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中国気鋭のアニメスタジオがゲーム業界に参入!豊富なカットシーンに物量の暴力と美学を感じる『ブリンガ』プレイレポート

大量のカットシーンを戦闘とシームレスに繋ぐ演出に注目

連載・特集 プレイレポート
中国気鋭のアニメスタジオがゲーム業界に参入!豊富なカットシーンに物量の暴力と美学を感じる『ブリンガ』プレイレポート
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2026年8月26日(水)~30日(日)にかけて、ドイツ・ケルンで世界最大のゲームイベント「gamescom 2026」が開催されました。

会場では、中国のYHKT ENTERTAINMENTが開発を手掛ける『ブリンガ』の試遊の機会をいただきました。

YHKT ENTERTAINMENTは、オリジナルアニメーション「霊籠」などを手掛けてきたデジタルコンテンツ制作会社。今作は、そのアニメーション制作の知見を大型アクションRPG開発に活かした、オリエンタルファンタジー色の濃いナラティブ重視の作品です。今回のgamescomが中国国外では初公開の場となります。

本稿では、そんな『ブリンガ』のプレイレポートをお届けします。

『ブリンガ』はUnreal Engine 5で構築された、映画的なカメラワークと演出が特徴のオリエンタルファンタジーアクションRPG。

舞台は「浄海」と巨大生物「隆舶」によって形作られた世界で、人々はその巨大生物の背中の上で暮らしています。プレイヤーは秘密を背負った旅人として世界を巡り、謎を解き明かしていくことを目的にプレイしていきます。

戦闘面では、パーティメンバーを切り替えながら、キャラクターごとに異なる武器を使い分けるスピーディなアクションが特徴。パリィや回避、フィニッシュムーブなども搭載されています。

今回試遊したデモは、少女のような存在が青く光るグロテスクな“何か”に引きずられ、翼を生やしたモンスターへと変貌していく一連のカットシーンから開始。そのままボス戦へとなだれ込む美しい流れに思わず、操作可能になったのにも関わらずキーボードから手を離して画面に見入ってしまうほどでした。

プレイの感触としては、ハイスピードに武器を振るいながらも、ジャストタイミングでの回避やパリィが要求される、近年のアクションゲームの主流と言えるスタイル。左クリックが通常攻撃、右クリックが回避、Eがスキル。そしてQに割り振られた必殺技は、専用のカットシーンと共に強力な一撃を繰り出す見応えのある演出になっていました。

体力ゲージの下には、もう一本別のゲージが用意されており、これは『SEKIRO』における体幹ゲージに近いもの。これを最後まで削りきると相手が大きく怯み、そこに強力な一撃を叩き込めるという仕組みです。パリィにはタイミングを合わせる判断が必要(正解のタイミングでボタンの表示が出てくる)で、成功を連続で決めるとこのゲージをより効率よく削れる、という設計になっていました。

戦闘はフェーズ制で進行し、フェーズ1は主人公の単独戦、フェーズ2からはカットシーンにしか登場していなかった仲間が参戦し、1・2キーでのキャラクター切り替えが解禁。フェーズ3では仲間が一旦離脱し、画面も青色から真っ赤に変わってステージの印象がガラリと変わります。そしてボスが繰り出す脚を使った連続攻撃に、より積極的なパリィと回避で対応する必要がある高難度な内容へと変化していきました

フェーズ1・2を通じて基礎を学び、フェーズ3でよりスピーディーに応用操作を試される、という段階的なチュートリアル構成になっているのがわかりやすく好印象。テンポが早く置いていかれそうになる瞬間もありましたが、落ち着いてボスの行動をしっかりと理解すれば、パターンを組んでしっかり攻略できる難度です。

そして、本作を語るうえで欠かせない特徴が「とにかくカットシーンが多い」という点です。ボス戦前の導入演出はもちろん、フェーズ1~3のそれぞれの合間にも、映像演出がふんだんに盛り込まれています。しかもどれも戦闘とシームレスに接続されているため、緊張感を保ったままゲームプレイに没頭することができます。

