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もっと奥まで…惑星探索の魅力にもうやみつき『ICARUS サバイブイカルス』【プレイレポ】

日本語対応はやや怪しげな部分もありますが、些末な点は気にならないほど魅力的な1本です。

連載・特集 プレイレポート
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最新ゲームが毎日大量にリリースされる昨今。メーカーやストアのゲーム紹介だけでは「どんなゲームかわからない!」とお嘆きのGame*Spark読者も多いのではないでしょうか。今回はRocketWerkzが2021年12月4日にSteamでリリースしたオープンワールドサバイバル『ICARUS サバイブイカルス』(以下『ICARUS』)についてお届けします。

■宇宙服1枚で惑星に放り出される探鉱者たち

『ICARUS』は新世界のゴールド・ラッシュとも呼べる貴重な物質を求め、探鉱者として惑星でのミッション遂行を目指すサバイバルゲームです。ただし、舞台であるかつてテラフォーミングに失敗した惑星は有毒ガスに満ち、厳しい自然の脅威がプレイヤーの前に立ちはだかります。

宇宙服1枚でポッドから地表に降り立つと、広大な森や湖が広がる景色にウットリしそうですがそんな時間はありません。草を刈り、岩を採掘し、襲い来る野生動物を倒して食料の確保など、ミッションどころかまずは翌日の朝を生きて無事迎えるための仕事が待ち構えています。操作方法は『ARK: Survival Evolved』や『Conan Exiles』のプレイ経験があれば、基本操作や建築方法は特に悩むことはないでしょう。

日本語に対応はしていますが、2021年12月6日の時点で一部表記英語のままであったり、胴体に着用する装備インベントリがなぜか「箱」と翻訳されていたり、ちょっぴり不思議な日本語がたびたび目につきます。ミッション内容が英語のまま、かつ曖昧な表現で何をどうしたらよいのか分からないこともあり、トライ&エラーで解決するにもシングルプレイでは心が折れそうな時も…。オープンワールドサバイバルは今回が初体験という人はシングルではなく、経験豊富なフレンドたちと最大8人参加可能なオンラインマルチプレイを強くおすすめしておきます。

■期限までにすべてのミッションを遂行し宇宙ステーションに帰還せよ

1stマップは難易度EASYのチュートリアルを兼ねた内容で、プレイヤーの目標は資源の採取と狩猟・建物の建築・携帯用寝具の作成。たったこれだけですがミッションの制限時間はゲーム内時間ではなく“リアルタイムの”7日に設定されています。この7日間は何をしても自由で、さっさと目標を終わらせポッドから再び宇宙ステーションに帰還し次のミッションに行くのも手ですが、資源収集、大豪邸の建築、消費アイテム作りで経験値を稼ぎ、ある程度キャラクターを成長させたりシステムに慣れるのもよいでしょう。

本作は惑星を離脱した時点でそれまで作ったものは持ち帰れず失いますが、キャラクターの獲得した経験値やスキルポイントは以降のミッションにすべて持ち越されます。極寒の雪山のような高難易度のマップ、野生動物の討伐といった戦闘系ミッションに挑む前に、比較的優しいところでキャラクターのベースレベルを上げ、鍛えておいた方がしんどい思いをせずにすみます。

■ポイントの割り振りに悩むのもお楽しみの1つ

キャラクターがレベルアップすると「テックツリー」と「タレント」2種類の異なるポイントを割り振れます。「テックツリー」はアイテムの設計図をアンロックでき、床や屋根といった建築素材、調理や製薬用の生産台、各種武器などある程度ツリーが分かれています。もう一方の「タレント」はさらに「サバイバル」「ビルド」「戦闘」の3ジャンルが用意されており、最大HPの上昇、インベントリにある食物の腐敗スピード低下、自分で作る弓の耐久度UPといったキャラクター個人の能力値に関わる能力を育成可能です。Steamフォーラムの投稿によれば現状レベルキャップは60が上限で全設計図・タレントを1人で習得することはできません。マルチプレイの醍醐味でもありますが、事前にキャラクター育成の方向性を決めてポイントを無駄遣いせず、プレイヤーがお互い融通しあうのが理想のプレイスタイルと言えそうです。

