2016年にスマートフォン向けアプリとして配信された、大ヒットホラーシリーズの続編『青鬼2』が、2026年8月6日に新要素を追加しPC(Steam)およびニンテンドースイッチ向けに発売されました。

『青鬼』シリーズは、2004年にnoprops氏によって発表されたフリーゲームを原点とする、神出鬼没なバケモノ「青鬼」とのチェイスや、手応え抜群の謎解きが主体のホラーアクションゲームの金字塔です。
動画サイトでのゲーム実況をきっかけに爆発的な社会現象となり、これまでにアプリ、家庭用ゲーム、小説、映画、アニメなど、多くのメディアミックス展開されている大人気シリーズです。

本稿では、舞台を洋館から不気味な「廃校舎」へと変えた本作『青鬼2』に加え、同時収録の完全新作シナリオ『青鬼 -臨海学校-』のプレイレポートの模様をお届けします。「命懸けの鬼ごっこ」が今始まる!
◆オプション設定、配信規定など


まずは各種オプションをみていきましょう。本作は、キーボード&マウスおよびパッドに対応しています。筆者はSteamコンで最後までプレイしましたが、操作感は悪くなく概ね良好でした。ただ、ほんの少し反応遅延があったのが気になりましたが問題ない範囲です。

言語はもちろん日本語に対応しており、多言語も選択可能。そのほか、ディスプレイモードの切り替え、メッセージ速度の変更、振動や「青鬼」が出現演出のON/OFF、サウンドの音量調整など、一箇所にギュッと纏められており、ユーザビリティが高く快適でした。
なお、発売元のUUUMによると、Steam版『青鬼2』および完全新作『青鬼 臨海学校』では、動画や画像の投稿に関するガイドラインは設けておらず、個人・法人を問わず、YouTubeでのゲーム実況や生配信、収益化についても特に制限がないため、誰でも自由に配信や動画投稿が可能とのことです。
◆舞台は廃校舎!「青鬼」との命懸け鬼ごっこ、手応えある謎解きが“怖くて面白い”

先述したように本作は『青鬼2』と『青鬼-臨海学校-』の2本が収録されていますが、まずは『2』から始めようと思います。
「はじめから」を選択すると、「プレイ速度」の設定を行います。この倍速プレイは、シリーズではお馴染みのモードで、その名の通りプレイヤーと青鬼の移動・ゲーム進行スピードを通常よりも高速化して遊べる高難度なやり込み機能です。

今作では、なんとシリーズ史上最高速となる最大17倍速でプレイ可能ですが、へっぽこプレイヤーの筆者は普通に楽しみたいので、通常速度のままスタート。

また、主人公の名前を自分で決定できます。最初なんとなく「げろしゃぶ」という素敵なネームにしようと思いましたが、結局やめて無難に「スパくん」にしました。できればアイコンもスパ公の写真にしたかったところですが…。

さて、オープニングムービーが流れ、今回の幕が上がります。本作は、見下ろし型視点の2Dアドベンチャーゲームです。
あらすじは、主人公の「ひろし(スパくん)」とその同級生たちが、閉じ込められた校舎からの脱出を目指し、校内に仕掛けられた謎を解きながら、神出鬼没なブルーベリー色の怪物「青鬼」から逃げ回り、生き延びていくというもの。

プロットや導入部分は、前作『青鬼』およびシリーズを通してだいたい同じで、初見プレイヤーでもすんなり遊べるのが魅力。
異なるのは、前作の街外れにある不気味な「洋館」から、今作の舞台は広大な「廃校(学校)」へとシフトしています。教室、図書室、プールなど、学校ならではのロケーションが用意されたことでマップの規模が大幅に拡大しているのが特徴です。



キャラクターは前作に続き、常に冷静沈着な主人公の「ひろし」、常に怯えている小心者で金髪リーゼントの「たけし」、怖いもの知らずで、グループのイケメンリーダー「卓郎」、その卓郎に対して好意を寄せている美少女「美香」など、いつものメンバーが登場しています。
それぞれにしっかり個性がありキャラ立ちしているのが良い。前作と比較すると、立ち絵のイラストもゲーム中のピクセルもとても綺麗なグラフィックで、臨場感が非常に増しています。

