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世界から注目される『Bloodborne』の魅力をSCE担当者に訊く―「妥協することなく追求した」

フロム・ソフトウェアとSCE WWS JAPANスタジオ共同開発の注目タイトル、プレイステーション4専用完全新作アクションRPG『Bloodborne』。発売を目前に控え、SCE担当者に本作にかける思いやユーザーに楽しんで欲しいポイントについてインタビューを行った。

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フロム・ソフトウェアとSCE WWS JAPANスタジオ共同開発の注目タイトルとして発売が目前に迫る、プレイステーション4専用完全新作アクションRPG『Bloodborne』。SCEにて、SCE WWS JAPAN スタジオのプロデューサー山際眞晃氏とSCE ジャパンアジア広報の北尾泰大氏に、本作にかける思いやユーザーに楽しんで欲しいポイントについてのインタビューを行いました。


──まずは、簡単にお二人の自己紹介と過去携わった作品を教えてください。

山際眞晃氏(以下山際): SCE WWS JAPAN Studio 『Bloodborne』プロデューサーの山際です。以前はディンプスという会社でプランナーやディレクターとして働いていました。その後2009年にSCEに入社し、PS3の『TOKYO JUNGLE』をプロデュースしました。現在は『Bloodborne』のプロデューサーを務めております。

北尾泰大氏(以下北尾): 僕はSCE ジャパンアジアの宣伝・プロモーション担当として、『GRAVITY DAZE』や『ソウル・サクリファイス』シリーズといった、JAPAN スタジオタイトルのプロモーションを行ってきました。




──それでは、発売を直前に控えた今の心境はいかがですか?

山際:フロム・ソフトウェアさんと制作した『Demon’s Souls』では、オンラインを使った新しい体験を提供できたのではないかと思っているのですが、もう一度新しいハードで新しいゲームを作って、新しい体験をユーザーさんに提供したいと思い、本作はスタートしました。僕らもPS4での開発は初めてだったので、色々と苦労しましたが、それ以上に作っていてとても楽しかったです。開発者同士で攻略情報交換し合いながら「この武器が有効だよ」「ここどうしたらクリアできるの?」など、子どものように夢中になっていたので、ユーザーさんにもきっと楽しんでいただけると信じていますし、早く一緒に遊びたいですね。

北尾:E3でのデビュー以降、一人でも多くの方に本作の魅力を伝えるべく世界中のユーザーさんに向けてフロム・ソフトウェアさん、そして海外のチームと協力してチーム一丸となって様々なプロモーションを行ってきました。応援してくださるユーザーさんたちの熱量のおかげで、国産の新規タイトルでありながら、世界中から注目いただいており、非常にありがたく思っています。


──開発の際に苦労された点、妥協できなかった点というのがありましたら教えてください。

山際:本作はフロムさんが開発、SCEがプロデュースとして一緒に作ってきたタイトルなのですが、フロムさんは本当に妥協を許さない。何か気になる点があったら、それこそ他人だと気が付かないレベルのようなことでも、徹底的に拘って仕上げていました。魔法みたいな特別なことがあるのではなく、1つ1つを妥協しないで積み重ねてきた姿勢がフロムさんらしさを生んでいるということにとても感銘を受けました。それに付き合うのが苦労と言えば苦労になるでしょうか(笑)。


──そうしたフロムさんの妥協しない姿勢について、具体的なエピソードはありますか?

山際: ある企画用のトレイラーを作成したとき、まず僕たちがゲームをキャプチャーしたのですが、20時ぐらいから撮り始めて0時ぐらいに一応満足いくものができて見せたのですが、全部ボツになってしまいました(笑)。

北尾: 納品が次の日でしたが、そのまま朝まで作りましたね(笑)。

山際: ゲーム開発に関しては、もっと多くの点で妥協しない作りをされているので、僕らも常に頑張ろうと思いますし、良い刺激になりますね。




──開発やプロモーションをしていく過程で、『ダークソウル』や『デモンズソウル』との差別化については考えられましたか?

