有線しか勝たん――。PCゲームを始めて以来「有線&重量級マウス」しか使ってこなかった筆者が「無線&軽量マウス」を本気で使ってみた率直レポ | Game*Spark - 国内・海外ゲーム情報サイト

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有線しか勝たん――。PCゲームを始めて以来「有線&重量級マウス」しか使ってこなかった筆者が「無線&軽量マウス」を本気で使ってみた率直レポ

重量差約2倍。重量級マウスと軽量級マウスの真骨頂を試す。

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大手ブランドから気鋭の新規メーカーまで、様々な企業が市場に参戦している「ゲーミングデバイス」。たくさんのラインナップが出揃う昨今ですが、筆者は有線愛好家です。マウスも有線、キーボードも有線、ヘッドホンも有線、ヘッドセットも有線、PCも無線LANではなく有線LAN(これを実現するためにリフォームまでしました)、ほぼ全てを有線で接続しています。我ながら病的とも感じるこのこだわりっぷりは、周囲から“有線過激派”とまで呼ばれるほどです。

「今の最新の無線LANは有線よりも速いよ?」と言われても「安定性なら有線が絶対有利だ」と返答し、「有線イヤホンなんて邪魔くさくて仕方ないでしょ」と言われても「有線ならバッテリーなんか気にする必要はない」と返してしまう――。本稿を読んだ“有線信者”“有線過激派”の方々であれば共感していただけると思いますが、有線形式のデバイスは“線が繋がっていれば動く”という安心感を与えてくれるのです。この記事を書いている今も、基本的にこのスタンスが崩れることはないのですが、以前からひとつだけ、どうしても抗いがたい魅力を感じる無線デバイスがありました。

それは、「軽量・高性能・無線」のゲーミングマウス。正確には「必要最低限のボタン、トップクラスのセンサー性能、それらをナマタマゴ1個くらいの重さで実現している機種」を指します。各メーカーから条件を満たすフラッグシップモデルが販売されていますが、そもそも筆者がなぜこれらの条件を求めるようになったのか。個人的な事柄ではありますが、順に説明したいと思います。

まずひとつめに注目する点は、「サイズ」です。筆者はPCでゲームをプレイするようになって以降、Logicool製の「G502」をずっと使用し続けています。(現在は3台目。どれも壊れたりはしていないのですが、ソールの摩耗などで買い換えています)。

愛用中のG502(3台目)

最初は「見た目がカッケェ!」という単純な理由で購入しましたが、使い込んでいく内にその多機能っぷりに惚れてしまい、もはや崇めるレベルで使い込んでいるマウスです。デバイスに詳しい方であればお分かりかもしれませんが、そうではない方に簡潔に説明するなら、「ボタンがたくさんついていて、センサーの性能もいいけど、デカくて重い」。「G502」の特徴は、これに尽きるでしょう。

この“デカい”という捉え方には個人差がありますが、少なくとも“雷電爲右エ門とタメを張れるレベルの手の大きさ”である筆者には全く問題がありません。そのデザインとロマン溢れる機能性から、PCゲームデビューと同時に購入されることの多い機種でもありますが、サイズや後述の重量の問題から、他機種へ乗り換えるユーザーも少なからずいる印象です。

続いて気にしているのは、「重さ」。これは筆者のプレイスタイルの変化と共に問題になってきました。元々トラックボーラーであった筆者はマウスを動かすことに慣れておらず、ぶっ飛んだハイセンシでPCゲームを始めました。その後、PvPのシューターをプレイするにつれ、安定性を求めると徐々にマウス感度が下がり始め、現在はタイトルごとにローセンシ~ハイセンシを使い分けています。

中でも転機となったのは『VALORANT』で、振り向きは約21cmと筆者の中では飛びぬけてローの数値です。やはり重量が重いと力が必要で、マウスを振った際のレスポンスの“ツキ”が悪いと感じることが多々あります。フリックショットなどでワンテンポ遅れ、さらに“狙った場所で止まらない”わけです。

そして重さのあるものを振り回し、マウスパッドの端まで行けばマウスを都度持ち上げることになるので、他のタイトルと比較しても『VALORANT』のプレイ時は腕や肩の疲労具合が目に見えて蓄積していました。長時間プレイをしていると、明らかにパフォーマンスが落ちてくることが体感できるのです。そのため、軽量マウスに切り替えることで「疲労の軽減」が実現できるかどうかは、ずっと気になっていた点でした。

