なぜわざわざ嫌な気持ちになりにいくのか、悪趣味描写のどこが好き?
もぐ水:では、次の話題に移りましょうか。なぜ私たちはわざわざ嫌な気持ちになりにいくのか、悪趣味描写のどこが好きなのか、という話を聞いてみたいなと思って。
自分でお題を出しておいてなんですが、改めて考えると難しくて。明確な答えは出なかったんですが、私はフィクションでショックを受けることにある種の気持ちよさを感じているのかもしれないなと思いました。それに加えて、「ショックを受けますよ」と言われてない状態でいきなり殴られる方が嬉しいところがあるのかも。
難波:(笑)。ちょっとマゾい感じですね。
タケダだいゆう:俺も同じ感じです。不意に来るやつが一番いいですからね。
もぐ水:よかった、一人じゃなかった(笑)。なんというか、悪趣味なものだと分かっていると頭の中で「こういうことが起きるのかな」って考えちゃうんですよ。頭の中に今まで見てきたもののデータが構築されているので。ただ、そういう展開があるよって言われてないと、突然来るので身構えられなくてゴロゴロって転がってしまうのが楽しい。
難波:確かに、ノーガードの状態でくらうと100のものでも120の力で食らいますもんね。なるほど。
タケダだいゆう:そのノーガードで思い出したんですけど、『ラスアス2』を発売日にプレイしたんです。そしたらもうひどいものをくらいまして。当時、学校の先生がゲーム好きだったので同じタイミングでやってたんですが、3日後くらいに2人とも沈んだ状態で学校にいたのを覚えてます。
もぐ水:めちゃくちゃいい思い出ですね。
タケダだいゆう:お互いなんかあれは……うーん……って言って終わりました。
もぐ水:ただこれは、「なりにいく」という訳ではないのでちょっと違うんですが……。悪趣味が好きな気持ちにこういうところが1つあるかなと。
みお:私はなかなか出会えないんですが、物語を読んで嫌な気持ちになって体調を崩すのがすごく好きなんですよね。自傷癖みたいな事言ってますけど(笑)。自分は物語に強く惹き込まれることって少なかったりするので、なんというかこう、心を滅多刺しにして欲しい気持ちがあって。
難波:みおさんは体調に出るんですね。
みお:沈んでる時は本当に頭抱えるくらい体調悪くなって全然やる気出なくなっちゃうんですけど、でもそこがちょっと気持ち良いんですよね。
もぐ水:その状態になった作品ってなんですか?
みお:やっぱり最初は『街』だったかな。とても好きな話とキャラだったので、「なんであんなことになっちゃったんだろう」って、自分がなんかしたかのように後悔しちゃった。そういうのが後の方に来るのが好きで、『ニューダンガンロンパV3』とか……。これは後の話題でも触れる作品なので今は置いておくんですが、まあ悪趣味で体調崩すのが好きということで。

難波:やっぱり引きずりますよね。何日か何週間か思い出しては「ううっ」ってなるのがいいってことですよね。
みお:そうですね。一番崩したのはゲームじゃないんですけど、漫画ですごく嫌な話があって、18禁のBL漫画に「葬式帰り」という作品があるんですね。横谷加奈子さんという最近商業でも描かれている方の男子中学生のBLなんですけど、とにかく救いのない話で。いやな温度感で、読んだ後3,4日ぐらい体調崩して何もできなかったですね。
もぐ水:いいですよね、私もその漫画読んだことあります。
みお:しんどくてオススメです。羊めりさんは、どういう理由があると思ってますか?
羊めり:私は学生時代に勉強したことの受け売りなんですが、カタルシスが欲しいのかなって思っています。カタルシスって、悲劇が観客の心を揺さぶり、泣かせたり怖がらせたり憐れんだりといった感情を呼び起こすことで、それを浄化するというものなんですよ。
なので、結局こういうものを楽しめるのは心の健康と平穏な生活ありきだと思うので、心のデトックスみたいなものなのかなと。
さっきノーガードの話をしてましたけど、来られても全然大丈夫ではあるんですが、話を聞いていて私は事前情報がほしい側かもしれないと思いました。そういう気持ちになりたい時になりに行くのかなと。とはいえ、ノーガードで来られた時のインパクトの凄さも十分わかっているので一概には言えないんですが……。これだけは絶対に何も見ず自分の目で!というものは、発売日にプレイしますし。
もぐ水:いや、事前の情報や警告は大事ですよ。苦手な方もいますし、避けたいものは避けられたほうがいい。突然刺されたいっていうのはちょっと変というか、あんまり良くないんですよ。

羊めり:なので、私はお三方に比べてまだ高みに至ってないのかもしれないです(笑)。四天王の中で最弱ポジション。
もぐ水:これはなんというか、痛いのを「痛くない!」って言っているのと同じようなものなので、健全かと言われたら微妙なところがありますよ!
羊めり:難波さんは、事前情報欲しい派ですか?
難波:私はあんまり答えにならないんですが、ネタバレとか事前情報の有無ってそんなに気にしてなくて、「ネタバレになっちゃうけどいい?」って聞かれても「全然いいよ」って返すことが多いです。むしろ人の感想を調べてからやるタイプなので、悪趣味だったと書かれてたら「じゃあやろう!」って飛び込みます。
なので、私もノーガードでくらう気持ちよさも分かるし大好きなんですが、くらいたいって思って自分からくらいに行く感覚のほうが近いのかなとお話を聞いて思いました。
もぐ水:ただ、ノーガードって今はもう基本的には無理なんですよね。なんとなく雰囲気で嗅ぎ取れたり、SNSで感想が目に入ってしまったりするので。完全なノーガードは幼い頃にしかできない。だから今は「よし来い!」と構えてやるんですが、そこで想定を超えてきてくれると嬉しい、って方にシフトしてるかもしれないです。

