京都・みやこめっせで開催されている大規模なインディーゲームイベント・「BitSummit the 13th」には、世界中からさまざまなインディーゲーム開発者・パブリッシャーが集っています。
本記事では、『Mouthwashing』や『Buckshot Roulette』など尖ったゲームを多数送り出す名パブリッシャー・CRITICAL REFLEXの代表であるリタ・レベデヴァ(Rita Lebedeva)氏にお話を伺いました。
CRITICAL REFLEX代表はBitSummitが「一番好きなイベント」
――BitSummitに出展した感触をお聞かせください。
リタ:BitSummitは一番好きなゲームイベントなので、ワクワクしています。新作『TANUKI: Pon's Summer』の開発元であるDenkiworksは京都のデベロッパーで、ゲーム自体も京都をモチーフにしているので、地元でサポートできるのはすごく光栄です。
ブースとしても、たぬきの着ぐるみを用意したり、ノベルティとして作中で被っている帽子を配ったり、いろいろ用意しました。

発売済みの『Mouthwashing』や巨人警官とコミュニケーションする『Militsioner』などもたくさんプレイいただき、ポジティブなフィードバックも多数いただいています。皆さん、ありがとうございます。
――CRITICAL REFLEXを立ち上げた理由は何でしょうか。
リタ:以前まではHypeTrain Digitalという会社で何年かシニアプロデューサーを務めました。その後、大きい規模のところで半年間マーケティングベースで働いていたのですが、そういった会社ではやりづらかったんです。
自分はやはりインディーを貫くべきだと確信して、出資者を捕まえてCRITICAL REFLEXを立ち上げました。とくに知られるようになったのは昨年ころからですが、活動自体はもっと前から行っています。
――ありがとうございます。……ところで、なぜアーニャのコスプレを?
リタ:弊社のリリース済みタイトルでコスプレできるキャラは限られていますからね(笑)。

過去には『Buckshot Roulette』のディーラーの帽子を被ってショートパンツにフィッシュネットタイツという格好もしていたんですが、アーニャのほうが自分に似合っているかなと。
――CRITICAL REFLEXは尖った個性の強いゲームを多数世に送り出していますが、どういった方針で活動していますか。
リタ:CRITICAL REFLEXは、他の会社がリスクを嫌って選ばないようなゲームをピックアップしています。例えば『Arctic Eggs』は、ホラーではないけど、ちょっとホラーに片足突っ込んでいるような雰囲気のタイトルです。

『Mouthwashing』のヒットをきっかけにCRITICAL REFLEXのファンになった方も多いですが、近い雰囲気のある作品を遊んでくれるという相乗効果もあるので、こうしたものを集めて世に広められれば良いと思っています。
――確かにローポリで少しホラーチックなものが多いですね。
リタ:直近でリリースしたゲームはローポリホラー的な作品が多いですが、パブリッシャーとしてはこれだけに傾倒するつもりはありません。今回出展した『TANUKI: Pon's Summer』のようなアニメチックで明るい作品も取り扱い、いろいろな人が遊べるゲームを集めます。

――CRITICAL REFLEXのブランドは、日本でも支持を得ています。このことはどう感じていますか?
リタ:私は子供の頃から日本の漫画やアニメ、ゲームが大好きだったので、我々のタイトルに日本人のファンがついているというのは大変光栄に思います。
ゲームへのリスペクトを込めつつ、『Freaked Fleapit』は体験版でありながら非常に豪華なキャストによる日本語ボイスを実装至、イベントでリアル『Buckshot Roulette』を用意したりと、日本の消費者に向けてさまざまな展開をしています。今年の東京ゲームショウも新しい企画を用意しているので、ぜひ来てくださいね!
――イカした日本語ローカライズも人気を得た理由のひとつだと思います。CRITICAL REFLEX側ではどのようなサポートをしているのでしょうか。
リタ:弊社内のローカライズガイドは非常に充実していて、各ローカライザーにもなるべく多くの情報を共有してミスのないように目指しています。
日本語版は翻訳家のnicolith氏にお願いすることが多いのですが、弊社のポリシーとして会社に翻訳を投げるのではなく、自分たちで翻訳家を探しに行きます。開発者が目指している世界設定や好きなゲームが翻訳家と一致していたら、高い品質の翻訳がアウトプットできるのではないかと考えています。
――『Freaked Fleapit』は長い開発期間を取っていますが、いまの開発状況はいかがですか。
リタ:今ある体験版はダンジョンクロウラーとデートシムの部分をお見せしていますが、製品版はもっとスケールが大きく、いろいろなミニゲームも導入します。
これらの要素を体験できる体験版をいま準備中で、おそらく来年(早ければ年内)に皆さんにプレイしていただけると思います。

ゲーム全体としては、概ねの企画はできあがっています。ちょこちょこと開発を進めるので、楽しみにしていてください!
――パブリッシャーとして、今後はどのように活動していきたいですか。
リタ:明るい未来になることを願っています(笑)。去年は『Buckshot Roulette』や『Mouthwashing』といったヒット作が出てビッグな1年でしたが、これに驕らず、タイトル選びからファンの楽しませ方まで慎重に、かつ前向きにやっていきたいと思います。
――ありがとうございました!
尖ったゲームが好きなゲーマーの心を鷲掴みにするCRITICAL REFLEX。発売中の作品や今後登場予定の作品は、Steamページをご覧ください。
¥1,045 (¥1 / ミリリットル)
(価格・在庫状況は記事公開時点のものです)
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