今がラストチャンス!PS3・Vitaで買えるうちに確保したいノベル・アドベンチャーゲーム20選―『アマガミ』『POLICENAUTS』から埋もれた名作まで | Game*Spark - 国内・海外ゲーム情報サイト

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今がラストチャンス!PS3・Vitaで買えるうちに確保したいノベル・アドベンチャーゲーム20選―『アマガミ』『POLICENAUTS』から埋もれた名作まで

物語を愛する人たちに良作の数々をおすすめします。

連載・特集 特集
今がラストチャンス!PS3・Vitaで買えるうちに確保したいノベル・アドベンチャーゲーム20選―『アマガミ』『POLICENAUTS』から埋もれた名作まで
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既報の通り、PS3/PS Vita向けのPlayStation Storeが2027年7月に閉鎖されると発表されました。

閉鎖前に興味あるゲームのDL購入を検討している人は多いでしょう。Game*Sparkでもこのニュースの直後に、「今こそ確保すべきPSP向けDLタイトル15選」という特集記事が公開されました。

本記事も同じコンセプトなのですが、ジャンルを筆者が愛好するノベル・アドベンチャーゲームに絞り、機種をPSPだけでなくPS Vita、ゲームアーカイブス配信のPS作品も含め、タイトル数を20に増やして挙げてみたいと思います。選定基準は現行の家庭用ゲーム機、Steam(日本語対応)への移植がされていないことです。

なお重複を避けるため今回はリストに含めませんでしたが、上記記事で挙げられている『街 ~運命の交差点~ 特別篇』『セカンドノベル ~彼女の夏、15分の記憶~』『やるドラ ポータブル ダブルキャスト』は筆者もおすすめするゲームです。

残念なことに7月下旬頃からストアの検索機能に不具合が発生しており、キーワード入力では目的のタイトルを探すことが不可能になっています。しかし有志が解決手段を考案してくれました。Vitaのブラウザアプリを起動させ、URLに下記のアドレスを打ち込みます。メニューが表示されるので、紹介しているキーワードで検索してみましょう。

Vita ストア リンク支援(個人用)開発者:KINAさん

ゲームアーカイブス配信のPS作品

『探偵 神宮寺三郎』シリーズ

検索キーワード:神宮寺

1987年に産声を上げたハードボイルドアドベンチャー『探偵 神宮寺三郎』シリーズ。日本のアドベンチャーゲームにおいて、探偵ものの代表的存在と言える長寿シリーズです。ゲームアーカイブスではファミリーコンピュータ・ファミリーコンピュータ ディスクシステムでリリースされた4作品を収録する『アーリーコレクション』、PSでリリースされた『未完のルポ』『夢の終わりに』『灯火が消えぬ間に』が配信されています。

新宿歌舞伎町に事務所を構える私立探偵の神宮寺三郎と助手の御苑洋子が、様々な依頼人と出会い事件を解決していくというのが、シリーズ共通のあらすじです。著名イラストレーターの寺田克也氏がキャラクターデザインを手がけた神宮寺は、ひたすらに渋い。そして永遠の美女である洋子とのコンビが抜群です。

そんな彼の代名詞といえば「タバコすう」のコマンド。これによって閃きを得たり、行動の指針を決定したりします。「オレはタバコに火をつけた」――この一文がまたカッコいいのですが、主人公に何か特徴的なことをさせてプレイヤーがヒントを得るというシステムは、このシリーズが広めたものと言っていいかもしれません。

派手さはなくとも堅実な作りで根強いファンを抱え、来年には40周年を迎える神宮寺三郎。新作も期待されているところですが、まずはこれら過去作で懐かしんでみると良いのではないでしょうか。

『弟切草 蘇生篇』

検索キーワード:弟切草

画面全体に表示される文章を小説のように読み進めていき、時折現れる選択肢を選ぶことで、その後の展開が多彩に変化していく……コマンド選択型のアドベンチャーゲームが一般的だった時代に「サウンドノベル」というジャンルを提唱し、今日まで繋がるノベルゲーム市場を作り上げた画期的作品。それが1992年にスーパーファミコンで発売された『弟切草』です。開発はチュンソフト(現スパイク・チュンソフト)。今回紹介する『弟切草 蘇生篇』はPS向けのリメイク作品です。