難波:最高ですね。こちらの想定を超えてこられた時の衝撃でしか得られない栄養もあるじゃないですか。もしかしたら、事前情報がちょっと欲しいというのも、超えてくれることを期待して摂取したいと思っているからなのかも。「どうせこうなるんでしょ、知ってるよ」ってやってたら、と見せかけて……というのが来ると「アッハッハ!」ってなっちゃう。
もぐ水:では、悪趣味のどこが好きかという話なんですが、タケダさんはどうですか?
タケダだいゆう:どこが好きかって言われると難しいなと考えてたんですけど、さっき言ってた防衛本能で記憶に残るっていうのが一番デカいかもしれないですね。『ラスアス2』がそれなんで。
もぐ水:私も色々考えて、これはフィクション限定という当たり前の前提ではあるんですが、1個好きなものとして破壊や破滅に美しさと気持ち良さを感じるところが好きなのかなと。
難波:現実では為し得ないことですよね。ただ、破壊とか滅びにも美学があるっていうのを作品で体験できるっていうのは、言われて「なるほど」と思いました。
もぐ水:ちょっとネタバレが入るんですが『アーマード・コア フォーアンサー(以下、ACfA)』で3つあるルートの中で好きなエンディングがあって。『アーマード・コア』シリーズって基本世界が大変な状態からスタートするんですが、『ACfA』は特に大変なことになってるんです。地球は大気の汚染がひどくて、人類の大半は「クレイドル」というすごく大きい飛行機みたいなものに乗って空で暮らしてる。

企業同士が争いあってるので、ロボットに乗れる適性がある人は傭兵になったり企業のパイロットとして戦うんですが、ゲームを進めていくと「人類これからどうするの」っていう話になっていくんです。そのルートで多くの人が3周目に辿り着くものが大好きなんですが(ここからは『ACfA』終盤についてのネタバレが含まれるので、気になる方はひと塊飛ばして読んでください)
そのルートでは、ある人物に誘われて多くの人類が暮らしている「クレイドル」をプレイヤーである主人公が壊してしまうんですね。『アーマード・コア』には基本人間がビジュアルとして出てこないので、クレイドルの中がどうなっているのかとか、壊されている時人はどうだったのかとかが何にも描かれないで、落ちていくクレイドルだけが見えるんです。しかも、落とすのは全然難しくない。かなり大規模な虐殺をしているんですが、そこに美しさと気持ち良さを感じてしまったんです。
みお:それに繋げて思ったんですが、派手にどん底に突き落とされる状態より、ちょっとしたボタンの掛け違いでどんどん悪い方向に行くものが好きだなということに気付きました。
難波:うわ~、なんかわかる。「これもうどうしようもなかったな」っていうやつより、「やりようによってはもっといい展開があったのに」って思うほうがしんどいかも。
もぐ水:確かに、『ダンガンロンパ』とかもそういう感じですね。別に殺さなくていいのに、殺さなきゃいけない状態にされてしまったからこうなってしまった。という話なので。
難波:私は未プレイなのでキャラクターの見た目しか知らないんですが、みんな個性的でそれぞれ人気があるのに、ユーザーに愛着を持たせといて死んじゃうって辛そうだな。この子死ぬのねって。

みお:プレイ中死ぬな!死ぬな!って思ってたキャラいたな。死んだけど。
もぐ水:あと、何が嫌なのかという観点として、人間が共通して持つ意識や、あるいはその人自身の内面について深く突き詰めたものが見られると悪趣味要素として嬉しいなと思いますね。
悪趣味好きだからといって全部好きなわけじゃなくて、好き嫌いもありますし。「この作品の悪趣味描写、全然刺さらなかったな」とか、悪い意味で嫌だったなと感じることもあって。そのあたりは、個人の好みになってはしまうんですが……。ただ突き詰めていないと印象に残らないと思うので、そういうクリエイティブ精神が感じられる作品が好きですね。
みお:私は悪趣味に限らずなんですが、作品を通じて思い込みの裏をかかれるのが好きで。悪趣味ではない爽やかなゲームの話になりますが、『パラノマサイト』新作の『伊勢人魚物語』がホラーから怪奇青春アドベンチャーに変わったので最初は「どうなのかな」と思ったんですが、『パラノマサイト』らしさはテキストやノリに残ってたと思うんですよね。さらに、そこを逆手に取った仕掛けもあったりして。

