「何か一緒にできたら面白いんじゃない?」何気ない一言から始まった『Apex Legends』×『FF7R』コラボに見えた“熱量”とは―Respawn&スクエニ開発インタビュー | Game*Spark - 国内・海外ゲーム情報サイト

ハードコアゲーマーのためのWebメディア

「何か一緒にできたら面白いんじゃない?」何気ない一言から始まった『Apex Legends』×『FF7R』コラボに見えた“熱量”とは―Respawn&スクエニ開発インタビュー

コラボイベントは1月31日まで開催。経緯やこだわりについてお聞きしました!

連載・特集 インタビュー
「何か一緒にできたら面白いんじゃない?」何気ない一言から始まった『Apex Legends』×『FF7R』コラボに見えた“熱量”とは―Respawn&スクエニ開発インタビュー
  • 「何か一緒にできたら面白いんじゃない?」何気ない一言から始まった『Apex Legends』×『FF7R』コラボに見えた“熱量”とは―Respawn&スクエニ開発インタビュー
  • 「何か一緒にできたら面白いんじゃない?」何気ない一言から始まった『Apex Legends』×『FF7R』コラボに見えた“熱量”とは―Respawn&スクエニ開発インタビュー
  • 「何か一緒にできたら面白いんじゃない?」何気ない一言から始まった『Apex Legends』×『FF7R』コラボに見えた“熱量”とは―Respawn&スクエニ開発インタビュー
  • 「何か一緒にできたら面白いんじゃない?」何気ない一言から始まった『Apex Legends』×『FF7R』コラボに見えた“熱量”とは―Respawn&スクエニ開発インタビュー
  • 「何か一緒にできたら面白いんじゃない?」何気ない一言から始まった『Apex Legends』×『FF7R』コラボに見えた“熱量”とは―Respawn&スクエニ開発インタビュー
  • 「何か一緒にできたら面白いんじゃない?」何気ない一言から始まった『Apex Legends』×『FF7R』コラボに見えた“熱量”とは―Respawn&スクエニ開発インタビュー
  • 「何か一緒にできたら面白いんじゃない?」何気ない一言から始まった『Apex Legends』×『FF7R』コラボに見えた“熱量”とは―Respawn&スクエニ開発インタビュー
  • 「何か一緒にできたら面白いんじゃない?」何気ない一言から始まった『Apex Legends』×『FF7R』コラボに見えた“熱量”とは―Respawn&スクエニ開発インタビュー

エレクトロニック・アーツは、Respawn Entertainmentの手がけるバトルロイヤルシューター『Apex Legends』にて、スクウェア・エニックスの『FINAL FANTASY VII REBIRTH(FF7R)』とのコラボレーションイベントを開催中です

イベント内では、通常のバトルロイヤル戦が期間限定モード「FINAL FANTASY VII REBIRTHマップジャック」に変化。専用近接武器【バスターソードR2R5】やさまざまな効果を持つ【マテリア】などのコラボアイテムが登場し、ゲームを盛り上げます。さらに、レジェンド向けのコラボスキンや多彩な装飾アイテムも用意されています。

今回Game*Sparkでは、Respawn Entertainmentおよびスクウェア・エニックスへのメールインタビューを実施。この驚きのコラボレーションイベントの経緯や想いについての回答をいただきました!


『Apex Legends』×『FF7R』コラボイベントスタッフインタビュー

今回インタビューに答えてくださったのは、Respawn EntertainmentのDavid Duong氏(シニアディレクター、ゲームプロダクトマネージャー)と、スクウェア・エニックスの渡邊勇磨氏(『FINAL FANTASY VII』リメイクプロジェクト・シニアアシスタントプロデューサー、コラボレーションプロデューサー)です。なお、イベント開始前に質問したため、現時点ですでに判明している武器性能などの内容も含まれています。

――ジャンルが異なる『FINAL FANTASY VII REBIRTH』と『Apex Legends』とコラボすることになった経緯を教えてください。

Respawn Entertainment David Duong氏(以下Duong氏): Respawn Entertainmentのメンバーの多くは、長年ゲームをプレイしてきて『ファイナルファンタジー』の大ファンです。私たちの多くはプレイステーションで『ファイナルファンタジー7』をプレイして育ってきましたし、ファンの視点から見ても、私たちにとって馴染み深いキャラクターばかりです。

インテグレーションやパートナーシップの可能性を検討する際には、私たちが自分たちのキャラクターやストーリーを大切にしているのと同じような価値観を共有している人たちと、一緒に仕事をしたいと考えていました。スクウェア・エニックスはそのような同じ価値観を持つ企業のひとつであり、彼らのブランドを双方のプレイヤーにとって新しくて楽しい方法で、ゲームに登場させることができると思いました。

