興味深い謎と陰謀が好奇心をくすぐる『アウター・ワールド』DLC第一弾「ゴルゴンに迫る危機」はハルシオンに帰ってこられる最高の理由【プレイレポ】 | Game*Spark - 国内・海外ゲーム情報サイト

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興味深い謎と陰謀が好奇心をくすぐる『アウター・ワールド』DLC第一弾「ゴルゴンに迫る危機」はハルシオンに帰ってこられる最高の理由【プレイレポ】

とにかく会話の分岐が楽しく、まるでアドベンチャーゲームのような手触りもある、一人称SF RPG『アウター・ワールド』ストーリーDLC第一弾「ゴルゴンに迫る危機」の序盤や拡張要素に触れたプレイレポートをお届け。

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興味深い謎と陰謀が好奇心をくすぐる『アウター・ワールド』DLC第一弾「ゴルゴンに迫る危機」はハルシオンに帰ってこられる最高の理由【プレイレポ】
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今回お届けするのは、昨年2019年10月25日にPS4/Xbox One/PC(Epic Gamesストア)で発売され、また今年2020年6月5日にはニンテンドースイッチでもリリースされた『アウター・ワールド』のストーリーDLC第一弾「ゴルゴンに迫る危機」の序盤の雰囲気や追加要素をお伝えするプレイレポートです。

開発元のObsidian Entertainmentは『Fallout: New Vegas』や『Pillars of Eternity』に『Tyranny』などを手がけ、RPGに定評がありそれぞれファンからの評価も高く、発売元のPrivate Divisionは『Kerbal Space Program: Enhanced Edition』などを擁する比較的若いパブリッシャーとして知られます。



アウター・ワールド』とは



本作はさまざまなアワードを獲得した作品ですが、会話の分岐が楽しく、まるでアドベンチャーゲームのような手触りもありながら、コンバットデザインはFPSという一人称視点を採用したSF RPGです。舞台は遠い未来、地球から数百光年先で企業が支配する植民地星系「ハルシオン」。このディストピアでプレイヤーは「想定外の変数」として企業と労働者の間に立ち、星系の立て直しに宇宙船で星々を巡り奔走します。

また『Fallout: New Vegas』を手がけたObsidian Entertainmentの作品ということでオープンワールドを期待していた人も少なからずいたと思いますが、そういった方は本作のリニアなデザインに少しの失望を覚えたかも知れません。しかし本作の肝は対話で生じる豊富な選択肢とその分岐にあり、提示されるあらゆる選択肢がロールプレイやプレイヤー自身の選択を重んじています。そうであるがゆえに「想定外の変数」として振る舞える作品なのです。筆者は去年の発売時期にPC環境でクリアしており久しぶりの起動となりましたが、本稿のためのプレイにて作品世界を掘り下げる展開に釘付けになり、ハルシオン星系に帰ってこられてよかったという感慨があります。

「ゴルゴンの危機」その始まり



本DLCは「モナーク」まで辿り着いているのがクエスト開始条件。それを満たして宇宙船のAIであるエイダに話しかけると「他船からドッキング要請」があり、宇宙船の元の持ち主アレックス・ホーソーン宛てに荷物があるといわれます。そして無理矢理荷物を入れたと言われ会話が終わります。

冒頭から<無礼なハンドジェスチャーをして通信終了>という選択肢が本作らしさ満点

無茶な流れで冒頭からアウター・ワールド節満点です。そして謎の荷物を開けると携帯メッセージボックスを掴んだまま切断された腕があり、メッセージが流れます。本DLCでは音声ログをかなり活用しており、これはその先がけでもあります。


要約すると「ホーソーン、ラッキー・モントヤだ。このメッセージを聴いているということは俺に何かあったってわけだ。ゴルゴンで胡散臭いビジネスに巻き込まれた。この仕事はミニー・アンブローズという女から引き受けた。俺が生きて報酬を受け取れないならせめてお前が受け取るべきだ。ミニーに会って仕事を引き受けるんだ。これで貸し借りなしだ、懐かしい友よ」という、宇宙船の元の持ち主アレックス・ホーソーン宛てのメッセージが流れます。


そして始まるのが「ゴルゴンから歩み去る人々」というクエスト。最初の目標は「ミニー・アンブローズに話しかける」とされているのでさっそく小惑星ゴルゴンに飛び、邸宅に向かいます。筆者が引き連れた仲間はパールヴァティーとエリーという、お互いに倫理観がちょっと異なっている組み合わせで向かいました。本作はNPCが会話に割り込んだり感想を言ったりするので、誰を連れて行くかは重要です。

