大阪万博開催や、クマによる被害の増加、米国による関税措置など2025年もさまざまな出来事がありました。しかし、ビデオゲームにおいては、なんといっても1億5000万台を売り上げたニンテンドースイッチの後継機であるニンテンドースイッチ2が発売したことは特に大きなニュースの一つであると思います。
今年の任天堂の動向をおさらい
本記事では、2025年に任天堂が発売した作品や、会社としての動向をおさらい。来年への期待もお届けします。
◆ニンテンドースイッチ2発売

2017年に初代ニンテンドースイッチが発売されて以降、約8年ぶりとなる任天堂の次世代ハード、ニンテンドースイッチ2が6月5日についに発売されました。
特徴は、やはり任天堂ハードとしては珍しい「正当進化」路線のハードとなったことでしょう。任天堂ハードでもっとも売れたハードウェアであるニンテンドースイッチのコンセプトのほとんどを引き継ぎつつ、純粋な性能アップがなされたことが主なフィーチャーです。新しい要素は「マウス機能」や「ゲームチャット」など比較的小規模なものにとどまっています。
その分、この価格帯の携帯ゲーム機としてはかなり頑張った性能となっており、任天堂タイトルのさらなるグレードアップへはもちろん、サードパーティのAAAタイトルがどれだけ移植可能かといった面も期待されます。一方で、開発費の高騰が続くゲーム業界において、大手プラットフォームがハンドヘルドゲーム機であることは、特に中小規模のゲーム会社にとっては助け舟となる側面もあるように思います。
結果的にニンテンドースイッチ2は想定よりも遥かに高い需要のために急速な増産に追われることになり、結果的には発売4ヶ月で1,000万台と、歴代任天堂ハードで最速の売上を記録しています。
◆発売された任天堂タイトル

記念すべきローンチタイトルは、ニンテンドースイッチでもっとも売れたタイトルである『マリオカート8 デラックス』の続編となる『マリオカートワールド』でした。シリーズ初の24人対戦とシームレスなオープンワールドを両立し、その上で60FPSのパフォーマンスを維持する本作は、まさにニンテンドースイッチ2の性能を活かしたタイトルとなっています。
夏には『スーパーマリオ オデッセイ』のチームによる新作『ドンキーコング バナンザ』が発売。こちらもフィールドのほぼ全てが内部的に細かなボクセルによって構成され、破壊可能になっているというかなり高負荷なゲームであり、同時に任天堂の得意とする3Dプラットフォーマーの遊びが融合したタイトルとなっています。


その後は、任天堂の販売するタイトルとしては『Pokémon LEGENDS Z-A』や『カービィのエアライダー』、『メトロイドプライム4 ビヨンド』などがリリースされました。(『ゼルダ無双 封印戦記』は国内ではコーエーテクモゲームスによる販売です。)ニンテンドースイッチ2が発売した6月より以前の今年の任天堂タイトルは、『ドンキーコングリターンズHD』と『XenobladeX Definitive Edition』の2本です。
◆サードパーティタイトルは?
サードパーティのニンテンドースイッチ2向けの独占タイトルとして、もっとも成功したのはKONAMIの『シャインポスト Be Your アイドル!』かもしれません。ユーザーからの高い評価と、メディアミックスによるIPとしての広がりもみせています。


初代ニンテンドースイッチとの縦マルチとなっているタイトルでは、『ファンタジーライフi』『イナズマイレブン 英雄たちのヴィクトリーロード』『龍の国 ルーンファクトリー』『空の軌跡 the 1st』などが盛り上がりを見せていました。全体的にレベルファイブの存在感が強かった印象です。
AAAの移植タイトルとしては『サイバーパンク2077』がローンチから驚異的な移植品質で評価されているほか、『スター・ウォーズ 無法者たち』の移植なども同様にパフォーマンス面で評価されています。一方で、『The Elder Scrolls V: Skyrim Anniversary Edition』や『HITMAN World of Assassination - Signature Edition』など移植品質に難が見られるタイトルも散見されました。

