多くのパズルゲームに影響を与えた『ゼルダの伝説』シリーズ。ゲーマーであれば一度や二度は「このギミックはゼルダっぽいな~」と思ったことがあるでしょう。
本作『He Who Watches』は、そんなゼルダシリーズから"弓矢”のギミックにヒントを得たゲームです。
ただ目玉を射抜くだけでなく、上下左右に反転するという仕掛けを入れたことで、大変奥深くかつ複雑に仕上がっておりました。

本作はプレイヤーが遺跡に侵入するところから始まります。プレイヤーは弓矢を手にし、ごつごつしたブロックがいくつも配置された遺跡をさまよいます。
ステージはマス目で管理されており、一人称視点を採用。DRPGのように一歩ずつ進み、旋回や後ろ歩きなども可能です。それと同時に、FPSのようにフリールックも搭載されており、カメラを回したほうが前になる点が楽でした。

目玉のついているブロックを弓矢で射ると、そのブロックを固定して持ち運ぶことができるようになります(フリールック状態では射れないので、必ず高度と方向を合わせる必要があります)。1マス先なら1マス先、3マス先なら3マス先といった具合で同じ距離を保ちますが、ブロックの後ろに壁があるときに近づくと、距離を縮めることが可能です。このあたりは直感的であり、一般的な『倉庫番』ライクといった感じでした。

重要なのは、本作のプレイヤーが壁や天井を歩けるということ。つまり、上下左右反転した状態でステージを進む必要があるのです。
プレイヤーが壁面に近づくと、両脚のアイコンが表示され、そのまま進むと壁面を歩くことができます。世界は90度曲がり、今まで床だったところは壁になるわけです。
そのまままた壁にぶつかれば、今度は180度反転した世界に。ここが床なのか、天井なのか、ワケがわからなくなる感覚になりました。

当然ながら、パズルギミックはこれらの上下左右反転をふんだんに利用することになります。ブロックを持ち運んだ状態で壁に近づけばブロックの下方向がプレイヤーの足元と同じになります。
なお、ブロックが頭の上に来ている状態で、矢を離すとそのままブロックが落ちてきてゲームオーバーになるのでお気をつけて……(もちろんワンボタンで元に戻せます)。

といった具合で、床にベタ置きされているブロックを天井に貼り付けたり、壁の穴から別の壁に向かって落としたりと、ロジカルな推理と発想力が求められるパズルゲーム。途中で追加のギミックがどんどん現れますが、基本ルールは変わりません。
最初は壁や天井にものを運ぶだけでもチンプンカンプンですが、そのうち四方八方が床に見えてきて、自分の意識が拡張されていく感覚を味わうことができました。
さながら気分はドラえもんの「重力ペンキ」。ぜひとも、世界が様変わりしていくまでの修行を楽しんでください。

ステージの見た目がストイックすぎて、せっかくの反転ギミックが視覚的に興奮しきれない点があるのと(どうせなら背景に意味のない物体があったら反転したのがよくわかって面白かったのですが)、長時間プレイすると3D酔いするのが難点でしたが、倉庫番の新しい形として、非常に面白いチャレンジでした。
また、本作は『FEZ』『Animal Well』『TUNIC』などにも影響を受けているとのことで、明らかにクリアには必要なさそうな隠しギミックが見え隠れしています。
マップを眺めているだけでも"怪しい記号”がチラホラ……本編のクリアだけでも相当歯応えがありますが、シークレットを解き明かすのが大好きなプレイヤーはぜひとも隅々まで探索してみてください。











