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妖怪ネットショップ経営シム×恋愛ADV『Bunny e-Shop(小白兔電商)』中国から見た世界の空気も少し分かるかも?【中華ゲーム見聞録】

「中華ゲーム見聞録」第96回目は、ネットショップ経営シミュレーション要素もある恋愛アドベンチャーゲーム『Bunny e-Shop』(中国名『小白兔電商』)をお届けします。

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妖怪ネットショップ経営シム×恋愛ADV『Bunny e-Shop(小白兔電商)』中国から見た世界の空気も少し分かるかも?【中華ゲーム見聞録】
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中華ゲーム見聞録」第96回目は、ネットショップ経営シミュレーション要素もある恋愛アドベンチャーゲーム『Bunny e-Shop』(中国名『小白兔電商』)をお届けします。

本作は落叶島項目組, 橘子班(#workshop)が開発し、NVLMakerによって2021年11月12日にSteamで配信されました。橘子班は中国の人気恋愛ADV『高考恋愛100天』や、「中華ゲーム見聞録」第34回で取り上げた『Tiny Snow』など、多数の恋愛ADVをリリースしてきました。本作はSteamで5千人以上のユーザーからレビューされ、「圧倒的に好評」の評価を得ています。

本作の内容ですが、ただの恋愛ADVでなく、「ネットショップ経営」というシミュレーション要素も入っているとのこと。バックストーリーもなかなか壮大で、「人類が妖怪の世界に大量の資本や技術を投下し、現代化を促進させた」というものです。

やがて富を持つ妖怪が増え、人類との貿易戦争に突入します。妖怪側から低価格の商品が入ってくることに、人類側は「妖怪は人類の技術を盗んでいる!」と批判。経済制裁を始めました。まるで中国とアメリカの関係を思わせるような内容になっていますね。果たしてどんなゲームなのか、さっそくプレイしていきましょう。

フルボイスで展開されるストーリー

ゲームをスタートすると、ヒロインである兎牙の過去の回想から始まります。フルボイスですね。最近、中華ゲームはフルボイスのものが本当に増えました。数年前までは声優を雇うのにもひと苦労という状況でしたが、時代は確実に変わりましたね。

オプションメニューを見てみると、キャラクターごとに音声のオン・オフが可能になっています。画面スクロールが必要なほどボイスキャラクターがいるのがすごいですね。女性だけでなく、男性の声も充実しています。

回想シーンが終わり、場面は変わって妖怪の世界。主人公らしき謎の男が、人間界から持ってきた商品(密輸?)を無許可で売りさばいています。背後に「人間代購」の文字がありますね。中国では一時期、日本など海外の商品を代理購入するネットショップが多く見られました。結構荒稼ぎしていた人もいたようですね。

客の一人が「仙丹」を要求したところ、主人公らしき男は出し渋って値段を吊り上げました。様子からして、この世界において仙丹は、麻薬のような非合法品。交渉の末、仙丹を売ったのですが、実は警察のおとり捜査でした。そのまま捕まってしまいます。「一竜」という名前のようですね。

「どこから仙丹を手に入れた」と尋問を受ける一竜。警察は牛の妖怪のようですね。一竜は「落ちていたのを拾った」と言うものの、当然ながら警察が信用するわけがありません。

そこに現れた、小青という女性。蛇の妖怪で、一竜のことを知っているようです。どうも一竜は常習犯のようですね。「このままだと7年ぐらい牢屋に入れられるわよ」と小青に言われますが、一竜は「俺は資本家になる。資本家を育てないと、人間との貿易戦争に負ける。人間界から学んだのは官僚主義だけか?」と言い返します。

小青は一竜をオフィスへ連れていき、官営のオンラインモールを見せました。実際に中国にあるオンラインモール「淘宝(タオバオ)」みたなデザインですね。人間界の真似をして作ったものの、売上は悪く、閉鎖寸前の状態のようです。しかし小青は「妖怪界のマーケットには潜在力がある」と言い、ネットショップへの協力を条件に、釈放の約束をしてくれました。

しかし任されたのは、オンラインモール全体の管理ではなく、その中にある小さなネットショップの経営を手伝うというものでした。大金を稼ぎたかった一竜にとっては、面白い仕事ではありません。しかも給料は生活費ぐらいしか出ないとのこと。それでも釈放がかかっているので、受けざるを得ませんでした。

白ウサギのニンジン店へ!

妖怪界の経済特区である深セン市ならぬ「深淵市」。「人間界=アメリカ、妖怪界=中国」のような構図だと前述しましたが、まさにそのまんまになってきましたね。

数十年前に人間界から様々な技術や商品が入ってきて、妖怪界は発展してきました。妖怪達は金儲けに力を入れ、人間界のような豊かな暮らしを求め始めます。やがて大金を手にした資本家達が、妖怪の中からどんどん現れるようになりました。

低価格の商品が妖怪界から入ってくることに危機感を持った人間界は、「妖怪界は人間界の技術を盗んでいる」と罵り、妖怪界に対して経済制裁を始めます。これによって妖怪界は、倒産率や失業率の増加で経済危機に陥りました。しかし一竜は、「この混乱こそが一攫千金のチャンス」と考えています。新聞の写真は、もろにトランプ氏ですね。人間界の大統領だそうです。

「白ウサギのニンジン店」にたどり着きました。回想シーンに登場した少女・兎牙が店主を務めています。ウサギ村の出身で、好きな食べ物はニンジン。ウサギの妖怪のようですね。この後、主題歌とともに、オープニングムービーが流れます。

兎牙が経営するのは、ニンジンを販売するショップです。サイトを見せてもらいましたが、かなり酷い出来。しかもショップのファンは300人ほどで、ほとんどがウサギ村の住民か友人とのことです。兎牙は、朝から晩まで遊んでいるだけのようで、特にこれといった運営活動をしていません。客が集まらないのも、当たり前と言えば当たり前ですね。

いったん小青の元へ戻る一竜。兎牙のサイトが、オンラインモール内でどれぐらい人気があるのか聞いたところ、「悪くはない」との返事を貰いました。あれで悪くないのなら、他の店はかなりまずいレベルですね。兎牙の店を立て直さなければ牢獄戻りになるので、何とか頑張りましょう。

ショップを運営しよう!

