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2K Games新機軸シューター『バトルボーン』プレイレポ―やればやるほど中毒になる…

多彩なヒーローたちが暴れ回り、FPSやMOBAなど数々の要素を融合した『Battleborn(バトルボーン)』のプレイレポをお届けします。

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2K Games新機軸シューター『バトルボーン』プレイレポ―やればやるほど中毒になる…
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『Brothers in Arms』や『Borderlands』シリーズのGearbox Softwareが開発を手掛け、PC/PS4/Xbox Oneを対象に海外で5月3日に、国内では5月19日にいよいよ発売を迎えた、2K Games新規オンライマルチプレイゲーム『バトルボーン』。多彩なヒーローたちが暴れ回り、FPSやMOBAなど数々の要素を融合した本作のプレイレポをお届けします。

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■MOBAの波がFPSにやってきた!


近年、ゲーム業界において目覚ましく波及したジャンルと言えば「MOBA」を挙げる方も多いのではないでしょうか。多くのMOBAタイトルでは、リアルタイムストラテジーやハクスラ系RPGなどで多用される斜め見下ろし型視点が採用されていますが、人気ジャンルのFPSが組み合わさったことは必然だったかもしれません。FPSとMOBAの融合に挑戦し、新たな遊びを提供する『バトルボーン』が出した回答はどのようなものだったのか、本稿で探りつつゲームをご紹介していきます。

■MOBAの特徴、そして「チームワーク」が何よりも重要


ここでは家庭用機においてはまだ黎明期段階ともいえるMOBAというジャンルを軽くおさらいしましょう。MOBAを定義づけるシステムと言えば、それぞれが能力の異なる多様なプレイアブルヒーロー、そして縁の下の力持ちともいうべきミニオン(NPC)、勝敗の鍵は各陣営に設置されたコア、複数の経路(レーン)、マッチ内のレベルアップシステム、そしてマッチ中で獲得した通貨によるアイテムなどの資金繰り、が挙げられます。

さらにMOBAはチームの連携に大きな比重が置かれているのも特筆すべき点です。そのため、個人が目覚ましい活躍を遂げていたとしても、他方で形成が不利な場面が続いていれば、苦戦を虐げられることは他のマルチプレイシューターの比ではありません。味方のアシストや連携が極めて重要であり、ある意味では集団スポーツにも近く、真の醍醐味を味わうにはチーム形成が主体となるジャンルとも言えるでしょう。

■オープンベータから生まれ変わったゲームプレイ体験


『バトルボーン』は発売前に大規模なオープンベータも開催されました。筆者もオープンベータに参加した一人ですが、当時は、「楽しめる場面もあるけど何かが物足りない…」と、肯定よりもやや否定的な印象を持ったことを記憶しています。ところが製品版をプレイすることで、その印象は大きく覆されたのです。

本作では、各々のプレイヤーがシステムやルールを理解しているかどうかで、ゲーム本来の面白さに大きな差が生じます。ベータテストでは、筆者も含めて初見で対人戦に飛び込んだプレイヤー達が多数を占め、対戦の醍醐味を味わえないマッチが頻発していたように思えます。それが製品版になって、ゲーム性を理解したプレイヤーの割合が増えたことで、パーティを組まない野良プレイでも、白熱した駆け引きやマッチ展開に出会う頻度が増えたと感じます。

■マルチプレイモードは3種、そのうち2つにMOBA要素

ルールを覚えるといっても、『バトルボーン』のシステムは大変シンプルです。本作には3つのマルチプレイモードが用意されており、そのうちの二つ「侵入モード」「熔解モード」がMOBA要素を色濃く反映したモードとなっています。侵入モードは敵味方各拠点にHP50のスパイダー型ロボが2体ずつ設置されており、早く破壊した方、もしくは制限時間後にロボの残り体力が多い方が勝利となります。同点スコアの場合に関しては各プレイヤーのキル数やデス数、アシスト数などから算出されるスコアの合計で勝敗が決まります。

このモードで戦場を形成するのは、拠点から一定時間で生み出されるミニオンであり、これが戦況を左右する重要な存在となります。ロボにはシールドが張られており、プレイヤーだけで直接敵拠点ロボの元へ向かった場合、強力な攻撃を受けてしまいます。しかしミニオンは身を挺してロボの攻撃を受け、そしてシールドを剥がしてくれるため、ロボの元へ向かうミニオンを護衛し、前線を押し上げるといったゲームプレイが主となります。


このロボの破壊を巡り、ヒーロー達による仁義なき戦いが…!


