
横スクロールのアクションやアドベンチャーみたいな外観で、プレイヤーは中世ファンタジー世界の王となって陣地を拡張し、強化異次元からやってくる脅威と戦うRaw Fury(Fury Studios)が手掛ける『Kingdom』シリーズ。その最新作『Kingdom Eighties』には驚かされました。なにせこれまでの中世ファンタジーの世界観じゃなく、なんと80年代アメリカの世界観に変わっていたのですから……!
大幅なイメージチェンジを図った本作は、はたしてこれまでのシリーズとどういう点が変わっているのでしょうか?8月6日~7日に開催された「BitSummit X-Roads」で出展されていたデモ版のプレイレポートとスタッフへのインタビューをお届けします。
馬からチャリへ。王からフードの少年へ。

『Kingdom』シリーズといえば “馬に乗って駆け抜ける王”が象徴的な存在でしょう。では80年代アメリカに舞台を変えた『Kingdom Eighties』ではどうなっているかというと……なんとフードを被った少年が、自転車に乗って陣地を行き来する形に変わっているのです。一応、フードの上に王冠も被ってはいるのですが……。

基本的なゲームプレイはシリーズならではのもの。プレイヤーが周囲を駆け回ってお金を集め、陣地を守る人間を雇い、武器を買ったりバリケードを張ったりしながら強化していく流れは踏襲しています。
ですが80年代らしさを表現するさまざまな要素が独特さを形作っています。音楽はシンセが効いたサウンドが流れていますし、ビビットな紫色が印象的なアートワークなどがこれまでのシリーズと異なる印象を生み出しています。考えてみれば「フードの少年が自転車で駆け抜ける」もスピルバーグの名作映画「E.T.」の引用ですよね。たぶん。
80年代風にした背景には、これまでのシリーズより物語性を高める意図も

この内容にあまりに驚いて、ついついブースの方に今回の80年代に変更した理由を伺うと「今回はこれまでのシリーズと比べて、ストーリーの要素を強めたものにしたい」との意図もあるとのこと。
バックストーリーとしては、町に異世界から来た脅威と対抗するために、主人公のフードの少年が周りの仲間と協力しながら立ち向かっていく……という内容なのだそう。その言葉どおり、ゲーム中で他NPCのために特定のアイテムを探してあげると、仲間になって一緒に自転車で駆けてくれる展開もあるなど、熱い展開が待ち構えていそうです。
また、本作のストーリーの空気感には、あのNetflix人気ドラマ「ストレンジャー・シングス 未知の世界」の影響もあるといいます。80年代をテーマとした作品の代表的な一作が、まさかの『Kingdom』シリーズに影響を及ぼしているというのは驚きでした。
意外な展開ながらもシリーズの遊びやすさは安定である『Kingdom Eighties』。現在、開発が進められています。