
NVIDIAのAIレンダリング技術「DLSS」は、フレーム生成や超解像度、レイ再構成などの機能をアップデートし続けています。NVIDIAは、第2世代Transformerモデルを採用する「DLSS 4.5 レイ再構成」を発表しており、正式配信は2026年8月内を予定しています。
そこで本記事では、過去にグラフィック設定を検証した『プラグマタ』と『バイオハザード レクイエム』を対象に、GeForce RTX 5090搭載機を用いて、従来のDLSS 4 レイ再構成と比べ、パストレーシング時の画質やパフォーマンスがどのように変化したのかを検証します。
ベンチマークに使うPCスペックは下記の通りです。
CPU:AMD Ryzen 9 9950X
メモリ:Micron DDR5-5600 128GB(32GB×4枚)※1
マザーボード:ASUS TUF Gaming B850-PLUS WIFI
ディスプレイ:ROG Strix XG32UQ(4K UHD[3840×2160]@160Hz)※2
GPU:NVIDIA GeForce RTX 5090 32GB
※1 DDR5の仕様により周波数が若干下がっています。
※2 オーバークロックを使用せず144Hzに固定し、かつG-SYNCを使用しています。

比較には、執筆時点で最新のGame Readyドライバ610.88を使用しました。従来モデルは標準環境、新モデルはNVIDIAから提供された専用設定を適用した環境で計測しています。
ゲーム内設定はNVIDIAの推奨値を基準としつつ、両作品で条件をそろえるため、解像度とDLSS Super Resolutionの設定を統一しました。ゲームごとの設定は、各項で記載します。
『プラグマタ』

まずは、過去にもグラフィック検証を行った『プラグマタ』から見ていきます。比較ではパストレーシングを有効にし、視点や動きによる差が混ざりやすいモーションブラー、レンズフレア、レンズ歪み、被写界深度をオフにして、変化を判別しやすい設定に統一しました。解像度は4K、DLSS Super Resolutionは「クオリティ」に設定しています。
本作はパストレーシングに対応しており、光源を活用した印象的な場面が多く見られます。今回、序盤ステージにあるレーザーの消灯表現にはっきりとした変化が確認でき、レーザーの出力停止に合わせて、光もより素早く自然に消えるようになりました。
従来モデルでは、レーザーの出力が停止した後も光が残り、少しずつ消えていく挙動が見られました。新モデルでは出力停止とともに素早く消えるようになり、残留アーティファクトが抑えられています。
また、NVIDIAは新モデルの改善例として、『Alan Wake 2』のブラウン管テレビに表示されるホワイトノイズや、『インディ・ジョーンズ/大いなる円環』の雪のパーティクルを挙げています。これらの例では、細かな表現を保ちながら、ゴーストや時間方向の不安定さを抑える方向の改善が示されています。
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デノイズ処理の改善例としては、フラットな壁面に見られる「boiling(ボイリング)」の低減が挙げられます。これは細かな模様がフレームごとに揺らぎ、表面がモゾモゾとうごめくように見える現象です。
実際のプレイ中は注視してようやく分かる程度で、静止画では判別しづらい現象です。左側が従来モデルの画像ですが、この比較だけでは差が伝わりにくいため、続いて『バイオハザード レクイエム』で見ていきましょう。
『バイオハザード レクイエム』

前回の検証記事で、『バイオハザード レクイエム』は2026年最初の大型タイトルとして、パストレーシングの効果の大きさとGeForce RTX 50シリーズの優位性が分かりやすく表れる結果となりました。
本作は『プラグマタ』と同じRE ENGINEを採用し、パストレーシング対応かつ高いPC性能を要求する点も共通しています。新モデルの効果を確認しやすかったため、今回の比較対象として採用しました。
設定はHDR、V-SYNC、モーションブラー、レンズ歪み、被写界深度をオフ。解像度は4K、DLSS Super Resolutionは「クオリティ」に統一しています。
できる限り同じ操作に揃えていますが、動画では判別しづらい箇所もあるため、以下に静止画比較も掲載します。注目したいのは、ガラス面の反射、雨粒の表現、そして『プラグマタ』でも触れた時間方向のノイズです。

最も差が分かりやすかったのは、冒頭の場面です。雨粒は静止画でも判別できるほど輪郭が明瞭になっており、細かな粒子表現が再構成時に失われにくくなっています。地面の反射も従来モデルより安定し、細部を捉えやすくなりました。

こちらは電話ボックスを執拗に見続けた場面です。『プラグマタ』で触れたボイリングが確認できる場所で、従来モデルでも注視しなければ分からない程度でしたが、新モデルではガラス面や影の細かな揺らぎがほぼ視認できなくなりました(掲載動画では、エンコードによるノイズが見える可能性があります)。
また、グレースのレザージャケットやリュックの陰影も、従来モデルより質感を判別しやすくなっています。
そのほか、理髪店の回転灯の反射がより自然に見えるなど、細かな違いも確認できました。もともとのグラフィック品質が高く、従来モデルでも違和感を覚えにくかった箇所だけに、比較して初めて分かる変化と言えるでしょう。
気になるパフォーマンスは大きく変わらず……だが

『プラグマタ』を使用し、前回の検証記事と同じ区間・同じオプションでフレームレートを計測しました。今回はグラフを掲載していませんが、初回計測では新バージョンが数%低い傾向を示したものの、体感できるほど大きな変化は見られませんでした。
NVIDIAの資料によれば、GeForce RTX 40/50シリーズでは新モデルによる性能への影響はほぼ無視できるとされています。一方で、GeForce RTX 20/30シリーズでは、アーキテクチャ上の制約により、わずかな性能差が生じる可能性があるとされています。
残念ながら、今回の検証環境ではGeForce RTX 20/30シリーズを用意できず、実測は行えていません。また、NVIDIAの資料にも具体的な低下率は示されていないため、実際の差はタイトルや設定、GPUによって異なると考えられます。
とはいえ、今回の更新はGeForce RTX 20シリーズ以降の全世代に対応しており、対応タイトルを遊ぶ幅広いユーザーが画質改善の恩恵を受けられる点は大きな利点です。レイトレーシングやパストレーシング対応タイトルをプレイするユーザーにとっては、朗報と言える内容でしょう。
今回は正式版に先駆けたプレビューでしたが、この段階で十分に効果を確認できました。正式配信も近いとのことなので、様々な対応タイトルで迎え撃ちたいところです。

