難波:悪趣味な演出って、多分「好き」という感情でやっているんですが、快楽や純粋な楽しさというよりは中毒になっている感覚なのかなと考えたんですよ。ハッピーな思い出はさらっと抜けていきやすいので、それよりも強い恐怖や不安、辛い記憶のほうが残るんじゃないかと。確か人間の防衛本能として、今後の人生でリスクを回避するために、危険を感じたことは強く覚えておくシステムがあったはずなので。それを趣味の悪い作品に遭遇した時も体験するので、癖になっちゃってるというか、またああいう強い体験をしたいって中毒になっているんじゃないかと思います。だから、悪趣味な作品があると聞けばやりたいと思ってしまうのかなと。
もぐ水:そうですね。多分、ここにいる人は中毒者の集まりですからね。
特に好きな悪趣味描写、作品は?
もぐ水:では、ゲームメインで特に好きな悪趣味描写や作品についてお願いします。
羊めり:自分はこれ好きだな、って思ったものが大きく2つあります。1つは「あり得たかもしれない幸せな未来にこんなのがあったよね、でもそうはならなかったんだよ」っていうのを見せられるのが好きで。
難波:うわ~~辛い。もうなんで見せたんだよ!ってなりますよね。
羊めり:これはもう、明確にさっき言った『うみねこのなく頃に』で好きになったもので。『ルフランの地下迷宮』もこんな感じです。もちろんその未来に進めるに越したことはないと登場人物も多分思っているんですけど、でもそれまでの道のりを傷つきながら引きずっている、それでも進んで行く描写が好きなのかな。ちょっと前向きな描写ですけども。
もう1つが、先ほど難波さんが挙げた乙女ゲームにもあった「解釈によって良い結末にも悪い結末にもなりうるエンディング」ですね。これも『うみねこ』あたりがきっかけな気はしているんですが、『シルバー事件』なども終盤からエンディングにかけてって、プレイヤーの解釈によって変わると思うんですよね。そういう、さまざまな解釈の余地をプレイヤーに委ねて、その人が一番信じたい解釈を信じる、という作品が好きなんじゃないかなと。

もぐ水:分かります。『シルバー事件』大好きなので。
羊めり:最後の最後でいきなりシュールな演出が入ったりして、呆気にとられている間にエンディングを迎えるんですけど、でも後々考えると「そういうことだったのかな」と思ったりして、その時間が好きでしたね。
タケダだいゆう:自分は「凄い知能犯に主人公が負ける」みたいなのが好きですね。
4人(難波・羊めり・もぐ水・みお):うわ~~~。
タケダだいゆう:ゲームメインでって話だったんですが、「セブン」って映画がありまして。
難波:うわ~~大好きです!ブラッド・ピットのやつですよね。
タケダだいゆう:ネタバレはしないんですが、バットマンとジョーカーとか、そういう系のやつですね。なんというか、主人公に問いかけて主人公が屈するみたいなのがいいなと。ゲームでいうと、ちょっと思いつかなかったんですが……。『バットマン アーカム・ナイト』がそうなのかな。
難波:タケダさんのお話を聞いて思い出したんですが、私はハッピーエンドも素敵だと思いつつ、バッドエンドの方が心に強く残るので好む傾向があって。なぜだろうと以前考えたことがあるんですが、努力したら必ず報われるとか、ピンチが訪れても奇跡が起きてなんとかなる、なんてこと現実ではそうそうないじゃないですか。だからこそ、フィクションでちゃんと現実を教えてほしい、って大人になって思ったんですよ。
子どもの頃に見るようなハッピーで可愛らしいエンタメ作品も、それはそれで教訓はありますし、ターゲット層が子どもだからいいんですが、でも「なにかあった時にきっと誰かが助けてくれる」みたいな教えなんて無責任じゃないかと私は思ってて。ちゃんと、どうしても乗り越えられない苦難や、負けてしまうこと、助からないこともある、というのを教えてくれるフィクションがあってもいいじゃないですか。実際そういう作品はありますし、私はそちらの方が好きなので、負けることを描いた作品に惹かれるというタケダさんの感覚はよくわかります。
もぐ水:分かります。大人になってもまだまだ教えて欲しい、って思ってます。
難波:苦難の乗り越え方や耐え方を、悪趣味や辛い描写がある作品で疑似体験して学ぼうとしてるのかな、って考えてました。羊めりさんが先ほど言っていた「カタルシス」の話や、もぐ水さんが以前書いていた記事の最後に書かれていた事に「現実が穏やかであるからこそ悪趣味な演出を楽しむことが出来る」とあって「まさにそうだな」と思ったんです。
疑似体験で楽しむ感覚を掘り下げていった時に、「こうなった時に自分はどうするんだろう」と予習して、自分の中で固める作業をしてるのかなと。ゲームの中で辛い悲惨な運命に翻弄されている人たちを見て、今ある平凡な日常を大事にしよう、と心の安寧を図ったり、逆に救われる部分もあるので。
もぐ水:そうですね。これは最近特に思うことなんですが、悪趣味好きとしてはあまりにも現実が悪すぎて素直に楽しめなくなってきてしまったな。と感じている所があります。あってはいけないという前提だから楽しめるのに、その前提が崩れているように思えるというか……。
酷い事は常に起きていましたし、それを知らなかった・見えないフリをしていただけかもしれないんですが、それにしても悲しい事が多すぎるなと感じます。悪趣味好きだからこそ人をいたずらに傷つけたくはないし、現実の問題意識には目を向けていたいなと思います。
あと、私はATLUS系によくある「上位存在」が絡む悪趣味も好きな描写ですね。神様とかの上位存在が、人間のことをよく理解していないがゆえに人間から見たらひどい扱いをしてしまう……という相互理解の無さから来る悪趣味も好きだなと。
上位側からすれば合理的なことをしているだけなのに、「なんでそんなに怒ってるんだろう」という反応をしているところが好きだなと。なぜ好きなのかと言われると、うまく説明できないんですが……。