ミニオンたちは健気に行進するので、力を合わせて守ってあげよう。

熔解モードは各拠点に設置された溶鉱炉に向けて行進するミニオンを護衛し、溶鉱炉に身を投じたミニオンの数を競うもの。侵入モードよりもゲーム展開が動きやすく、二つに分かれたレーンを5人のプレイヤーが分担して攻防するといったもの。また、本作には「占領モード」と呼ばれるヒーローシューターともいうべきモードも収録されています。こちらは3か所の占領ポイントの確保時間を競うもので、後述するレベルアップ要素が本作ならではの独自性を生み出しています。

これらのモードは各2マップ、合計6マップがラインナップとして用意。1種類のマップのみでひたすら対戦を行うスタンダードなMOBA作品に比べると、充実していると言えます。今後、無料のコンテンツアップデートでマップの追加も予定されているそうなので期待できることでしょう。


熔解モードでは2レーンに分かれてミニオンが行進。飛行型のミニオンは高得点。


この溶鉱炉の中にミニオンたちが身を投じる。


■マッチ内の成長システム「ヘリックス」で自分好みのキャラに!

ミニオンたちと共に戦場を彩るのは多様なヒーローの存在です。アメコミチックなキャラクターは『ボーダーランズ』のGearboxらしさが溢れるクールかつ痛快なデザインで、25名のヒーローは射撃や近接、サポートに特化したロールなど多様のプレイスタイルを提供しています。主観視点のため、キャラクターの全身こそ画面上に見えないものの、それぞれの特徴が武器や手、画面上下の歯などとして現れ、いずれもユニークなゲームデザインが施されています。


メインメニューから確認できる各キャラクターの能力画面。

ヒーローにはマッチごとにリセットされる成長システム「ヘリックス」が用意されています。これはミニオンや敵ヒーロー撃破、タレット設置などで経験値を獲得し、最高で10レベルまでレベルアップが可能。レベルアップごとに二者択一、例えば「ジャンプ力アップ」か「通常攻撃に効果付加」といった具合でアップグレードを選択でき、マッチ開始当初と最高の10レベルではプレイ感覚を含めてまるで違うキャラクターと思えるような実感すら覚えます。能力アップの操作に煩雑さはなく、方向キー上を押しながら左右のトリガーで好みの能力アップを選択できるため、戦場でも戸惑うことなく即座に決定することが可能です。

尚、キャラクターにはやりこむことで成長する最高15の「キャラクターランク」という要素もあり、ランクアップにより、スキンの開放や挑発、称号などがアンロックされるほか、3/5/7/9/12のランク到達毎に、二者択一のヘリックスに追加でアップグレードが一項目増え、カスタマイズのバリエーションが豊富になります。


マッチ中に方向キー上で開いたアップグレード画面。下部にはキャラクターのスキル情報も表示される。


こちらは『ボーダーランズ 2』のスキル画像。
何十時間かけて育てるレベルアップの醍醐味が『バトルボーン』では30分のマッチにギュッと凝縮


■シンプルなアイテム要素、カスタム性無限大の「ギア」は奥深い

前述したように、多くのMOBAゲームにはアイテム購入の要素があります。これはマッチごとのプレイスタイルに高い自由度を生み出す一方で、あまりにアイテムの種類が多すぎて効果をすべて覚えるのにうんざりしてしまうこともあるはず。『バトルボーン』ではマッチ内通貨「シャード」が存在するものの、アイテム購入の煩雑さは徹底的に排除されているのも特徴です。シャードはマップ上に生えていたり、ミニオンの破壊で入手可能。シャードを支払って、特定の位置にタレットの設置/アップグレード、強ミニオンの召喚、ギアの発動といったアクションを行えます。そしてこのギアこそが本作の大きな特徴でもあり、高い自由度を提供しているのです。


