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“差し押さえ”られた自身を取り戻せ!サイバーパンクADV『FORECLOSED』は演出が最高【爆レポ】

優れた演出と世界観が単純にかっこいいサイバーパンクストーリー!

連載・特集 プレイレポート
“差し押さえ”られた自身を取り戻せ!サイバーパンクADV『FORECLOSED』は演出が最高【爆レポ】
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最新ゲームが毎日大量にリリースされる昨今。メーカーやストアのゲーム紹介だけでは「どんなゲームかわからない!」とお嘆きのGame*Spark読者も多いのではないでしょうか。そこで“なるべく早く”ゲームの生の内容をお届けするのが本企画「爆速プレイレポ」となります。

今回は2021年8月12日にAntab StudioとMerge Gamesより、PC/PS5/PS4/Xbox Series X|S/Xbox One/ニンテンドースイッチ向けにリリースされた『FORECLOSED』について生の内容をお届けしたいと思います。


『FORECLOSED』とは

サイバーパンク世界を舞台にしたアクションアドベンチャーゲーム。すべての人間が埋め込まれた「インプラント」によって身分を管理されている時代で、突如としてアイデンティティを奪われてしまった男が陰謀に巻き込まれていく物語を描きます。

ゲームはコミックのようなコマ割り画面とFPS視点、見下ろし画面などさまざまに変化。グラフィックノベルのような展開で語られるSFストーリーと、銃と特殊能力による派手な戦闘シーンを楽しむことができます。なお、タイトルの「FORECLOSED」とは「差し押さえ」の過去分詞形を意味しています。

『Max Payne』『Liberated』『Deus Ex』『Cloudpunk』などのゲームが好きな人向けと紹介されている本作。抜群のサイバーパンクな世界観とセンスのいい選出、多くの面で「かっこいい」が詰まっている作品です。

『FORECLOSED』の実内容に迫る!

物語の舞台は2087年。ある朝、主人公「エヴァン・カプノス」が目覚めて習慣のメールチェックを行っています。その中に「差し押さえ通知」と書かれた一件のメールが届いており、チェックしてみるとカプノスの勤め先である「SECURTECH」が倒産したと告げられます。

この世界では人間の身元は企業のもの。倒産した場合は国によって身分が差し押さえられ、オークションで売買されるまで買い物から銃の使用まで、ほぼすべての権利が奪われてしまうのです。カプノスは手続きのため、午後4時までに裁判所へとたどり着くことを命じられます。

「従わなかった場合は非従順とみなす」というアドバイス(?)をもらったカプノスは、否応なしに裁判所に向かうため家を出て街に向かいます。差し押さえの身分に街は厳しく、ほとんどのエリアが立入禁止状態です。突如としてすべての自由を襲われたカプノスの不幸は更に続き、今度は正体不明の連中から銃で襲われてしまいます。

権利が失われ銃が使えない状態では、とにかく逃げるしかありません。逃走中、不意に登場した人物に助けられなんとかその場は逃げ延びたカプノス。こうして裁判所に向かうまでの長い長い一日の物語が始まります。

リロードのない銃が最高!カスタマイズも

物語が少し進むことでカプノスは自身の特別な事情(一方的な被害者ですが……)を知り、専用の銃を手に入れます。この銃が非常に優れもので、なんと「リロードが必要ない」のです。もちろん多少の制限はありますが、敵の銃はすべてリロードが必要なためカノプスの手に入れた銃はかなり強力な武器と言えます。

本作の戦闘はエリアに登場する敵をすべて倒す必要があります。相手からのダメージを一定以上くらわなければ体力が回復し、障害物に隠れれば銃弾は貫通しないので戦闘は比較的簡単です。中盤以降はアーマーやシールドを装備した敵も登場しますが、必ず弱点はあるので冷静に戦いましょう。

また、カプノスは戦闘などでレベルを上げて獲得するスキルポイントを使用してさまざまなパワーアップが可能。銃弾に貫通力や自動追尾力を付与したり、カプノス自身が念力で敵を浮かせたり地面に叩きつけたりすることもできるようになります。

この強化システムが楽しく「敵を浮かせて無防備状態を銃で撃ちまくる」「シールドを持った敵のシールドを持ち上げて排除する」など、さまざまな戦闘スタイルを作り上げることができます。また、敵に近づいて相手のインプラントを焼き切るステルスキルも可能で、状況に応じた戦闘スタイルを選べます。