タケダだいゆう:なんか分かりますね。
もぐ水:必ずしも上位存在でないといけないというわけではなく、人間のキャラクターでも同じようなタイプだと好きになってしまいますね。ただ、それが『真・女神転生』だと相手が神様になるので、スケールが大きいぶんやってることもひどくなっちゃう。ひどければひどいほど、倒した時にこちらが気持ち良くなれる効果もありますしね。
羊めり:外伝の『女神異聞録デビルサバイバー』をプレイしたことがあるんですが、あれも上位存在との戦いでしたね。少しネタバレになってしまうんですが、シリーズ1作目では上位存在のうちの一人がかなり身近なところにいるんですよ。その存在と協力するルートも、対峙するルートもあるんですが、どちらも話の通じなさがあって、でもやってることは憎めなくて、という部分があって、私はそのキャラクターがけっこう好きですね。DSと3DSしかないので、今はなかなか触りづらいのですが。
もぐ水:それと関連して、「尊大な人や上の立場の人が下の方に行ってしまう」というのも好みだったりします。
みお:いわゆる「尊厳破壊」ですね。
もぐ水:そうですね。例えば『Portal 2』に偉そうな事を言ってくるロボットがいるんですけど、途中で「こんなに可愛くなっちゃって……」という姿にされてしまうんですよね。本人はロボットなので落ち込んだりはして無さそうな感じだったんですが、「あんな強くて怖かったのに、こんな姿になっちゃったんだ~」って優越感を抱かせてくれる。


難波:自身の悪趣味さを引き出してくるタイプの悪趣味もあるってことですかね。悪趣味を売り出していないゲームだとしても、刺激する要素があるというのもいいですね。
私は、冒頭でも触れた『ニーア レプリカント』が大好きなんですが、1周目は主人公である「ニーア」の視点でゲームが進むんですね。ただ、このゲームには2周目があって。プレイヤーは相手を敵だと思って戦うんですが、2周目になると、1周目では見えなかった相手側の事情や感情が明かされるんですよ。こちらは正しいことをしているつもりだったのに 、向こうには向こうの事情や感情があったということを「やってしまった後」に見せられるんですね。そこで倫理観をすごく揺さぶられまして。私は友達から「何も見ずにやってくれ」と勧められたので、2周目というギミックがあることを知らず、えらい目に合いました。
悪趣味と言っていいかは分からないんですが、倫理観を揺さぶってまで強烈な体験をさせてくれるカテゴリーの悪趣味が特に好きだということを『ニーア レプリカント』で気付かされました。
なんというか、ハッピーエンドって答えが出てるじゃないですか。正解に辿り着いてハッピー、おめでとう。もう私がこの物語に対してできることは何もない。でも、「どうすればよかったんだろう」という作品は答えが見つからなければ見つからないほどずっと引きずってしまう。結局、倫理観や価値観を問いかけてくる作品を通して自分自身と向き合うのが好きなのかもしれないです。
もぐ水:そうですね。私は『ロストジャッジメント』がすごく好きで、あれは日本の法律や司法制度の話なので悪趣味な作品というわけではないんですが、クリアした後に1,2週間ぐらいずっと「ううっ」ってぐるぐる考えてしまったんです。でも確かに、難波さんや先ほどみおさんが言ったようにぐるぐる考えている状態が心地良いから悪趣味系を探しちゃうのかも。考えている時は全然辛いんですけども。

好きな描写というよりは傾向なんですが、私は悪趣味作品の親が『ダンガンロンパ』なので、暴力チックなものに寄りがちなところがあるかもしれません。『killer7』もそんな感じで、「ヘヴンスマイル」という敵を殺して進むんですが、それは元人間の自爆兵器なんですよね。で、死ぬ時に大声で笑いながら死ぬんです。
エピソード自体も大勢の人が死んだり、脳味噌を飛ばしてきたりと暴力的な悪趣味満載なんですが、どんな方法で暴力を振るうかという“こだわり”を感じられると喜んでしまいますね。
タケダだいゆう:分かるかもしれないです。漫画作品なんですが、「殺し屋1」とかそれ系で好きなので。どうすごいかって言うと説明がちょっと難しいので、読んでもらうしかないんですが……。
もぐ水:確かに、漫画だと中学生の頃に「ジョジョの奇妙な冒険」を読んで好きになって、あれも奇想天外な攻撃方法で人体をどう破壊するか、というアイデアがすごいので、見た目的に分かりやすいものに惹かれがちなのかも。
あと、悪趣味なゲームではありませんが、初代の『デビルメイクライ』で途中に現れる謎の強い悪魔がいるんですけど、戦っては途中でどこかに行ったりと思わせぶりな演出が入るんですね。「この人なんなんだろう」と思っていたら、終盤で生き別れた双子の兄だったことが発覚するシーンがあるんですよ。しかも魔界の帝王に敗北して改造されてしまっていた姿だった、という。