ドライブの途中、山道で事故を起こしてしまった主人公と恋人の奈美。ふたりが辿り着いたのは、弟切草に囲まれた不気味な洋館だった……。若いカップルに次々に不可解な現象が襲いかかるというホラーで、そのストーリー自体は斬新というわけではありませんでした。しかしジャンル名が示すようにゲームならではのサウンド演出を巧みに使い、事あるごとにプレイヤーの恐怖を掻き立てたのです。今プレイしても、初見ならばきっと驚かされるでしょう。

一度エンディングを迎えても、また繰り返しプレイすることで新しいシナリオを解放していく……今では一般的なノベルゲームのシステムですが、これを確立したのが本作でした。ルートによってはストーリーばかりかキャラクター設定そのものから変わってしまうことがあります。一貫したストーリーとキャラクターのノベルゲームが主流の今、こうした構成の作品は逆に新鮮かもしれません。

そして用意されたエンディングをすべて見ることで、ちょっとエッチなシナリオが見られる「ピンクのしおり」が出現します。これが評判を呼び、本作以降のチュンソフトサウンドノベルの定番ともなりました。このジャンルの最初の作品だけに粗もありますが、様々なアイディアと遊び心を詰め込んだ、大いなる原点と言えるでしょう。

『かまいたちの夜 特別篇』

検索キーワード:かまいたち

チュンソフトのサウンドノベル第2弾として1994年に発売されたのが『かまいたちの夜』です。『かまいたちの夜 特別篇』はPS向けのリメイク作品で、オリジナル版にはなかったフローチャート機能などを搭載し、より便利にプレイ出来るようになっています。

ヒロインの真理とともに、長野へスキー旅行に出かけた主人公。ところがその夜、宿泊先のペンションで謎のメッセージが発見される。
「こんや、12じ、だれかがしぬ」
この時から恐怖の一夜が始まった……。

吹雪の山荘を舞台に殺人事件が発生し、プレイヤーは誰が犯人なのかを推理していくことになります。犯人指摘のタイミングが複数あるのが特徴で、失敗するたびに新たな殺人が起こってしまいます。シナリオを手がけたのはミステリー作家の我孫子武丸氏です。閉鎖空間の中で徐々に疑心暗鬼に陥っていく宿泊客たち。増大していく恐怖……一連の描写はさすがその道のプロが手がけたものでした。メインのミステリー編をクリアするとオカルトやスパイアクションなどバラエティ豊かなサブシナリオが解放され、こちらも見応えたっぷりです。

その高い完成度で『弟切草』を遥かに上回るヒットを記録した本作は、現在活躍するノベルゲームクリエイターの中にも影響を受けたという人が多く、ノベルゲーム史に輝く金字塔という評価を確固たるものにしています。近年リマスター版が発売されたシリーズ第3作『かまいたちの夜×3』には、第1作のミステリー編が収録されていました。しかし全シナリオを楽しみたいなら、このゲームアーカイブス版が一番です。

『学校であった怖い話S』

検索キーワード:学校であった

チュンソフトのサウンドノベルが評判を集めると、他社から類型作の発表が相次いだのは必然でした。中でも高い評価を得たのが1995年にバンプレストから発売された『学校であった怖い話』で、これをベースに多数の追加要素を盛り込みPSでリメイクしたのが『学校であった怖い話S』です。

学校の七不思議の特集を任されることになった新聞部一年生の主人公。しかし七人集められたはずの語り部は、六人しか集まっていなかった。まだ見ぬ七人目を待ちながら、ひとまず話を始めることになるのだが……。本作がユニークだったのは、短編集という形式を採っていることです。語り部たちによる六話に最終話をプラスして、1周が全七話。これを繰り返していきます。話してもらう順番は自由に選ぶことができ、その順番、あるいは途中の選択肢によって、話の展開がまったく異なってくるのです。

語られる話が怖いのはもちろんですが、それ以上に怖いのが語り部本人たちです。画面の左側から、常にこちらを圧迫するような表情と言動、そして狂気を見せてきます。「一番怖いのは人間である」――ホラー作品においてしばしば、このような表現が使われることがあります。実際のところ手垢にまみれた表現かと思うのですが、この学怖に限ってはそう評するほかない凄味があるのです。

2026年9月には、オリジナルであるスーパーファミコン版がニンテンドースイッチ向けに移植されます。しかし『学校であった怖い話S』にはオリジナル版にはない女性主人公の追加、それに伴う多数の新規シナリオが収録されており、このゲームアーカイブス版にも依然として価値があるでしょう。

