『Escape from Tarkov』の成功を支えてきたPRチームの中核メンバーが、新たな一歩を踏み出しています。
グローバルPRヘッドを担ってきたドミトリ・オゴロドニコフ(Dmitri Ogorodnikov)氏と、PRマネージャーを務めていたゲルマン・テレホフ(German Terekhov)氏。両名に共通するのは、長年にわたりゲームを“伝える側”としてプレイヤーやコミュニティと向き合ってきた点です。そんな彼らがいま、自らのビジョンを形にするべく、新スタジオ「Nomion Games」を立ち上げました。
現在は『Rush is Real』という新規IPのプロトタイプを開発中。既存ジャンルに収まらない挑戦的な作品となっていそうです。本記事では、スタジオ設立の背景や新作の方向性、そして『Escape from Tarkov』での経験がどのように活かされているのかについてミニインタビューをお届けします。

――Nomion Games設立の経緯について教えてください。
ドミトリ・オゴロドニコフ:Nomionの物語は、まさに始まったばかりです。新作ゲームの構想自体は以前からありましたが、当時は既存プロジェクトに取り組んでおり、それを完結させる必要がありました。具体的には、『Escape from Tarkov』のバージョン1.0のリリースです。BSGの中で新しいゲームを立ち上げることは難しい状況でした。年月を経る中で会社の方向性も明確になり、開発やプロモーションに対する考え方の違いも生まれていました。そこで私たちは独自の道を進み、新たなスタジオの設立に踏み切ることにしました。
現在は初期投資の確保段階をすでに終えており、新作のコンセプトも良い評価を得ています。いまはプロトタイプの開発や世界観の構築を進めつつ、人材の採用も行っている段階です。開発、デザイン、アートといった主要ポジションには、実績のある経験豊富なメンバーがすでに加わっており、その周囲に専門チームが徐々に形成されつつあります。
――新規IPの方向性やビジョンについて教えてください。
ドミトリ・オゴロドニコフ:現時点では多くを明かすことはできません。現在はプロトタイプ開発の最中ですし、過度な期待や誇張を生みたくないという意図もあります。最初から「○○キラー」や「○○のクローン」といったレッテルを貼られることは避けたいのです。近年の経験から、それが作品の評価に悪影響を与えるケースが多いと感じています。
数か月以内にはゲームプレイをお見せできるようになる予定ですが、今は何よりもゲームそのものに集中しています。簡単に言えば、本作は非常にリスクの高いシューターです。プレイヤー、観客、そしてゲーム世界そのものが、勝利のために常に動き続けることを要求してきます。タイトルやロゴも、このコンセプトを反映したものとして意図的に設計されています。
――『Escape from Tarkov』での経験は本作にどのような影響を与えていますか?
ドミトリ・オゴロドニコフ:『Tarkov』は私のキャリアにおける3つ目のプロジェクトでしたが、BSGでの9年間は非常に長く、当然ながら大きな影響を受けています。そこで得た経験は唯一無二であり、ある意味では記念碑的なものです。ですが、そこで実現したアイデアや成果があったからこそ、自分たちの力で前に進もうという決意がより強まりました。
そのため、『Rush is Real』はジャンルの捉え方や選択においても独自の道を歩んでいます。本作は、超ハードコアなエクストラクションシューターとカジュアルなバトルロイヤルの中間に位置する作品であり、どちらにも完全には属しません。私たちは実験的なアプローチを好み、プレイヤーに新しい体験を提供したいと考えています。そのため、いくつかの新しいメカニクスを導入しており、たとえばキャンプ行為への対策などにもつながっています。
現在はプロトタイプ段階であり、まずは内部でこれらの仕組みの有効性を検証しています。その後、最初の公開テストを実施する予定です。その瞬間をとても楽しみにしています。
――日本のゲームユーザーについて、どのような印象をお持ちですか?
ゲルマン・テレホフ:私は東京ゲームショウ2025におけるBSGのPR準備に参加し、メディア関係者だけでなく、一般のプレイヤーやストリーマーとも交流しました。相生あいさん、TunaKombuさん、ゆぴぴちゃんさん、ASNA_esportsの伊藤耀介さんなど、多くの方とお話ししましたが、日本のユーザーに対して非常に高い評価を持っています。特に印象的だったのは、ゲームに対するセンスの良さです。
ドミトリ・オゴロドニコフ:私も同意見です。日本のプレイヤーは長年のゲーム体験によって培われた理解力と、独自のゲーム文化を持っています。私は3年連続で東京ゲームショウに参加し、多くの友人もできました。新しいプロジェクトを携えて、必ずまた訪れたいと思っています。
――ありがとうございました。





