夏休みやお盆休み。せっかくゲームを遊ぶ時間はあるけれど、「数十時間、あるいは100時間を超える大作を今から始めるのはちょっと重い……」という人もいるのではないでしょうか。
長いゲームをじっくり遊ぶのも休日の醍醐味ですが、数時間から10時間ほどでギュッと濃縮されたゲーム体験もまた魅力的です。夜に始めてその日のうちにエンディングまで駆け抜けたり、1日だけの祝日を使って一本クリアしたりするのもいいでしょう。
そこで本記事では、ここ数週間でSteamに登場した新作を中心に、比較的短時間で一区切りまで楽しめる注目ゲームをピックアップ。物語重視のアドベンチャーからホラー、謎解き、協力プレイ、ハイスピードアクションまで11作品を紹介します。
※プレイ時間は公式情報、開発者による案内、メディア向け情報、ユーザーのプレイ報告などを参考にしたおおよその目安です。探索や謎解きの進め方、やり込みによって大きく前後する場合があります。
一晩で味わう血まみれ80年代スラッシャー『The Skin Stapler』
一晩でガツンと濃いホラーを味わいたい人におすすめしたいのが、『The Skin Stapler』です。

8月6日発売の『The Skin Stapler』は、腐敗と犯罪にまみれた1980年代の街「Carrion City」を舞台にしたPS1風レトロホラー。くたびれた刑事ディック・スレイターとなり、犠牲者の皮膚を壁へホチキス留めする連続殺人鬼「The Skin Stapler」を追跡します。
犯罪現場の捜査だけでなく、コンビニ店員など複数の人物を操作する場面もあり、ブラックユーモアと血みどろのスラッシャーホラーをミックスした作風です。

公式も一度のプレイで完走できる短編ホラーとして設計していると説明。実際、Steamユーザーには2時間半~4時間ほどで遊び終えたという報告も見られます。記事執筆時点ではレビューも「非常に好評」です。
地下へ向かった調査隊の“命綱”になる『Below, Rusted Gods』
7月29日に発売された『Below, Rusted Gods』では、自ら銃を持って未知の地下世界へ降りていく……わけではありません。

プレイヤーは地上に残るオペレーター。未知の深淵へ送り込まれた兵士たちから届く通信を聞き、レーダーや各種計器の数値を読み取りながら、遠隔で調査隊をサポートします。
通信が途切れたり、奇妙な異常が観測されたりするなか、「こちらからは直接現場を見ることができない」という状況そのものが恐怖につながっていくタイプのホラーです。

発売前には5万人以上がSteamウィッシュリストへ登録。大作ホラーとはまったく違う切り口で、「何かヤバいことが地下で起きている」感を短時間で味わいたい人に向いています。
推しが死ぬ。巻き戻す。また死ぬ。『ゆるゆる生配信する推しは100万回死ぬ』
8月5日に発売された『ゆるゆる生配信する推しは100万回死ぬ』は、リアル脱出ゲームで知られるSCRAPが手がけたタイムループ謎解きゲームです。

プレイヤーが見守るのは、幼馴染でもある配信者「アラーニャ」の生配信。しかし彼女は、頭を打ったり、爆発に巻き込まれたり、暴走したファンに刺されたりと、配信中に何度も命を落としてしまいます。
そこで配信画面のシークバーを巻き戻し、コメントを送ることで未来へ介入。失敗と死を繰り返しながら、彼女が無事に配信を終えられる未来を探します。

リアル脱出ゲームらしい謎解きを自宅で一本楽しみたい人には面白そうな一本。日本語音声・字幕にも対応しており、記事執筆時点ではSteamレビューの97%が好評となっています。
クロスワードを解く小さなニワトリの一生『Rita』
穏やかでない題材の作品が続いたので、ここらで心穏やかな作品も。7月30日発売の『Rita』は、小さなニワトリ「Rita」を操作するワードパズルアドベンチャーです。