『POLICENAUTS』

検索キーワード:POLICE(カタカナは不可)

『メタルギア』シリーズや『DEATH STRANDING』で世界的な評価を受ける小島秀夫監督。『POLICENAUTS(ポリスノーツ)』は小島監督がコナミに在籍していた1994年、PC-9821向けに発表したSFアドベンチャーゲームで、のちに複数の家庭用ゲーム機に移植されました。

宇宙飛行士にして警察官「ポリスノーツ」の一員だった主人公ジョナサン・イングラムは、凄惨な事故を経て現在は地球で私立探偵を営んでいる。そこへ懐かしい人からの依頼が……というオープニングから、巨大企業の陰謀に対峙する壮大なストーリーが展開されていきます。小島監督は映画に造詣が深いことで知られますが、吹き替え洋画のような字幕演出など、随所にそれらが見て取れます。

ただテキストを読んでいくだけの作品ではなく、ゲーム性のある射撃モードや爆弾解体モードが途中に挿入されます。もちろん失敗すればゲームオーバーなのですが、すぐに再チャレンジできるので安心です。爆弾解体モードでは何度失敗し爆死しても「今度は大丈夫!」とメタ発言が飛び出したり、小島監督の遊び心が垣間見えます。

濃密なSFストーリーという以上に、バディものとして優れているという点も見逃せません。ジョナサンの相棒となる窓際刑事エド・ブラウン、彼と共に繰り広げる命がけのアクションに冷や汗を掻き、コミカルなやり取りにクスリと笑い……そしてすべての事件が解決した後、フルアニメーションで描かれるエンディングには言葉に尽くせない感動があります。読後感の非常に爽やかな、当時の小島監督の集大成と言うべき傑作なのです。

『御神楽少女探偵団』シリーズ

検索キーワード:御神楽

ヒューマンが1998年に発売した『御神楽少女探偵団』。探偵ものの主人公はそれまで男性キャラクターが圧倒的に多いものでしたが、こちらはタイトルの通り少女たちが活躍します。そしてユニークなシステムで評判となった一作でした。

帝都で評判の御神楽探偵事務所を訪れる依頼人たち。彼らの持ち込む難事件を、所長の信頼厚い助手の少女たちが捜査に乗り出します。しかしキャラクターとは裏腹に、ストーリーは決して華やかとは言い切れません。時代設定は大正・昭和初期。江戸川乱歩風の雰囲気の中で猟奇的殺人が発生し、また随所にアニメーションが挿入され、事件の陰惨さを強調します。

本作の最大の特徴は「推理トリガー」です。聞き込み中、事件の根幹に関わると思ったテキストを選択し、「推理ポイント」を加算していきます。これが一定の数値に達すればそのパートはクリアとなります。単純なコマンド選択やサウンドノベル風の選択肢とも違う、当時としてはとても独創的なシステムでした。会話中の気になるテキストを任意に選ぶというのは、かの『逆転裁判』に先駆けていたとも評されています。

注意点として、『御神楽少女探偵団』の最終話は途中までの収録となっており、続きの物語は『続・御神楽少女探偵団 ~完結編~』に持ち越されます。ぜひこちらも合わせて購入しておきましょう。

『久遠の絆』

検索キーワード:久遠の絆

現在は日本一ソフトウェアのブランドとしてその名を残しているフォグ。このメーカーの初期の作品の中でも、とりわけ人気を博したのが1998年発売の『久遠の絆』です。伝奇ノベルゲーム――2000年代以降に一大ジャンルを形成した作品群ですが、そのパイオニアのひとつと目されています。

悪夢に悩まされながらも平穏な暮らしを送っている高校生の主人公が、謎めいた美少女転校生と出会ったことから激動の戦いに身を投じていくというストーリーです。本作のメインテーマは輪廻転生。主人公とヒロインは前世において平安、元禄、幕末とそれぞれの時代を生きてきた、運命の絆で惹かれ合った者同士……なのですが、ヒロインから最初に向けられる台詞は、非常に強烈です。

千年の時を超えて巡り会う恋人同士という物語、その長大さは当時のノベルゲームとしては屈指のものでした。異なる時代を複数描いていることでキャラクター数も膨大ですが、男性女性いずれも、色気のある絵柄も相まって魅力にあふれています。さらに日本神話の要素を様々に採り入れたのもユニークでした。本作をきっかけにこれらの神話に興味を持った人も少なくなかったと思われます。