通常であれば単調になりがちなQTE(クイックタイムイベント)も、この映像演出のおかげで非常に楽しいものに仕上がっていました。ただボタンを押すだけの作業ではなく、ある程度の反射神経と緊張感、そして「次はどんなアクションが待っているのか」というワクワク感が伴う、飽きさせない見せ方になっています。

ボスを撃破すると、その体内から青髪の少女が姿を現す、という展開が待っていました。中にこんな美少女が潜んでいたとは……。この少女は主人公との会話パートを挟んだのち、主人公の仲間となって共に冒険することになります。

会話シーンの作り込みも徹底しています。ただ単に、3Dモデルをノベルゲームのように立ち絵として表示するだけではないのです。文字を読み進めるために画面をワンクリックするたびにカメラアングルが切り替わり、キャラクターの表情を余すことなく捉える演出が続くほか、会話の合間にはかわいらしい2Dイラストまで挿入される場面もありました。

アクションパート以外の演出の多様さは、まさにアニメーションスタジオならではのこだわりだと言えそうです。この物量を、シームレスに、自然に物語へと組み込まれてしまうと、とにかく納得するしかない圧倒的な実力を感じざるを得ません。

戦闘パートの他には拠点となるであろう「船」に乗り、フィールドを探検するパートも体験できました。空を飛ぶ船を操縦しながら、搭載された砲台で攻撃することも可能で、地上でのアクション戦闘とはまた違った、船を使った戦闘パートにも期待が持てそうです。

本作を手掛けるYHKT ENTERTAINMENTは、2015年に武漢で設立された中国のアニメーション制作会社。代表作「霊籠」は、地表が崩壊した後の世界で、巨大な浮遊構造物「灯台」に暮らす人類を描いたポストアポカリプスSFです。

同作は本格的な3DCGアニメーションとして高く評価されており、シーズン2だけでも1万カット以上の作画、300~400体のキャラクターモデリング、約4,800カットにも及ぶ特殊効果ショットが投入されたといいます。同スタジオは、劉慈欣の人気SF小説「三体」のアニメ化権も獲得しており、TencentやBilibiliといった大手企業からの出資も受けている、中国アニメーション業界でも屈指の実力派スタジオです。

こうした映像制作で培われたカメラワークや演出力の蓄積が、『ブリンガ』のカットシーンの豊富さ、そして会話シーンにおける凝ったカメラアングルの切り替えという形で色濃く反映されているように感じました。

ビジュアルの方向性も、いわゆる「アニメ調のゲーム」とは一線を画しており、中華圏の3DCGアニメと、洋画CGにも通じるライティング・質感表現が融合したような、独特の個性を放っています。

中国発の作品ならではの世界構築とビジュアル、そして物量の多さに注目の本作。ビデオゲームの映像演出に一石を投じる作品になることは間違いありません。


『ブリンガ』は、PC・モバイル・PlayStation 5向けにリリース予定。配信時期は現時点で未発表です。

ライター:タナカハルカ,編集:みお

ライター/気さく タナカハルカ

インディーゲームデベロッパー・よんとんトマチンのメンバー(ヤムニャン学園)として『ふりかけ☆スペイシー』を開発。著書『海外ゲーム音楽ガイドブック ビデオゲームからたどる古今東西の音楽』『楽曲派アイドル・ガイドブック ももクロ以降のアイドルソング再考』。寄稿『ユリイカ2025年12月臨時増刊号 総特集=大貫妙子』『DAWN N°2』など。毎週新高円寺で会える。

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編集/Game*Spark共同編集長 みお

ゲーム文化と70年代の日本語の音楽大好き。人生ベストは『街 ~運命の交差点~』。2025年ベストは『Earthion』。 2021年3月からフリーライターを始め、2025年4月にGame*Spark編集部入り。2026年1月に共同編集長になりました。

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