おっと、忘れてはいけないのが、本作では初登場となる「先生」が登場。ひろしたちを見かけて追って来たという設定で、後々一緒に行動することになります。それにしても美人さんですね。


たけしの誘いで廃校に忍び込んだところ、閉じ込められてしまった一行。目を覚ますと、なんと全員牢屋に入っていました。なぜ学校に刑務所のような場所が……?
不可解な出来事に謎は深まるばかりですが、牢屋の鍵で一旦外に。すると、奥の部屋から不気味な音が…!

代表して主人公が調べることになり、左手のほうに進みます。そのままさらに北に向かってみると、汚らしいベッドのある部屋にたどり着きます。
基本操作は、移動は左スティック、調べる/決定がBボタン、戻るがAボタンなんですが、なぜか操作ボタンが逆に反応してしまうハプニングが発生。まあ特段問題なかったのででそのまま続行します。
ちなみに、移動はシンプルながらもクセがあるので慣れが必要かもしれません。というのも、本作はマス目を歩くような感じで動くのですが、スティックを押し込むと2マスくらいツルツル滑る感覚なので、最初は行きたい位置に行けないことも多々ありました。

話を戻します。部屋の隅には「塗りつぶされたメモ」が落ちていたので入手。鉛筆で上書きされた下には、文字のようなものが見えますが…何かのヒントでしょうか。

『青鬼』シリーズといえば、直感とひらめきを駆使した絶妙な謎解きパズルが大きな魅力です。一見すぐ解けなさそうで、周囲を探索してじっくり観察し、少し頭を捻れば必ず解ける難易度になっており、そのテンポの良さや、「答えに気づいた瞬間」の気持ちよさは非常に爽快です。


例えば、先ほどのメモに「消しゴム」を使ってみると、3ケタと2ケタの数字が現れました。そして、ロックされた扉には「GREEN +BLACK」という謎のメッセージが。
もうお分かりですよね?答えはもちろん、メッセージ通りに緑の数字と黒の数字を足した、「1005」がパスワード解除の正解でした。


また「ひらめき力」というかプレイヤーの直感も時には必要で、なんとなく関連しそうなアイテムは、とりあえず組み合わせてみると、案外道が開けたりします。この謎解きのレベルデザインのバランスが本当に丁度いいんですよね、『青鬼』は。

しかし、本作の魅力は謎解きと探索だけではありません。シリーズの核と言える要素が、「どこで」「いつ」出現するかわからない、神出鬼没な「青鬼」との緊迫感あふれる「チェイス」です。

本作の舞台である廃校は、前作の洋館よりも通路が狭く、部屋が複雑に入り組んでいるため、ドアを開けた瞬間に青鬼と鉢合わせるなど、「逃げ場のない」シチュエーションが多発するのが、とにかく焦ります。
こうした状況下で青鬼をどう撒くか、一瞬の判断ミスがゲームオーバーに直結しますが、青鬼は決まった場所だけでなく、ランダムなタイミングでもプレイヤーを襲いかかってくるため、それがめちゃくちゃに怖いんですよ。

単純な「鬼ごっこ」の一方で、ロッカーに隠れられるシステムが、恐怖をさらに引き立てていました。
目の前で隠れると当然こじ開けられますが、少し距離を離して隠れても「見つかるかもしれない」という不安が残ります。青鬼が部屋の中をうろつき、去っていくまでの数秒間は静かな緊張感がありました。

果たして、スパくん(ひろし)は仲間達を見つけ、無事に廃校舎から脱出できるのか……!?続きは、ぜひ自身で体験してみてください。
『青鬼2』本編は、謎解きの手際の良さや、青鬼に捕まる(ゲームオーバー)回数によって前後しますが、初見プレイでもおよそ2時間前後でサクッとクリアできるボリュームです。
前作『青鬼』よりも探索エリア(廃校)が広がったことで、密度的には前作のおよそ1.5倍くらいにスケールアップしていたと思います。