優れたストーリーとキャラクターにより根強いファンを得た本作は、複数の機種に移植されました。現在はリメイク版がスマートフォンアプリとしてもリリースされていますが、こちらは長らくアップデートがされておらず、最新機種での動作が保証できません。したがって今も公式で購入可能で、なおかつ安定してプレイできるのは、このゲームアーカイブス版が唯一ということになるのです。

『Prismaticallization』

検索キーワード:Prisma(カタカナは不可)

ループもの――ノベル・アドベンチャーゲームにおける人気ジャンルですが、これは2000年代に入ってから本格的に流行したものです。その少し前、1999年にアークシステムワークスが発売した『Prismaticallization(プリズマティカリゼーション)』は、このジャンルの初期を飾る作品と言えるでしょう。

幼馴染から「受験勉強のために避暑地のペンションで夏休みを過ごそう」と誘われた高校3年生の主人公は、そこで他の女性たちとも知り合って……。こう書くと普通のギャルゲーのようですが、さにあらず。主人公はふいに謎のオブジェを拾ったことで、奇妙な現象に巻き込まれていきます。

それは、延々と繰り返す同じ1日。公式にも「サークレイト・アドベンチャー」と名付けられていました。主人公はループしている自覚がないまま、何度でも循環する世界を巡っていくのです。プレイヤーはこのループを打破するべく、各所で「記録」をしていきます。すると次回のループで記録したポイントに到達した際に、状態が「解放」されます。これを繰り返すことによってシナリオが分岐していきます。

正しい攻略手順を知らないと、何百回でもループしてしまう。それだけに新たな展開に突入できた時の喜びは計り知れません。かなり独創的なシステムで、なおかつテキストも癖があるのですが、変わった作品をプレイしてみたいという人はいかがでしょうか。

PSP作品

『サクラ大戦1&2』

検索キーワード:サクラ大戦

1996年にスタートした、今年が30周年の『サクラ大戦』シリーズ。セガの代表的IPのひとつであるドラマチックアドベンチャー、その第1作と第2作のカップリング作品が『サクラ大戦1&2』です。

邪悪な者たちが跋扈する太正十二年の日本。政府直属の特殊部隊「帝国華撃団・花組」隊長に任ぜられた大神一郎少尉は、魅力的なヒロインたちとともに強大な敵に立ち向かっていく……。彼らが織り成すストーリーは1話完結形式で進行し、笑いあり涙ありの一流アニメ作品のようなクオリティに仕上がっています。主題歌の「檄!帝国華撃団」はゲームの枠を越えてあまりにも有名ですね。

システムも特徴的で、本作ではLIPS(Live & Interactive Picture System)と呼ばれる時間制限選択肢は、これ以降の様々な作品で見られるようになりました。このアドベンチャーパートでヒロインたちの信頼度と恋愛度を高め、その結果によってエンディングが分岐していきます。

主人公とヒロインたちをユニットとして操作するバトルパートは、そう複雑ではなく、ユニット毎の特性をしっかり把握していればクリアは難しくありません。絆を育んだヒロインとの共闘、そして勝利の瞬間は格別の感動があります。全ヒロインとのエンディングを見るまで、やりこむ価値があるでしょう。

『MISSING PARTS the TANTEI stories Complete』

検索キーワード:TANTEI

『MISSING PARTS the TANTEI stories』は、2002年にフォグからドリームキャスト向けに発売されました。この時はパート1、2、3と分割形式で発売されましたが、PSPに移植されるにあたって1本に統合されました。コンプリートと名付けられているように、初めてプレイする人にはうってつけです。

新米探偵の青年が次々に難事件に遭遇し、相棒や警察とも協力しながら解決に挑む……。タイトルが示していますが、今日では新鮮に思えるほど真っ当な探偵物語です。場所移動や聞き込みなど、基本的にコマンド選択型で進行します。これぞ探偵ものという、当時としても古き良きシステムでしたが、時にはサウンドノベル的な選択肢が表示されることもあります。

多くのキャラクターが登場しますが、一番目立つのは主人公かもしれません。しょっちゅう顔を見せるのが特徴で、かなりの美青年なのです。そんな彼自身にも物語が用意されており、見どころのひとつです。そして相棒となるのは、関西弁のひょうきんな男。真面目な主人公とはいいコンビになっています。