3つめは、「無線」であること。有線を崇め、讃え、信じきっている筆者でも抗えない魅力。それは「マウスをクルクルするパフォーマンス」……というのは冗談ですが、やはり「コードレス」という一点につきます。

筆者の周囲にも有線から無線マウスに乗り換えたユーザーが何人かいますが、ほぼ全員が「もう有線マウスには戻れない」と口にしており、やはり「コードレス」であることの利便性は強いとのこと。有線派の筆者としては、自らのアイデンティティを差し出すも同然ですが、ここまで言われると、同時に「コードがなくなることにより、マウス操作にどれほどの影響があるのか」は気になるところです。

すると有線派でも無線派でもなく、それらをすべて見守る原初の存在「Logicool」からお告げ……ではなく連絡が。本稿の企画趣旨を説明すると、快くご協力をいただけることとなり、「G PRO X SUPER LIGHT」ゲーミングマウスをお借りすることに。「有線しか勝たん!で、重量級マウスを使い続けてきた筆者」が「軽量で無線のゲーミングマウス」を1週間使い続けたレポートを「NGなし」でお届けします。

G PRO X SUPER LIGHT 来宅

家の中も外も酷暑で、クーラーなしでは世界のすべてがダメージゾーンと化していたとある夏の日、その軽量マウスは宅配のお兄さんの手に抱えられて来宅しました。

12月25日の朝、真っ先にクリスマスプレゼントを開封する子供のごとく飛びついた筆者は、この時点で違和感を感じたのです。

「あれ?やたら軽くね?中身抜き取られてるんじゃね?」

筆者の表情が引きつったのか、宅配のお兄さんが怪訝な顔を見せましたが、ひとまず無事に受け取りは終了。そんな筆者の思いとは裏腹に、何重にもテープが重なり厳重に梱包された箱を開けると、市販されているものと同様のケースに入っている状態でマウスが姿を現しました。興奮を隠しきれず、すぐに手を取るわけですが、やはり違和感が手に残ります。

届いた「G PRO X SUPER LIGHT」。箱にやや傷がありますが、貸出機のためなのでご安心を

「軽くね?マウス抜き取られてるんじゃね?」

違和感は更に大きくなり、世紀末映画のゾンビのごとく押し寄せてきます。肝心の中身(マウス)がなかったらどうしよう?ひとまず連絡か?……と考えつつ、恐る恐るケースを開封しました。すると、そこにはその身を漆黒に染め上げ、淡々と電源が入るのを待ち続けているマウスの姿が。その名は「Logicool G PRO X SUPER LIGHT」。その迫力ある名前は「ゲーミングマウス高機動型後期生産タイプ(宇宙戦仕様)」ぐらいのクールな印象を与えますが、手にした段階でまず驚いたのはその重量です。

姿を現した「G PRO X SUPER LIGHT」。マジクール
形はいたって標準的。だけど超軽量というギャップに惑わされます
ホイールは肉抜き仕様
「SUPER LIGHT」の文字が。その名は飾りではありません

「これ、ガワだけで中身抜き取られてるんじゃないか?」

受け取った段階で驚き、開封して驚き、手に取った段階で驚きました。今まで重量級マウスを使い続けていた感覚が大いに影響しているのですが、“重量”が人間に与える印象の強さを改めて痛感します。

さて、この「G PRO X SUPER LIGHT」。その名が示す通り、市場で販売されているマウスの中でもかなり軽量な部類に入り、メーカー公称値は63グラム未満。あまりの軽量っぷりに「これは本当にマウスなのか???」と既成概念が揺らぐ筆者ですが、まずは本当に公称値通りのスペックなのかを確認していきます。

お借りしたこのマウスを計量したところ61グラムで、しっかりと公称値を下回っていました。いや、それにしても本当に軽い。人は感動を超えると怒り出すと言いますが、この感覚はそれに近いものがあります。続いて、サイズ感を確認していきましょう。

こうして改めて見てみると、「大きい」と言われることの多い「G502」とそれほど大きさの違いは感じられません。案外、全体的なサイズ感は双方とも近いのですが、本体の厚み(高さ)は完全に「G502」が上回ります。手の小さな方は持ち方が限定されたり、ボタンを押しにくかったりするかと思うので、これが「大きい」と言われる所以かもしれません。