北尾: プロモーションにおいては、無理に差別化はしませんでした。しかし、僕はもともと両作品とも好きなのですが、どうしても一部のお客様の間では難しいゲームというイメージがあり、まだまだ魅力が伝わりきっていないと感じていました。プレイしていない人は、「こんな難しいゲームできない。自分には関係ない」と、まず情報をシャットダウンしてしまう。フロムさんのゲームは確かに難しいのですが、死ぬのを楽しむのではなく死にたくないというのが楽しいゲームであり、死にたくないから頑張って達成感を味わえるのが面白い。こうした魅力をこれまでは伝えられなかった人に伝えることを意識しました。

山際: 差別化というか意識したことはあります。困難を克服したときの達成感、というコンセプトは変わらずにあったので、企画を立ち上げた時に『Demon’s Souls』を改めてやり直しました。そのとき家族に薦めたらすごくハマりまして。元々ゲーム好きなのですが、自分には無理そうとプレイしていなかったんですね。そうした難易度が高いからと敬遠していたけど楽しそうにプレイする姿を見て、こういう出会いを1人でも多く増やすのが使命だと思いました。トライ&エラーを楽しむゲーム性になっているので、なかなかプレイしてもらわないと楽しさが伝わりづらい部分もあり、見せ方などを工夫してプレイしなくても魅力が伝わるように努めてきましたが、もっとできないかと未だに考えています。




──ユーザーさんに楽しんで欲しいポイントはありますか?

山際: 一番言いたいのは、まずは構えずに遊んで欲しいということですね。たしかに難易度は高いのですが、困難を克服したときの達成感や、自分の立てた戦略がハマったときの爽快感は、きっとやみつきになるはずです。アクション自体が軽快なので操作しているだけでも気持ち良いと思いますよ。

北尾: 本作のテーマの1つである、未知の探索ですね。このゲームはマップ表示がないゲームなので、どんどん自分の脳の中にマップが描かれていく感じや、ストーリーの展開、新しい敵や裏の設定など、とにかくプレイしたら色々な発見が待っています。PRでもゲーム内の情報はできるだけ伝えずにいるので、まずは自分の手でこのゲームの中を探索してみて欲しいですね。

山際: また、ストーリーにユーザーさんの想像の余地を残していて、良い意味で語りすぎずに文脈が気になるようになっています。謎が提示されて次に情報があって、それぞれにつながりがあるというのを散りばめている。同じ道を辿って同じ行動をとっていたとしても違った解釈が得られると思います。

北尾:そうした人を楽しませようという要素がたくさん入っているゲームなので、プレイせずに他のプレイヤーの感想や評価などだけを聞いてプレイした気分になってしまうのは、あまりにもったいないです。実際にプレイすると、驚くほど様々な要素が散りばめられているので。


──お二人が個人的に好きだという所はありますか?

北尾: 細かい部分では、アイテムなどの紹介テキストがすごく好きですね『Demon’s Souls』の頃からですが、アイテムひとつとってもそれぞれに非常にクセのある、それでいて惹き込まれる独特の文章は読んでいるだけで面白いです。またこういった細部のこだわりが積み重なって、他には無い世界観が生まれているのだと思いますね。

山際: 僕は、良い意味での情報量の制限ですね。これによって色々な探索空間や発見、オンラインでの協力が生まれるのが面白いです。ただ理不尽にはならないようにユーザーテストは重ねてきたので、楽しめるバランスにはなっていると思います。




──設定に関しては、クリーチャーのデザインも独特で強烈ですね。

北尾: 本作の舞台は呪われた古都・ヤーナムで、おぞましさに満ちた世界です。そのおざましさを楽しんでいただきたいのですが、クリーチャーデザインも単に気持ちが悪いデザインではありません。おぞましさや気持ち悪さもありつつ、やっぱりかっこいい、そして挑みたくなるデザインになっています。