全6話構成で、それぞれの平均プレイ時間は10時間ほどもあります。第1話からかなり重い展開が待っており、場合によっては主人公が殺されてゲームオーバーになることも……。そして各話の終わりには、プレイヤーの「探偵度評価」が行われます。このランクが低くても次話に進むことはできるのですが、やはりベストエンドを目指したいものです。

『一柳和の受難』シリーズ

検索キーワード:一柳和

『一柳和(いちやなぎ・なごむ)の受難』シリーズは、2007年に日本一ソフトウェアからプレイステーション2で発売された、『雨格子の館』を第1作とする推理アドベンチャーです。以降、第2作『奈落の城 一柳和、2度目の受難』、第3作『氷の墓標 一柳和、3度目の受難』とシリーズは続きました。

巻き込まれ体質の主人公・一柳和は嵐の夜、森の中の館に迷い込んでしまう。その館には映画撮影のために集められた役者たちがおり、主人公は彼らの好意で一泊させてもらうことになった。ところが翌朝、役者の一人が変死体で発見されて……。第1作『雨格子の館』はそんなオープニングで始まり、ミステリーとしてはかなりオーソドックスな部類に入りますが、ここから面白いシステムで魅せてくれます。

本作の殺人事件は「見立て」が行われますが、真犯人の特定だけでなく、次の殺人を阻止して生存者を一人でも増やすことがゲームの目的になります。誰が生き残ったかによって展開が分岐し、その後の捜査にも影響を与えるのです。また、各キャラクターは主人公に対する好感度が設定されています。これが低い場合、身の危険を忠告しても聞き入れてくれないなど、一筋縄ではいきません。

場合によっては犠牲者を最小限で済ませられるというのは『かまいたちの夜』がそうでしたが、これをより深化させたシステムと言えます。単に選択肢を選ぶだけのゲームでは物足りない、そんな本格ミステリー好きの人に最適です。主人公の怖がりな性格も面白く、キャラクターものとしても十分に楽しむことができるでしょう。

『銃声とダイヤモンド』

検索キーワード:銃声

2009年にソニー・コンピュータエンタテインメントから発売された『銃声とダイヤモンド』。この作品のコンセプトは「交渉人」です。英語ではネゴシエイター、人質救出作戦において犯人と交渉する役目を負う専門職です。刑事もの、探偵もののゲームはそれまでも多くありましたが、交渉人をメインにした作品は非常に珍しいものでした。

ニューヨーク市警で交渉術を学んだ主人公が、チームメンバーと共に様々な事件の解決を目指します。まずは事件が発生するノベルパートですが、画面構成に特徴があります。一般的な立ち絵を用いず、テレビドラマのようなカメラワークで見せるのです。そして台詞テキストはごく短く、流れるような会話劇が展開されていきます。

そして交渉パートに入ったら、主人公は犯人と粘り強い交渉をしていきます。どのように会話をするかで展開が変わりますが、時には話しかけずに相手の話を聞いたり、相手からの問いにあえて回答しないという選択も必要です。犯人を逆上させてしまうとゲームオーバーなので、可能なかぎり興奮させないようにしなければなりません。

個別の事件がそれぞれ緊迫感がありますが、ラストで一本に繋がる構成が実に見事です。硬派で堅実、まさに一流の警察ドラマのようなシナリオは、PSPアドベンチャーゲームの中でも屈指の出来映えと言っていいでしょう。

『TRICK×LOGIC』

検索キーワード:TRICK(カタカナは不可)

ソニー・コンピュータエンタテインメントより2010年に発売された『TRICK×LOGIC(トリックロジック)』。開発は『かまいたちの夜』などを手がけたチュンソフトです。かつてミステリーの名作を世に送り出したこのメーカーが、新たにユニークな作品を生み出したことで当時注目を集めました。

100年に1人と言われる天才検事の主人公は、何者かの仕業により瀕死の重傷を負った。意識だけの存在となった彼は現世に戻るべく、冥界の閻魔大王から要請された現世の未解決事件の解決に乗り出すことに……。それら未解決事件を書き下ろしたのは、我孫子武丸、竹本健治、大山誠一郎、麻耶雄嵩、黒田研二、綾辻行人、有栖川有栖――名だたるミステリー作家たちなのです。なお、閻魔大王のボイスを担当したのはあのデーモン小暮閣下! これが驚くほどハマっています。

