
2025年7月24日に発売されたロジクールGの最新ワイヤレスゲーミングヘッドセット「G522 LIGHTSPEED」を約1週間試用する機会を得ました。価格は約25,000円と、ミドルハイクラスに位置する本製品ですが、果たしてその価格に見合った性能を発揮するのでしょうか。実際のゲームプレイを通じて詳しくチェックしていきます。
今回試用したホワイトモデルはマットな質感のボディに、サイドパネルのRGBライトゾーンが映える洗練されたデザイン。過度な装飾は抑えられ、配信やビデオ会議でも違和感のないスタイリッシュな仕上がりです。重量は290gと軽量で、手に取った瞬間にその軽さを実感できます。
長時間プレイでも疲れない装着感

実際に装着してみても、軽量性の恩恵を強く感じられます。サスペンションバンドは頭部への重量分散も良好で、クッション性・耐久性・通気性が向上したというストラップ素材も快適性の向上に一役買っています。
イヤーカップもフィットしやすく、頭を振ってもズレずに安定した装着感を維持します。3時間を超える連続プレイでも圧迫感や痛みを感じることはなく、長時間ゲームを楽しむプレイヤーには嬉しい設計となっています。
新技術「アコースティックモジュール」の威力

「G522 LIGHTSPEED」の最大の技術的進歩は、ロジクールGのヘッドセットで初めて採用されたアコースティックモジュールです。搭載ドライバーを独立型のチャンバーに完全内蔵することで、外部の影響を受けにくく、音の歪みを最大限に軽減しています。
実際にPC版の『Apex Legends』や『フォートナイト』で試したところ、敵から発生した音の方向性が分かりやすく、音の定位精度の高さを感じられました。バイオセルロース40mmドライバーによる20Hz-20kHzの周波数特性は、低音から高音までバランスよく出力し、爆発音も足音もクリアに聞こえます。
RPGやアクションゲームなど、特にシネマティックな演出が特徴的なタイトルでのサウンド再生も優秀。複数の音声や効果音が様々に聞こえてくる場面でも、それぞれのレイヤーがクリアに分離されて聞こえます。
マイク性能は「ブロードキャスト品質」

「G522 LIGHTSPEED」の目玉要素のひとつが、業界トップクラスというフル帯域16bit/48kHz対応のブロードキャスト品質マイクです。これは上位モデルのA50 Xと同等のマイクが搭載されており、この価格帯では破格の性能といえます。
実際にDiscordでのボイスチャットや配信で使用してみても、通話相手からの反応は良好。BLUE VO!CE機能によるノイズ除去はかなり強めにかかっているようでしたが、音声出力の細かなチューニングも可能で、配信やeスポーツでの使用も十分に対応できるレベルです。
着脱式マイクは使わない時に取り外すことができ、普段使いのシーンでも自然な見た目を保てるのは評価できるポイントです。
3-Way接続はやっぱり便利

「G522 LIGHTSPEED」は、Logicool G製品ではおなじみの「LIGHTSPEED」に加えてBluetooth、USB有線の接続モードに対応しています。
LIGHTSPEED接続では、ロジクール独自の2.4GHzワイヤレス技術により、遅延を感じることなくゲームを楽しめます。競技性の高い対人FPSでも、有線接続と遜色ない反応速度を実感できました。このあたりは、既にLIGHTSPEED対応デバイスを利用しているゲーマーなら安心できるポイントでしょう。
Bluetooth接続は、スマートフォンやタブレットでの音楽視聴にも最適です。本体側面のボタンでワンタッチ切り替えが可能で、ゲームの待ち時間にスマホで動画を観たり、リラックス中に突然届いた着信に応答したりと、マルチタスク環境にもマッチします。
USB有線接続は、バッテリー切れの際の“保険”としても機能します。充電しながらの使用も可能で、途切れることなくゲームを続けられます。
バッテリー性能も十分。でもLIGHTSYNCはオフにしたくなるかも

バッテリー性能はRGBライトを消した状態で約90時間、デフォルトライト設定で約40時間とされています。今回は一週間ほどの試用であったため限定的な言及となりますが、ミディアム設定の明るさであれば十分使い続けられます。USB Type-C充電にも対応しているので、周辺機器が多いゲーマーも安心です。
気になるのは価格帯

完璧に見える「G522 LIGHTSPEED」ですが、約25,000円という価格はゲーミングデバイスとしては決して安価ではありません。エントリークラスのゲーミングヘッドセットと比較すると、かなりのお値段。これからゲーミングデバイスを買い集めたいユーザーにとっては、気軽に購入できる価格帯ではないでしょう。
また、RGBライティングはゲーミング感とLogicool Gブランドらしさを演出してくれているのですが、バッテリー消費への影響は無視できません。極論かもしれませんが、eスポーツプレイヤーやストリーマーでなければ、ヘッドセットのライティングは不要とも言えます。

なにせライトが点灯している様子をヘッドセットをつけてる自分自身から見ることはできないので、一般的なゲーマーの目線としてはなくても差し支えない要素なのです。筆者はキーボードもマウスもLogiool Gのワイヤレス製品を使っていますが、このあたりはブランド愛やファッション的な意識として割り切るほかないと感じます。

「G522 LIGHTSPEED」は、Logicool Gの技術力が結集した完成度の高いゲーミングヘッドセットです。特に装着感とマイク性能の高さと3-Way接続の利便性は、Logicool Gらしい魅力と言えます。
軽量で快適な装着感、クリアな音質、実用的なバッテリー性能、設定ソフトウェア「G Hub」対応を始めとするLogicool Gブランドの信頼感を考慮すると、価格に見合ったバリューを持っています。配信活動を行うゲーマーや、複数デバイスを使い分けるヘビーユーザー、そしてLogicool G製品ユーザーにはオススメできるヘッドセットです。

先述の通り筆者はガッツリLogicool Gユーザーなので「G Hub」で設定操作を集約できるところも強いメリットに感じました。本当は「M575S(Logicoolのトラックボールマウス。ゲーミングデバイスではない)」もひとまとめにしたいところですが……これは致し方なし。
一方で、カジュアルゲーマーやエントリーユーザーにはやや高価な選択肢であることも間違いありません。しかし長期間の使用を考えれば、思い切って購入して損はないスペックです。ゲーム以外の用途にも使える3-Way接続と装着時の快適感、そして持ったときの軽さは、さすがの一言。ゲームと普段使いの両軸で使える高品質なヘッドセットとして、強くオススメできます。
「G522 LIGHTSPEED」は7月24日より発売中。公式オンラインストアでの販売価格は22,800円~25,080円(いずれも税込、価格は保証期間により変動)です。