ゲーム業界は狭く、お互いに知り合いも多くいます。なので最初は「何か一緒にできたら面白いんじゃないか?」という会話から始まったんです。そこから徐々にチームを巻き込んで、その流れで双方のチームで正式に意見を交換するようになりました。これはお互いがそれぞれのゲームのファンだったことから、このアイディアに拍車がかかっていったということです。

実際に話し合いを始めてみると、これは非常に理にかなったコラボレーションだと感じました。『Apex Legends』と『FF7R』 の両作品ともに、次世代のプレイヤーに新しい体験を届けるために調和させられる要素が多くあったからです。私たちが協力して一緒に作り込んだ世界に飛び込んで、ぜひともすべての体験を楽しんでください!

スクウェア・エニックス 渡邊勇磨氏(以下渡邊氏): 今回のコラボは、Apexチームからのアプローチを受けたところからすべてが始まりました。

最初にこのアイディアを聞いたときには、「本当に『Apex Legends』が自分たちにアプローチしてきたの?『FF7R』の開発チームにも多くの熱狂的なファンがいる、あの 『Apex Legends』の?!」 と、驚きが隠せませんでした。

とても嬉しい驚きでしたが、コラボレーションにはやはり少し不安がありました。『Apex Legends』と『FF7R』はいずれも多くのファンを持ち、ジャンルもプレイヤー層も違うので、双方のファンがどんなコラボなら喜んでくれるのか、『Apex Legends』とのコラボとしてふさわしいのはどんなものかと悩みました。

しかし、実際にApexチームと話してみると、そのような不安は一気に払拭されました。チームのコラボへの熱量と、私たちのゲームのファンに対して抱いてくれている敬意を感じ、一緒に取り組むことで何か素晴らしいものができるのではないかと感じ、力を合わせることにしました。これはとてもユニークなコラボですが、この組み合わせだからこそ可能となる体験をぜひ楽しんでほしいと思います!

――今回のコラボイベントスキンがどれも印象的です。今回のキャラクターの人選について、両社でどのような話し合いがあったのでしょうか?また、開発チームのお気に入りコラボスキンを教えてください。

Duong氏:一言で言うならば、『FF7R』を讃えて、そのキャラクターやテーマにインスパイアされた装飾アイテムを制作しようと思いました。

レジェンドスキンに関しては、キャラクターを私たちのゲーム内において一対一で“統合する”というよりは、キャラクターやそれを象徴する外見にオマージュを捧げて“インスパイア“されたものを制作することに力を注ぎました。

『Apex Legends』と『FF7R』でイメージがマッチするキャラクターを探し、そこからチームが「もしこのレジェンドが『FF7R』のこのキャラクターだったら、どんな姿で、その特徴をどう再現するだろうか?」と考えを巡らせました。

プレイヤーの皆さんがスキンを見てすぐに「このイベントで、どうして“レジェンド”が“『FF7R』のキャラ”へのオマージュとして決まったのかが納得できる」と感じてもらえると嬉しいですね。どれもとても良くできていて、自分のお気に入りをひとつに絞るのはとても難しいです。

チームはこれを実現するために本当によくやったと思います。もしどうしてもひとつだけ選ばなければいけないとしたら、ヴァルキリーがユフィになったレジェンドスキン【美少女忍者】ですね。武器スキンだとイフリート仕様のハボックもお気に入りです。

渡邊氏:スクウェア・エニックス側がどのキャラクターにどのスキンを制作すると舵を取るよりも、Apexチームが作りたいものを制作するのがベストだと思っていました。なので、全体的にこちら側はスキンそのものを監修することに注力しました。

余談ですが初期の計画段階では、クラウド、ティファ、エアリスといったキャラクターをベースにしたスキンではなく、神羅兵、タークス、ソルジャーといった役割によるスキンを考えていたんです。

個人的にはニューキャッスルのバレット仕様のスキン【七番街の救世主】が気に入っています。武器スキンだと、ウィングマンのティファ仕様のスキンが気に入っています。グリップの「YEAH!」がいい感じですね!

――コラボでは期間限定モードや多彩なコスメティックアイテムも登場します。さらに近接装備【バスターソードR2R5】のメカニクスも『Apex Legends』では特異なイメージです。デザインや技術面を含めて、両社はどのような開発協力を行ってきたのでしょうか?

