召喚された青年の視点で展開されるビジュアルノベルです。RPG要素もあり、ダンジョン攻略および敵との戦闘はまるで『パズドラ』……いや、ええと、見慣れたモチーフを取り入れて横に倒したようなシステムで面白いです。美少女に囲まれて時に笑いあり涙ありのドタバタを楽しむ本作の世界設定はどこか心を温めてくれますし、そしてゲームシステムもわかりやすいので、全体的に遊びやすくまとめられた作品だと感じます。
刮目せよSAKURAシリーズ8年の軌跡
ところで、デベロッパーのWinged Cloudといえば『SAKURA』シリーズで有名かもしれません。2014年にSteamでリリースされた『Sakura Spirit』から始まり、毎年コンスタントに作品をリリースし続け今や40本超。
ちなみにGamuzumiがパブリッシャーとして、ニンテンドースイッチでも各タイトル順次配信しており、気合の入った商品展開だと言えましょう。個人的にこういう熱意あるムーブ大好きです。
もちろん『SAKURA』シリーズ以外にも作品はリリースされています。例えば2017年の『Legends of Talia: Arcadia』、2021年の『Would you like to run an idol café?』第一作目などがそれにあたりますね。
ともあれ前置きが長くなりましたが、早速本作の魅力を深掘って参りましょう。
操作・設定・言語
本作の操作はキーボード&マウスで行います。こういったジャンルに造詣の深いプレイヤーの皆様におかれましては、勝手知ったるレイアウトでございましょう。基本的にはマウスクリックで操作しつつ、CtrlキーやSpaceキーなどでスキップや早送りといった機能を駆使します。
その他設定項目については、ウィンドウモードかフルスクリーンかの選択、難易度変更、そして音量調整といったオーソドックスなものが並びます。ただし言語については英語のみ。内容的にそこまで難しい単語も使用されておらず、むしろちょっとしたスラングの勉強ができると捉えれば、本作はある意味で良い英語教材になるのではないでしょうか(瞳孔が開ききった表情)。
本編開始
さて始まりました『Leveling up girls in another world』。日本語入力はできなかったので英文字にはなりますが、さっそく名前を「Supa-kun」にします。前世のインターネットで悪さをした悪い霊が、地獄に叩き落されるところを慈悲深い存在によって人生をやり直す機会を得た……そんな脳内設定で遊んでいきます。
どこか懐かしい冒頭
……なんて思っていたら早速追われていますね。
しょうもない商売で小銭を稼ごうとしたら失敗して、怖い人たちに簀巻きにされています。人生をやり直すとは一体何だったのか……。
なお筆者は狂信的な『スペースチャンネル5』のファンなので、このようにテンポよく上下左右の方向指示を出されるとチュウ!だのヘイ!だの反応してしまう不思議な生態をしています。
そんなことはさておき、絶体絶命の危機は突然のまばゆい閃光によってかき消されます。
これがリオレウスなら落下して地面でもがいt……おや、いかにもなデザインの建物が目に入ります。お約束のような流れで中世ヨーロッパ……流行りの異世界転生に巻き込まれてしまいました。
と、思ったら既知の世界のご様子。
そうなんです。実はスパくんは、数年前にもこの「Aporia」と呼ばれる異世界へ召喚され、世界の危機を救った勇者なのです。それがどうして現実世界に戻ったらあのような体たらくだったのかはともかく、こうしてまた召喚された以上、またぞろ何かに巻き込まれていくのでしょう。
イベントCGもある
物語を進めていくと、どんどん美少女が登場して合計11名(キャラリストを見る限り……隠しとかなければ……!)が仲間になっていきます。画像の2人は最初にパーティに加わるメンバー。左がFubuki、右がAyumiですね。はじめましてよろしくお願いしm……
ありがとうございます!……じゃなかった、いきなり何をするんですか。初対面で特殊プレイは随分アクセル踏み込んでいませんか、白線では一時停止と教習所で学ばなかったのですか。
実はこの金髪美少女Fubukiちゃんは、以前召喚された時の顔馴染み。基本的にスパくんへのあたりが強いのですが、思うにスパくん自身割と同しようもない言動が見受けられるので納得と言いましょうか……。
ともあれ、基本的には立ち絵で進行するゲームなので、こういったイベントシーンはCGとして保存され、タイトル画面のGalleryから閲覧することができます。物語を進め、キャラクターたちと交流を深めることでアンロックされていくシステムもお馴染みですね。
ゲーム進行の基本はマップから
こちらはマップです。ビジュアルノベルではありますが、RPG要素も強い本作。マップにはいくつかのアイコンが表示され、それぞれダンジョン、ショップ、ストーリー含む各イベントにアクセスできます。
キャラクター画面ではこのように、キャラの立ち絵とレベルなどの進捗状況を確認できます。Ayumiちゃんは普段は涼しい顔してますがたまに見せるドヤ顔が可愛い。
ショップではこのようにスキルのアップグレードや、装備品の売買が可能です。所持金については後述のダンジョン攻略でそこそこ簡単に貯まるので、買い物で困ることは筆者がプレイした範囲ではありませんでした。
金策にはダンジョン攻略とはよく言ったもので、道中出現する敵を皆殺しにしていくだけでもお金と素材が集まります。そこへ画像のようクエストを受注して攻略に出かけることで、さらに報酬を得る機会が増えるので、積極的にクエストを受託してきましょう。ただしクエストについては、3つまでしか受託できないのと、時間経過でリストが更新されるので注意が必要です。
キャラクターイベント
ゲームを進めていると、時折マップの右下にキャラのアイコン付きでこのようなウィンドウが表示されます。
これはキャラクターイベント(おそらくChatのこと)で、同行する女の子たちの意外な一面やKAWAIIでいっぱいです。
いざダンジョン攻略
ダンジョンは、物語の進行に合わせてマップ上に開放されていきます。それぞれ出現する敵の強さが異なるため、各キャラクターを育てる時、まずは最初のダンジョンを選択するといいでしょう。
ダンジョン内部は画像のようになっており、表示された矢印をクリックすることで進路を選択して1マス(ブロック)毎に進んでいきます。画面右下にマップが表示されており、壁などの通行止め以外については、?マークで隠されて何があるのかわからないようになっています。
戦闘だ!
