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いまこそあの名作を振り返る、『幻想水滸伝』の魅力とは?

仲間になるキャラ数が108人……集結させるという楽しさがRPGならでは。

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いまこそあの名作を振り返る、『幻想水滸伝』の魅力とは?
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かつてコナミから発売されたRPG『幻想水滸伝』。その名前を聞いて、王道RPGであると答えられるゲームユーザーはどれくらいいるでしょうか?PSで『幻想水滸伝』が発売されてから既に25年になろうとしています。

ファンによって続編が長年望まれてきた同作ですが、今回Kickstarterでのクラウドファウンディングが発表されたPC向け新作RPG『百英雄伝』はその『幻想水滸伝』の根幹に関わったスタッフが再集結した作品となる様です。古参のゲームファンであればそれだけでワクワクしてしまうスタッフの陣容なのですが、さすがの年月にいまいちピンと来ていない方も多いのではないかと思います。そこで、本記事では『幻想水滸伝』シリーズについてをお届けします。



すべての原点となった『幻想水滸伝』は1995年に2Dのドット絵で構成された典型的なJRPGとして発売されました。「水滸伝」と名付けられていることからも判る通り、メインとなる物語は非常に判りやすく展開します。勧善懲悪とまで単純ではありませんが、最終的には世の中を牛耳っている巨悪を撃つという展開は王道であるからこそ外せない要素でしょう。


とはいえ、王道、普通ではない部分も多々存在しました。「水滸伝」と名付けられたもう一つのポイント。このシリーズには各タイトル毎に108人の仲間が登場します。正直、この108人というのは脅威的な数値で、現在でもそれだけの中からパーティメンバーを選択「出来る」というタイトルは聞いたことがありません(最大108人仲間になりますが、戦闘に参加しないキャラもいるので厳密には100名弱から選ぶこととなります)。

仲間キャラということはNPCではないのです。バストアップのイラストがあり、設定やパラメータ設定されている。メインキャラクターのデザイナーが108人全キャラをデザインするというのは作業量的にもあり得ない、一見無謀な企画だったと思います。

当然、108人全員を自らの拠点に集結させる、仲間にするのは非常に難易度が高く、やりがいのある部分となっています。ある程度やり込んでいても、大抵数人は欠けることになります。


この仲間の多様さが作品の最大の魅力でもあるのですが、肝心なのは、108人の仲間がいるということ=108個の仲間に関するクエスト、物語が存在するということです。当時、プレイヤー同士で話をすると、決まって「推しメン」の話になりました。戦闘に参加するメインメンバーは自分で選べるのですが、そのメンバーが各人で全く違うのです。108人の中から選んでいるのだから当然と思うかもしれませんが、各キャラの個性が丁寧に魅力的に描かれていたからこその結果と言えるでしょう。

「え?このキャラ誰?」と、知り合いのプレイ画面を見て初めて、こんなキャラがいたのか……と再確認することになったのも良い思い出です。

主人公の仲間が増えていくと、キャラの能力値分析一覧、評価表などが重要になり、自分なりの選択肢も生まれ始めます。こだわりは能力値やスキルなどのキャラ性能だけではなく、そのキャラのバックボーン、背景にも及ぶのですから。その上、キャラ同士の組み合わせによって発動する技も存在します。

「自分の好みでパーティメンバー、物語の主要メンバーを選択できる」というゲームシステムが強くピックアップされたことが、多くの当時のファンの心をつかんだのかもしれません。

その後も、シリーズとして多数の作品が制作されましたが、一貫して世界観や舞台設定に同じ世界を使用しており、歴史年表による時代考証も行われています。全体の雰囲気も和洋折衷のファンタジーというジャンルで統一されており、基本である108人の仲間というキーワードと共に、各作品毎に盛り上がりを見せました。


今回発表された『百英雄伝』はそんな『幻想水滸伝』初期の屋台骨を生み出した村山吉隆氏、河野淳子氏に加えて、シリーズのブラッシュアップに携わった小牟田治虫氏、村上淳一氏も参加しています。

ゲーム性、物語性、キャラクター性、さらに今回も掲げられた「百」という数の魅力。特に河野氏のキャラデザインは……「いつかまた見たい」と思っていたファンの心を掴んで離さないハズです。ゲームの詳細が待ち遠しいかつてのファンも多いのではないでしょうか。

『百英雄伝』KickStarterキャンペーンは2020年7月27日より開始予定です。

※記事内で使用しているゲーム画像は、PSP版『幻想水滸伝I&II ベストセレクション』のものです。
《高橋 良明》
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