『DEATH STRANDING』でご安全に!現場仕事の良さを再発見する発売前レビュー!? | Game*Spark - 国内・海外ゲーム情報サイト

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『DEATH STRANDING』でご安全に!現場仕事の良さを再発見する発売前レビュー!?

ネタバレ防止ヨシ!全世界待望の『DEATH STRANDING(デス・ストランディング)』発売前レビューをお届けします。ストーリーには一切触れません!そのゲームメカニズムは「現場の良さ」を再発見できる体験が詰められていたのです。

連載・特集 プレイレポート
『DEATH STRANDING』でご安全に!現場仕事の良さを再発見する発売前レビュー!?
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「現場」……それは人と人とが最も繋がる瞬間、その場所を指す言葉。

2019年11月8日の発売を前に、先行レビューの為、メディア向けに配布された本作を体験させて頂きました。各メディアで解禁となった先行レビューでは、ある程度の場面までに限りストーリーを紹介することも許されているのですが、ここでは(既に公開された情報を除き)そうした範囲には触れず、あくまでも「どんなゲームシステムなのか?」に焦点を絞ってお届けします。

ストーリーやバックグラウンドについては、やはり読者の皆様自身の目と手ではじめから体験して頂きたいと願う為です。しかしながら、これまで数々の公式プロモーションが重ねられてきたとはいえ、何をするゲームなのかが捉え難い面もありました。

小島監督がこれまでリリースしてきた作品は総合芸術的な性格が強く、システムだけを切り取って語るべきではないのかもしれません。それでも『DEATH STRANDING(デス・ストランディング)』の購入に迷われている方に向けて、本レビューがゲームプレイのイメージを掴みやすくする一助となれば幸いです。

THE 配達シミュレーションゲーム



本作ではプレイヤーが配達人である主人公サムとなり、基本的な流れを繰り返していく構成になっています。

その流れとは、「配送依頼を受注」し、「ルート/装備の確認」で準備を整え、様々な手段を使って「配送先へ品物を運搬」することで「評価/報酬を獲得」できるというものです。

一般にゲームジャンルを紹介する場合、例えば「レースゲーム」としてしまうと、F1などのように競技的な作品もあれば、タクシー運転手となって街中の人達を目的地まで自由に送る、といったものまで含まれてしまうことになります。

その意味では『DEATH STRANDING』の主要なゲームメカニクス部分は、アクション寄りのシミュレーションゲームとも言えそうです。もちろん、ストーリーやその壮大なバックグラウンドを含めるのならば、強烈なSF要素などにより、アドベンチャーゲームであるとも言えるでしょう。

世の中にはニッチなシミュレーションゲームが多数存在していますが、本作も実の所は「THE (個人事業主)配達シミュレーションゲーム」とも呼ぶべき、非常に個性的な体験を可能としています。

まずは仕事の内容を確認しよう



サムに託される配送の仕事は大小さまざま。とにかく重いモノを運べといったものや、軽いけど大きいモノを大量に運べといったもの、危険物や生鮮品、医療品や骨董、果ては何の価値があるのか分からないものまで多岐にわたります。

つまりただ届けるだけではなく、色んな条件が発生することを意味するのです。普段の私達も、ワレモノ注意の条件を付けたりしますよね。そんな条件が、受注画面ではしっかり表示されていますので確実にチェックしましょう。もしかしたら制限時間が設定されているかもしれません。

何かを配送するという要素のあるゲームはこれまでにも存在していますが、本作はこうした条件が「サムの操作や周囲の環境」に大きく作用するので、プレイヤーごとに異なる体験として活きてくるという設計になっています。

準備の中に「ロールプレイ」が光る


右上の「エンジニア」の位置が今回のゴールだが、間には山が立ちはだかる

配送の仕事を受けるということは、目的地まで何とかして辿り着かねばなりません。プレイヤーは常にマップを確認できますので、まずはどんなルートが確保できるのかを探ります。

