ローグライク風知識アンロックパズル『スーパードリフトブレード』はいかにして作られたか? 開発からディスコード運営までひとりでこなす開発者Liujiajun氏にインタビュー | Game*Spark - 国内・海外ゲーム情報サイト

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ローグライク風知識アンロックパズル『スーパードリフトブレード』はいかにして作られたか? 開発からディスコード運営までひとりでこなす開発者Liujiajun氏にインタビュー

もし体験を忘れてしまえたら、もう一度あの楽しさを味わいたい。

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ローグライク風知識アンロックパズル『スーパードリフトブレード』はいかにして作られたか? 開発からディスコード運営までひとりでこなす開発者Liujiajun氏にインタビュー
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マウスのスワイプ以外のすべての能力を奪われた主人公が、ループする世界で真実を探すアクションローグライク風パズル『スーパードリフトブレード』

ボスを倒しても道中の謎に気づかなければ先へ進めない構造で、いくつもの仕掛けがプレイヤーを翻弄します。


この度、本作の開発者であるLiujiajun:氏にインタビューをさせていただきました。ローグライクの皮を被った異質なパズルゲームを作った同氏は、開発からコミュニティ運営までをひとりでこなす孤高のクリエイターでした。

――簡単に自己紹介をお願いします。

Liujiajun:こんにちは、流贾君(Liujiajun:)です。個人のゲーム開発者で、これまでにSteamで8作品をリリースしました! 最新作は『スーパードリフトブレード』で、見た目はローグライクアクションですが、実際には知識アンロック型のパズルゲームです。

※知識アンロックパズル……メトロイドブレイニアとも言われるジャンル。パワーアップやアイテムのアンロックによって進行するのではなく、ゲーム開始時からすべてのテクニックが使える状態であるものの、ゲーム側は一切示してくれず、プレイを通して徐々に気づいていけるようヒントが散りばめられているゲーム。(作品によって程度のバラツキあり)

――ゲーム制作はいつから行っていますか。また、ほかにお仕事はされていますか。

Liujiajun:2018年頃からゲーム制作を始め、徐々に専業の開発者になりました。現在は他のフルタイムの仕事はしていません。

――本作を作るにあたって影響を受けた作品を教えてください(ゲーム以外も含めて)。

Liujiajun:『スーパードリフトブレード』の最初のアイデアは、私の「開発願望リスト」に書いた一文から始まりました。「プレイヤーはマウスをスライドさせるだけでキャラクターを操作し、クリックは使わない」。

アートスタイルは自作『バブルマン』の画風を引き継いでいます。基本的に自作から影響を受けていて、一作ごとに成長し、長所も短所も経験として蓄積されていきました。


長年のゲーム体験の中で、他の作品のエッセンスも自然に自分の中に取り込まれています。影響を受けた作品を挙げるなら『Fruit Ninja』『Outer Wilds』『The Binding of Isaac』『ゼルダの伝説』(特に『スカイウォードソード』『ブレス オブ ザ ワイルド』)『Inscryption』『Minit』『MiSide』、そして『World of Warcraft』などです。

多くのプレイヤーが『TUNIC』に似ていると言ってくれますが、実際の制作では意識していません。おそらく『バブルマン』や『Mouse People』を作った頃から、絵で物事を表現するのが自分の習慣になっていたのだと思います。

――以前『Outer Wilds』を参考にしたと仰っていましたが、具体的にどんなところをリスペクトして制作した形でしょうか。

Liujiajun:私はタイムループというコンセプトがとても好きで、探検隊というテーマにも惹かれます。『スーパードリフトブレード』の物語でも、世界の果てを目指していくつもの探検隊が旅立ち、プレイヤーはその中で最後に成功した一隊という設定になっています。とてもロマンチックだと思います。

――昨今、メトロイドブレイニアや知識アンロックパズルといったジャンル(『Leap Year』や『TUNIC』など)が人気を獲得してきている流れがあると思いますが、これらの作品に対してどういった思いを抱いていますか。また、どんなところに魅力があると思いますか。

Liujiajun:『Leap Year』と『TUNIC』はどちらもクリアしました。全実績は取っていません。普通のプレイヤーと同じように、とても面白い良作だと感じました。知識アンロック型ゲームの最大の魅力は「もし体験を忘れてしまえたら、もう一度最初から遊んで、またあの楽しさを味わいたい」と思えるところではないでしょうか。

『Leap Year』

――ちなみに普段はどんなゲームを遊んでいますか。

Liujiajun:基本的にどんなジャンルのゲームも遊びます。今年は『Sea of Stars』『OpenTTD』『Shadow Gambit: The Cursed Crew』『Kingdom Two Crowns』『Cast n Chill』『ENDER MAGNOLIA』『ENDER LILIES』などを遊びました。この忙しい時期が落ち着いたら、次の目標は『Öoo』です。

――本作を作るうえでもっとも苦労したポイントはどこでしょうか。

Liujiajun:最も大変だったのは英語と日本語のローカライズです。AIツールはありますが、翻訳後の校正が自分ではできません。「信・達・雅」を完璧に実現するにはどうすればいいか、今も悩んでいます。