ちなみに、通常プレイと倍速プレイどちらにも「ランキング」が搭載しているので、チャレンジしてみてはいかがでしょうか。

◆初の「ステージ自由選択制」、新種「青鬼」に巨大ボスとの死闘…進化した完全新作『青鬼-臨海学校-』

今回筆者は、同時収録されている完全新規シナリオ『青鬼-臨海学校-』もプレイしたので、簡単に感想を紹介します!
本作は、夏の臨海学校で訪れていた主人公のひろしや卓郎らが、「怪物が潜んでいる」と噂される不穏な「夜の廃校舎」に忍び込み、いつものように閉じ込められて、脱出を目指していきます。


一見舞台が変わっただけの、従来の『青鬼』のように思えてしまうかもしれません。しかし、今作では意欲的ないくつかの新要素を導入しています。


まず一つ目は、シリーズ初となる「ステージ選択システム」を採用しており、いつもの一本道の脱出劇ではなく、体育館、美術室など4つの異なるステージから好きな順番で攻略できます。
つまり自由な選択によって、救出する仲間の順番やその後の展開が変わるので、プレイヤーごとに違ったゲーム体験ができる新鮮なシステムです。

自由に攻略可能になったとはいえ、今作のステージはおそらく従来作品に比べて、かなり難易度が高い傾向にあると感じました。

たとえば、体育館ステージは広い空間を活かした、大型の運動器具や電化製品を動かすダイナミックな仕掛けが特徴で、それらを正しい位置へ移動(プッシュ)させ、高い場所にあるアイテムを落としたり、通路を見つけ出していきます。
また、体育館にはハリセンボンのような新種の鬼が所狭しと動き回っており、上手く回避しながらクリアしなかればなりません。
このように、複雑なギミックと高いプレイヤースキルが要求されるため、『臨海学校』はアクション寄りのプレイフィールでした。

さらに本作は、通常の巨顔の青鬼や、はんぺん姿が奇妙な素早いフワッティーに加えて、理科室などに新たな「人体模型」の青鬼が登場します。
皮膚の下の筋肉や内臓が剥き出しになったような、グロテスクで不気味な姿をしており、チェイス中は一味違う恐怖と緊張感を味わいましたね。


極めつけは、部屋を埋め尽くすような「巨大な触手」をはじめとする、ダイオウイカの大型ボスが待ち受けています。この難敵にはダイナミックなアクションとギミック操作で立ち向かう必要があります。
何度も死んでは繰り返し挑み、大立ち回りの末に踏破した時の気持ちよさ、嬉しさはプレイ中一番大きかったと思います。


マップ上で入手できる「校長の日記」は、なぜ学校が突然閉鎖されて廃校になったのか、そして「青鬼」という化け物がどのようにして生まれたのか(あるいはどこから来たのか)など、ゲームの真相や隠された物語の背景(バックストーリー)を明かすための重要な収集アイテムで、これらを探す楽しみもありました。

『青鬼2』本編と完全新作『青鬼 臨海学校』とのシナリオ2本立ては、圧倒的なプレイボリュームであったし、舞台を不気味な廃校へと移し、神出鬼没な青鬼から逃げる恐怖と謎解きの「安定した」面白さと怖さは健在でした。

さらに、シリーズ史上最高速となる「17倍速モード」のやり込み要素や、新種の敵、大型ボスなど従来のファンでも新鮮なスリルと高い手応えを味わえる点が魅力です。

歯ごたえのある謎解きとスリルを味わいたいシリーズファンはもちろん、完全初見のプレイヤーでも思う存分楽しめる出来だと思います。
『青鬼2』は、ニンテンドースイッチ/PC(Steam)向けに、8月20日まで20%オフの960円(全プラットフォーム対象)で現在配信中。10月8日にはニンテンドースイッチ向けにパッケージ版も発売される予定です。