遠回りでも緩やかな地形を通るのか、強引に険しい道を切り拓くのか、これらの判断は常に開かれています。どの判断にも一長一短が出てきますが、必ず活路は見出せるはずです。

「スーツ固定部位」は、左右の肩と腰の4点に小さな荷物を装着できる

その手段のひとつに「装備」があります。筆者としては、最もロールプレイ的な楽しさを覚えた部分です。サムは荷物のほとんどを背負うことになりますが、それ以外にも背中のサイドにある「ツールハンガー」にひとつ、肩にふたつ、腰にもふたつ、直接取り付けて運べます。

筆者は「梯子」「ロープ用パイル」「ケース リペア・スプレー」「建設装置」の4つを常に体に取りつけ、主要な荷物を背中に回していました。これらは緊急時のアイテムといった側面の強いもので、一切使用することなく仕事を終えることもあります。

背中の荷物のサイドにある梯子は、ツールハンガーに掛かっている

梯子はツールハンガーにかけていると表示が変わって、少し伸ばしているような表現になり、現場仕事らしさが上がります。ひとつ余っている体のスロットは、仕事に応じて装備品を追加できるバッファのように運用しました。

直接背中の荷物に吹きかけてもいいし、地面に置いた荷物へ吹きかけてもいい

道中、時雨によって荷物ケースが劣化していきます。時雨(ときう)とは、触れたものの時間を奪ってしまうという恐ろしい天候です。ケースが完全に破壊されてしまうと、次は荷物そのものの劣化が進行するという訳です。もちろん、転倒などで落っことしてしまえば、いくらケースが生きていたとしても、荷物のダメージは防げません。

こんなこともあろうかと……と用意していた「ケース リペア・スプレー」があれば、悪天候が続いても到達可能な距離は2倍近くまで伸ばせるでしょう。更に、雨風をしのぐ屋根を設置できる「建設装置」があれば、他のプレイヤーへの助けにもなりそうです。

梯子の設置前にはホログラムでシミュレートできるので安心だ

すぐに渡れそうな川も、荷物を持っているとなれば話は別です。中には水没で劣化を早める品物もありますし、仮に早い流れの中で転倒してしまうと、背中の荷物が一気に流されてしまうかもしれません。

こうした不測の事態は、実際に配送を始めてみなければ分からない部分があります。とはいえ、備えだからといって梯子を何本も積めば済む問題でもないでしょう。重量・容量が増える程サムの歩行はアンバランスになり、転倒リスクが上がってしまうからです。

筆者が「基本装備」として常に持ち歩いていた装備品、プレイヤーの性格が出そう

マップを眺めてルートを導いたり、装備画面と睨めっこしている時こそ、プレイヤーの個性が大きく発揮されるのだと思います。店舗経営系のシミュレーションゲームで、開店前に店内の配置などを考えながら、客の導線を想像している時のような面白さがあります。

筆者はこの4種を「基本装備」としているのが妙に気持ちよく、満足感がありました。キャンプ用品店でアレも欲しいコレも欲しいと悩んだ末に導きだした「オレのスタイル」とでも言うような謎の優越感です。

実際、長めの配送でこれらを余すことなく使用して完了した仕事の達成感は筆舌に尽くしがたいものがありました。備えていたものが正しく活用されるって、歓びなんですね。

使うか使わないかじゃないんだ、備えるか備えないかなんだ

サムが履くブーツの予備も、専用のスロットに2つまで保持しておけます。緊急で交換を要すると言う場面は、実際にはほとんどなかったのですが……常に2つ準備しておきたい!!分かってくれますかこれ。

現場のチカラはインフラのチカラ


誰かが置いてくれた絶景スポット看板へ、「いいね」を送ろう

「ストランド・ゲーム」と不思議なジャンルに設定された本作の、その魅力を最も体験できるのは何と言っても配送の道中でしょう。

一度「カイラル通信」を繋いだエリアは、非同期的な形で他のプレイヤーとの協力が可能となります。様々な配達をこなしながら大陸を横断し、配達先のカイラル通信を繋いでいくことで、物語は進行していきます。これにより、別のプレイヤーによって設置された梯子などが出現し、実際に利用できるといったことが実現する訳です。