一竜は、小青を連れて兎牙のショップへ向かいます。ここで店舗運営のチュートリアル。画面右に並ぶ9つのアイコンが、運営コマンドになります。宣伝をしたり、商品開発を行ったり、マーケットニュースを読んだりなどが可能。実際に色々試しながら覚えるのが一番ですね。

一竜は住む所が無いようで、ネットカフェで一泊してから、翌日また兎牙のショップにやってきました。画面のデフォルメキャラは、歩いたり、掃除をしたりと、動き回っています。最初は「宣伝活動」のコマンドしか選べないので、とりあえずこれをやってみましょう。

宣伝活動」コマンドには費用が必要なものもありますが、今は資金も無いので、無料で行えるものを選択。結果、ショップのファンが11人増えました。これで合計311人ですね。まだまだ先が長そうです。ちなみにファンの数は時間経過で減っていくこともあるので、こまめな宣伝活動が必要です。

翌日、「販売促進」コマンドを実行。特定の商品に対して、20%セールを行います。商品といっても、現在はニンジンしかありませんので、これを選択。売上がちょっとだけ上がりましたが、そもそもセールしているので利益はあまり出ませんね。

ニンジンしか売る物が無いのもどうかと思うので、「新商品の開発」コマンドを実行します。結果、研究度が20上がりました。100まで上がらないと新商品は出来ないので、これも時間が掛かりそうです。まあ、どのシミュレーションゲームでも、研究には時間が必要ですね。

ショップに商品を置ける数には上限があります。今後の商品増加を見越して、「倉庫拡張」コマンドを使ってみましょう。容量が100増加しましたが、拡張するたびにコストがどんどん増加していきますね。

週末になると、今週の評価が行われます。ファンの人数は339人まで増えましたね。店の評価は5上がって105、今週の評価はBとのことです。来週もまた頑張りましょう。

休日には、村から商品のニンジンが運び込まれます。一竜は、配達員がお化けだったことに驚きます。しかし配達員は「お化けではなく幽霊」だとのこと。違いはと言えば、「社会保険が無いのがお化けで、あるのが幽霊」だそうです。あの世も世知辛いようですね。

村からのニンジンを手に入れてご満悦の兎牙。一竜ですが、以前、しばらく人間界に住んでいたそうです。しかしグリーンカードがもらえず、さらに問題を起こして追放されたとか。兎牙は「人間界に行ってみたい」と言っていますが、一竜は人間界に良い印象を持っていないようですね。

小青の元へ報告に行く一竜。小青には「売上の悪いショップを整理する。2週間以内に10万元を稼げなければ営業停止」と言われました。果たして一竜は10万元を稼げるのか。続きはぜひ自身の手でプレイしてみてください。

テンポの良い店舗マネジメント

本作は余分なシーンも無く、テンポ良くストーリーが展開されていくため、退屈せずにゲームをどんどん進めたくなりますね。それと、「人間界=アメリカ」「妖怪界=中国」を思わせるような構図になっており、中国ゲーマーにとっては身近な話も多く、共感を得られやすい内容になっています。評価が高いのも、この辺りが影響しているのでしょう。

それと毎週の始め、経済ニュースがあります。この内容も、現実の世界情勢を取り入れたようなニュースもあって、なかなか興味深いです。「中国人から見た世界」の視点ですね。本作は、残念なことに日本語をサポートしていません。兎牙や小青以外にも癖のあるキャラクター達が登場しますので、今後日本語サポートされることがあれば、ぜひプレイしてみてください。

製品情報

『Bunny e-Shop』
開発・販売:落叶島項目組、橘子班、NVLMaker
対象OS:Windows
通常価格:1,120円
サポート言語:中国語(簡体字)
ストアページ:https://store.steampowered.com/app/1111460/Bunny_eShop/
※本記事で用いているゲームタイトルや固有名詞の一部は、技術的な制限により、簡体字・繁体字を日本の漢字に置き換えています。

■筆者紹介:渡辺仙州 主に中国ものを書いている作家。人生の理念は「知られていない面白いもの」を発掘・提供すること。歴史・シミュレーションゲーム・ボードゲーム好きで、「マイナーゲーム.com」「マイナーゲームTV」を運営中。著書に「三国志」「封神演義」「西遊記」「封魔鬼譚」(偕成社)、「文学少年と運命の書」「天邪鬼な皇子と唐の黒猫」(ポプラ社)、「三国志博奕伝」(文春文庫)など。著者Twitter「マイナーゲーム.com」Twitter

《渡辺仙州》
渡辺仙州

歴史・シミュ・ボドゲ好き 渡辺仙州

主に中国ものを書いている作家。人生の理念は「知られていない面白いもの」を発掘・提供すること。歴史・シミュレーションゲーム・ボードゲーム好きで、「マイナーゲーム.com」「マイナーゲームTV」を運営中。著書に「三国志」「封神演義」「西遊記」「封魔鬼譚」(偕成社)、「文学少年と運命の書」「天邪鬼な皇子と唐の黒猫」(ポプラ社)、「三国志博奕伝」(文春文庫)など。

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