後のシリーズでは色々理由が増えているのでちょっとまた複雑なんですが……。当時初代をプレイした時は「知らない間に改造されてしまっていた」というどうしようもない気持ちが記憶に残ってて。プレイした時は既に悪趣味好きの自覚があったので、ショックを受けたわけではなく「わあ、嬉しい」と思ったりはしてたんですが(笑)。
難波:出ました、嬉しい。
もぐ水:「なんでこんなひどいことしたんだ」って純粋にショックを受けるのもあるんですが、ひどいと嬉しくてはしゃいでしまうのもありますね。……もしかして、みなさん嬉しいって思う事はあんまり無い感じですか?
難波:私は嬉しいという感情には無自覚だったかもしれないです。今までは『ニーア レプリカント』で号泣して1週間引きずったり、『かまいたちの夜2』の全クリ演出を見て縮み上がったり、日常生活にまで引きずって味わうのが好きだったので。でも、これも喜んでるのかもしれない。好きで摂取しに行ってるというのは間違いないんですが、嬉しいという感覚だと思ったことはないので、今すごく新鮮です。
タケダだいゆう:嬉しい……どうなんですかね、あんまりないかも。
みお:私はもしかしたらはしゃぐ側かもしれませんね。ある意味清々しいものがあると嬉しいと思うかも。
もぐ水:はしゃぐ側の人が他にもいてよかったです(笑)。
難波:悪趣味にもいろんなカテゴリーがあるってことですよね、もぐ水さんは嬉しいのカテゴリも好きだし、「なんでこんなことするんだよ、勘弁してくれよ」のカテゴリも好き。私はその「嬉しい」というカテゴリに出会ってないだけの可能性があるなと思いました。
羊めり:もぐ水さんの「嬉しい」のカテゴリがめちゃくちゃ広い可能性があるのかも。
もぐ水:(笑)。ボタンが壊れてて、回路が変なところに繋がってるのかもしれません。
難波:「待ってました!」という感情になった記憶はあるので、気付いてないだけで嬉しいと思ったことはあるのかもしれないです。
タケダだいゆう:そうですね、気付いてないかもしれない。考えてみたら、エグめのブラックジョークは来たら嬉しいかもしれないですね。
難波:確かに、それは喜ぶかも。なんというか、悪趣味の定義の広さを改めて知ってより魅力的に感じました。
ゲームで悪趣味を味わう意味について、またゲームというメディアでの可能性。
もぐ水:では最後の話題なのですが、ゲームで悪趣味を味わう意味と、ゲームというメディアの可能性についてです。
私は、多分全員同じことを言うと思うんですが、やっぱり自分で操作することにあるかなと。
タケダだいゆう:まあそうですね。
難波:私もそれでした(笑)。
もぐ水:ゲームだと当事者性を感じやすいというか、主人公にキャラクター付けがなされていても、操作しているのは自分なので何かしらの「自分」は絶対に入ると思うんですよ。選択肢があるものなら、そこに自分の意思は入ってくるので。だから嫌なものが出てきた時に、嫌なことを「やらされている」という感覚が味わえるのはゲームの強みなんじゃないかなと思います。
タケダだいゆう:他のメディアだとあんまりないですよね。なんのゲームかは忘れてしまったんですが、PSのゲームでR2ボタンで銃の引き金を引くものがあって、それが本当に撃っている感じがして嫌だったのは覚えてます。PS5だとアダプティブトリガーで臨場感も増してますしね。
羊めり:『Rise of the Ronin』のサブウェポンの銃に使うトリガーがめちゃくちゃ重くて、でもその重さにいつの間にか慣れてしまっている自分もいたんですよね。その「慣れ」に気付いた時に「うわっ」って思いましたね。

もぐ水:コントローラーの表現っていいですよね。私はコントローラーでシューターを遊ぶのもけっこう好きなんですが、マウスと違ってコントローラーだとトリガーを「引く」という操作が銃と似ているところがあるからだと思うんです。
難波:自分の動作がシンクロすると余計に加担している感が増しますよね。これはゲームならではだ。
もぐ水:コントローラーの話をしたのでマウスの話をするんですが、『Mouthwashing』はマウスでやる意味があるゲームだと思ってまして。作中でケーキを切るシーンがあるんですが、その時にマウスを前後に動かすんですね。で、その後にその動きを使ったひどいシーンが出てくるんですよ。

コントローラーでもできるゲームだとは思うんですが、切る動作はマウスの方が直感的に分かりやすいので、いかに嫌な気持ちにさせるかが考えられているな、と思ってちょっと感動しました。
タケダだいゆう:そうなると、VRも近いのかもしれないですね。ケーキを切る感じでマウスを動かすのと一緒で、自分の頭を使って視点を動かすので。
みお:『SUPERHOT』という自分が動いてる時だけ時間が進むFPSのVR版があるんですが、自分で自分に銃を向けて撃つっていう体験が出来たのが強烈でしたね。どうも、アップデートで消えてしまったようなんですが……。
VRって海外では子供が多く使っていることもあってか、まだそんなに超悪趣味みたいなものは多くないんですが、銃を使うという点の可能性はあると思います。
タケダだいゆう:最近出た『Dyping Escape』も、タイピングっていう点では追体験してると思うので、他にはないし、色々出来そうだと思います。『ギタフリ』とか、『太鼓の達人』とかも。将来、悪趣味な音ゲーが出るかもしれないですよ。
難波:ちょっと個人的な質問いいですか。タケダさんはゲームを作られていますが、リリースしたものを見た感じそんなに「悪趣味!」ってゲームじゃなさそうだなという印象を受けたんです。悪趣味好きだけど悪趣味なゲームを作ろうとはならないのか、やっぱり好きなものと作りたいものって別だったりするのかなと。クリエイターの方の意見とか心情に興味があったので……。


