召喚した悪魔「でびるん」とともに住人たちの魔力を奪う“背徳的”アドベンチャーゲーム『でびるコネクショん』。10月31日にリリースされた本作ですが、発売4日で1万本を売り上げ、Steamでの評価も“圧倒的に好評”と破竹の勢いを見せています。
なぜここまで好評なのか、そんなにみんなかわいいケモが好きだったのか……いや、それは好きなんですが、この高評価の理由はそれだけに留まりません。本作の最大の魅力は、その“シナリオの良さ”にあるといっても過言ではないのです。
誰もがかわいいケモに釣られ、予想を遥かに上回る物語に心震わされる、そんな傑作アドベンチャーゲームである『でびるコネクショん』。ただ癖が強いだけのケモゲーと思われてはもったいない。ケモナーのあなたもそうでないあなたも、良きアドベンチャーゲームを求めるならば要注目です。
膨大なスチルと演出に溺れる

ある日、魔法学校の生徒である主人公は、自宅でこっそり“悪魔召喚”を試みていました。召喚されたのは、なんともキュートな悪魔の男の子。今は魔力を失った仮の姿とのことで、彼を元の姿に戻すため、悪魔と契約しともに魔力を集めることになります。悪魔はなぜか“自身の名を明かそうとしない”ので、仮に「でびるん」と呼ぶことになりました。
でびるんの持つ「高ぶらせた相手の感情を魔力に変換できる能力」と主人公の召喚魔法を合わせれば、バレずに住人達から魔力を奪取できるとふたりは画策。ゲームの基本的なサイクルは「召喚するキャラを選ぶ」→「そのキャラの感情を高ぶらせる選択肢を選ぶ」→「引き出した感情を魔力に変換」→「また次のキャラを選ぶ」というものになっています。


相手の強い感情を引き起こすためには、でびるんの能力「邪眼サーチ」が欠かせません。これは相手の考えていることをのぞき見る能力であり、ここで見られるテキストをヒントに感情を引き出せそうな選択肢を選んでいきます。
でびるんは相手に“背徳的なコト”をして感情を高ぶらせるように勧めてきますが、それによる“羞恥”や”悲しみ”が感情の高ぶりならば、当然“喜び”も感情の高ぶりです。どんな選択肢を選んで感情を揺さぶるかはあなた次第。

いざ文字に起こしてみるとなんとも不思議なサイクルを持つゲームですが、「たくさんのかわいいケモの感情を思う存分揺さぶりたい」という底知れぬ欲望から来ている遊びなのかもしれません。
この召喚&魔力回収のことをでびるんは「コネクショん」と呼んでいます。要はたくさんのキャラがおりなす起伏に富むイベントが思う存分見られる遊びがコネクショんであり、これを主としてゲームは進んでいきます。


そのため、それらのイベント群を彩るためのキャラの表情や動きはとにかく豊富に用意されています。選択肢ごとに様々な反応、テキストを見せてくれるキャラクターたちですが、そういった多様なキャラクターすべてに反応を示すでびるんのイラストの枚数も当然数え切れないほどになっています。
ゲーム中、これでもかというほど新しいイラスト、アニメーション、演出がドバドバと出てくる非常にリッチな作りの本作。それどころかゲームの後半になるほど新規スチルの頻度が増してくるぐらいであり、定価1,666円という価格に対して脅威の量となっています。
次第に顔を出す優れたストーリーと練られた設定
かわいいケモキャラ達のかわいいテキストとイラストがこれでもかと見られる。これだけでも価値があるゲームのように思いますが、ゲームを進めていると、次第に設定周りの緻密を感じられるようになってきます。

相棒のでびるんは悪魔ですが、ファンタジー作品では当たり前のように登場するこの“悪魔”とはこの世界では一体どういう存在なのかといった設定や、それに相対する“天使”の存在、それらに属さない、主人公を含む地上の世界の住人達の種族とその歴史など、世界のバックグラウンドはかなり作りこまれている様子。コネクショんを続けている中で、それらが次第に明らかになっていきます。
そして、「魔力を集めてでびるんを元の姿に戻す」という当初の目的だけでは物語は終わりません。悪魔であるでびるんの悪事を止めることを目的とする天使「クピャドエル」が主人公に協力を求めてきたり、 単に魔力を集めるだけではだめだったり、一筋縄ではいかないストーリーが展開されていきます。

その中で、プレイヤーは膨大な数の“エンディング”を迎えます。迎えたエンディング数がいくつなのかが簡単にわかるようになっていたり、エンディングを迎えるたびに「くぴゃだぎゃ劇場」というちょっとした寸劇が挟まったりと、エンディングを収集することが本作の主要な目的の一つであることは早い段階で示されます。
基本的には単一の選択肢から直行するエンディングが多く、エンディング後はすぐに本筋に戻れるようになっています。その分さまざまなキャラクターによるイベントが見られる作りであり、こういった展開の豊富さも本作の魅力です。

とはいえ、本作のシナリオでもっとも魅力的なのはやっぱり本筋の部分。インタラクションがあるビデオゲームだからこその演出の数々と、上述した豊富なイラストと表情から来る丁寧な心理描写がストーリーを彩っています。詳しくはネタバレになるために触れませんが、本作のスタッフロールを見る頃には登場するキャラクターみんなの虜になっていること必至です。
なんだかんだ癖の詰まったケモゲー

ここまで、アドベンチャーゲームとしての『でびるコネクショん』の魅力を紹介してきましたが、なんだかんだと言いつつも“かわいいケモがいっぱい出てくる”ことも本作の魅力であることは間違いありません。
相棒となる「でびるん」、天使の「クピャドエル」や、コネクショんで召喚する住人たち、そしてもちろん主人公も、本作に登場するキャラクターはもれなく全員ケモキャラ的なビジュアルを持っています。そういう世界です。

そういった多種多様なケモキャラたちのかわいいシーン、 かっこいいシーン、ちょっとえっちなシーン、かわいそうなシーンや心温まるシーンなど、膨大なシチュエーションが膨大なイラスト枚数で描かれています。制作者がケモに並々ならぬ情熱を注いでいることは間違いないのでしょう。
そのため、かわいいメスケモに押し倒されるシーンや、オスケモにメイド服を着せるシーン、無性の天使がでびるんを縛るシーンなどなど……そういう“背徳”がこれでもかと詰め込まれたゲームであるということも言っておかなければいけません。
気に入ったシーンが出てきたら「フォトモード」で記念撮影をしてデコりまくりましょう。

『でびるコネクショん』は、PC(Steam)向けに配信中。現状「ケモに釣られて遊んだらシナリオも最高のアドベンチャーゲームだった」というユーザーたちに評価されていると思います。本記事を読んで、「最高のアドベンチャーゲームだと聞いたからやってみたらケモナーになっていた」という人が増えれば幸いです。











