『SILENT HILL f』開発陣インタビュー!1960年代という時代を選んだ理由、『SILENT HILL 2』の再生産とならないように | Game*Spark - 国内・海外ゲーム情報サイト

ハードコアゲーマーのためのWebメディア

『SILENT HILL f』開発陣インタビュー!1960年代という時代を選んだ理由、『SILENT HILL 2』の再生産とならないように

ストーリー担当の竜騎士07氏にもインタビュー!

連載・特集 インタビュー
『SILENT HILL f』開発陣インタビュー!1960年代という時代を選んだ理由、『SILENT HILL 2』の再生産とならないように
  • 『SILENT HILL f』開発陣インタビュー!1960年代という時代を選んだ理由、『SILENT HILL 2』の再生産とならないように
  • 『SILENT HILL f』開発陣インタビュー!1960年代という時代を選んだ理由、『SILENT HILL 2』の再生産とならないように
  • 『SILENT HILL f』開発陣インタビュー!1960年代という時代を選んだ理由、『SILENT HILL 2』の再生産とならないように
  • 『SILENT HILL f』開発陣インタビュー!1960年代という時代を選んだ理由、『SILENT HILL 2』の再生産とならないように
  • 『SILENT HILL f』開発陣インタビュー!1960年代という時代を選んだ理由、『SILENT HILL 2』の再生産とならないように
  • 『SILENT HILL f』開発陣インタビュー!1960年代という時代を選んだ理由、『SILENT HILL 2』の再生産とならないように
  • 『SILENT HILL f』開発陣インタビュー!1960年代という時代を選んだ理由、『SILENT HILL 2』の再生産とならないように
  • 『SILENT HILL f』開発陣インタビュー!1960年代という時代を選んだ理由、『SILENT HILL 2』の再生産とならないように

9月25日に発売を予定しているサイコロジカルホラーゲームシリーズの最新作『SILENT HILL f』。日本を舞台に移した本作は、おなじみ山岡晃氏はもちろん、制作に台湾のNeoBards Entertanment、ストーリーに竜騎士07氏と、これまでにないスタッフが加わり新たな一面を見せる作品となっています。

本記事では、制作に携わる開発陣へのインタビューをお届けします。

登壇者(写真左から)

  • ゲームプロデューサー:Albert Lee氏(NeoBards Entertainment)

  • ゲームディレクター:Al Yang氏(NeoBards Entertainment)

  • 『SILENT HILL』シリーズプロデューサー:岡本基氏

  • ストーリー担当:竜騎士07氏

  • 作曲家:山岡晃氏

――『SILENT HILL 2』リメイク版はアクションの気持ちよさを排除していたように感じましたが、本作は逆にアクションの気持ちよさを取り入れているように感じました。このようなゲームデザインにした意図を教えてください。

岡本: リメイク版『SILENT HILL 2』は、オリジナル版の味わいに基づいていたのですが、『SILENT HILL f』に関しては、初期の段階でアクションの楽しさや快感を入れてみたいというイメージがありました。NeoBards Entertainmentさんは非常にアクションゲームが得意な会社さんなので、今作の制作会社に選んだ理由にもなっています。

『SILENT HILL』はあまりアクションが楽しいゲームではないというイメージが強いと思いますが、新しいお客さんを取り入れていくにあたって、あえてアクションの楽しさを入れてみたらどうなるのかと思ったんです。最近の若いユーザーの間では、歯ごたえのあるアクションゲームが人気になっていると思うので、そういったアクションを取り入れた方がまだプレイしたことがない人にも響くのではないかと考えています。

Al Yang: 岡本さんの言葉に付け足すと、『SILENT HILL 2』の再生産を繰り返したくない、クローンを作り続けるわけにはいかないという点があります。金字塔的な作品を繰り返さないように、我々はアクション性を強くするという方向性を選びました。

――竜騎士07さんにお伺いします。日本的な恐怖、日本ならではの恐怖をどのように定義されていますか。

竜騎士07: 難しい質問をいただきました。私は、ホラーの方向性は概ね2つあると考えています。

1つは、命の危険が迫っているというホラー。動物の本能として、危機が迫っている時には恐怖という感情が出て、体が活性化して戦うか逃げるかというホラーです。

もう1点は、現在の状況がわからないことによる居心地の悪さ。一体ここはどこだろう、安全なんだろうか、危険なのだろうかと測りかねている状態。要するに不審がっている状態です。

