古典ローグライクに続編が登場!『Ultimate ADOM - Caverns of Chaos』早期アクセス版プレイレポ | Game*Spark - 国内・海外ゲーム情報サイト

ハードコアゲーマーのためのWebメディア

古典ローグライクに続編が登場!『Ultimate ADOM - Caverns of Chaos』早期アクセス版プレイレポ

1994年から続く『Aicient Domains of Mystery』の最新有料版が登場。

連載・特集 プレイレポート
古典ローグライクに続編が登場!『Ultimate ADOM - Caverns of Chaos』早期アクセス版プレイレポ
  • 古典ローグライクに続編が登場!『Ultimate ADOM - Caverns of Chaos』早期アクセス版プレイレポ
  • 古典ローグライクに続編が登場!『Ultimate ADOM - Caverns of Chaos』早期アクセス版プレイレポ
  • 古典ローグライクに続編が登場!『Ultimate ADOM - Caverns of Chaos』早期アクセス版プレイレポ
  • 古典ローグライクに続編が登場!『Ultimate ADOM - Caverns of Chaos』早期アクセス版プレイレポ
  • 古典ローグライクに続編が登場!『Ultimate ADOM - Caverns of Chaos』早期アクセス版プレイレポ
  • 古典ローグライクに続編が登場!『Ultimate ADOM - Caverns of Chaos』早期アクセス版プレイレポ
  • 古典ローグライクに続編が登場!『Ultimate ADOM - Caverns of Chaos』早期アクセス版プレイレポ
  • 古典ローグライクに続編が登場!『Ultimate ADOM - Caverns of Chaos』早期アクセス版プレイレポ

ローグライクといえば近年さまざまな作品が開発され、広がりをみせているゲームジャンルですが、一方で多様化しすぎて定義が曖昧になりつつあるとの指摘もあります。そんな中、元祖『Rogue』の作法を受け継ぐ古典ローグライクRPGの続編がSteamに登場しました。2021年2月18日に早期アクセスを開始した『Ultimate ADOM - Caverns of Chaos』について、遅まきながらその内容をご紹介したいと思います。

25年以上の歴史を誇る正統派ローグライクRPGの続編

1994年に最初のバージョンがリリースされた『Aicient Domains of Mystery』は、元祖『Rogue』と同様なアスキー文字ベースのダンジョンクロウラーでした。ローグライクの古参ファンには『Nethack』や『Angband』などと並び称されたタイトルのひとつと言えばわかりやすいかもしれません。ローグライクというジャンル自体が確立されてきた歴史の一翼を担ったタイトルと言えます。

この『ADOM』は2002年に一度開発が終了するのですが、その後2012年に開発者がクラウドファンディングで資金獲得に成功し、復活を果たします。元々はアスキー文字のみだった画面表示をグラフィカルなドット絵に置き換え、さまざまな機能やゲームモードを加えたDeluxe版として、2015年にSteamでリリースされました。

また、追加機能のないオリジナル版もASCIIバージョンとグラフィカル・バージョンの両方が公式サイトで無料配信されています。

今回、早期アクセスを開始した『Ultimate ADOM - Caverns of Chaos』はこれらの続編にあたるタイトルで、伝統的なローグライクの特徴を色濃く引き継ぎながら、よりモダンな内容に再編された作品となります。

前作のボスである混沌の王アンドール・ドラコンが倒され、アンカルディアの世界に一度は平和が戻ったかに見えたものの、戦いの余波で次元を超える大災害が起こり大地は引き裂かれた。7つの派閥が支配権を争う中、人里離れた洞窟の奥深くに再びChAoSが蠢き始めている。それを察知したプレイヤーがカオスの洞窟(The caverns of Chaos)に足を踏み入れるというストーリー。目的はプレイヤーの所属する派閥ごとに異なり、単純に邪悪を討つといったものから、噂される秘宝を求める者、魔術の知識を深めるため、果ては前作ラスボスの配下が主を復活させるためといったものまであります。どれを選ぶかで展開やエンディングが変わってくるようです。

チュートリアルがついていて初心者でもすぐ始められる

ゲームを起動すると最初に表示されるタイトルメニューですが、各項目にそれぞれ順番にアルファベットが振ってあるのがまず目に付きます。古典ローグライクを遊び慣れた人ならすぐ気付くと思いますが、これがそれぞれの項目のホットキーになっています。

一方で、設定画面を開いて操作方法の設定を見ると、ゲームパッド入力も設定できるようで、現代的なUIとローグ的なキーストロークによる操作を融合させることを目指しているのでしょう。

新規ゲームを開始する方法は3通りあって、チュートリアル、作成済みキャラクター、新規キャラクター作成を選べるようになっています。かつてローグライクゲームと言えば、付属のドキュメントファイルに簡潔すぎる操作方法が書いてあるだけで遊び方は自分で探すしかないか、あるいは逆にしつこいぐらい長文のマニュアルがついてくるのが常だったので、これは素直に嬉しい機能です。



チュートリアルを開始するとドワーフの作成済みキャラクターDwarjalfでゲームが始まります。マップは固定で、順を追って説明を読んでいけば一通りの操作方法やゲーム内でやることがわかるようになっているようです。


といっても、状況に応じたアクションを表示するリング状のメニューと持ち物やスキルなどキャラクターに関する操作がひと通りできるインベントリ画面があるので、覚えるべきことはあまり多くありません。5分もあれば必要なことはすべてわかります。

それらをすべて学ぶと、チュートリアルマップは次の階への階段で終わります。階段を降りた後は普通にランダム生成ダンジョンに入り、通常のゲームプレイに移行します。このまま続きを遊んでもいいのですが、せっかくなら自分のキャラクターで挑戦してみたいので、いったん終了してタイトル画面から再開です。

昔ながらのRPGにキャラクター作成は欠かせない!