プレイヤーはまず事件を小説形式で読み込んでいき、提示されるキーワードを元に事件の「ナゾ」を把握し、さらに事件解決のための「ヒラメキ」を生んでいきます。キーワードはどれもが重要にも無用にも見えるので、惑わされないよう注意しながら、少しずつ考えを整理しなければなりません。そして準備が調ったら推理を披露していきます。わずかでもロジックに綻びがあればやり直しとなりますが、どうしても解けない人のためにヒントも用意されています。

ミステリーアドベンチャーゲームはそれまで数多くありましたが、本作のシステムは間違いなく斬新でした。全体的に難易度はかなり高めですが、推理小説好きにはたまらない一作でしょう。

『僕はキミだけを見つめる ~I gaze at only you~』

検索キーワード:僕はキミだけを

2000年代に入ると、商業だけでなく同人からも話題のノベルゲームが登場するようになりました。『僕はキミだけを見つめる ~I gaze at only you~』は同人ゲームサークルれいんどっぐが2006年に発表した作品で、これがホープムーンによりPSPに移植されました。

主人公は裏社会にも恐れられる少年ギャンググループのリーダーだったが、マフィアに仲間を殺され、グループは壊滅してしまう。そんなある日、ホームレスとなった彼のもとに、世間で話題になっている歌姫のボディーガード依頼が舞い込んだ。彼女を狙う者こそ殺された仲間の仇だと判明して……。選択肢のない一本道ノベルで、総プレイ時間は15時間程度です。また、非現実要素がまったくない現代が舞台というのは、伝奇やファンタジーが人気だった当時の同人ノベルゲーム界では(恋愛ものを除けば)珍しいものでした。

なんといってもヒロインが素晴らしく、メディアに映っている時は美しくミステリアスかと思えば、プライベートではおかしな一面も見せる普通の女の子というギャップがたまりません。筆者は初プレイ時、彼女の魅力にすっかりやられました。元が同人ゲームらしく、ところどころに粗があるというのは否めません。しかしその欠点を補ってあまりある伏線回収の見事なシナリオ、そして感動のラストシーンが評判になり、商業進出という快挙を成し遂げたのです。

れいんどっぐはのちに、美少女ゲームメーカー・インレとして商業化しました。『僕はキミだけを見つめる』も2015年にリメイクされているのですが、全年齢版は依然としてこのPSP版しかありません。全年齢版のほうが好み、携帯機でお手軽にプレイしたいという人はこちらを選ぶのが良いでしょう。

PS Vita作品

『アマガミ』

検索キーワード:アマガミ

エンターブレインから2009年、プレイステーション2で発売された『アマガミ』は、二度のテレビアニメ化など多くのメディアミックスがされた恋愛ゲームのヒット作です。近年も新規の音声作品や公式イベントの開催など尽きない話題をファンに提供しているのですが、意外なことに現行機への移植がなく、PS Vita版が今のところ最終バージョンになっています。

過去の失恋から恋愛とクリスマスに苦手意識を持つ高校2年生の主人公。そんな彼が同じ学園の女の子たちと、素敵なクリスマスイヴを過ごすことを目標にしていきます。「天下無敵の仮面優等生」「ふかふかボディの純情少女」「男殺しの天然女王」といったキャッチコピーのヒロインはいずれも魅力たっぷり。可愛らしいグラフィックも相まって、たちまち惹かれること間違いなしです。

マップで行動を決めていったら、会話モードに移行します。ヒロインとの絆を深めるためにごほうびイベントや下校デートを狙っていくのですが、複数のヒロインを同時攻略することも可能です。後で攻略しやすいように平等に好感度を高めておく……恋愛ゲームではよくあるテクニックですが、それだけでなく二股してしまう展開も用意されています。もちろんそんなことをしたらタダで済むはずもなく……。

王道の甘いラブストーリーを目指すだけでなく、あえてヒロインを悲しませる鬼畜プレイも可能なのが、この作品の懐の深さです。すべてのイベントを見ようと思ったら、何十時間かかるかわからないほどのボリュームがあります。プレイするなら実際にクリスマスの季節がよいかもしれませんね。

『WHITE ALBUM2 幸せの向こう側』

検索キーワード:幸せの向こう側

『WHITE ALBUM2 幸せの向こう側』は、美少女ゲームメーカーのLeafが2010年~2011年にかけて発売したPCゲームのPS3/PS Vita移植版です。PC版は第1部、第2部と分割されてリリースされましたが、この移植版は一本に統合された上で多数の追加要素があります。