個人的な感想としてはマップやミッションの内容というより、キャラクターレベル10までが本作におけるチュートリアルといえるでしょうか。レベル10からアンロックできる装備品・道具類で一気に惑星探索が楽になり、環境の厳しいところにもチャレンジ可能となりました。なお、シングルで楽しみたい人には「ソロ限定」のタレントが別途設けられており、一人では何もかも時間がかかりすぎて楽しめない!とならないよう、十分配慮されているので心配無用です。

■背伸びプレイは死の危険…あまりに厳しい自然に翻弄されっぱなし

レベル10を迎えるあたりで「資源豊富な森林地帯はもう飽きた、そろそろちょっと違う環境にも探索に出たい」そう思うプレイヤーもいるはず。しかし、安易な気持ちで難易度ハードを選ぶときっと後悔するでしょう。『ICARUS』における自然環境は本当に厳しく、容赦なく何もかもぶっ壊していきます。

初めての雪山地帯で、吹雪がやむのを待つため簡易小屋でビバークをしていれば、雪の重みで屋根が何の警告もなく崩落するわ、バッタリ遭遇した北極熊から全速力で逃げる途中、突然のクレパスに滑落しそのまま動けなくなるわ…。のどの渇きをギリギリまで耐えつつやっと見つけた湖で水を飲めば赤痢になるなど、なかなか自然はプレイヤーに優しくありません。昼夜を問わず美しいグラフィックは『ICARUS』の魅力の1つですが、あまりの過酷さに「まだ、ここは早すぎたんだ…」とミッションを放棄したことさえあります。

なお、筆者は某国を長期旅行中にアメーバ赤痢に実際かかりましたが、外国での病は言葉にできぬほどつらい体験ですので、とにかく水にはご注意ください。(編注:日本の本州でも地域によってはエキノコックスの定着例など見られるようになったので気をつけましょう)

■マルチプレイのホストを限定しないシステムは高評価

サバイバルゲームのオンラインマルチプレイの悩みどころは「ゲームのホストを誰が担当するか」ではないでしょうか? 『Minecraft』における「Minecraft Realms」のような公式サーバホスティングサービスがあれば何の不自由も感じませんが、P2Pの場合ホストの予定次第で遊ぶ時間が決まる他、ホスト側の回線やパソコンスペックにプレイの快適さが左右されます。しかし、レンタルサーバを借りるとなると料金の負担だけでなく、参加者全員にある程度の知識が要求され「説明通り設定してるのにゲームを起動できない」「みんな接続できているのに自分だけログインできないが、原因がどこにあるのか全く探れない」問題が発生しやすいもの。

『ICARUS』はミッションを最初に選択したホストが不在でも、マルチプレイ中の他のメンバーであれば誰でもホストとしてゲームを再開可能。もちろん建築物やミッション進捗度はすべて保持されたままです。帰還までの期限に余裕さえあれば、一人でゲームを再開し、誰かフレンドが来るまでのんびり肉を焼いて待っていても問題ありません。

ホスト側に負担をかけることもなく、特別な知識も不要でいつでもマルチプレイを再開できる本システムは気楽でかなり遊びやすく、できれば他のあらゆる協力系サバイバルゲームに実装してほしいものです。

『ICARUS』はマップに時間制限つきという一風変わった作品ではありますが、PvP要素のないオープンサバイバルゲームにありがちな「環境が整いすぎてやることなくなったから全部消しちゃおう!」となる前に、システム側で「全部チャラね」と指示してくるため、より難しいミッションへ、今までとは違う自然環境で遊びたい!と飽きを感じることなくプレイし続けられる良作です。

ごく一部のミッションでは進行不能バグと思われる部分があり、フォーラムには不満の投稿もあればSteamの評価は残念ながら現状「賛否両論」ですが、筆者自身はこの原稿を書いている今も1秒でも早く『ICARUS』に戻って惑星探索にでかけたいほど楽しめました。サバイバルゲーム好きなら買って損した気分になることは、きっとないはずです。


タイトル:『ICARUS サバイブイカルス』
対応機種:PC(Windows)(Steam
発売日:2021年12月4日
記事執筆時の著者プレイ時間:14.2時間
価格:通常価格 3,090円、セール価格 2,781円(21年12月07日まで)

《稲川ゆき》

プレイのお供は柿の種派 稲川ゆき

ゲームの楽しさに目覚めたのは25歳過ぎてからの超遅咲き。人やら都市やら、何でも育て上げるシミュレーション系をこよなく愛する、のんびりゲーマーです。

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