使用キャラクターは、あらかじめ作成されている4人のキャラクターから選ぶPredefinedか、自分で作成したキャラクターを使うCustomのどちらも選べます。Predefinedのキャラクターのうち一人はチュートリアルでも使ったドワーフのDwarjalfで、なかなか強かった印象があるのですが、やはり昔ながらのRPGならキャラクター作成して始めたいところです。

キャラは所属派閥、性別、種族、職業を選んでスキルにポイントを割り振って作ります。派閥は選択によってゲームの展開が変わってくるらしいですが、現段階ではまだよくわかりません。

そんなことより意味がわからないのは性別で、なぜか6種類もあります。男女に加えて、中性とか両性とか二性以外の性とか、果ては触手(!?)なんてのもあります。ここは触手一択でしょう。

種族はエルフ(High elf)、人間(Human)、ドワーフ(Dwarf)、ネズミ人(Ratling)の4種類、職業は冒険者(Adventurer)、射手(Archer)、戦士(Fighter)、僧侶(Priest)、魔術師(Wizard)の5種類と、スタンダードな構成です。


ひと通りの選択が済んだら、最初に与えられる少量のスキルポイントを割り振ってスキルを取得します。最後にキャラクターの名前を決めたらゲーム開始です。

なお、名前入力をキャンセルするとランダムに名前を付けてくれるので、キャラ名を考えるのが苦手でもスムーズにゲームを始められます。

サクサク進んでザクザク宝物が出るテンポの早い展開

ダンジョン内では、気になる場所を見つけたら前述のリング状アクションメニューを開くと、その時に出来ることが表示されるのですが、オブジェクトを破壊したり、壁の松明を取ったりとさまざまな行動が可能で、自由度が高い印象。

敵との戦闘ではチュートリアルで学ぶ近接戦闘以外にも、飛び道具や魔法を使った遠距離戦闘もあります。

ローグライクなら物も投げられそうなものですが、やり方が見つかりませんでした。とはいえ、まだ早期アクセスなので単に未実装な可能性もあります。現に、空腹度と食料はあっても、行動でお腹が減る仕様はまだ未実装のようで、2021年3月3日現在のバージョンでは空腹ゲージは減りません。未実装であることは空腹ゲージのツールチップに表示されるので、将来的には追加されるはずです。

ゴブリンのような人型の敵はそれぞれ装備しているアイテムが違っていて、倒すと身につけているものをそのままドロップします。そのため、宝箱と合わせるとアイテムの入手機会はとても多く、普及品なら装備は結構簡単に整います。

また、装備にはそれぞれルーンを付加するスロットがあって、拾ったルーンと組み合わせることで性能を向上していけるようです。

何かを発見するまでマップ上の未踏破部分を自動で探索するコマンドなどもあって、ゲームの進行はかなりサクサク進む感じです。

モンスターの死体から部位を奪って肉体改造

本作では、大きな特徴のひとつとしてGrafting(生体移植)が提示されています。公式サイトの説明によると、モンスターの死体から体のパーツを剥ぎ取って、自分の肉体に移植してキャラを強化する要素とのこと。

モンスターを倒した時に確率でドロップする死体を拾い、スキルを使用するとパーツに解体することができます。別のスキルを使うと、サイズなどの条件の合致しているパーツを自分の体に移植できるようです。

また、俯瞰視点から見下ろし視点に変えたり、グラフィックをアスキー文字表示にするなど、古典ローグライクらしいこだわり機能は実装済みでした。

その一方で、前述の空腹度など未実装の仕様があったり、時々動作が固まる、カーソルのフォーカスが行方不明になるなど未調整な部分もまだ残っている模様。とはいえ、前作『ADOM』が400種類以上のモンスター、700種類以上のアイテムを収録する規模だったことを考えると、今作も最終的には相当なボリュームになりそうで、現段階ではまだまだ開発途上と考えた方がいいでしょう。コアなローグライク好きなら、今後の発展が楽しみな作品です。

タイトル:Ultimate ADOM - Caverns of Chaos
対応機種:PC(Steam)
記事におけるプレイ機種:PC(Steam)
発売日:2021年2月18日
記事執筆時の著者プレイ時間:2時間
価格:2,050円

《齋藤 直樹》
【注目の記事】[PR]

編集部おすすめの記事

特集

連載・特集 アクセスランキング

アクセスランキングをもっと見る

page top