――ローグライクアクションとパズルを融合したゲームにしようと思ったのはなぜでしょうか。

Liujiajun:新しい操作方法に挑戦したかったからです。「プレイヤーはマウスのスライドだけでキャラクターを操作し、クリックはしない」という制限で、どんなゲーム体験が生まれるのか見てみたかった。最初のプロトタイプは戦闘だけでしたが、それだと単調すぎました。そこでパズルを加え、全体の仕掛けを設計していくうちに、今の形にたどり着きました。最初のイメージ通りの方向性に仕上がったと思います。

――同ジャンルの先行作品に比べ、パズルへの導線は丁寧で、手がかりもわかりやすく置いてあるように感じました。作り上げたパズルをなるべく多くのプレイヤーに解いてほしいという気持ちがありますか(先行作品は解かれなくても構わないというレベルの手がかりもない謎があるように感じます)。

Liujiajun:もちろん、できるだけ多くのプレイヤーに謎を解いてエンディングに到達してほしいと思っています。リリースから8日間で14回のアップデートを行いました。プレイテストやデモから数えると更新は73回に達しています。その大部分はバグ修正だけでなく、プレイヤーのフィードバックを受けた改善です。ゲーム構造を変えずに、体験を最適化することを目指しました。

――これまで8作品ほどアイデアが光る作品を作っていますが、Liujajunさんのゲームづくりの哲学を教えて下さい。何を考えてゲームづくりに挑んでいますか。

Liujiajun:私はいつもひとつの「仕組み」からゲーム作りを始めます。『Treasure Drifter: Nian』の「斬る」、『バブルマン』の「消す」、『Mouse People』の「捨てる」、『窓の外』の「建てる」、『Balance 100』の「両手操作」、『怒りのシミュレーター』の「無茶苦茶な操作」。それぞれ違う仕組みを試みてきました。『スーパードリフトブレード』は、新しい操作方法への挑戦です。

――『スーパードリフトブレード』以外で、とくにおすすめしたい過去作を1つ教えて下さい。

Liujiajun:おすすめは『バブルマン』です。特に深夜、一人で遊ぶのにぴったりです。

『バブルマン』

――過去作と比べて反響はいかがですか。

Liujiajun:『スーパードリフトブレード』はこれまでの作品の中で最も高い評価率をSteamでいただいています。プレイヤーの熱意を感じています。高評価でも低評価でも、ゲームを通じてプレイヤーと対話できることが、創作者にとって何よりの喜びです。

――『スーパードリフトブレード』を作る際、過去作とは違う意識をもって開発した箇所などはありますか。

Liujiajun:違いはもちろんありますが、より大きいのは知識と経験のアップデートです。過去に比べ、挑戦的なアイデアでも安定して形にできるようになりました。

――日本には本作のような知識アンロック系ゲームが好きな人が多数います。日本からの反響はいかがですか。

Liujiajun:日本のプレイヤーの皆さんの応援にとても感謝しています。皆さんの熱意や提案によって、このゲームはさらに良くなりました。プレイヤーからのフィードバックは、作品を優れたものにするために欠かせない要素です。

――Liujiajun:さんはディスコードサーバーを運営し、ゲームの攻略情報やバグ報告などについてファンとやりとりをしていると思いますが、これらを行ってきたことで良かったことや、大変だったことを教えてください。

Liujiajun:Discordのネタバレ防止タグが気に入っていて、自分でも小さな実績集めのコンテンツを書いたりしています。特に大きな困難はありませんでした。ツールは学べば使えるし、コミュニケーションは誠実さがあれば障害を越えて友好的に行えると思います。

――本作を作ったことで見えてきた課題はなんでしょうか。また、予算や人員が今以上に確保できたらどんなゲームを作ってみたいですか。

Liujiajun:予算や人員を増やすつもりはありません。今後も一人でゲームを作っていきたいです。

――今後作りたい作品があれば教えて下さい。また本作のような知識アンロック系パズルに挑戦したいですか。

Liujiajun:私は「開発願望リスト」というものを持っていて、いろんなアイデアを書き留めています。商業的には、次も知識アンロック型パズルを作れば宣伝しやすいかもしれませんが、次はそうしないと思います。少し頭をリフレッシュする必要があります。新しいアイデアがたくさんたまって、「新しいフォルダを作らなきゃ」と思える時が来たら、新作に挑戦します。

仕組みから作る制作スタイルや、コミュニティとともにゲームを改良していく姿など、非常に参考になるお話がたくさん聴けました。知識アンロックを経由し、また新天地へと挑もうとするLiujiajun:氏の新作に期待です!

ライター:各務都心,編集:みお

ライター/ 各務都心

マーダーミステリー『探偵シド・アップダイク』シリーズを制作しているシナリオライター。思い出の一本は『風のクロノア door to phantomile』。

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編集/Game*Spark共同編集長 みお

ゲーム文化と70年代の日本語の音楽大好き。人生ベストは『街 ~運命の交差点~』。2025年ベストは『Earthion』。 2021年3月からフリーライターを始め、2025年4月にGame*Spark編集部入り。2026年1月に共同編集長になりました。

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