そんなこと言ったら世界中に便利な設備が溢れてしまうのでは?と考えていたのですが、そこのところはシステム的にうまくバランスを取っている様子でした。

川の向こう側にある目的地へつながる、絶妙な誰かの梯子に「いいね」を連打

配送をしていく中で「絶妙な位置においてくれた梯子だ!!いいね!!」と感じたこともあれば、「ここは自分で整備していく必要があるな」と感じることもあり、必ずしも全てのプレイヤーの設置物と共有している訳ではなさそうです。

とは言え、一度表示された他のプレイヤーの設置物はゲームを通じて(劣化・破損という要素はあるものの)変化することなく設置され続けていたので、自分の設置物もその場しのぎではなく、計画的なインフラ整備といった側面で利用できることになります。

誰かがいくつか梯子を置いてくれているが完全ではない。
自分で更につなげるか、回り道するか。オドラデクを使えば、活路が浮かび上がってくる。

広い川の飛び石を繋げるようにAさんとBさんが梯子を設置してくれていたとして、もう一本「別の梯子」が必要だった時、そこを自分が埋めれば、ゲームプレイを通じて「Aさん、Bさん、自分」による川わたりが確保されます。

次の日にゲームを起動したとき、AさんとBさんの梯子が変わってしまっていた、ということはなく、劣化してしまわない限りは最後まで利用できるという訳です。

そのようにして設置した自分の梯子も、また別のプレイヤーCさんが使ってくれるかもしれません。しかし、Cさんの画面には必ずしもAさんBさんの梯子が表示されているとは限らないのでしょう。

目的地は山の向こう側……マップで見るよりも険しい。右上にあるロープを使おうか……?

このようにして、いくらルートを事前に設計していても、予定通りにはいかない場面が出てきます。用意していた装備が不足すれば、途中でルートを変更する必要があるかもしれません。ですが、そんな時こそ注意深く観察していけば、きっと誰かが有効な「何か」で手助けしてくれていることに気が付くことでしょう。

サムが肩に装備しているオドラデクを使えば、歩行に適した地形をグラフィカルに把握できます。危険な場所は赤く表示され、特に川の水深は重要な情報として役立つに違いありません。また、前方の広い範囲に落ちている荷物の探知も行ってくれます。「誰か」の落とし物が活路を開いてくれることだってあるんです。

モノを届けるまでが配達!


サムの評判が上がると、送れる「いいね」の量や、サム自身の能力も上昇する

どんなに準備が楽しくても、どんなに道中がエキサイティングでも、依頼されたモノが届かなければ意味がありません。できるだけキレイな状態で品物を届けましょう。

険しい道をほとんど徒歩で、それもサムひとりで運ばなければならない程、この世界の人達は外の世界を恐れています。その大きな理由のひとつに「BT」の存在があります。BTは幽霊のような謎の存在で、普段は目視できません。配達中であってもBTが出現する地域を通らねばならないこともあり、どのように切り抜けていくのかも配達人に求められる資質と言えます。

そんな過酷な環境をものともせず、ひとりで配達し続けるサムに対し、彼らは賞賛を惜しみません。

「へへっ……まあ、どうってこたありませんよ」

「傷ひとつない!一体どうやってひとりで運んできたんだ!さすがだ!」などと、とにかく褒めてくれます。現場ってこうじゃなきゃと思いますよね。現場の醍醐味です。

化学製品を製造する現場で筆者が働いていた頃、危険な液体を配送してくれるタンクローリー運転手のおじさんが、何かと面倒をみてくれた事を思い出しました。仕事上のつきあい、それもポンプで液体を輸送している間しか会話できない関係でありながら、時におみやげをくれたり、時に愚痴を聞いてくれたり、とても仲良くしてくれていたのです。