サイズは意外と近いものの、「G502」は厚みが圧倒的

また、決定的な形状の差として、「G PRO X SUPER LIGHT」は“両利きで使えるマウスをベースにした右利き専用マウス”であるのに対し、「G502」は“最初から完全に右利き専用に作られているマウス”であることも挙げられるでしょう。

計測方法の都合上、ケーブルの重量が若干入っていますが、「G502」の重量は129グラム。ケーブル込みだと165グラムに達します。この時点で、「G PRO X SUPER LIGHT」は「G502」の半分以下の重量ということになります。いくら「G502」にはハリネズミのようにボタンが搭載されているとはいえ、この重量差には驚くほかありません。

実際に持ってみても、その違いは恐ろしいほど痛感できます。筆者に「ずっと重たいマウスを使い続けてきた」という前提があるとはいえ、「G PRO X SUPER LIGHT」は“まるで何も持っていない”かのような感覚。この時点では「G502の重さ」=「普通のマウスの重さ」、「G PRO X SUPERLIGHTの重さ」=「異次元の軽さ」だったわけですが、この認識が、たった一週間後に激変するとは思ってもいなかったのです。

「G PRO X SUPER LIGHT」を使ってみる

本稿ではタイトルにも記した通り、「重量級&有線のマウスを使い続けてきた筆者が、軽量&無線のマウスを使うとどうなるか」という点に焦点を当てています。「G PRO X SUPER LIGHT」の高性能っぷりはすでに多く紹介されており、マウスの詳細なスペック検証などは省きます。この点を先にご了承ください。

まずはマウスの充電から。とくに難しいことはなく、付属のケーブルを使ってUSBポートに刺せば勝手に充電が始まり、ほぼ0%の状態から2時間ほどでフルに充電されました。「無線」ということで複雑なセットアップが必要かと思いきや、付属のレシーバーをPCのUSBポートに差し込み、マウス底面のスイッチをオンにするだけで使えるようになります。このため、「有線マウス」と比較しても、使用するまでが特段難しいということはありません。

外見は至って普通のUSBレシーバー
ノートPCに装着するとこんな感じ(期間中は主にデスクトップで使用していました)。スペースはほぼ取りません

いやはや技術の進化って凄い。この後、すでにインストールされていたLogicool G製品の制御ソフトである「G HUB」でDPIなどを設定して使用準備は完了。この日から一週間、「G502」とは完全に別れを告げ、「G PRO X SUPER LIGHT」のみを使用します。

いきなりゲームプレイに入る前から、まずはブラウザ閲覧などの日常操作でマウスに「慣れて」いく段階を踏んでいきます。普段、「G502」は「DPI:1800」で使用していますが、「G PRO X SUPER LIGHT」で同じ感度(1800)だと、体感「2400」くらいで操作しているような錯覚を覚えました。この時点で、重量によるレスポンスの「ツキ」の差が体感できます。

サイドボタンはデフォルトで「進む」「戻る」が設定されていましたが、「G502」ではサイドボタン以外に「コピー」「ペースト」「アプリ起動」などを割り当てていた筆者は「存在しないボタンを押し、アレ?となる現象」に1時間ほど悩まされました。

この点は「G502」の本領発揮といったところで、その軽さで筆者の幼児退行を促進した「G PRO X SUPER LIGHT」と言えど、各アプリケーションごとに多数のボタンへフルにコマンドを割り当てまくっていた感覚を一瞬で上書きすることは難しかったようです。

ただ、ゲームをプレイせずとも、この時点でマウスの基本動作となる「動かす」「止まる」という点については、圧倒的に「G PRO X SUPER LIGHT」が上回ります。この感動を無理やり言葉で表現するなら「人馬一体」でしょうか。「マウスを握っている」ではなく「腕や手と一体化している」ような感覚。ややマニアックな例えになりますが、まるでマツダ・ロードスターのようです。振り始めのスピード、中間の滑らかさ、そして狙った場所でピタリと止まる……しっかりと意思の通りに、俊敏に動いてくれます。

車好きの筆者の例えが続き申し訳ないのですが、「G502」はハイテク装備を満載したラグジュアリーカー、その一方で「G PRO X SUPER LIGHT」はレースで勝つことだけを考えられたグループCカー……そんな感じです。マウスの場合、動力となるのはエンジンではなく人間の手ですが、同じ出力のエンジンであっても、重量(と設計)次第で運動性能は大きく変わってきます。その点、なんでもできる「G502」と、特化した「G PRO X SUPER LIGHT」は対照的な存在となっています。