高校3年生の主人公・北原春希は学園祭のステージに立つため、学園アイドルの小木曽雪菜とピアノの天才である冬馬かずさをバンドメンバーに迎えた。学園祭は無事に成功するが、結束を深めていた3人は次第にすれ違いを起こしていく……。本作のテーマは、ずばり三角関係。恋愛アドベンチャーゲームとしては珍しいテーマですが、それだけにユニークな作品を求める人にはぴったりです。

……などと軽い気持ちでおすすめしていいのだろうか? そう思ってしまうほど、彼らの三角関係描写は重いです。テレビアニメ化もされたことがあり、それでストーリーを知っている人もいるでしょう。しかしこれは序章である第1部のみのアニメ化でした。続きの第2部は新たなヒロインたちも登場し、さらに状況は混沌とします。そしてその先に待つ最終章……プレイするにはまさに覚悟が必要になると言っても言い過ぎではないでしょう。

「もう、見たくない…でも、見届けずにはいられない。」
本作の絶妙なキャッチコピーです。非常に重いシナリオにもかかわらず夢中になるプレイヤーが続出し、恋愛アドベンチャーゲームの最高峰に挙げる人も少なくないようです。のちにPCではさらに追加要素がある完全版「EXTENDED EDITION」がリリースされていますが、全年齢版がいい人は「幸せの向こう側」を選びましょう。

『風雨来記3』

検索キーワード:風雨来記

2001年に第1作がリリースされたフォグの『風雨来記(ふうらいき)』シリーズは、バイクに乗って旅をするというテーマのアドベンチャーゲームです。近年もナンバリングタイトルが発表されており根強い人気を保っています。第3作の『風雨来記3』は当初PCソフトとしてリリースされていましたが、のちにPS Vitaに移植されました。

駆け出しのルポライターである主人公が、写真展に挑戦するための「最高の一枚」を求めて旅をするというストーリーで、舞台となるのは広大な北海道全域です。有名観光地から隠れた名所まで100ヶ所を超えるスポットがあります。移動はバイクを操作する「ツーリングモード」で行い、美しい風景画像を同時に楽しむことができます。目的地に到着したら「アドベンチャーモード」で、気の向くままに写真を撮影したり、地元の人と会話をしたり……そしてまたどこかへと自由にバイクを走らせていきます。

この道中、主人公はヒロインに出会うことがあります。本シリーズは恋愛アドベンチャーとしての側面もあるのです。ただしヒロインたちとの交流は必須ではありません。仲を深めてもいいし、一切関わらず当初の目的に専念してもいいというのが、他作品にはないオリジナリティです。そしていざヒロイン攻略を目指そうと思っても、プレイヤーは通常の恋愛ものとは一味違う、思いがけない展開を目の当たりにします。詳しくは書けませんが、ここにもシリーズの独自性があるのです。

第1作も北海道が舞台だったためか、「風雨来記といえば北海道」というイメージがあります。このシリーズがきっかけで北海道に行きたくなったという人も少なくないようです。作中の主人公のように、人を旅に駆り立てる魅力のある作品なのです。特に実際にバイクに乗っている人には強くおすすめできます。

『ネットハイ』

検索キーワード:ネットハイ

シリーズものではなく、他機種からの移植ではなく、そして他機種に移植されることもなかった……PS Vita限定の完全オリジナル作品は、ノベル・アドベンチャーゲームにおいてはそう多くありませんが、マーベラスが2015年に発売した『ネットハイ』はその数少ない例のひとつです。

一部のリア充たちが富もフォロワーも独占する超充実格差社会。そんな世界に生きる被差別民にして非リア充の主人公「俺氏」が、すべてのリア充たちを倒すため公開討論ショー「ENJ(エンジョイ)バトル」に挑む! これは「炎上」ともかけた、言葉を駆使したバトルです。まずは調査パートで街に出て、相手にとって不利になるゴシップを集めていき、SNSに燃料投下していきます。

そして本番のENJバトル。相手を煽って失言や動揺を引き出す、手にしたゴシップを突きつけて黙らせるといったテクニックを用いて、より国民の支持を集めることで勝利を目指します。率直に言えば『逆転裁判』に似たシステムなのですが、画面には常時、某動画サイトのようにコメントが流れたりするのがユニークです。また、バトルの途中にはミニゲームも挿入されます。