タケダだいゆう:シナリオがあるゲームなら、悪趣味になる気がします。結局、自分の理想のシナリオに行くので。今新しいゲームを作っているんですが、それはちょっと悪趣味寄りにしようかなと考えています。ただ、人によるとは思いますね。感性で作る人と計算で作る人で違うんじゃないかというイメージがあります。
難波:ありがとうございます。意見を聞く機会がなかなかないので、聞けて良かったです。作っている人の頭の中と心の中はどうなっているんだろうと。
タケダだいゆう:シナリオって個性が出るじゃないですか、ヨコオさんとか竜騎士07さんとか。まだ自分が世に出している作品の数は少ないんですが……やっぱり趣味は出ると思います。
もぐ水:ゲームならではの悪趣味の可能性という話でいうと、私は『メタルギアソリッドV』がすごく好きなんですよね。知らない方に説明するのは少し難しいので、フワッとした話になってしまうんですが、シリーズをまとめた作品でもあるのに、終わり方がすっごい悪趣味なんですよ。ただ、プレイヤーのことをちゃんと考えた上での終わり方でもあるんですね。

プレイヤーの事も考えつつ、『MGS』シリーズ自体の話に繋がっているものを組み合わせて最後にドーンと来るので、これはゲームでしかできないなと思いました。悪趣味ではあるんだけど、一種の肯定もしている作品でもありますし。本当にすごいシリーズだなとは思うんですが、これを味わうためにはシリーズを全作プレイしなければいけないので、Ⅴだけやっても分からないんですよね。
みお:私もインタラクティブ性から考えていたんですが、ゲームってそのインタラクティブ性のせいか他のメディアと比べると表現が控えめだなと感じる部分があったりするんですよ。漫画や映画だと、18禁でもないのにかなりグロテスクなものがあったりしますし。
日本ではゲームに対する規制が特に強いと思うんですが、直接的なゴア表現は規制されるかもしれないけど、精神的な嫌さって規制できないと思うんですよ。そういう所をくぐり抜けて、「極力嫌な気持ちにさせてやろう」っていうのはゲームならではかなと。私は全体的にクリエイターの意思が阻害されるような規制には反対なんですが、逆にこういう状況だからこそ、その制約の中で強烈なものを生み出している良さはあるのかなと。
難波:もぐ水さんがおっしゃってた、クリエイティブ精神に繋がりますね。
みお:よくやったな。って感心しちゃうゲームがたまにありますからね。
羊めり:私も疑似体験が一番大きいと思ってて、どんなゲームにしろ、プレイヤーがボタンを押さないと進まないじゃないですか。それで、『イツカノヨル』という囚人の女の子と5日間過ごすっていう内容のものがあって。
そこでプレイヤーはいつでも処刑ボタンを押せるんですよ。で、いつでもエンディングに入れてしまう。フリーゲームから製品版になった時に足されたエンディングに、ある箇所でボタンを押すと特殊なエンディングに入れるものがあるんですね。ただ、それがフリーゲーム版を私がプレイした時に「ここ何もないのかな」って思った場所にあって。製品版をプレイした時そこでボタンを押してニヤリとはしたんですが、直後に「私って最低だ……」という気持ちになって。あれは疑似体験として印象に残ってます。あと、イベントに行くと制作者がわざわざボタンを用意してるんですよ。

タケダだいゆう:ゲムダンとかにありましたよね。
もぐ水:その話を聞いて思い出したのが、記事でも書いた『パラノマサイト』も、呪詛を使える時は右上にずっと「呪詛行使」のボタンが出てて、あれを押したら殺せるっていうのが、押しても押さなくてもそこにあるだけで楽しくて良かったです。

自分が悪いことできちゃう状態が楽しいな、って思えるというか、「今この人すごい余裕そうに喋ってるけど、私がポチッと押したら死んじゃうんだよな」って思いながら聞けるのは自分で動かせるゲームだから感じられるのかなと。悪いことできる系でいうと『GTA』とかもそうかな。
タケダだいゆう:『ヒットマン』とかまさにそうですよね、カバに食わせたりとか。殺し方でいうと『マンハント』もですかね。
みお:『ヒットマン』と比べると『マンハント』はシリアス寄りですが、想像できる痛みがいいなって思うんですよね。私は『ダンガンロンパ』のおしおきとかも想像できる範囲の痛みのものが好きで。
『マンハント』はスナッフフィルムを撮るっていうゲームなんですけど、殺し方の1種でビニール袋を被せて窒息させるような生々しいものがあっていいんですよね。

タケダだいゆう:ちゃんと日本未発売ですからね、『モータルコンバット』も出てませんし……。
みお:直接的な悪趣味ではないですけど、関連していうと「美少女キャラが死ぬ」みたいなのがけっこう好きですね。昔はすごく嫌だった気がするんですが、どっかで慣れてくるというか、好きになってきました。
最近出た『モータースライス』というゲームが、でかい重機と女の子が戦うアクションなんですが、落下死とかインパクトあるんですよね。目を背けたくなる系の描写に、癖のある食べ物を臭がりながら食べる感じがあるというか。

