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開発スタッフが語る『Ghost of Tsushima』(仮称)で描かれる美しい日本―侍は武士道が通用しない敵にどう立ち向かう?【E3 2018】

ロサンゼルスにて開催中の「E3 2018」にて、高い評判を集めている『Ghost of Tsushima(ゴースト オブ ツシマ)』。SIEAのメディアセッションにて、ゲームプログラマのクリス氏がそのゲーム内容を語ってくれたので、どんなゲームなのかをまとめてご紹介します。

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開発スタッフが語る『Ghost of Tsushima』(仮称)で描かれる美しい日本―侍は武士道が通用しない敵にどう立ち向かう?【E3 2018】
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――外国から描かれる “日本”。

それはここ数年で驚くべきほどの変貌を遂げています。映画を例に挙げましょう。2017年に日本公開された『沈黙 -サイレンス-』『KUBO/クボ 二本の弦の秘密』は、両作ともアメリカで生み出された作品ですが、その緻密に再現された風景や人間、すなわち美しい日本描写は、その地に生まれ育っていない目線からでも、「人々の営み」「文化」「魂」は描き出せるものだという大きな可能性を示してくれました。


そして現在(2018年6月14日)、アメリカ・ロサンゼルスにて開催中の「E3 2018」にて、ゲームの領域で前述の要素を包含している“かもしれない”タイトルが高い注目を集めています。仮称ではありますが、『inFAMOUS』シリーズなどで知られるSucker Punch Productions(サッカーパンチプロダクション) が手掛ける『Ghost of Tsushima(ゴースト オブ ツシマ)』です。


まだ多くが謎に包まれた本作ですが、公開されたばかりのトレイラーで映し出される美しい自然、それぞれに使命を抱えたキャラクター。多少エッセンスは加えられているものの、そこにはまごうことなき日本の姿が存在しています。

本作の何が我々を惹きつけるのか、そして何よりどんなゲームなのか?「E3 2018」で実施されたソニー・インタラクティブエンタテインメントアメリカ(SIEA)のメディアセッションにて、Sucker Punch Productionsのゲームプログラマであるクリス ホフマン氏(以下、クリス氏)が本作のポイントを語ってくれましたので、本稿ではそれらを整理してご紹介します。

オープンワールドで味わえる、細部まで再現された日本の美しい自然



「クロサワ映画の観過ぎかと思われるかもしれないが、実際に我々は数多くの作品を視聴し、インスピレーションを受けている」と語ったクリス氏。まさに黒沢明『乱』さながらの、本作の“戦い”と“自然”の表現への圧倒的なこだわりは“誰も体験したことのない、実在した時代へプレイヤーを誘いたいから”と加えました。例えばトレイラー序盤にある、主要キャラクターのジン・サカイが丘から遠くを見下ろすシーンは、およそ50万本以上の風に揺られるススキが描かれているそうです。そしてジンが見据える先に広がるのは、蒙古の襲撃により炎を上げる村々――変わり果てた対馬の景色。クリス氏によると“見えるところにはすべて自由に行ける”のだそう。

言うまでもありませんが、対馬に五重塔が存在しているというのはあくまでフィクション(さらに言えば、ジンが鎌倉武士とは言い難い装いなのもあえてだそう)でありエンタメ性を上げるためのもの。マップは実際の対馬島の形を完全再現したものが用意され、街や建物、人々の生活に関しては日本全般の要素を詰め込んでいるのだとか。紅葉に包まれた寺院。苔に覆われジメジメとした森。景色だけではなく、鉄と鉄がぶつかる音、濁った水たまりを踏む音まで。クリス氏はゲームで忠実に再現した日本のことを“青々とした国”と表現していました。

匂い立つ“泥”と“血”と“鉄”―本気の命のやり取り


また、特にこだわっている要素として挙げられたのが「泥」「血」「鉄」の表現。こちらは泥の跳ね返り、血しぶきの一滴一滴をトラッキングしており、「敵を倒すたびにジンに血が降りかかることで、彼が進もうとする道の険しさを、プレイヤーは否が応でも感じることになる」とクリス氏は説明しています。


ジンが最初にモンゴル兵三人と対峙するシーンでは、ジンが一人目のモンゴル兵を居合切りで命を奪う際、他の兵士たちが恐れおののくような反応をしているのが分かります。そして決死の覚悟で切りかかってくる――蒙古勢は様々な手段を用い、本気で攻撃を仕掛けてくるため一秒たりとも気を抜く暇はありません。

すり足でにじり寄り、切りつけ、刀を収めるまでのジンの無駄な動きのない所作。そしてモンゴル兵は本当にモンゴル語を話しているなど、極限までこだわった細かい描写の一つ一つが、息を呑むリアリティを映し出しています。

武士道が通用しない相手にどう戦うか?プレイヤーは選択を迫られる


さらにクリス氏が言うには“ジンは先の戦いでモンゴル兵に全滅させられた侍の生き残り”で、それまでの名乗りを上げ、口上を述べて正々堂々切り合うような武士の常識が通じない戦いを前に、どう立ち向かっていくべきか葛藤しているとのこと。


象徴的なのは、トレーラー中盤のジンが僧侶を救出しにいくシーン。こちらではモンゴル兵が気づかないうちに屋根上から強襲するという手段をとっていましたが、もちろん正面から戦いを挑むことも可能です。本来であれば後者が侍として正しい戦い方なのですが、それでは通用しない局面が数多く出てくるため、プレイヤーもジンと同じように、侍としての在り方に悩まざるを得なくなるのだそう。


そしてジンだけではなく、“あらゆる登場キャラクターたちも同じような葛藤を前に変化していくのが本作の特徴”だとクリス氏は語りました。トレイラーに登場した「マサコ」と同じように、時に衝突せざるを得なくなることも……。これに関しては「お互い戦いたくはないという気持ちはあるが、使命のためにぶつからざるを得ないのが侍」と説明していました。

セッションの最後に、元寇と言えば誰もが連想する“神風”についてクリス氏に尋ねたところ、「当然ながら物語の中で重要なキーワードとなっている」と回答しました。そしてジンが使用する刀のある部分が、それを象徴しているということも……。気になる方は、トレイラーの7:07あたりをチェックしてみましょう。
《矢尾新之介》



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