Duong氏: 『Apex Legends』の中のコンテンツに関しては、ゲーム内で「何ができて何ができないのか」ということを私たちが熟知しているので、自然とこちらがリードしていくことになりました。しかし制作する内容については、全体的に両方のチーム全員が納得できるよう、すべての過程において両社でコラボすることでして進めました。

キャラクターやテーマがこのゲームの中で、双方が納得できる形で表現されるようにしたいと思いました。その開発過程はとても楽しくて、『FF7R』のローンチを心待ちにしているRespawn Entertainmentの多くのメンバーにとって夢が叶った瞬間でしたね!

渡邊氏:全体的な開発はApexチームがリードしました。スクウェア・エニックス側としては、情報が洩れるのを防ぐためにも非常に限られたメンバーだけがこのコラボに関わり、限られた人数でプロジェクトの監修や検討を進めました。

こちら側は、主に『FF7R』 をテーマにしたスキンや武器などのアイテム全体の監修をしましたが、これが期間限定のコラボレーションイベントだとは信じられないほど、多くのアイテムがありました。コラボレーションの監修については、Apexチームと『FF7R』クリエイティブディレクターの野村哲也との間で1年近くにおよびました。

時間の経過をとても早く感じるほどに、非常に多くのクールなアイテムやかわいいアイテムを毎週確認できたのは、いい思い出ですね!

――「バスターソード」の攻撃範囲はどれくらいでしょうか。また、通常の格闘攻撃に比べて扉の破壊が早いなどといった特色はあるのでしょうか?

Duong氏:【バスターソードR2R5】(マップジャックに登場する武器バージョン)は特別なゲームプレイアビリティを持ちます。アビリティには光の攻撃やヘビーな攻撃、弾のブロック、ダッシュするアビリティ、リミットブレイクのチャージなどがあります。

リミットブレイクが発動すると一時的にスピードがブーストされ、スライディングアタックや、敵を空中に飛ばしたり、また、それらと合わせて地面に叩きつけたりして倒すことができます。ダメージを与えたり、受けたりするとリミットブレークがチャージされます。

これは『Apex Legends』にバスターソードの力のファンタジーをもたらすとても面白い方法だったと思っています。ファンの皆さんが楽しんでくれることを期待しています。【バスターソード R5】は、格闘装飾アイテム・ミシックです。ゲームプレイへの影響はなく、あくまで装飾アイテムですね。

――近接武器【バスターソード R2R5】の「リミットブレイク」や【マテリア】など独自のメカニズムも多い武器や装備を導入したことについて、開発面での苦労やエピソードを教えてください。

Duong氏:武器としては「プレイヤーに楽しんでもらうにはどうしたらいいか?」「FF7のバスターソードのように感じてもらうにはどうしたらいいか、そして私たちのゲームの中で、どうやってオマージュを捧げるか?」という2つの点に力を注ぎました。

今回のマップジャックの開催期間中には、『Apex Legends』でこれまでプレイヤーが経験したことのない多くの楽しみと、新しい創造的な戦略を可能にするような、全く異なるものを提供したいと考えました。VFXからオーディオ、アニメーション、武器の見た目に至るまで、プレイヤーにバスターソードを使った“闘いのファンタジー”にどっぷり浸かってもらいたかったのです。

それは私たちのプレイヤーにとってだけでなく、パートナーであるスクウェア・エニックス側にとっても重要なことでした。チームは【バスターソード R2R5】を最大限に輝かせるために、あらゆる面で全精力を注ぎました。

この武器を実現することを楽しみながら、手にしたときや武器を振った時の音、誰かに当たった時の反応、見え方の細部に至るまで、プレイするたびに興奮できる瞬間をもたらすためにも、チーム自らが最大の批評家となって取り組んでいったんです。

装飾アイテムについては素晴らしいコラボレーションの記念として、このシリーズの断片を残すために、ゲームプレイへの影響は小さくして同じように制作したいと思いました。装飾アイテム【バスターソード R5】をゲーム内に常に存在するものにして、ゲームを起動するたびに、みんながワクワクしながら思い出せるようにしたかったのです。プレイヤーがこれは【バスターソード】だとすぐに認識できるようにすることが重要でした。

※ 剣のネーミングについて
【バスターソード R2R5】:「R2」は「Rebirth」のコードネームで、「R5」 は『Apex Legends』のコードネームのこと。この2つを組み合わせることで、私たちのチームのコラボレーションを表現するとともに、私たちの開発チーム全体への“熱意/イースターエッグ/共感”を表しています!
【バスターソード R5】:格闘装飾アイテム、ミシックはイベント終了後もゲーム内に残ります。そのため、この2つを区別するための別々名前が設定されています。

――12月8日に公式Xで公開されたコラボ映像はとても驚きました。公開後のユーザーからの反応はどうだったのでしょうか?また、このプロジェクトはいつごろ開始したのでしょうか?