もぐ水:私もみおさんと同じくゴア系好きなんですけど、ちゃんと「うわ~」って声に出るし思ってはいるんですよね。ただ、「うわ~」って言いながら笑ってるんです。
難波:それはちょっと分かるかも。多彩な死に方やパンチ効いた死に方見ると「いよっ!」「すごい!」と思いますね。アートだな、みたいな。さっき「嬉しい」の話をしましたが、私にも「こうきたか、なるほど」と思うものがあったかもしれないです。
タケダだいゆう:『モータルコンバット』のフェイタリティとか、スプラッター映画とかも怖いもの見たさで見てしまう感じがありますね。
難波:みおさんは美少女が死ぬのが良いという話はありましたが、男の子が死ぬのはそんなになんですかね?
みお:そうですね……まだそこまでいいのに巡り会えてないかもしれないです。
もぐ水:美少女死ぬ系はよく見かけますけど、その逆の美男子死ぬ系はあんまり見ない気がします。
みお:ちょっと違いますが、『Dead Space』というサバイバルホラーでは中年男性がかなり凄惨な死に方をしますね。

難波:いいですね……おじさんが悲惨に死ぬのはちょっと嬉しいというか、興奮するかもしれないです。か弱い女の子が辛い目に遭っているのも、「うっ」となりつつちょっと惹かれるものがあるんですが、ゴツくて強いおじさんがめちゃくちゃになってると「おっ」ってなる。
みお:後継作の『カリストプロトコル』ってゲームも、ゴア描写がめちゃくちゃ凄かったですね。本当に残念ながら日本では買えないんですが……。これくらい表現しているゲームはなかなかないです。
もぐ水:悪趣味に入るかは微妙なんですが、私はゲームから責められるのが好きなんですよ。さっき出た『ファークライ3』とか。こういうタイプのゲーム苦手な人もいますし、このジャンルなら何でも好きというわけではないんですが。「悪いことやってるって、ちゃんと分かってるの?」って言われた時に自分ごととして捉えやすいのはゲームだからこそですし、それをしっかりリンクして感じさせてくれる上手さもあると響くというか。
難波:教訓になるところもありますよね。自分と向き合って「こういうヤバいところ自分にもあったのか」と気付く感じ。
もぐ水:さっき『パラノマサイト』でニヤニヤしてた話をしましたが、ニヤニヤしてちゃダメなんですよね(笑)。
難波:私も、このテーマではみなさんと同じくインタラクティブ一本勝負で行こうと思ってたんですが、インタラクティブの最たるものの1つにマルチエンディングがあるかなと思って。さっき羊めりさんがおっしゃっていた「選ばなかった未来」を見せられるのもマルチエンディングあるあるじゃないですか。それはゲームだからできる演出だと思うんですよね。なので、悪趣味な演出もしやすいのかなと。
もぐ水:私はオタク的な感じでキャラクターを愛でている部分も強いので、バッドエンディングだとハッピーでは見られない一面や、敵対しないと聞けないセリフがあって、そこでしかその人の思っていることが分からない掘り下げ的な面もあるんですよね。そういうところは、ゲームのキャラクターや物語の描き方として好きです。
羊めり:マルチエンディングでいうと、さっき出てた『ニーア』の2周目という概念もゲームならではじゃないですか。それで、好きなフリーゲームに『MINDCIRCUS(マインドサーカス)』っていうエログロ容赦ないゲームがあるんですけど、それには2周目にしか見れないバッドエンディングがあるんですね。

たしかノーマルエンディングを見ていたらそのバッドエンディングが見れるはずなんですが、それが淡々と狂ってる感じなんですよね。描写的に多分、エンディングの後なのかなってところもあって、2周目前提だからできる描写が見れて、しかもグッドエンディングじゃなくてバッドエンディングが増えるのは印象に残ってます。
もぐ水:だいたいエンディング追加系って、トゥルーかグッドになりがちですけど、バッドエンディングが解禁されるのは珍しい気がしますね。それなら、あんまり辛いの好きじゃない人は見なくていいし、好きな人は喜んで見に行けるし。
羊めり:ちなみにこの作品、グロテスクなCGがぼやけているバージョンも用意されてるので、悪趣味好きだけどグロいの苦手だよって人にもおすすめです!
難波:ユーザーの感覚に合わせてシステム側で微調整できる、ってところもゲームならではかもですね。
タケダだいゆう:『バイオハザード』とかも、バージョンが分かれてたりしますもんね。
もぐ水:マルチエンディングなど、選択肢を出すことによって選択を迫られるのもゲームでの悪趣味表現と相性が良いと思いますね。選択肢を選んで進めるゲームだと、悪趣味とは別かもしれませんが『ライフ イズ ストレンジ ビフォア ザ ストーム』が印象に残ってて、こちらは『ライフ イズ ストレンジ』の前日譚なんですが、前作をプレイしているともう前日譚という時点で辛いんですよ。