正直、双方に魅力はあるのですが、少なくとも“運動性能”という点では「G PRO X SUPER LIGHT」の圧勝。「G502」が「ガッ、ガッ、ガッ……」と動くとするなら、「G PRO X SUPER LIGHT」はひたすら滑らかに動きます。これは体感や感動というレベルを遥かに超えた、異次元の体験でした。

翌日、慣らし運転も終えたところで、ゲームプレイに入っていきます。まずは、筆者がプレイしているFPS作品の中では最もプレイ時間が長い『Apex Legends』から。射撃演習場でテストしていきますが、まず取り上げたいのは、日常的な操作でもあった「同じ感度なのに1.5倍くらいに感じる」という点。普段は「DPI:1800 / 感度1.15」でプレイしていますが、体感感度が高いのです。これに「G PRO X SUPER LIGHTでシックリくる感度」も踏まえ、「DPI:1600 / 感度1.05」まで落としました。

しかし、ここで難点が。「G502」のボタンをフルに活用し、移動(W.A.S.D)以外は手元で完結するレベルだったので、キーで回復などを押すことに慣れていないのです。このままマッチングしても即死は免れないと考え、改めてキーバインドを見直し、そして実際に銃を手にして射撃を行ってみます。

「おぉ、エイムもリコイルもめっちゃやりやすい」

これには感動。緻密なコントロールが出来るとでも言うべきでしょうか。とくに横ブレが激しい「R-99」や「CAR」のリコイルコントロールが非常にやりやすく感じるのです。「R-99」は「99最強神話時代」から元々撃ちまくっていたというのもありますが、己のエイムとは思えないレーザービームのようなリコイル制御を実現でき、「これはヤバい」と思わず声が漏れるほどの変貌っぷりでした。

めちゃくちゃ撃ちやすい

そして当たらないけど持ってしまう武器ナンバーワンの「ウィングマン」。やはりこちらも当てやすさを感じます。腕全体にガッシリと力を入れ、1発1発に全力を投じなくても、スパスパとヘッドを射貫けます。相手は動かないボットとは言え、「狙いやすさ」(とくにヘッドショット)が段違いです。

この後、通常マッチに挑んだのですが、やはりエイムの面では完全に「G PRO X SUPER LIGHT」が一枚上手という印象でした。「G502」にはマウスひとつでアクションがほぼ完結するという強味がありますが、「G PRO X SUPER LIGHT」では至近距離のインファイトから中距離での削りあいまで、「あれ?もしかして上手くなった?」と錯覚するほどの「狙いやすさ」「当てやすさ」を実感します。

逆にそこまで差を感じなかったのが、200メートル~300メートル離れた場所からのスナイパースコープを用いたセンチネル、ロングボウといった実弾スナイパーライフルでの射撃。筆者の「ロングレンジでは当てられる自信がない敵には撃たない」というプレイスタイルも影響しているのでしょうが、先述したほどの影響は感じられませんでした。

ただ、同じスナイパーライフルでもチャージライフルだけは恐ろしいほどに効果を感じ、「動き回っている敵」「第2射を警戒してスプリングボック状態の敵」に対してもビシバシと当てていけます。普段はインファイト好きで、ウェポンを「AR / SG」「ウィングマン / SMG」といった構成にすることが多い筆者ですが、これを味わって以降、「バッグパックにスナイパーアモ、セル、バッテリーを大量に詰め込んでいるコンチクショウ」……ではなく、「味方のアーマーを献身的に育てるチームの守護神」プレイもいいなと思うように。時折、「回復できない……ボタンねぇじゃん!」といった「幻想のG502」が筆者の脳内に姿を見せましたが、少なくとも「余は満足である」状態でテスト終了です。

続いて『VALORANT』。個人的に、今回の検証の中では最も「差が出るだろうな」と感じていたタイトルです。なんと言ってもすでに「G502には向いていないのかも……」と感じていますし、重量のあるマウスを振り回す現状だと、疲労の蓄積具合が非常に大きいタイトルでもあります。