演出は申し分なし!隠し要素もあるぞ

ストアページで「インタラクティブなグラフィックノベル」と紹介されている本作。コミックのようなコマ割り演出がさまざまな場面で登場します。コマ割りのような演出の中でもカプノスは移動可能な場面があり、自分の手で物語を進められるまさしくインタラクティブな物語を楽しめます。

また、カプノスは物語中にハッキング能力を入手。閉じられた扉を開ける、隠された機械を探し出す、カメラをハッキングするなど、ハッキング能力はさまざまな場面で使用可能です。また、マップ内には隠された通信機がいくつも用意されており、探知して探し出すことで経験値を獲得できます。

本作は基本的に一本道で物語が進むため、自由度はそこまで高くありません。ただエリアはそれなりに作り込まれており、各所でほどよいSF・サイバーパンク感を体験できます。「コミック演出で通った道に戻ってみると通信機がある」などの隠し要素もあるため、ゆっくり観光するのもいいですね。

本作の最大の魅力とも言える演出部分は最後まで徹底的にこだわっているため、ストーリー部分においてプレイヤーを飽きさせることはありません。ただし、この演出面が逆にゲームとしての楽しさを失っている部分もいくつか散見されます。

ゲームとしてはもったいない部分も……。

本作の魅力的なこだわりとして、コミック風などさまざまな演出があることはすでに述べています。この演出は、カプノスのモノローグとあわせた心情部分や「カメラに監視されている」などの場面で非常に効果的です。

ただし、この演出がときに過剰なものとしてプレイヤーに襲いかかります。本作は、戦闘で「敵を全滅させると次の部隊がやってくる」ことがあります。この演出もコミック風のインタラクティブな演出で行われるのですが、これが災いして場所が悪いと「カプノスがリアルタイムで敵に囲まれる」ことも発生しうるのです。もちろんこの場合は、なすすべもなく即死です。

さいわい本作は敵に倒されてもオートセーブ時点からリトライ可能。しかし、オートセーブは戦闘前に行われるため、長い戦闘イベントでこの状態が発生すると最初からやり直さねばなりません。戦闘も後半は敵が多くアーマー付きも多いため、少しストレスに感じてしまうかもしれません。

そのほか気になる部分として「敵が決まった場所まで移動したあとは位置を変えない」というものがあり、ただの的あてゲームになってしまうことも。前に出すぎると演出に殺されそうになる、待ちすぎると的あてになってしまう。この辺のバランスの悪さは少し気になってしまいます。


ここまで紹介してきた『FORECLOSED』。演出面がとても優秀で「サイバーパンクな世界で陰謀に巻き込まれる主人公」というある種オーソドックスな物語を見事に作り上げています。物語は少しビターで、良質な小説や映画のような雰囲気も楽しめます。

戦闘は「リロードなしの銃で戦える」というのが基本的に楽しく、カスタマイズ次第でさまざまな戦法を作り出せるのも嬉しい部分。ただし、先述の通り演出過多で戦闘面で不備が出ること、そもそも戦闘が多すぎることなどいくつかの不満点もあります。

日本語翻訳もされており、一部分かりづらい部分はあるものの物語を楽しむには問題ないレベルです。予告の映像やスクリーンショットなど「サイバーパンクでかっこいい!」と感じた方であれば、ぜひ遊んでほしい作品です。

タイトル:FORECLOSED
対応機種:PC/PS5/PS4/Xbox Series X|S/Xbox One/ニンテンドースイッチ
記事におけるプレイ機種:PC(Steam)
発売日:2021年8月12日
記事執筆時の著者プレイ時間:5時間
価格:1,730円(Steam版)



《Mr.Katoh》

酒と雑学をこよなく愛するゲーマー Mr.Katoh

サイドクエストに手を染めて本編がなかなか進まない系。ゲーマー幼少時から親の蔵書の影響でオカルト・都市伝説系に強い興味を持つほか、大学で民俗学を学ぶ。ライター活動以前にはリカーショップ店長経験があり、酒にも詳しい。好きなゲームジャンルはサバイバル、経営シミュレーション、育成シミュレーション、野球ゲームなど。日々のニュース記事だけでなく、ゲームのレビューや趣味や経歴を活かした特集記事なども掲載中。

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