次の舞台は南アメリカ

リアル農家でもハマってしまう農業シミュレーターでお馴染みの『Farming Simulator 25』。現実では米を作っている筆者も、前回は本作に実装された稲作に挑戦しました。知っている農機具をゲームの中で動かせるのは農家としてもなかなか楽しいものです。
そんな本作に、今度は南米ブラジルを彷彿とさせる架空の農村「カトゥアイ」を舞台とした新DLC『Beans & Alpacas Expansion』が登場。2026年10月27日に発売されました。田んぼで米を作っていた筆者ですが、今回はコーヒー農家に転身してみることにします。
ゲムスパでは以前、筆者がリアル米農家の経験を頼りに本作の稲作を体験したプレイレポを掲載しています。現実でやっている作業をゲームで試した前回に対し、今回は同じ農業でも専門外の作物です。はたして、米作りの経験はどこまで通用するのでしょうか。
今回のDLCでは、コーヒーとバナナの栽培や収穫に加え、アルパカの飼育も楽しめるようになりました。普段は飲む側のコーヒーを自分で育てて収穫し、さらに商品へ加工していくことができます。
本記事では、コーヒー栽培を中心に、並行して始めたアルパカの飼育もご紹介。前回の稲作で覚えた操作と現実の農業の知識を頼りに、まずは一通りの作業を試してみます。とはいえ、米農家だからといって何でも育てられるわけではありません。そのことを、今回もしっかり思い知らされることになりました……。
なお、本記事の執筆にあたっては、GIANTS Softwareよりゲームコードの提供を受けています。
コーヒーは病気との戦い

まずはコーヒーの木を植えるところから。木に実るのは「コーヒーチェリー」と呼ばれる果実で、その中の種子が、お馴染みのコーヒー豆となります。
本作での栽培は、すでに実装されているオリーブなどに近い方式です。田植え機で苗を植え、収穫時には田んぼから刈り取る稲作と違い、農園に並んだ木を継続して管理していくことになります。

農園を作る際はエリアを指定して木を配置でき、プラウなどで事前に土地を耕す必要がありません。前回の稲作では田んぼの造成でつまずいた筆者ですが、前回の経験から今回はスムーズに入ることができました。作業を始めるまでに必要な準備が少ないのは、初めて扱う作物としてありがたいところです。
ただし、植えやすいことと、育てやすいことは別の話。木を並べてしまえば後は収穫を待つだけ……とはいかないのが今回のコーヒー栽培です。

作業の予定はゲーム内のカレンダーで確認します。作物が育つまでの待ち時間には、今回追加されたアルパカの飼育も進めることにしました。
なお、今回は資金面を気にせず、栽培から収穫、加工、飼育までの流れを確かめる方針です。黒字経営に挑む前に、まずはどんな機械が必要で、何をすれば収穫にたどり着けるのかを試していきます。

コーヒーのカテゴリーから必要な農機具を確認し、ひとまず道具をそろえていきます。作物が変われば使う機械も変わるので、この買い物もシリーズの楽しみのひとつでしょう。米農家として見慣れた田植え機やコンバインから離れ、今度はコーヒー用の装備を使うことになります。
相変わらず機械の使い方はトラクター以外さっぱりわかりませんので、Youtubeで実際のコーヒー農家の動画を見て学ぶことにします。実際の収穫風景がチュートリアルにもなるのが本作品のリアルさ故の醍醐味であり再現度ともいえるでしょう。

コーヒーの花が咲き、生育が進んでくると、いよいよ管理の仕事も本番です。一度収穫したら植え直す作物とは違い、コーヒーは同じ木から繰り返し収穫できます。せっかく作った農園を、その後も使い続けられるのは魅力でしょう。
一方で気を付けたいのが「さび病」です。本作では葉に発生するカビ由来の病気が再現されており、殺菌剤による防除が必要になります。植え付けの手軽さに油断せず、成長中の状態にも目を配らなければなりません。収穫機を動かす日以外にも、農家の仕事はあるのです。

肥料をまく作業と並行して、殺菌剤の散布も進めていきます。独特の噴霧器は一度に2列へ散布できるので、農園の列に沿って走らせればよく、作業自体は比較的分かりやすいものでした。とはいえ、簡単にできる作業であっても、必要な時期にやらなければ意味がありません。
農薬というと使うか使わないかの話になりがちですが、農家の側からすると、病気や害虫、雑草による被害をどう抑えるかというメリットのバーターであり、育てた作物が無事に収穫できるかどうかに関わるので農家としては無視できない部分です。
無農薬作物は価値が高く、できるのであれば無農薬で完結したい所なのですが……それに必要な手間や対策まで含めて採算が合うのかはまた別の話です。筆者の場合できるかどうかだけを聞かれれば「できなくはない」と答えますが「それに従事できるだけの時間はあるのか?」と自分に問い返してしまえば結果は明白です。
少なくとも自分の人生の中では農薬を使うことで得られるメリットが大きいので、気軽に無農薬栽培へ踏み切ろうとは思いません。もちろん、これは作物や栽培方法、販売先によっても変わる話です。ゲームの中で殺菌剤を買って散布しているだけなのに、つい現実の農業のことまで考えてしまう。この辺りは、農作業を題材にした本作ならではでしょう。