例によって、まずは射撃場でテスト。これまた例によって「感度高くね……?現象」が発生し、すぐさま調整した結果、「DPI:1600 / 感度0.20」から「DPI:1600 / 感度0.18」へ変更することに。元々「ヘッドショットをするための安定性」を求めて下げた結果の感度なので(その代償で右腕だけが太くなっていきます)、『Apex Legends』ほど大きな変更ではありません。

調整後、ハードモードのBOT撃ち(アーマーあり)をヴァンダルを用いて連続して行いましたが、今まで平均「16~21」程度だったスコアが「18~25」程度に向上。単純な「狙いやすさ」「止めやすさ」もありますが、ここで大きく感じたのは「マウスを左から右へと動かす動作」のやりやすさでした。

安定して20前後のスコアが出ます

すでに多く語られている内容でもあるので細かな解説は省きますが、「右利きのプレイヤーは左から右方向へ動かすマウス操作が苦手(左利きの場合はその逆)」という話題があります。筆者も例に漏れず苦手としており(とくに疲労してきた時が顕著)、柔軟性を高めるべくストレッチをやってみたり、「G502」の重量に耐えるべく、ランニング、プランク、プッシュアップ、ロードバイクとトレーニングを行ってみたりと試しましたが、劇的な改善は見られず……(普通に健康になっただけ)。

そうこうして、ひたすらBOT撃ちを繰り返し1時間が経過。「もうこんな時間か」と思った次の瞬間、スコアの「21」という数字を見て我に返ります。

「スコアが落ちてない……!」

普段であれば間違いなく腕と肩が吹き飛びそうになっている状況ですが、今回は違います。もちろん疲労はしていますが、その度合いが“ダンチ”です。マウスの重量差としては約2倍ですが、体感として、疲労の度合いは半分どころか1/4といったところ。なので『Apex Legends』と同じく、このまま通常マッチをプレイしていきます。

筆者はジェットを用いることが多いため、テストでも同じくジェットをピック。「力を使わずとも簡単に振り向ける」「緻密なコントロールがしやすい=ヘッドショットが狙いやすい」と、使用するエージェントに関係なく『Apex Legends』よりさらに大きなアドバンテージを感じます。また、ジェットはとにかく視点を動かすエージェントですが(テイルウィンドを使ったエントリー時など)、この視点移動が苦になりません。

『Apex Legends』をプレイした時にもあったことですが、「G502」の感覚が完全に消えてはいないため、感度を調整したといっても、力を入れすぎてオーバー気味にフリックをしてしまうことは起きたものの、総じて大いに満足。マウスを変えたらいきなりランクが上がる……!というわけではありませんが、「プレイング」「プレイ環境」を向上させてくれたことは間違いありません。

では続いて『Tom Clancy's The Division』。2016年に発売されたオンラインRPGシューターですが、筆者の最も好きなゲームタイトルであり、未だにプレイし続けています。中でも貧弱な装備からスタートし、極寒のニューヨークから脱出を目指す「サバイバル」は特にお気に入りのゲームモードで、今回のテストも「サバイバル」で行うことにしました。

ゲーム内屈指の強敵「ハンター」もヘッドショットで楽々撃破

さて、恒例の「感度合わせタイム」ですが、使い続ける内に「G PRO X SUPER LIGHT」の重量に慣れてきたこともあってか、今回は調整が不要でした。元々がPvEシューターであり、リコイルを長時間連続して制御するために非常に高い感度にしているので(通常の視点移動は振り向き5cm程度、照準感度は振り向き4cm程度)、「元々どのような目的でこの感度にしていたか」というのも影響してくるのかもしれません。

このままプレイを行いましたが、本作では「G PRO X SUPERLIGHT」が持つ“細やかなエイム”よりも、「G502」の持つ“手元ですべてが完結する機能性”、短期的にはプレイしやすい印象を受けます。元々かなりの高感度でプレイしており、ゲーム性も含めて先の2作ほどマウスを動かす必要がなかったため、「G502」のメリットが上回るという感じです。

ここまで1週間のテストを行い、「G PRO X SUPER LIGHT」の強みをとことん味わったところで、「G502」に持ち替えてみます。数値上、「G502」は「G PRO X SUPER LIGHT」の約2倍の重量なのは先に記しましたが、改めて持ってみると、体感としては2倍どころではなく、3倍にも4倍にも感じます。「おかえりG502!」ではなく、真っ先に「オメー重いな……」と感じてしまうほど、一週間でマウスへの「概念」が変わってしまいました。