リア充の嘘を暴いて炎上させるというケレン味のある題材ですが、ストーリーはかなりの王道です。虚像を排したバトル後のやりとりには、きっと誰もが感じ入るでしょう。難易度も決して高くはなく、気軽にプレイできます。

『ひまわり-Pebble in the Sky-』

検索キーワード:ひまわり

同人ゲームサークルぶらんくのーとが2007年にリリースした『ひまわり』。当時のジャンル名は「ロリっ娘宇宙人同棲アドベンチャー」としていました。これを元にプロトタイプがPS Vita向けに移植したのが 『ひまわり -Pebble in the Sky-』です。こちらはオリジナル版からビジュアルが一新されており、幼い女の子の描写に定評がある空中幼彩氏が原画を務めています。

高々度旅客機の墜落事故で両親と記憶を失った主人公は、ある日宇宙船に乗って空から落ちてきた少女と出会う。少女もまたアリエスという名前以外の記憶を失っており、やむを得ずふたりは同棲することになった……。比較的オーソドックスな出だしですが、次第に周囲に不穏な気配が漂ってきます。やがてアリエスの正体と空から落ちてきた理由が判明、そこからラストに向かっての主人公の行動には、心から熱くさせられます。

しかしこの「アリエス編」はまだ導入部にすぎません。ここから舞台を宇宙に移し、新たなストーリーが始まります。これがとにかく素晴らしいSFなのです。キーパーソンとなるのは、とある宇宙飛行士の男。彼の生き様を通じて、人類共通の目標である「星を目指す」ことの美しさを、とても感情豊かに書き上げています。

そしてこの後も、物語にはまだまだ隠された秘密があって……。どんどん明かされる真実に興奮を禁じえません。SFとはこんなに面白いものだったのか? オリジナル版をプレイした当時、筆者はそう思ったものでした。

『ルートダブル -Before Crime * After Days- Xtend edition』

検索キーワード:ルートダブル

2012年にイエティから発売されたXbox 360用ソフト『ルートダブル -Before Crime * After Days』は、同機種のオリジナルアドベンチャーゲームとしては屈指の評判を得た作品です。こちらはPS3/PS Vita向けのXtend edition――すなわち拡張版で、大まかなストーリーは変わっていませんが細かなところで調整がなされています。

時は2030年。原子力生物学研究所、通称「ラボ」で原因不明の爆発が発生した。それだけでなく謎の現象、さらには殺人事件まで起こってしまう。果たして閉じ込められた者たちの運命は……? 通報を受けて出動した救助隊隊長と、ある目的のためにラボを訪れ事故に巻き込まれた男子高校生、この両名をダブル主人公としてストーリーが展開していきます。

本作には一般的な選択肢が存在しません。代わりに導入されているのが「センシズ・シンパシィ・システム」です。主人公が他のキャラクターをどう思っているかを数値入力し、それによって展開が分岐していくのです。このシステムの面白いところは、主人公が自分自身をどう思っているかも決められることです。たとえば自分の直感に自信が持てなければ低い数値にするというパターンもあり得ます。ユニークなシステムのノベルゲームをプレイしてみたい人にはうってつけです。

しかし「みんなでラボから脱出できればハッピーエンド」という単純な構成ではありません。緻密な設定と思わぬ仕掛けが組み込まれており、プレイヤーはストーリーを進める毎に驚きの真実を目の当たりにします。プレイ時間は50時間以上にもなる、SFアドベンチャーゲームの大作です。


パッケージ版が中古市場では高騰しているケースもある中、数々の良作を公式で、なおかつ比較的安価で入手できるラストチャンスです。ストア閉鎖までの約1年、じっくりと検討してみてください。

※記事内で紹介している「PSVita ストア リンク支援」について(UPDATE 2026/8/23 22:27)
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ライター:アライコウ,編集:みお


ライター/作家 / ノベルゲームクリエイター&研究者 アライコウ

ノベルゲームをプレイするだけでなく自らもインディークリエイターとして活動中。将棋も趣味で、棋力はアマ三段ほど。

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編集/Game*Spark共同編集長 みお

ゲーム文化と70年代の日本語の音楽大好き。人生ベストは『街 ~運命の交差点~』。2025年ベストは『Earthion』。 2021年3月からフリーライターを始め、2025年4月にGame*Spark編集部入り。2026年1月に共同編集長になりました。

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