気になる新作インディーゲームの開発者にインタビューする本企画。今回は、Christoffer Bodegård氏開発、PC向けに3月4日にリリースされたアイソメトリックビューRPG『Esoteric Ebb』開発者へのミニインタビューをお届けします。
本作は、ゴブリンの相棒とともに世界の陰謀をを解き明かすアイソメトリックビューRPG。とある爆破事件をきっかけに、プレイヤーはゴブリンの相棒「スネル」とともに街やさまざまなロケーションを探索し、事件の謎に迫ります。記事執筆時点では日本語未対応。
『Esoteric Ebb』は、2,800円で配信中。


――まずは自己紹介をお願いします。一番好きなゲームは何ですか?
ChristofferChristoffer Bodegårdです!スウェーデンの中心部に位置する、シェブデという小さな街に住んでいます。地元のシェブデ大学に素晴らしいゲーム開発プログラムが揃っているおかげで、ここは人口あたりの開発者数が異常に多い街なのです。私はそこで「ゲームライティング」を専攻し、インタラクティブライティングとデザインについて、何年もの間、非常にユニークな研究を重ねてきました。
お気に入りのゲームについては、自分のウェブサイトにトップ10を公開しているのですが、あえてトップ3を挙げるなら『Heroes of Might & Magic III』、『Planescape: Torment』、そして『ディスコ エリジウム』ですね。
――本作の特徴を教えてください。また、そのアイデアはどのように思いついたのでしょうか?
Christoffer私が作った『Esoteric Ebb』というゲームは端的に言えば、私自身をDM(ダンジョンマスター)に見立てた「ダンジョンズ&ドラゴンズ」のシミュレーションです。しかし、プレイヤー自身が「誰よりも面白いプレイヤー」になることで、私が用意したキャンペーンをぶち壊すチャンスがあるのです。
このアイデアは、先ほど挙げた私が大好きなゲームと、テーブルトークRPG全般に対する私の愛の両方から生まれました。
――本作の開発にあたって影響を受けた作品はありますか?
Christoffer少し直球すぎる表現かもしれませんが、『Esoteric Ebb』はあらゆる面において、『Planescape: Torment』と『ディスコ エリジウム』の融合です。これら2つの作品から、自分が大好きな要素を抽出し、それらを掛け合わせて「新鮮な何か」を生み出したいという強い思いがあったのです。

――本作の開発中に一番印象深かったエピソードを一つ教えてください。
Christofferいやあ、いい質問ですね。一番印象に残っているのは、開発の最終盤で「時間がなくなってしまった」時のことです。完全に自分のキャパシティ以上に風呂敷を広げすぎてしまった、典型的な状況でした。
ちょうど年末、2026年を迎える数日前のことでした。クリスマスのために数日の休暇は取れたのですが、本作に登場するダンジョンエリア全体の実装が予定よりも大幅に遅れていたのです。当初は12月を丸々使って仕上げるつもりだったのですが、素晴らしい協力者であるGibbetから完成した背景アセットが届いたのが、なんと12月28日でした。
そこでもう、覚悟を決めました。ダンジョンに配置されたあらゆるトラップ、モンスターとのエンカウント、そして膨大な量のセリフ…これらをすぐに完成させなければ、マスターアップの締め切りに間に合わせるためにコンテンツを削るしかなかったのです。
結局、終わるまでに7日間かかりました。その間に実装したテキスト量は10万ワードで、ゲーム全体の約7分の1にあたります。あれほど効率的に仕事をしたことは、後にも先にも人生で一度もありませんね。
――リリース後のユーザーのフィードバックはどのようなものがありましたか?特に印象深いものを教えてください。
Christofferほぼ全面的にポジティブな反応をいただいています。自分でも信じられないくらいです。このゲームは、極めて個人的な物語であると同時に、政治とファンタジーを掛け合わせた、ある種「無茶苦茶なごちゃ混ぜ」ですから。
特に驚いたのは、多くの人がこのゲームのコメディ要素を楽しんでくれたことです。何を面白いと感じるか、というのは非常に主観的なものですから、大半の人がすぐに本作のノリを理解して楽しんでくれるとは予想もしていませんでした。本当に素晴らしいことです。
――ユーザーからのフィードバックも踏まえて、今後のアップデートの方針について教えてください。
Christofferもっとゲームを作りたい!という意欲に溢れています。現在、プレイヤーの皆さんが本作の世界観を本当に気に入ってくださっていて、設定そのものへの期待が高まっているのを感じます。そこで、長年の協力者でありイラストレーターのOscar Westbergと共に、「エソテリック・コースト」の世界をさらに広げていく方法を模索しています。私自身、本当に楽しみです。
本作はリリースからまだ少ししか経っていないため、具体的なアップデート情報を今すぐお出しすることはできませんが、近いうちにお見せできるものが出てくるはずです。また、私たちのウェブサイトではメーリングリストの登録を受け付けています。今後の「エソテリック」な最新情報を受け取りたい方は、ぜひチェックしてみてください。
――本作の日本語対応予定はありますか?有志翻訳は可能ですか?
Christoffer残念ながら、本作は日本語対応されていない状態でのリリースとなってしまいました。ですが、有志の方々がModとして日本語を実装しようとしてくれています。本当に素晴らしいことです。
もちろん、将来的には公式なローカライズも実現したいと考えています。ただ、本作に登場する単語数がとんでもなく膨大なので、どうしても時間がかかってしまいます。それでも、近い将来この件についてもっと具体的なお話ができるようになればと思っています!
――本作の配信や収益化はしても大丈夫ですか?
Christofferはい、『Esoteric Ebb』が配信されているのを見るのは大好きです!実はいつもYouTubeをこっそり巡回し、本作の新しい動画がアップされていないかチェックしているんです。ですから、ぜひどんどん配信してください!
――最後に日本の読者にメッセージをお願いします。
Christofferこれまで8年以上の歳月をかけて『Esoteric Ebb』を開発してきました。これは純粋に情熱だけを詰め込んだプロジェクトであり、一人でも多くの人に楽しんでもらいたい…ただそれだけが私の願いです。
また、日本にはこのゲームを絶対に気に入ってくれるゲーマーが数多くいることもわかっています。だからこそ、将来的に日本語対応できることを、私自身も心から楽しみにしています!
――ありがとうございました。


◆「注目インディーミニ問答」について
本連載は、リリース直後のインディーデベロッパーにメールで作品についてインタビューする連載企画です。定期的な連載にするため質問はフォーマット化し、なるべく多くのデベロッパーの声を届けることを目標としています。既に900を超える他のインタビュー記事もあわせてお楽しみください。