フィールドを歩き回って文字を集め、クロスワードやワードサーチ、アナグラムなどの問題を解くことで世界そのものが変化。壊れていた橋が直ったり、新たな道が現れたりして、少しずつ行動範囲が広がっていきます。
物語では1933年から始まるRitaの人生を追い、やがて孫世代へ。そのかわいらしい見た目とは裏腹に、ひとりの人生と、その先へ受け継がれるものを描く作品でもあります。

Steamでは記事執筆時点でレビューの98%が好評。『A Short Hike』のような、短めの休日ゲームを探している人にも気になる一作です。言語の壁は少しありますが、休日に挑戦してみるのも悪くないかもしれません。
見た目は昔の知育ゲーム、中身は不穏すぎる『Endacopia』
7月27日にリリースされ、すでにSteamで「圧倒的に好評」を獲得している『Endacopia』も注目です。

一見すると、昔のPC向け教育ゲームを思わせるカラフルなポイント&クリックADV。しかし、主人公の少年Mellowを待ち受けるのは、意味不明なルール、抽象的な謎解き、奇妙な住人、怪物、そしてじわじわと姿を現すホラーです。
ポイント&クリックだけで完結するわけではなく、ときには一人称視点で怪物を殴ったり防御したり、ミニゲームへ挑戦したりと、かなり自由奔放。

ゲーム全体は約6時間ほどが目安とされており、一日で駆け抜けるにはちょうどいいボリュームです。複数のエンディングも用意されています。残念ながら記事執筆時点では日本語非対応です。
深夜のガソリンスタンド、客の中に“人ではない何か”がいる『Shift At Midnight』
7月22日の発売以降、多くのSteamユーザーを集めているのが『Shift At Midnight』です。やること自体は深夜のガソリンスタンド勤務。商品を棚へ補充し、納品を受け、店を掃除して、お客さんへ対応します。
問題は、来店客の中にドッペルゲンガーが混ざっていること。

身分証を確認し、質問を投げかけ、PC上の情報と照合して、本当に人間なのかを判断。見逃した偽物は、やがて怪物となって店へ戻ってきます。その場合は扉をバリケードで塞ぎ、罠を仕掛けて生き延びなければなりません。

基本は最大3人向けの協力ホラーで、日本語にも対応。7月23日のアップデートでは実験的に最大6人ロビーも導入されていますが、開発元はあくまで3人を想定したゲームだとしています。記事執筆時点で5,000件以上のレビューを集め、「非常に好評」を獲得しています。
『Untitled Goose Game』開発元の友達と“歩くだけ”の大冒険『Big Walk』
友達と遊ぶゲームを探している人には、こんな作品も。8月4日に発売され、今回の中でも特に大きな注目を集めている『Big Walk』です。

開発は、ガチョウになって人々へ迷惑をかけまくる『Untitled Goose Game』を生み出したHouse House。
本作では友人と広大な島を歩き回り、協力して謎を解いたり、寄り道したり、ただ景色を眺めたりします。プロキシミティボイスチャットを採用しており、距離が離れれば声も遠くなり、壁越しならくぐもって聞こえるなど、友達とのコミュニケーションそのものが遊びになっています。

プレイヤー数は2人から最大12人。Steamレビューはすでに7,000件を超えて「非常に好評」です。
メイン部分のクリアは2人プレイでおよそ8時間程度というプレイ報告があり、連休に友人を捕まえて一気に歩き切るにはちょうどよさそう。ただし、エンディング後まで遊び尽くす場合は15時間ほどになるため、「10時間以内」はあくまでメイン部分の目安です。
叔父から譲られた“90年代PC”を漁る『Desktop Explorer』
「知らない人の昔のパソコンを自由に覗いていい」と言われたら、ちょっとワクワクしませんか?7月17日に発売された『Desktop Explorer』では、叔父から譲り受けた古いPCを起動し、その中に残されたファイルを調べていきます。