今思えば、あの運転手さんはどこか一種の清涼剤のようにして、仕事で荒んだ心へ爽やかな風を送ってくれたように感じます。「よし、またがんばるか!」と思えた、その瞬間ってとても貴重なことだったんですね。何度も差し入れしてくれた缶コーヒー……僕は忘れません……みたいな。人と人との繋がりを体験できるシミュレーションゲームという訳です。

やや冗談めかしてしまいましたが、本作は実際に配達人サムへ積み重ねられていく人々の敬意が描かれることになります。現場の最前線を自らの足で踏破していくその姿にこそ、本物の価値があるのだと言わんばかりに。

筆者もタンクローリーの運転手さんへ、いつの頃からか背筋の伸びるような思いで接するようになりました。現場だからこそわかる、お互いのリスペクトのようなものを、本作をプレイしながら思い出していたのです。

今度ピザを注文した時には、筆者も配達人さんに「すごい!できたてみたいだ!さすがですね!」と労いたいと思います。

様々なスタイルを許容する自由度


巨大な道路を復旧させる設備が固定配置されている場所もある

配送はプレイヤーのスタイルに応じて様々な形で挑めるのですが、それは仕事の間だけのことではありません。ストーリーの大きな演出の途中でもない限りは、広大なマップを自由に移動できますし、配送の仕事を必ずしも受け続けなくても構わないのです。

ある仕事が難しそうだなと感じる場面はたくさん出てきます。道中の環境がまだ整備されていなかったり、初めて通る所だったり、ミュールと呼ばれる荷物を狙う邪魔者がいる場所を通らなければならなかったり……

先の様に、これらを考慮してルート設計や準備を進めていくわけですが、何もこれらは「受注してからでなければできない」なんてことはないのです。受注する前にミュール達をボコボコにしておくこともできますし、先に梯子などを徹底的に整備してから挑むこともできます。

「ミュール」達の拠点へ単身突入!守る荷物がないなら強気で攻められる!?

オプションからゲーム全体の難易度を設定できますが、自分で環境を整えることで細かく難しさを調節できる余地が残されているのです。例に挙げたミュールはその影響区域がマップで色分けされており、大抵の問題は予測できるように設計されています。

『DEATH STRANDING』は、小島監督の作品の例に漏れず「ストーリードリヴン」な構成となっています。しかしながら、「配達」に関わる部分は可能な限りプレイヤーの主体性を確保することに心を砕きつつ、様々な要素を散りばめていると感じます。

本作は完全なフリーローム・オープンワールドとは異なりますが、自分が歩んだその足跡が確かに残されていく感覚。見知らぬ別のプレイヤーに対する何らかの価値となるであろう高揚感は、これまでに体験したことのないものになると言えるでしょう。

荷物ヨシ!ルートヨシ!天候ヨシ!ご安全に!


指差呼称と危険予知は事故予防の第一歩!

サム・ポーター・ブリッジズの操作は、常にトレードオフの関係にあります。コントローラーのスティックをわずかに倒して、ゆっくり進んでいけば意外な安定性を見せてくれます。

思い切りスティックを倒して・押し込み、最速を狙うのも配達人として必要な胆力かもしれません。しかし!物事の成否は準備で決まるといっても過言ではありません。事故には必ず理由があり、それらは分析が可能なのです。

『DEATH STRANDING』で重ねる一歩一歩は、確実に自分の経験値として蓄積されていきます。読者の皆様も気が付けばいつの頃からか、一切見えないはずの存在である「他のプレイヤー」を想像し、誰かに意思を繋いでいく配達人へと変わっていくに違いありません。

配達人となって世界を繋いでいく『DEATH STRANDING』PS4版は、2019年11月8日に満を持して発売となります。皆様と「いいね」を送りあえるのを、楽しみに待っています!

《Trasque》

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