そして、この段階で気づかされたことがもうひとつ。「コードレス」ならではの強みです。一週間で「カーソルが飛ぶ」などの現象にはまったく遭遇せず、あまりに自然に動作するので、「信頼性ってどうなんだ?」「バッテリー持ちって実際にはどうなんだ?」と疑っていた割に、すっかり忘れてしまっていました。

しかし「G502」に持ち替えた瞬間、マウスから伸びるケーブルの主張の強さが手に……ガッツリと来ます。一度「コード自体がないマウス」を使ってしまうと、たとえマウスバンジーを使っていても、本体から伸びるケーブルが「忌々しい触手」のように見えてしまう病気にかかる模様。あー!斬りたいけど斬れないッ!!

やはり適材適所なのでしょうか。「有線の方がいいもの」、「無線の方がいいもの」、「どちらも魅力があるもの」という世の理を分からされた気がしています。「しっかりとした製品」という前提はあるものの、「ゲーミングマウスは無線でもいいかもしれない…いや無線の方がいいかもしれない…」と気が揺らいだ筆者は、「G502」を脇に置き、再び「G PRO X SUPER LIGHT」を使い始めてしまいました。導入も簡単、使うのも簡単、そして文句なしに動く信頼性……と、正直ケチをつける場所が全くないのです。

「もう無線からは戻れない」や「軽量マウスはマジでイイ」という周囲の声が脳内にフラッシュバックする中、その言葉の意味を身をもって体感した筆者は、目の前の「ゲーミングマウス高機動型後期生産タイプ(宇宙戦仕様)」に完全に“理解らされた”形です。

双方があまりに対照的なマウスであり、その使用感も正反対だった……というのも大きな要因だとは思いますが(元々「有線の超軽量マウス」を使っていて、「無線の超軽量マウス」に乗り換えた……ような場合の差は今回よりも少ないものになるでしょう)、この「ゲーミングマウス」という概念がひっくり返った一週間は、人生にとって素晴らしく、ある意味で悲しくもなる期間でした。何故なら、この筆者の心を奪った「G PRO X SUPER LIGHT」に別れを告げなければならないからです。

正直このまま使い続けたいのですが……。どちらも抗いがたい魅力があって用途で使い分けたいので。返却しないとダメですか……?ダメですよねぇ。いや、誕生日が近いんですけど……ダメですよねぇ。当たり前ですね。

返却したくねぇ~~~~!!!!!!!

「G502を使っていての問題は筋肉が解決してくれる!」「G502が生産停止になったらゲームやめる!」と信じていた筆者の考えは、「G502のオルタナ」とでも言うべき存在に簡単に打ち砕かれました。

こうして「そろそろ本稿もシメだな~」と思い、ひたすらキーボードを叩いている今も、決して筆者の脳内にいる「有線過激派」が落ち着いたわけではありません。相変わらず「故障する場所が増えてる」とか「やっぱり安心感がない」とか、突如現れた目の前の脅威に対し、今まで以上に声を大きくして喚いています。

ただ、それ以上に「無線はいいぞ派」が優勢であり、筆者の心は「軽量で無線のゲーミングマウス買っちゃおうかな」とシフトしている次第。今月はすでに散財しまくってしまったのでダメそうですが、筆者の「Tier1欲しいものリスト」に「G PRO X SUPER LIGHT」が仲間入りしたことは言わずもがなでしょう。

「重たいマウスを使っている」「有線マウスを使っている」、また「機能が盛りだくさんのマウスを使っている」「シンプルなマウスを使っている」という方が読者にいらしたら、ぜひ一度「その正反対の性能を持つマウス」を使ってみることをオススメしたいです。双方の強みがより明確に分かりますし、言葉だけでは理解できない弱点も、身をもって体感することができます。

すでにデバイスを試しまくっている方も多いかと思いますが、もし「他のマウスに手を出したことがないけど、実は気になってるマウスがある……」というのであれば、ぜひ手に取ってみてください。もしかすると、概念や価値観を変える一品に出会えるかもしれません。皆様のゲームライフがより華やかになるよう祈りつつ、筆をおくことにしましょう。


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《夏上シキ》

フリーランスライター 夏上シキ

ゲームと美味しいご飯とお酒が好き。

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