なんだかんだ、まだ各社初代ニンテンドースイッチとの縦マルチで様子を伺っているような印象ですが、さすがに1億台売れているニンテンドースイッチを切り捨てて、まだ売れるか未知数だったニンテンドースイッチ2に全力投球といった賭けはできないのかもしれません。それでも、ニンテンドースイッチ2向けのアップグレードにてしっかりと品質の向上が見られるタイトルもありましたし、想定よりも高い需要も相まって、今後はニンテンドースイッチ2を主戦場として狙うソフトメーカーも増えるかも知れません。
ぶっちゃけどうだった?いちユーザーとしての感想
ニンテンドースイッチ2は、12月時点で発売から半年ほどしか経っていません。そういう意味で、わずか半年でこれだけのラインナップが用意されたのは、かなり気合が入っていたなと感じています。
まずはなんと言っても、ライトな層に強力にアプローチできる『マリオカート』シリーズの新作がローンチでリリースされたことは大きく、今後もニンテンドースイッチ2を牽引するタイトルであり続けるでしょう。一方で、『ドンキーコング バナンザ』はMetacriticにて91点のスコアを獲得するなど、コアなゲーマーにもアプローチできるタイトルでした。


世界的なIPである『ポケットモンスター』の新作も縦マルチでリリースされたほか、カルト的な人気を持つ『カービィのエアライド』の続編『カービィのエアライダー』もニンテンドースイッチ2独占で登場しています。歴代の任天堂ハードと比べても、発売半年でこれだけのラインナップが用意されたハードはなかなかありません。
とはいえ、やはり初代ニンテンドースイッチが発売された2017年の盛り上がりには及ばないかもしれません。2017年は、『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』と『スーパーマリオ オデッセイ』が同時に登場した年であり、どちらも極めて高い評価と、ニンテンドースイッチを大きく牽引する売上をもたらしました。

特に『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』がコアなゲーマーにも強くアプローチ可能なタイトルだったことは当時とても大きかったように思います。初代ニンテンドースイッチの初動はニンテンドースイッチ2よりも遥かに少ないものの、長期にわたってユーザーによる口コミ的な広がりを見せたタイトルでした。
それと比較すると、2025年のニンテンドースイッチ2向けの任天堂タイトルは、全体としてライトな層にアプローチされるタイトルが多い印象でした。一方で、ハードウェアとしては高価格化に見合った使いやすくプロ向けな仕上がりとなっており、ターゲットには少し齟齬があるようにも思えます。
今後のニンテンドースイッチ2に期待すること
今後は、より快適になったニンテンドースイッチ2のハードウェアの強みが存分に活用できる、コアなゲーマーにもアプローチできるタイトルが増えることが望まれるように思います。

そもそも、ニンテンドースイッチ2のローンチタイトルに『マリオカートワールド』を置いたのは、初代ニンテンドースイッチにて初年度にリリースされた『マリオカート8 デラックス』が2025年現在まで持続的に売れ続けていたという状況を意識しているように感じられます。これをラインナップとして最初に置くことで、『マリオカート8 デラックス』と同じ売れ方でニンテンドースイッチ2の需要を下支えしてくれることを狙っているのではないでしょうか。『マリオカート』が長期的に売れ続けるというのは、『マリオカート7』や『マリオカートWii』の時にも起きていた現象です。
その上で、『マリオカート8 デラックス』の“次”のタイトルとして選ばれていた『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』のようなコアに楽しめるタイトルが今後用意されるのかというのは、ニンテンドースイッチ2を購入したユーザーとしては気になるところです。

一方で、初代ニンテンドースイッチを所持しているユーザーの比率がまだまだ多いということも事実であり、サードパーティも縦マルチが多めな年でした。任天堂自身も『トモダチコレクション わくわく生活』や『リズム天国 ミラクルスターズ』などがニンテンドースイッチ向けの弾として早い段階で発表されており、次世代機へのユーザー移行はゆるやかに行おうとしていたことが伺えます。
しかし、実際には想定を上回る需要による急速な増産に追われることとなり、結果的に、2026年3月期の販売計画は1,500万台から1,900万台へと大幅に引き上げられました。このスピードでの普及は、サードパーティにとってもニンテンドースイッチ2が想定より早く魅力的な市場に成長したという判断材料になるように思われます。
そのため、今後サードパーティでもニンテンドースイッチ2のハードウェア性能を活かしたタイトルがさらに増えることになるかもしれません。任天堂自身、今後想定よりも早くニンテンドースイッチ2向けを主戦場とする方向にシフトするといった動きもあり得るように思います。
とにもかくにも、いちゲーマーとしては、面白いゲームが一本でも多く出るハードになってほしいということに尽きます。
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