本作では野心を持つ人間が多く現れますが、彼女もまたそうでした

「ミニー」ことウィルヘルミーナ・アンブローズが語るには、かつてゴルゴンでスペーサーズチョイス(本作で登場する企業の1つ)による研究プロジェクトが行われ、母であるオリビアがそれに関わっていたものの、ある日なんらかの危機が起こりスペーサーズチョイスはすべての研究を中止。ゴルゴンから立ち退いて従業員たちは命からがら逃げだし、母は犠牲者となったといいます。

連れてきたパールヴァティーが謎に対して前のめり

プロジェクトの責任者は“ゴルゴンの危機”を亡き母のせいにしてアンブローズ家は責めを負い、そのうえ法律上の母の死亡宣告に5年も掛かり、遺産相続が遅れたとのこと。上流階級でハルシオンを継承する世代のためにアンブローズ家の無実の証明する調査をラッキーにさせていたものの、彼が消えてしまい代わりにあらわれたのが主人公たちというわけです。

ゴルゴンの災厄の責任はスペーサーズチョイスの強欲と無能さにあって母ではない、そう証明できるのが亡き母の日記のはずだとミニーはいいます。そして「スプラット・シャックでラッキーの足取りをつかむ」というあらたな目標が発生します。

ラッキーの足取り、サロン「スプラット・シャック」の捜査



スプラット・シャックに入るとフォン・ホフマンなる人物が検査の時間と言って「瞬きをせずにこちらを見ろ」と言ってきます。次いで「上を見て下を見ろ」といい、名前と職業を問われます。フォン・ホフマンは正気かどうかをチェックしたかったようで、ゴルゴンではサルベージ業者などが廃墟から戻ってくると人間性が消えてしまうと語ります。なお本作では名前を要求されたとき、宇宙船の元の持ち主アレックス・ホーソーンを名乗れる選択肢が必ず用意されていますが、本DLCでも健在でした。

スプラット・シャックを切り盛りしているレックス(ローカライズ班が斜め上の仕事をしています)

このサロンはプロジェクト・ゴルゴンが実施されていた時代には出荷と入荷の倉庫だったそうです。切り盛りをしているレックスから聞ける情報では、ラッキーはここを拠点に「創造具現化局」という場所に出入りしていたそう。そこはかつてスペーサーズチョイス上層部がスローガンやマーケティングを考える場所だったようで、ラッキーはそんな場所に出入りしていた理由は語ろうとしなかったといいます。しかしラッキーは長い間帰ってこないため部屋は開放してあり、好きに探していいと許可を得られます。

ゴルゴンのそこかしこに散乱しているアドレナタイム

また、スペーサーズチョイスはゴルゴンで薬品を作っており、当時は極秘だった「アドレナタイム」はここで作られたという重要な情報も聞けます。アドレナタイムとは医療吸入器(クイック回復)に組み込める消耗品で「促進効果のある液体カフェイン。アドレナタイムハイで移動速度、近接攻撃速度が20%アップ。アドレナタイム切れするとすべての特性がマイナス1、歩行速度がマイナス10%、動作の滞りが最大3倍生じる」という劇薬のようなアイテム。だいぶキナ臭くなってきました。


ラッキーの部屋にある調査メモには、オリビアのオフィスと日記は合成製造センターの中にあるに違いないが封鎖されており、創造具現化局でお偉いさんの管理端末を使えば封鎖を解けるはずだ、とあります。そしてラッキーの金庫を開けると「保管された眼球」が。これが鍵に違いありません。ここで「スプラット・シャックでラッキーの足取りを掴む」という目標が達成され「創造具現化局に入る」というあらたな目標が発生します。

創造具現化局

といったところで、メインクエストのプレイレポートのご紹介はここまで。創造具現化局の中に隠された謎や“ゴルゴンの危機”の真相は、実際にプレイしてご確認ください。

以降はDLCによって新規追加された要素やサイドクエストを1つご紹介します。なお、創造具現化局はそこそこ長いダンジョンとなっていて戦闘と探索の両方が楽しめますし、サイドクエストに繋がる興味深いオーディオログも存在します。

サイドクエスト「愛とは計画、計画とは死」



ゴルゴンではスペーサーズチョイスの新薬実験プロジェクトが行われていたようですが、多くの人間が死んでおり、その上多くの問題が未解決です。

ゴルゴンの安アパートではベッドの上に「ジェローム、永遠の始まりに乾杯。愛を込めて。レオノーラより」という文が刻まれた「刻印入りのスキットル」が見つかります。そして「愛とは計画、計画とは死」というクエストが始まり「スプラット・シャックでスキットルの前の持ち主について尋ねる」という目標が発生。なおアパート1階では「ジェロームの日記」が見つかりますが、その内容は伏せさせて頂きます。