古くから、西住流に逃げるという道はない、という言葉がある通りダンジョン攻略中は前進するしかなく、例えば画像のように前方にバトルが待ち構えている場合においても、もと来た道を戻ることはできません。
戦闘に突入すると画面が切り替わります。敵は1体~3体登場し、こちらは選択したキャラの1体のみ。攻撃によって、敵の頭上にある赤い体力ゲージを0まで減らし、全滅させればこちらの勝利です。
一方で、画面右下のアイコン横には、上からシールド、HP、SPといったゲージが並びます。敵の攻撃はまずシールドの値で受けて、それが底をつくとHPが減っていき、それも0になると敗北となります。SPは後述のスキルを使用する際に消費されるゲージですね。
戦い方についてはいたってシンプル。操作は画面下部に並ぶパネルをクリックするだけ。クリックすると絵柄に対応した効果が発動しパネルは消失、新しいものが画面左側から次々と現れます。
効果については、火、水といった属性系から、通常攻撃、シールド回復、HP回復といったものが並びます。ここで面白いのは、パネルは複数枚が隣接すると効果が強化されるという点。クリックするとまとめて使用されます。
例えば、こちらは画面中央屋や左にある緑色のHP回復パネルをクリックすると、
このように隣接する複数が一気に消費され、HPが回復します。スクショのタイミングが遅く、しかももともと体力が減っていなかったので、ちょっと分かりづらいのが申し訳ない。
こちらは攻撃ですね。中央オレンジ色の炎パネルに注目。
クリックすることで、このように隣接したパネルが一気に消費されて敵に大ダメージ。
……エフェクト演出が早すぎて撮影が間に合わない!
ともあれ戦闘はこのようにして進めて、勝利すると経験値とお金、さらにはアイテムといった報酬を受け取ることができます。
なお道中の宝箱からもそういったアイテムを取得できます。ともあれ経験値が一定値たまるとレベルアップ。キャラのステータスが強化されるのでどんどん勝利していきましょう。
ボス戦だ!
ダンジョンの最奥部にはボスが待ち構えており、大抵はザコ敵との戦闘を挟んだ後にボスと戦うことになります。
このくらいになってくると、敵の攻撃にも勢いがついてくるため、なかなかどうしてシールド値が削り取られ戦闘に歯ごたえが出てきます。悠長にパネルを隣接させようとゆっくりしていると、敵の攻撃が重なって想定外のダメージを負うことも珍しくありません。
キャラを鍛えよう
画像は特に考えなしに先のダンジョンへ挑んだら敵が妙に固くて大苦戦した様子。
ためしに別のキャラクターにも切り替えてみましたが瞬殺で負けたので、序盤のダンジョンに戻ってレベル上げが必要と痛感しました。
とはいえ、延々と長い作業を何十回も行う必要はなく、体感的には2~3回程度周回すればそこそこ育つといった塩梅でした。
おわりに
可愛いキャラクターがどんどん出てくるので、プレイ中はだいたいゴキゲンでした。改めて、本作は『SAKURA』シリーズではないものの、デベロッパーが長い年月をかけて培ってきたノウハウが生かされ、丁寧に作られたゲームだと感じます。
ショップなどの画面で、セーブ画面を開くと何故かロード画面になっており、うっかりデータがロールバックという事件はありましたが、それ以外については、プレイ中にストレスを感じることはほとんどありませんでした。
タイトル:『Leveling up girls in another world』
対応機種:Windows PC(Steam)
記事におけるプレイ機種:Windows PC
発売日:2023年4月29日
著者プレイ時間:3時間
サブスク配信有無:無し
価格:2,300円(2023年5月6日まで1,725円のセール中)
※製品情報は記事執筆時点のもの
スパくんのひとこと
ひたすらKAWAIIに癒やされるRPG……心がつかれた時にはこれが一番効くスパよ