お話自体は楽しいこと悲しいこと含めての青春や友情、家庭や人間関係を描いたものなんですが、最後に迫られる選択が後に何が起こるかを知っているとどちらを選んでも辛くて仕方ないし、一番最後に本当にひどいものを見せてくるゲームなんです。「なんでこんなもん見せるんだよ!」って言いたくなるような。
難波:選択肢があるものでもそうでない一本道のものでも、やっぱりボタンを押して自分で登場人物たちの運命を進めてしまっている、加担してしまっている感じがありますもんね。
もぐ水:あとは、「こんなに頑張ったのに」系の悪趣味もあると思うんですが、ゲームだと自分で動かしてるので、倍かかってくるのかなと思います。
難波:確かに、実際何時間何十時間とかけて自分のことのようにプレイするので、もっと深い苦しみを味わいますよね。
タケダだいゆう:映画だと、長くても3時間ですからね。
難波:そうですね、アニメだと1クールで5時間ちょっとだし、それと比べるとゲームって長い。大作だと50時間100時間かかるので、100時間かけて頑張ったことが最後の最後でひっくり返されたら、100時間分のダメージが来る。その時間の長さもゲームならではですね。
もぐ水:シリーズものや、「ゲーム・オブ・スローンズ」みたいにシーズンが長いドラマになるとまた違いますが、ゲームだとものすごく長い溜めパンチをくらったように感じやすい。さっき言った『バイオショック インフィニット』も、DLC含めてクリアするのに12時間くらいなので、そこまで長くはないんですが、「頑張ったのに……」と自分とキャラクターがリンクしてより辛くなりました。
ゲームって自分で制御できるものなのに、制御できなさを感じられるといいなと思うのかもしれませんね。自分が世界をコントロールできるはずなのに、全然違う所でとんでもないことになってしまった。という体験ができたりとか。
フロムゲーのNPCと仲良くしていたらその人が別のNPCを殺してしまったり……というのもそれに当てはまるかもしれません。「実はこんな裏設定がある」というのも好きなんですが、それだけじゃなくて「自分の体験」として何かあると良いなと思います。
今回の座談会を通して、きっかけや好きな作品、描写からその楽しみ方まで「悪趣味好き」と「悪趣味ゲーム」はそれぞれ違いや種類があることがよくみえました。それぞれ登場した話題や作品をまとめたので、次にプレイしたい悪趣味ゲームを見つけたり、自分の好きな悪趣味とは何かを分析するのに役立ててみてください!
ゲームで最初に悪趣味を味わった作品
『街 ~運命の交差点~』クリア後に解放されるおまけシナリオの予想だにしないオチ
『ダンガンロンパ』全体的に悪趣味だけど、やっぱりおしおき
『ダークソウル』みんな大好きなNPC「ソラール」の顛末
『かまいたちの夜2』悪趣味演出ジャンルの中でもトップクラス
他に悪趣味なゲームについて
ヨコオタロウ作品全般
日本一ソフトウェアもやらかしている、『ルフランの地下迷宮と魔女ノ旅団』など
グラスホッパー・マニファクチュア作品全般、『killer7』の暴力描写
『バイオショック インフィニット』で日本と海外の表現の違いを感じた
『ファークライ3』の嫌な感じのオープニング
『絶対階級学園』そのキャラクターが一番恐れていたものに落ちていくタイプの地獄
『ファイアーエムブレム 風花雪月』学園生活を共にした生徒たちと5年後に戦争をする
『真・女神転生』仲間とは最後まで一緒にいられない
『MOTHER3』悪趣味好きなら絶対に刺さる
『ボーダーランズ』ハイテンションギャグな悪趣味
なぜわざわざ嫌な気持ちになるのか
フィクションでショックを受けることに気持ちよさを感じている、不意に来るといい
物語を読んで嫌な気持ちになり、体調を崩すのが好き。滅多刺しにして欲しい
悪趣味なものを楽しめるのは心の健康と平穏な生活ありき、心のデトックス
こちらの想定を超えてきた時の衝撃でしか得られない栄養を摂取したい
倫理観と価値観を問いかけてくるような作品を通して自分と向き合うのが好き
悪趣味描写のどこが好きなのか
防衛本能で記憶に残る
破壊や滅びの美学を感じられる
人間が共通して持つ意識や、特定の人物について深く突き詰めたものが見られる
作品を通じて思い込みの裏をかかれる
倫理観を揺さぶってまで強烈な体験をさせてくれる
快楽や純粋な楽しさというよりは、中毒になっている感覚?
特に好きな悪趣味の系統
ちょっとしたボタンの掛け違いでどんどん悪い方向に行ってしまう
あり得たかもしれない幸せな未来にこんなのがあったよね、でもそうはならなかったんだよ
解釈によって良い結末にも悪い結末にもなりうるエンディング
凄い知能犯に主人公が負ける
上位存在が絡んでくるような、相互理解の無さから来る悪趣味
尊大な人や上の立場の人が下の方に行ってしまう、尊厳破壊
どんな方法で暴力を振るうかというクリエイティブ精神
エグめのブラックジョーク
美少女キャラが死ぬ、おじさんが悲惨に死ぬ
ゲームで悪趣味を味わう意味と、ゲームというメディアの可能性について
自分で操作、選択することによる当事者性
コントローラーやキーボード、マウスなど操作による違いを活かした表現
VRで銃を使うという可能性
悪趣味な音ゲーが出るかもしれない
物語にプレイヤーを巻き込んだ悪趣味なストーリーと演出
他のメディアと比べると規制が強いが、制約の中で創意工夫が生まれている
プレイヤー自身が悪いことをできてしまう状況が作れる
向こうには向こうの事情や感情があったということを「やってしまった後」に見せられる
選ばなかった未来として、マルチエンディングや2周目でバッドエンディングを見せられる
ユーザーの感覚に合わせて、システム側で微調整できる
10時間、50時間とかけた時間によるダメージの大きさ
ゲームは自分で制御できるはずのものなのに、制御できなさを感じられるといい