ファイルエクスプローラー、チャットログ、破損したアプリケーション、謎のソフトウェア……。Windows 95時代を思わせる偽OSを操作しながら、かつてこのPCを使っていた人物と、ある失踪事件の謎を追います。
心理ホラーでもありますが、単純なジャンプスケア頼みではなく、他人のデジタルな痕跡を掘り返していく不気味さが軸。

開発元によるプレス資料では、クリアまで約8~10時間が目安とされています。Steamでは1,000件以上のレビューを集めて「圧倒的に好評」。なお、現在は日本語非対応です。
『Hotline Miami』好きなら要チェック!『Kusan: オオカミの街』
7月30日に発売された『Kusan: オオカミの街』は、ネオンに染まった腐敗都市を舞台にしたハードコアな見下ろし型シューターです。

主人公は元兵士の傭兵ジン。街そのものを吹き飛ばしかねない兵器を取り付けられた少女を救うため、犯罪者たちを相手に銃と刃物で突き進みます。
最大の特徴は、一度のミスがそのまま死につながる高速戦闘。敵の配置を把握し、撃ち、パリィし、素早く次の相手を仕留めていく作りは、『Hotline Miami』系のゲームが好きならかなり気になるはず。

全54ステージを収録し、武器や「War Hand」のアップグレード、ボス戦、Sランク評価などやり込み要素も用意。Steamでは「非常に好評」を獲得しており、日本語字幕・インターフェースにも正式対応しています。
腕前によってクリア時間がかなり変わりそうなタイプですが、短いステージを次々攻略する構成なので、連休中に集中してアクション一本を遊びたい人にはぴったりでしょう。
2,071ピースが吹っ飛んだ美術館を片付けろ!『Cleaning Up The Puzzle Gallery』
最後は、「そもそもゲームを最後までクリアしなくてもいい」という休日向けの一本。8月5日に発売された『Cleaning Up The Puzzle Gallery』は、地震によってパズルピースだらけになってしまった美術館を片付ける一人称視点の整理整頓シミュレーターです。
床や棚などに散らばったピースは、なんと2,071個。それらを拾い集め、モネ、ゴッホ、北斎など13人の芸術家による87枚の名画をジグソーパズルとして復元していきます。

クラシック音楽を聴きながらのんびり一枚ずつ完成させてもいいですし、スキルを強化して最速クリアを狙うのもアリ。「白一色の1,024ピース」に挑む高難度モードまで用意されています。
さらに、自分の好きな画像を読み込んでオリジナルのパズルを作成することも可能。つまり、87枚を終えてからも好きなだけ遊べます。
発売直後ながら記事執筆時点で200件以上のSteamレビューが集まり、94%好評の「非常に好評」。一方で、日本語には現状対応していません。ただ、基本的な遊びはパズルピースを見つけて元へ戻すという非常に直感的なものです。

本作だけは「○時間でクリア」と区切るタイプではありませんが、30分だけ、一枚だけ、今日はここまでという遊び方ができる意味では、むしろ忙しい連休に相性のいい一本かもしれません。
大作一本だけが「連休のゲーム」じゃない!
せっかくまとまった休みがあれば、「この機会に100時間級のRPGを!」と考えたくなるもの。しかし、始める前からそのボリュームに圧倒されて、結局いつものゲームを起動してしまう……ということもあります。
今回紹介した作品なら、最短1~2時間のミステリーから、一日かけて楽しめる8~10時間程度の作品までさまざま。『Big Walk』のように友達と休日を丸ごと使えるものもあれば、『The Skin Stapler』のように映画一本を見る感覚で一晩に駆け抜けられる作品もあります。
「休みだから長いゲームをやらなきゃ」なんてことはありません。
気になった一本をサクッと始めて、サクッと終える。そんなゲーム漬けの連休もよいのではないでしょうか。