ジャパニーズホラーというのは後者の、違和感のある状況に納得しかねているという状態だと考えています。何か命の危険が目の前に迫っていて、チェーンソーがどんどん現れて追ってくるというホラーではなく、どこか居心地の悪いものをなんとか解釈しようと暗闇に目を凝らすというのが、私の中ではJホラーの魅せ方ではないかなと感じています。

――本作のタイトルが『SILENT HILL f』となった経緯と、「f」という単語に込められた意味を教えてください。

岡本: 『SILENT HILL f』の「f」という意味は、今ユーザーさんもかなり考察してくださってるんですけど、明かしてしまうと面白くないので、秘密にさせてください。ただ、複数の意味を込めて「f」という単語を選んでいるということはお伝えしておきます。複数の単語が省略されていると思っていただいて結構です。

――1960年代の日本をモデルにしたということで、参考にした事象や歴史的事件はありますか?

竜騎士07氏: もちろんです。今回は先に描きたいテーマや描くのにぴったりな時代設定を考えた上で、1960年代という数字が出てきました。その時代には日本でどんな事件が起こっていたのか、あるいは参考になりそうな出来事がなかったかということはもちろん調べました。作品の中でその一部は垣間見ることができると思います。

私は『ひぐらしのなく頃に』から、もはやファンタジーの域になってしまう大昔と今の間のちょうどいい“不思議”と“現実感”が混ざった時代を探っています。それが、今作では1960年代だったというわけです。

――1周のクリアまでの時間と、2周目以降のストーリー以外の部分でのゲームプレイの変化について教えてください。

Al Yang: 主要プレイ時間については、アクション要素とプレイヤーのスキルに左右されますが、短くて8時間、長くて12時間以上といった具合です。周回要素については、周回していくにつれて異なる要素が増えてくる部分が出てきます、得られた知見によって見えてくるものが変わり、また異なる展開も発生するかと思います。

――クリーチャーの印象が過去作からだいぶ変わっていると思います。クリーチャーのコンセプトがあれば教えてください。

岡本:『SILENT HILL』は“トラウマ”などさまざまなイメージを反映したデザインにするというのがシリーズの伝統です。今作では竜騎士先生のコンセプトや、NeoBards Entertainmentさんのこういうゲームプレイをやりたいというアイデアなど、様々な混沌とした意見をキャラクター・クリーチャーデザイナーのkeraさんがうまく吸収して落とし込んでくれました。

デザインの方向性としては、花であったり内臓であったり、特に巨大なクリーチャーのコンセプトが初期にはあって、花とか内臓とか、そういう美しいものとおぞましいものが共存するということが特に初期には念頭にありました。初期に作ったクリーチャーほどそういう傾向があると思います。

――日本の看板や教室の教科書など、再現の実在感がすごくあったと思うんですが、そのあたりのこだわりがあれば教えてください。

岡本: この作品を作るにあたっては、日本のチームとNeoBards Entertainmentさんが密接に協力しました。加えて、トレイラーを制作いただいた白組さんの力も大きいです。

白組さんは「ALWAYS 三丁目の夕日」などで知られていますが、今作のトレイラーを作る時に非常に綿密に当時の資料集めや取材をしていただきました。その時の資料をNeoBards Entertainmentさんに共有したことで、KONAMI、白組さん、NeoBards Entertainmentさんの3社の力が結集してこれだけのクオリティになったと思います。

――ありがとうございました!

会場に設置されていた、非常に精巧なつくりのスタチュー。視線を感じる……!
ボスを再現したスタチュー。おぞましい……。

『SILENT HILL f』は、PC(Steam/Epic Gamesストア/Microsoft Store)/PS5/Xbox Seriex X|S向けに9月25日発売予定です。

©Konami Digital Entertainment

※画面は開発中のものです。


ライター:みお



ライター/取材も執筆もたくさんやる、半ライター半編集 みお

ゲーム文化と70年代の日本語の音楽大好き。2021年3月からフリーライターを始め、2025年4月にGame*Spark編集部入り。

+ 続きを読む
【注目の記事】[PR]

編集部おすすめの記事

特集

連載・特集 アクセスランキング

アクセスランキングをもっと見る

page top