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「自由度こそが美しさ」…『ヒットマン 2』開発者インタビューで訊いたシリーズ最新作の志

Game*Sparkは『ヒットマン 2』の自由度について解き明かすべく、IO InteractiveのグローバルPRマネージャーのSven Liebold氏 にインタビューを実施。今作の特徴や新要素、過去の作品から復活したギミックについて語ってもらいました。

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2000年から続くシリーズの最新作となる『ヒットマン 2(HITMAN 2)』。精巧な暗殺計画を立てて目標を暗殺していくゲームプレイは、今作でその自由度を更に高めます。

E3 2018で披露された試遊版では、二つの手段で「シエラ・ノックス」という名前のレーサーを暗殺できました。ひとつは、運転中に射殺。もうひとつは車自体に爆弾をつけて……ドカン。どちらの道を選んでも、暗殺を遂行するには変装や錯乱などさまざまなテクニックを使いこなす必要がありましたが、試遊版でできることは今作の「ほんの一口」に過ぎないと、開発チームは語っています。

編集部は今作の高い自由度をさらに解き明かすべく、IO InteractiveのグローバルPRマネージャーのSven Liebold氏 (以下、敬称略)にインタビューを実施。『ヒットマン 2』の特徴や新要素、過去の作品から復活したギミック、注目ポイントについて語ってもらいました。



――本日はよろしくお願いします。Lieboldさんはご自身を「IOIの工作員」と名乗っているんですよね。


Liebold:はい、Sven Lieboldと言います。開発、クリエイティブ、ブランド、マーケティングなど、IO Interactiveのいろんな面に関わっていますよ。

ーー過去シリーズにも関わっていたのでしょうか。

Liebold:『Hitman: Blood Money』以来ですね。IOとは長い付き合いです。

――前作の『ヒットマン』と比べた上で、『ヒットマン2』ではどのような開発目的があったのかお聞かせください。

Liebold:まず、前作から引き続いて期待される要素はすべてあります。それらを更に大きくして、クオリティを上げ、見えないところにもいろいろと改善を施しました。『ヒットマン』には非常に良いファンコミュニティがあります。彼らの意見を聞き込んだ上で、過去作で人気があった47のブリーフケースも舞い戻ることとなりました。もちろん新要素もあります。一つは「ピクチャー・イン・ピクチャー」です。『ヒットマン』の世界観はとても強大で、すべての行動が結果に繋がります。しかし、プレイヤーの行動から導かれた結末はすぐに確認できないときもあり、10分後によく分からないままイベントが起こることもあります。「ピクチャー・イン・ピクチャー」では、プレイヤーに直接その反応を示すことができます。「死体が見つかった」「監視カメラに映った」「相手の気をそらした」といった結末が、ダイレクトに理解できるのです。

――『ヒットマン2』のストーリーや行けるロケーションについて教えてください。


Liebold:ロケーションのことは何も言えません。フロリダ州のマイアミ以外に、雨林に行くこともあるかもしれない、くらいしか。ストーリーについては、『ヒットマン』の続きの物語が描かれます。『ヒットマン 2』は本当にクールな位置づけにあるんですよ。今までのシリーズでは、1本のために良いキャラクターをたくさん作っても、結局全員抹殺していました。今作においてはエージェント47を中心にたくさんのキャラクターがいて、彼のことや指導者、「影のクライアント」から「プロビデンス」まで、物語に登場する者たちとの関係がより深く描かれるのです。

――前作の『ヒットマン』は複数のエピソード形式でリリースされました。今回の作品を楽しむには、前作や全ダウンロードコンテンツをクリアするべきでしょうか。

Liebold:もちろんプレイしてほしいです!でも『ヒットマン 2』が初めてのプレイヤーも入り込めるように、「前回までのヒットマン!」的な復習はします。

――「ヒットマン」というシリーズの魅力は、精巧な暗殺計画を企てて、マップ環境を利用して遂行することにあると思います。『ヒットマン 2』で体験できる、クールな暗殺方法について詳しく聞かせてください。

Liebold:製品版のマイアミには、シエラ・ノックス(デモ版に登場)とロベルト・ノックスの2人のターゲットが登場します。デモ版でのレース大会は終わることなく続くのですが、製品版ではタイムリミットがあり、そこでレースの結果を狂わせることもできます。審判の服を着て選手を失格させたり、ある人物を表彰台に立たせるとか。表彰されているシエラ・ノックスを狙い撃ちするとか。ちなみに、シエラはトロフィーからシャンパンを飲むのが大好きなのですが……この時点で何ができるか、お分かりでしょう。もしくは花火を、下のほうからイジってみたりね。できることはたくさんありますよ。

――暗殺ルートが決まったあとも、更にゲーム内へ影響を与えることができるのですね。


Liebold:そこで生まれる自由こそが、私たちのゲームの美しさだと思います。自由へのアプローチ。その点において今作では大きく改善しています。プレイヤーを面白いチャンスに導いて、好きに掴み取れるようにするのです。そのチャンスを掴んだら、それらをどう組み合わせたらいいかを考えさせるようにしています。

――暗殺方法によって、ストーリーは変わっていくのでしょうか。

Liebold:ストーリーは暗殺方法の影響を受けません。私たちはストーリーとプレイヤーの行動を別々にしようとしています。サプライズが一つか二つ出るかもしれないですが、詳しいことはまだ言えません。ほとんどの場合においてストーリーとプレイヤーの行動は分けたいですが。

――『ヒットマン2』もエピソード形式でリリースされるのでしょうか。それとも、すべてのストーリーが最初から収録されているのでしょうか。

Liebold:イエスともノーとも言えます。11月13日に発売される『ヒットマン 2』には、全ロケーションとストーリーが収録されていて、好きなペースでクリアできます。しかしながら、今回もたくさんの新コンテンツで『ヒットマン 2』をサポートしていきたいと思っています。新ロケーションやデイリーチャレンジ、そういったものを届けたいですね。

――ということは、発売後のダウンロードコンテンツ計画も活発になると期待して良さそうですね。

Liebold:そうですね。

――新規ユーザーとシリーズファンの方に、このゲームからどんな面白さを受け取ってほしいと考えていますか。

Liebold:目的を達成するためにほぼなんでもできる自由度を、私たちが作った「生きている世界」で楽しんでほしいですね。私個人としては、まるで幽霊かのようにステルスプレイしていくのが一番楽しいです。私がいたことに誰も気が付かない……個人的にはそういうところがゲームの一番の強みだと思います。誰にもバレずに暗殺ミッションを完遂するときの気持ちは最高でしょう?

――E3で展示したデモ版は、ダウンロード版として配信する予定はないのでしょうか。


Liebold:まだ分かりませんが、『ヒットマン 2』を予約購入した方は製品版で遊べるCo-opモードのひとつ「Sniper Assassin」をプレイできます。オーストリアのとある山岳の崖から結婚式会場を狙撃する、というモードです。皆さんが期待する『ヒットマン』らしい奥深いゲームプレイを体験できますが、遠距離から任務を遂行することになります。すでに配信中で、製品版発売までプレイ可能ですよ。新キャラクター「ストーン」「ナイト」も登場しますし、彼らの会話劇も面白いと思います。Co-opならではのテクニックもたくさんありますからね。人と一緒にプレイするのもきっと楽しいですよ。

――ありがとうございました。
《Cameron Gilbert》
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