ゴルゴンでは「労働者の生産性を10倍に上げ、さらに副作用もない」という薬品を作ろうとしていたようです

ジェロームのスキットルに書かれた「レオノーラ」という人物を探すためスプラット・シャックでレックスに話を聞きます。なんでもスペーサーズチョイスがゴルゴンから避難したときにはいろいろな物を残していって、それには生活用品はもちろん、人間も含まれるとのこと。レオノーラはサロンの中にいるので簡単に見つかりますが、問題は「どう話すか」です。筆者は普通に話を聞きジェロームが夫だったことがわかりました。

レオノーラいわく、避難命令が出たとき、ジェロームは脱出のチケットをすり替えて彼女の身代わりになったそう。しかし、レオノーラはゴルゴンに戻ってきました。ジェロームの命は諦めており、婚姻届にサインをした日にあげたスキットルを取り戻したいだけだそうです……。

以上はあくまで筆者の選択と結果であり、「ジェロームの日記」を読んでいるかどうかでもプレイヤーの選択は変わると思います。また、この先の展開はこのクエストの岐路となるので、あえてここまででクエストのプレイレポートを締めさせていただきたく思います。

「ゴルゴンの危機」追加要素やクエスト全体の印象



この星系に帰って来られたこと自体嬉しいですが、まず本作リリース後からの時間経過で得られたフィードバックを受けているだろう点、アップデートでのフィックスで「フォントサイズを変えられる」ようになったのは嬉しい点です。

DLCのクエスト展開は「探りを入れるような言葉を選ぶ」ことでどんどん謎が明かされていきますし、サイドクエストにもその答えとなるような情報が散らばっています。選択肢もどれを選んでもよくロールプレイイングゲームを遊んでいるんだという強い感慨にふけられます。「ただ施設に入りたいんだ」といって会話を打ち切って進むことも出来ますが「何があったんだ?」と訪ねて陰謀の実態を突き止めるプレイもおもしろいです。

新規の特性(いずれの段も1番右側が新規の特性)

なお本DLCでは追加の特性やレベル上限の引き上げが登場。たとえば「ライト・マシンガン」はMK2まででしたが新規にMK3が追加、オートマグにはウルトラバージョンが登場など追加武器も含まれています。また、防具に付けられる改造パーツも既存の物の強化版が追加され、全体的に数値の上昇が図られています。

スキルキャップが150になったため、選択肢で150を要するものも

さまざまな人物に本DLCの始まりとなったラッキー・モントヤの人物像を聞いてまわるだけで人間の姿がきちんと浮かぶようなテキストがあり、ある種ロールプレイイングゲームを遊んでいる感慨もありながら、アドベンチャーゲームのような趣すらあります。なので、そういった姿勢で本作を遊ぶと実に興味深く取り組めます。

会話での選択肢は実に多様な言い回しと選択が用意されており、話せば話すほど世界への理解が深まり、その中の一人物として振る舞えます。「単なるお使い」がおもしろいゲームはほかにあまり見ないはずです。本作には「バックログ」の機能がダイアログボックスの右上に控えめな形で用意されていますが、それが本作は会話を楽しむゲームなのだとデザインされている証左でしょう。


「人を知ること」がおもしろい。個人にさまざまな背景があり、身の上話を聞いてみるかさっさと目的のことを聞くかを常に選択できる。このDLCで体験できる大きな陰謀を解き明かし終えたデータで、エンディングをもう一度見たいと思いました。なぜなら最後に選べる選択肢のキャップも上がっており、DLCの内容もエンディングに影響を及ぼすのではと思うからです。

タイトル:『アウター・ワールド』DLC第一弾「ゴルゴンに迫る危機」
対応機種:PC(Epic Gamesストア)/PS4/Xbox One/ニンテンドースイッチ
記事におけるプレイ機種:PC(Epic Gamesストア)
発売日: 2020年9月9日
記事執筆時の著者プレイ時間:12時間
価格:価格:1,650円
《SHINJI-coo-K(池田伸次)》

FPSとADVを偏愛しつつネトゲにも造詣のあるフリーライター SHINJI-coo-K(池田伸次)

「Game*Spark」誌に寄稿しつつも「IGN JAPAN」誌と「GAMERS ZONE」誌にも寄稿。「インサイド」誌にも寄稿歴あり。今はなき「Alienware Zone」誌や「週刊Steam」誌にも寄稿していたフリーライター。 そしてヒップホップビートメイカー業も営む音楽家兼ゲームライターの兼業家。通称シンジ。

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