
1996年、PlayStationで『バイオハザード』が発売されました。言わずと知れたサバイバルホラーの傑作です。
あれから30年、最新作である『バイオハザード レクイエム』が発売された年に、一風変わったフォロワー作品が誕生しました。
その名も『感染区白書』。バイオらしいフレーバーや世界観を踏襲しつつ、SRPGとして仕上げておりました。

『バイオ』がタクティカルRPGと出会った!コロンビアのクリエイターが作るグリッド型サバイバルホラー
本作はTeam Vulturesというコロンビアのディベロッパーが作るゲーム。巨大企業で起きた爆発を機に発生したゾンビアポカリプスのなかで、皮肉屋の大男レオポルド、某SF漫画の主役にちょっと似ているクール女子のアンバー、オペレーターのサツキからなる「ヴァルチャーズ」というチームが事態の解決に乗り出します。

スクリーンショットの雰囲気を見てわかる通り、本作はPlayStation期の『バイオハザード』に強く影響を受けた作品です。ローポリのグラフィックで、ゾンビがはびこる警察署や洋館といったロケーションを探索していくことになります。

これだけだとただの『バイオハザード』フォロワーですが、特筆すべきは本作がSRPG(タクティカルRPG)であること!
世界はグリッドで仕切られ、移動も戦闘もマスに沿って行われます。

探索中も厳密にはターンベースではありますが、そこまで気にすることはありません。重要なのはゾンビに気づかれて戦闘に入ってからです。プレイヤーには攻撃やアイテム使用に使うAPが3、移動に使うMPが3配られ、これらを駆使して敵を殲滅していきます。
ゾンビどもにはそれぞれ部位が設定されており、ハンドガンで頭を撃つと2AP、胴体や足を撃つと1AP消費します。基本的には脚を狙って動きを止めて、下がりながら戦う作戦が良いでしょう。
弾がなくなったらナイフを振り回すほかありませんが、出血の状態異常を付与させることができるので、むしろナイフが光るといった場面も多々あります。

ようは、昔の『バイオハザード』をSRPGに落とし込んだ形なのですが、これがなかなか面白い! しっかりSRPGとして機能するように考えられています。
グラップリングフックでゾンビを奈落に落としたり、電流が流れる水の中にを押し出したり、ドラム缶を爆発させて爆風に巻き込んだりと、ひとつひとつはSRPGで見たことのあるギミックなのですが、この雰囲気のなかでやるのがなんともたまらないんです。

特に、イベントをこなして帰ってくると庭にゾンビが大発生していたり、中ボス級はしっかりとカットシーンがあったりと、外連味についてもちゃんと本家を勉強しています。
そのうえで、ただの模倣ではなく、位置取りや環境キルをすれば弾薬などのリソースをかなり削減できるなど、SRPG的な楽しさもしっかり追及しています。
ローカライズも完璧とまではいかずとも、レオポルドの皮肉っぽい語り口や、サバイバルホラーらしいおどろおどろしい筆致がちゃんと出ていて、十分な仕事ぶりでした。

また『バイオハザード』と大きく異なり、一本道ではなく、拠点からミッションを選んで出撃する形式なのは、本作ならではの素晴らしいところだと思いました。
ミッションが勝手に進行しないように、クリアの直前には先に進んでしまう旨の警告文が表示されるのもエラいですね(ミッション自体は繰り返し遊べます)。ちゃんとコンプリート欲に向き合ってくれています。

メモ書きなどのロアも、サバイバルホラーの王道をド直球にやっており、ジャンルへの愛が感じられます。
一部戦闘の繰り返し感や、真面目にリソース管理をすると物資が余りがちになるなど、細かい問題点はありますが、楽しく遊べる範疇に収まっています。一番気になるのは、原題『Vultures』に対してこの邦題をつけたセンスでしょうか……。
『感染区白書』はPC(Steam)にて配信中です。