さて、そうして迎えた収穫時期のコーヒーがこちら。見事に「さび病」にかかってしまいました。必要な作業だと分かっていたはずなのに、2か月ほど殺菌作業をサボったツケが病気という形で返ってきたわけです。農薬のメリットを語っておいて、自分が防除をサボるのはどうなのでしょうか……。
病気になっていても収穫自体はできますが収穫量には大きく響いてしまいます。「収穫できるから大丈夫」とはとても言えません。育つまで待った時間は同じでも、管理の違いが最後の量に表れるのはゲームであってもなかなか厳しいところ。
収穫後は加工にも手を広げる

収穫したコーヒーチェリーはそのまま売却することもできます。ただ、本DLCではそこから加工へ進め、商品としての価値を高めていくことも可能です。コーヒーの加工施設で袋詰めしたものをさらに加工し、コーヒーショップで飲み物として提供するところまで、生産のつながりが用意されています。
畑から取れたものを売って終わりにするのか、設備を持って加工まで手掛けるのか。収穫後にも次の目標ができるので、コーヒー農園だけで完結しないのが面白いところです。

もっとも、販売価格の高さがそのまま利益になるわけではありません。施設の購入費や稼働費に加え、原料や商品を運ぶ手間もあります。農園の規模に対してどれだけの設備を持つのか、どこまで自分で加工するのかは収支を見ながら決めたいところです。今回のプレイでは加工の流れを試しましたが、本格的に営農するならこの辺りも次の検討課題となるでしょう。
コーヒーの合間にアルパカも育てる

コーヒーの管理と並行して育てていたアルパカも、成長すれば毛を取ることができます。その毛を売るだけでなく、加工してぬいぐるみなどの商品にできるのも本DLCの特徴です。コーヒーを飲み物へ加工していくのと同じように、飼育した先にも別の仕事が待っています。
繁殖を進めて、生体を販売することも可能です。作物の収穫とは違う形で農場の収入につなげられるのでコーヒーが育つのを待つ間に取り組む仕事としても、うまく組み合わせたいところ。畑も動物も加工施設も……と、欲張れば当然その分だけ管理することも増えます。コーヒーの防除すらサボった筆者が言うと説得力はないのですが……。
ちなみに、筆者がまだ5歳ぐらいまでの頃は実家でも乳牛を飼育し、出荷していました。アルパカと乳牛では勝手が違うでしょうが、農場で動物を育てる光景を見ると当時のことを少し思い出します。もっとも、真っ先に浮かぶのは「当時は庭先が臭かったなぁ」という記憶なのですが。
作物を育てるだけでなく、動物を飼い取れたものを売ったり加工したりする。自分の農場で何を仕事にするかを選べるのは、このシリーズの良いところです。今回はコーヒーの合間に始めたアルパカですが、こちらを中心に農場を組み立ててみるのも、また違った遊び方になりそうです。
米農家でもコーヒー栽培は一年生

前回の稲作では、現実で知っている作業をゲームでどこまで再現できるのかが、筆者にとって大きな楽しみでした。一方、今回のコーヒー栽培は、同じ農業でも知らないことを覚えていく体験です。米作りで覚えた操作や考え方は役に立っても、作物が変われば必要な道具も、気にするべき作業も変わります。
植え付けは手軽でも、途中の防除を忘れれば収穫量に響く。収穫が終わっても今度はそのまま売るか加工して売るかを考えることになる。ひとつの作物を追加するだけで、農場での仕事や目標がこれだけ変わるのは拡張DLCとして嬉しいところです。コーヒーに加えてアルパカの飼育も組み合わせれば、次に試したいことはまだまだあります。
現実で農機具を買い換えたり、育てる作物を変えたりするのはそう簡単にはいきません。その点、ゲームなら資金や失敗の負担を気にせず、専門外の農業にも挑戦できます。既存の農場とは違う仕事を探しているシリーズ経験者も、コーヒーやアルパカをきっかけに農業を体験してみたい人にもカトゥアイは新しい農場の候補になるはずです。
現実では気軽に始められない営農が楽しめる本作品、収穫を楽しみに時間を進める前には面倒な作業を済ませたかの確認をお忘れなく。
南米の地でアルパカがあなたをお待ちしております。
タイトル:Farming Simulator 25: Beans & Alpacas Expansion
対応機種:PC(Steam/Epic Games ストア)/PS5/Xbox X|S
記事におけるプレイ機種:PC(Steam)
発売日:2026年10月27日(Steam版)
記事執筆時の著者プレイ時間:33時間(本体)+6時間(DLC)
価格:3948円












