
『ウィッチャー3 ワイルドハント』や『サイバーパンク2077』の元ディレクターであるKonrad Tomaszkiewicz氏が立ち上げた新スタジオ「Rebel Wolves」から、話題の完全新作RPG『The Blood of Dawnwalker』が9月3日に発売を迎えます。どちらも海外RPGの大人気大作タイトルですから、その触れ込みだけで興味を持った、というプレイヤーの方は多いかと思います。
筆者自身も過去にCDPRのゲームをプレイしてきましたので、本作には多大な期待を持って臨みました。そして、最初にまず結論めいたことを書いてしまうとするならば、本作はその期待にしっかりと応える「ちゃんとめちゃくちゃ面白い」ゲームでした。……ということで、筆者のことを信用してくれるのならば、あまり事前の情報を得ずに「きっと面白い」ということだけでここで購入していただき、あとはクリア後にこの記事を読んでくれればいいな、と思うわけですが、それだと記事にならないので、ネタバレにならない範囲でストーリーなどにも言及しつつ、というのがこの記事となっております。
本記事では、筆者が本作を先行して数十時間プレイした時点でのインプレッションをもとに、本作のシステムや魅力、そして少し気になった点などをプレイレポートしていきます。
アクション/ゲームシステム

本作は基本的にアクションRPGとして非常にオーソドックスな作りをしており、同様のオープンワールドRPGを過去に遊んだことがあるプレイヤーなら、チュートリアルに頼らずともすぐに馴染めるスタンダードな操作感に仕上がっています。主人公は吸血鬼として特殊な移動を行うこともできるため、『ウィッチャー3』よりは探索の自由度が高く、『アサシン クリード』シリーズ的なものをイメージしてもらうのが良いと思います。
ともかく、触っていてぎこちなく感じられたり、やりづらく感じられたり、操作が混乱するようなことは起こらない、極めてスムーズなプレイ感でした。新スタジオの初タイトルとは思えないほどの、堂に入った作りだと感じます。

戦闘システムも、攻撃ボタンと防御ボタン、そして防御不可攻撃を回避するという基本に加えて、バレットタイム的に時間をスローにして選択できるスキルがあるというスタンダードなものですが、敵の攻撃やこちらの攻撃に「方向」があり、方向を正しく入力することで戦闘を優位に進めやすくなるというちょっとした「ひねり」があります(このあたりは『キングダムカム・デリバランス』をやや連想しました)。
その「ひねり」のおかげで戦闘は複雑になりすぎず、適度な緊張感があり、習熟すればレベル的に格上の相手を倒しうる、なかなか楽しいものになっています。ボタン連打になりがちなアクションRPGの戦闘ですが、本作は攻撃方向に加え、スキル、使用する武器など考えることがなかなかあるので、かなり楽しい部類だと感じました。

このように、「オープンワールドのアクションRPG」として卒なく非常によくできている本作ですが、ゲーム体験を一段引き上げている最大の特徴が「時間」のシステムです。
本作には昼と夜の概念が存在し、クエストのクリアやスキルの習得に伴って時間が経過していきます。ゲームの大きな目標の一つである「囚われた家族を救出する」というイベントにはタイムリミットが設けられているほか、主人公は昼は人間、夜は吸血鬼として活動するため、時間帯によってこなせるイベントも変化します。こうした時間経過のシステムは、ともすれば漫然とプレイしがちなオープンワールドRPGにおいて、絶妙なスパイスとして機能しています。
特筆すべきは、クエストのクリアなど「特定の行動」をとらない限り勝手に時間が進まないという点です。「限られた時間を何に使うか」を焦らされることなくギリギリまで吟味できるため、タイムリミット制のゲームにありがちな「常に時計の針に追われるストレス」を感じずに済みます。プレイヤーにしっかりと思考する余地を与えるこの仕組みは非常にうまく考えられており、感心させられました。

本作のシステム説明には「血が足りなくなると、抑えが効かなくなり友人の血を吸ってしまうかも」といった文言がありました。ただ、筆者は道中でかなりこまめに野生動物から吸血していたためか、今のところそこまで「血が足りない」という切羽詰まった状況には遭遇していません。
もちろん、ゲームの難易度を上げたり、後半の展開に至ったりすれば、そうした渇きに苦しむ機会も増えるのかもしれません。しかし現状では、これも過度なストレス要素というよりは、吸血鬼という設定を引き立てる「フレーバー要素」として機能している印象です。個人的には、これくらい緩やかなバランスが心地よく感じられました。
ストーリー/世界観

このように、アクションやシステム面が非常によく出来ている本作ですが、それに加えてストーリーもなかなか面白いです。面白いですし。なにせ「わかりやすい」というのも魅力的な要素です。
『ウィッチャー3』などではシリーズの続編ということもあってか、序盤はストーリーや世界観が把握しづらい面もあったのですが、本作は完全新作であるがゆえに、非常にわかりやすく、共感しやすく、そして「何をしたらいいか」が理解しやすい、スタンダードな「復讐譚」として進行していきます。
一部の幻想的なシーンなどではやや混乱させられることもありますが、それもあくまでわずかな場面に限られます。こういった海外製の大型RPGのなかでは、かなり状況を把握しやすく、素直に面白がりやすいストーリーラインを持った作品だと感じました。


ゲームの舞台となる14世紀ヨーロッパの陰鬱とした空気感も見事に表現されており、世界観の作り込み、それを表現するグラフィックスは本当に素晴らしいです。そして、その世界観を補強するような細かい設定やフレーバー要素が好きなプレイヤーなら、各地を探索してテキストを収集し、読み解いていくのもきっと楽しいはずです。と、いうのも用語集やゲーム内に登場する書物など、ストーリーを補強するテキスト要素がかなり膨大に用意されているからです。

世界観を補強するためのアイテムも本当にザラザラと大量に手に入ります。意味あるものも意味ないものも一度拾って説明文を読みたくなってしまうようなオープンワールドRPG好きに本作は必ず刺さるはずです。
総評

本作は全体を通してかなりよく出来ており、同ジャンルのファンや、CDPRの作品群が好きだったプレイヤーには間違いなく刺さる一作だと言ってしまっていいと思います。
筆者自身も、事前にある程度「このくらいは面白いだろう」と期待をして臨んだのですが、実際のプレイ体験はその予想を遥かに超えており、他の仕事があるにもかかわらず時間を忘れて熱中してしまう瞬間が何度もありました。
タイムリミットのシステムやクエストの分岐によってリプレイ性も非常に高く担保されており、約1万円という高めの定価に要求される「ボリューム感」を見事に満たした作品だと感じます。
『ウィッチャー3』や『サイバーパンク2077』、先ほど言及した『アサシンクリード』シリーズなどが好きな方、海外のオープンワールドタイトルを愛好するプレイヤーにとって本作はきっとマストプレイとなるでしょう。筆者もこれから時間をかけて何周も遊んでいくつもりです。
『The Blood of Dawnwalker』は、PC(Steam)/PS5/XBOX Series X|S向けに2026年9月3日発売予定です。
¥9,790
(価格・在庫状況は記事公開時点のものです)