シャードはこの様にマップ上に生えている。上を通ることで入手が可能。


巨大なシャードも一定期間ごとに出現するため、しばしば取り合いになることも。

ギアはキャラクターの能力をアップする装備品で、事前に選択した3種のギアがマッチで携帯できます。ギアは主にゲームで獲得できるポイントを消費して、ガチャを回し入手が可能。同名のギアでもステータスに増減があったりと『ボーダーランズ』譲りの戦利品要素にも近い味わいがあり、前述したヘリックスと、この豊富なギアの組み合わせにより、自分ならではのオンリーワンなキャラクター作りを追及する事が出来るでしょう。


マッチをプレイして獲得した通貨でパックを開けられる。種類豊富なパックにアクセス可能。


1マッチで携帯出来るギアは3種類。
能力をどのように強化するべきかと考えるだけで楽しい。
ギアはキャンペーンプレイで入手できる場合も。


マッチ中の任意の段階で、シャードを消費しギアを起動することが出来る。


■豊富なやり込み要素

『バトルボーン』では初めからすべてのキャラクターがアンロックされているわけではなく、総合的な「コマンドランク」のランク到達、もしくは特定の条件を満たした場合にアンロックされる仕組みです。各キャラクターにはロアという5つの達成項目が設定されていて、これを満たすとキャラクターの生い立ちや目的などの情報が開示され、実績/トロフィーとも連動。ストーリーモードは固有名詞が多く、キャラクターの相関もつかみづらいため、このロア開示が物語の全体像把握に一枚噛んでいるようです。

シングルプレイや協力プレイに対応したキャンペーンモードは、全8ステージが用意されており、いずれのステージも1時間程のボリュームで、最終場面では共闘感が楽しい強力なボスが待ち構えています。とはいえ、このキャンペーンが『ボーダーランズ』シリーズのようなボリュームはないため、やはり本作でメインになるのは対戦マルチプレイモードだと言えるでしょう。


キャンペーンは開放的な空間で、MOBA要素はない。場面によっては敵の波状攻撃から目標物を守るタワーディフェンスタイプのシチュエーションも存在する。


ロアの達成でキャラクターの情報が開示される。
各キャラの全ロア項目達成が実績/トロフィーと連動しており、やり込むならかなりのボリューム。


■チュートリアルなど、説明不足が否めない点も

基本的なMOBAの要素を踏襲しているとはいえ、初めてMOBAジャンルに触れるユーザーの多い家庭用機でのリリースという事もあり、システム面の説明が少々不足しているように感じるのは否めないところ。スコアの動きや経験値配分など、細かい部分が理解出来る詳細なチュートリアルがゲーム内にほしかったところ。


マッチ前に用意された簡易的なチュートリアルアニメーションで、大まかな流れは理解できる。


■FPS+MOBAという課題をまとめ上げた『バトルボーン』

FPS+MOBAという新機軸を打ち出した本作ですが、結論として、FPSの要素とMOBAの要素を絶妙なバランスでブレンドしているように感じました。チームバランスに関しても、回復系ロールが不在でも敵チームと十分に渡り合え、また前述したギアで自らの弱い部分を補うことも可能となっている点も様々なヒーローが活躍できる土壌があるといえます。ステージの高低差も3Dアクションならではの要素であり、ヘッドショットによるクリティカルヒットの概念もあるFPS的楽しさも持ち合わせているのは重要なポイントです。

MOBAジャンルはFree-to-Playモデルが主流ではあるものの、『バトルボーン』では25人のキャラクター全てが無理なくアンロックでき、さらに今後無料で5人のキャラクターが追加されることも考えると、十分なボリュームと値段相応の価値があると感じられます。

何より本作は、条件が合致した際の対戦の面白さは唯一無二。敵チームと味方チームのスキルが近く、拮抗状態が続くマッチは30分という時間を感じさせないほど熱中出来る濃厚なゲームプレイを提供しており、他のマルチプレイシューターに戻れなくなるほどの中毒性を生み出しているのです。単なるキル数では図れないスコアを意識しだした頃には、本作が持ちあわせるチームプレイの奥深さを理解し、きっと虜になっているはずです。
《Round.D》
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