山際: 獣の病というのが蔓延している街で、その病にかかった人は獣になってしまう設定なのですが、人だった時の在り方が獣になった時に何らか影響を与えるように作られています。何故その形状の獣になったのかということを考えられた上でのデザインなので、何か引っかかる怖さやおぞましさがあるんだと思います。

北尾: そうした設定がゲームデザインにしっかりと落とし込まれていて、ボスの動きとしての個性にも出ている所にも注目して欲しいですね。


──ゲームのプレイ時間はどれぐらいになりますか?

北尾: 様々なプレイスタイルがあるので人ぞれぞれになりますが、何も探らずに一周プレイすると早くて40時間以上かなと思います。

山際: マップの広さやボリュームは『Demon’s Souls』以上にあります。加えて聖杯ダンジョンがあるので、相当やりこみがいがありますよ。

北尾: ボリュームが少ないことを心配されているユーザーさんに対しては、ちゃんと長時間遊べるということをお伝えします。ただ、長く遊べるゲームが面白いゲームではなく、ちゃんとどんな遊び方をしても面白いように作ってあるので、自分のペースで楽しんでいただければいいかなと思います。




──日本だけでなく世界的に期待されていることに対するプレッシャーはありますか?

山際: ないと言えばうそになります(笑)。なのであまり考えないようにしています。ただゲームが好きな人の感性には国境がないと思っているので、そのような方々に対して、僕らは、フロムさんがフロムさんらしいタイトルを作れる環境を用意して、その魅力を余すことなく伝えることに注力してきました。その結果、期待していただける状況にあるのはとてもうれしいことですね。

北尾: デビュー期からここまで世界中に注目されたタイトルは自分にとっては初めてでした。これまでの経験では各国でそれぞれプロモーションを行い、それをお互いに共有して使えるものがあったら使う、という形でした。しかし今回は特にアメリカのチームと最初から連携して、毎週ビデオミーティング、そして毎日メールのやり取りを行い、さらにフロム・ソフトウェアさんとも一丸となってプロモーションをしてきました。プレッシャーというよりも、新鮮で楽しかったですね。


──『Demon’s Souls』や『DARK SOULS』シリーズを未プレイのユーザーさんにもオススメですか?

山際:ゲームが好きなユーザーさんであれば誰でも楽しんでもらえるような、手応えと達成感のあるゲームになるように作ってきました。プレイヤースキルで挑んでも良いし、そうでなくて、学習と工夫で挑むことでゲームが上手くなくても攻略できる、そういうゲームを目指しています。プレイのひとつひとつが自分の糧になっていくこの感覚はとても楽しいと思いますよ。

北尾:もちろん『Demon’s Souls』や『DARK SOULS』シリーズをプレイしていなくて問題ありません。気軽にプレイ始めてみて、そしてがっつり楽しんでいただければと思います。




──最後に、発売を楽しみにされているユーザーにメッセージをお願いします。

北尾: 画面写真やトレイラーなどを見て、少しでも気になった方であればプレイしないのはもったいないと思います。この世界観が気になった方は、きっとこのゲームを楽しんでいただける方です。まずは是非プレイしてみてください。

山際: 新しいハードで新しい体験を生み出すということで、未知の探索、バトルの死闘感、新しいオンライン体験という3つのテーマを掲げて、妥協することなく追求してきました。その結果、自分たちが楽しめて、人に心からオススメ出来るタイトルになったと思っています。また、PS4のシェア機能にエンディングまで対応しているので、自分のかっこいい動画を上げるも良し、人のプレイ動画を見て研究するも良し、色々とみんなで盛り上げていければいいなと思っています。聖杯ダンジョンでは、新しいコミュニティや遊び方が生まれないかと期待しているところがあって、まもなく発売を迎えますが、積極的に活用していただければ嬉しいです。

──本日はありがとうございました。
《》
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