Duong氏:このサプライズに対しての皆さんの反応には本当に楽しませてもらいました。私たちが受け取ったフィードバックはどれも、この発表があるとは誰も考えていなかったというものでした。思いもよらないことであるものの、プレイヤーにとって面白くてエキサイティングな体験を届けるという、まさに私たちが狙っていた通りのことです。

大きな驚きの他には、イベントが始まった後にどんな体験が待ち受けているか楽しみだというポジティブな反応がありました。イベントで何が登場するか、皆さんが想像しているのを見るのはとても楽しかったです。イベントスタートの1月に何が起こるかを皆さんが想像している中で、黙っていることが私たちとしては大変でした。

渡邊氏:Apexチームからお声がけをいただいたのは、2022年の夏か秋ごろだったと記憶しています。

皆さんに驚いていただきたかったので、2023年末の「The Game Awards」で発表するまでの1年以上の間、『FF7R』開発メンバーでも限られた人しかコラボの存在すら知らない状態を保って各種交渉やクリエイティブ監修を進めていました。

その甲斐もあって「The Game Awards」で発表した際には無事全ての方々にサプライズをお届けできました。イベントでは様々な強豪タイトルの発表がひしめくタイミングでもたくさん話題にしていただけたと思っております。

『FFVII』をプレイしたことのない『Apex Legends』プレイヤーの方に「リメイク版をプレイしてみようかな」「『FF7R』買うよ!」などの興味を持っていただけたことが嬉しいですし、また、『Apex Legends』をプレイしたことのないFF7のファンの方からも「とりあえずDLしてみた。コラボまでに腕を磨いておく」など、お互いに新しい風が生まれたようないい反応が多かったと感じております。

――今回のコラボレーションは期間限定イベントですが、今後も復刻配信される予定はあるのでしょうか?特に「FINALFANTASY VII マップジャック」は期待する人も多いと思います。また、もし再びコラボが実現するなら他のキャラスキンも追加されるような、さらなる展開も期待していいのでしょうか?

Duong氏:今のところその計画はありませんが、あり得ないとは言えませんね!我々はいつでもプレイヤーを驚かせ楽しませたいという機会を狙っていますよ。

渡邊氏:現時点では特に計画はありません。まずは、今回の「Apex x FINAL FANTASY VII REBIRTH」コラボレーションを楽しんでもらえればと思います。その結果、もし多くの反響をもらえれば、将来的には面白い開発の可能性があるかもしれませんね。

――武器だけでなくマテリアの登場など、インパクトだけでなく見事な融合のコラボレーションだと思います。今回のコラボ内容で一番お気に入りの物があれば教えてください。

渡邊氏:ゲームシステムやアイテムなどを含めて、全てApexチームが長い時間をかけて丹精込めて作ってくださっているので、どれも素敵なものになっていると思います。

強いて言えばですが『Apex Legends』のネッシーと『FF7R』のモーグリが一緒に冒険しているような、遊んでいるようなかわいいものがあります。世界を飛び越えて、お互いに新たな友達ができたようでとても気に入っています!


『Apex Legends』の『FINAL FANTASY VII REBIRTH』コラボレーションイベントは、2023年1月31日まで開催。期間中は特別なモードが遊べるほか、すべての装飾アイテムを集めると倒した敵が特別なデスボックスになる「片翼の天使」も入手可能です。

※UPDATE(2024/1/18 16:20):記事タイトルと本文のレイアウトを変更・修正しました。

《Mr.Katoh》

酒と雑学をこよなく愛するゲーマー Mr.Katoh

サイドクエストに手を染めて本編がなかなか進まない系。ゲーマー幼少時から親の蔵書の影響でオカルト・都市伝説系に強い興味を持つほか、大学で民俗学を学ぶ。ライター活動以前にはリカーショップ店長経験があり、酒にも詳しい。好きなゲームジャンルはサバイバル、経営シミュレーション、育成シミュレーション、野球ゲームなど。日々のニュース記事だけでなく、ゲームのレビューや趣味や経歴を活かした特集記事なども掲載中。

+ 続きを読む
【注目の記事】[PR]

編集部おすすめの記事

特集

連載・特集 アクセスランキング

アクセスランキングをもっと見る

page top