今回は、Take IT Studio!が開発を手掛け、Gaming FactoryとUltimate Games S.A.から発売されたPC向けソフト『Electrician Simulator』。本作は、さまざまな電化製品を修理したり、顧客の依頼通りに配線敷設したりする電気技師シミュレーターです。
実は僕、5年ほど前まで電気工事士として、工場や設備内でぶっといケーブルを切ったり繋いだりしていました。今回プレイするのが電気技師シミュレーターということもあり、前職の経験を活かすチャンス……なんですけど、5年も前のことなんで、実は電気関係の知識はもう半分以上消え失せちゃっています。
そんな中途半端な知識しか持たない元電気工事士が、5年前を思い出しながら電気技師シミュレーターに挑みます!
おじさん電気店、開店!……するも感電!
社名を「おじさん電気」にしてロゴを設定したら、さっさと仕事だ。
これから僕は、机の上のPCを使ってお客さんからの依頼に応えていくことになるのだが、初回は、VRを使った電気技師検定を受講するようだな。まあ余裕だろう。
早速現場だ。VRだから仮想現実だけど。
なるほど、画面左上に表示されている作業内容に沿って仕事をしていくんだな。かんたんかんたん。
この現場では、電球の交換と2つのスイッチの修理を行う。
……といっても、特に難しい操作はない。
電球の場合は、対象を選択して新品の電球をマウスでクリックして替えるだけだ。
スイッチの修理は、ネジを外してカバーを取り外し、壁から出ている電線を機器に繋ぐだけ。間違えた場所に接続した時は、アイコンが赤くなるのでひと目でわかる。こりゃリアルな電気知識は不要だったな。
さて、残りの一本を繋げば修理は終了……
って、ブレーカー落とし忘れた!そう、作業前にブレーカーを落とさないと感電してしまうのだ!電気工事の基本だね。
その後、別のスイッチの電線も繋ぎ、全てのタスクが終了した。
会社に戻ると新しい依頼メールが届いていた。次からは本番だし、身を引き締めねば!
ふむふむ、最初の依頼は電球の交換とスイッチの修理か。さっき覚えたばかりの作業だな!
電球はサクッと取り替え終えたので、次はスイッチの電線のつなぎ直しだ。
ちなみに、リアルで同じことをするには電気工事士の資格が必要なので、無資格の人は、絶対に電線には触ってはいけないぞ。
って、元プロっぽいこといったけど、今じゃ僕も自信ないし触らないかな……。
さあ、残りの線も繋いで……。
リアル電気工事士なのに、まさかの感電2回目!
あ、感電し過ぎて実績が解除されたわ。
全ての仕事を終えると、依頼料と経験値が手に入った。
レベルが上がると、購入可能な電気機器や工具が増えていく。
もうちょっとお金が溜まったら新しいドライバーを買おうかな~!
おじさん電気は家電の修理も受け付けています!
次は、なんとゲーム機関連の依頼だ。こういった機器類の仕事もあるんだな。
少年が祖父の家で見つけたゲーム機のコントローラーが動作しないらしい。これを修理するってことか。
機器類の修理は会社の作業場で行う。
まずはバラバラに分解して、どのパーツが故障の原因なのかを突き止めるのだ。
マウスカーソルを合わせてクリックするだけでパーツが簡単に取り外せるのは気持ちが良いな~。
ちなみに、ドライバーで外したネジは、箱の中に自動で保管してくれる。
僕は、リアルで機器を分解する時、よくネジを無くしたり、組み直した時にネジを余らせたりしているのでホント助かる……!
全てのパーツを外したあとは、どのパーツが故障しているのかをテスターで検査する。これも、パーツをクリックするだけの簡単な作業だ。
検査の結果、バッテリーの故障が判明したので、新品のバッテリーを購入して交換する。あとは分解の時とは逆にコントローラーを組み上げて、動作テストでキチンと動けば修理完了だ!
少年が喜んでくれるといいな。なけなしのお小遣いを使って修理の依頼をしてくれるなんて、胸が熱くなるってもんだ。
工賃はしっかりいただくけどね。
新しい作業の前にVRで予習!これで本番ばっちり!
いくつかの依頼をこなすと、またVR検定のお知らせが届いた。
VR検定は全部で4回あり、ゲームの進行に合わせて作業の内容が複雑になっていく。新しい作業のチュートリアルステージみたいなものだな。
今回は、ブレーカーとスイッチ、電灯をケーブルで繋ぐ作業だ。
まずは、大本であるブレーカーとスイッチをケーブルで繋ぐ。そして、スイッチと電灯を繋げれば、“スイッチを押すと電灯が点く配線”の完成だ。
スイッチの修理と同じく、接続する場所にはアイコンが表示されている。正しく繋ぐと、アイコンの表示が白くなるぞ。わかりやすいな~。
ケーブルを目立たせないように、天井や壁の端に沿わせたり、まっすぐ綺麗に配線したりすると見栄えが良くなる。
まあ、接続場所さえ間違っていなければ、どんな配線でもOKだ。
こんなのリアルでやったら怒られるけどね!泥棒対策も電気技師の仕事?まあ楽しいけど!
トースターやヘッドフォンなどの電化製品を修理したし、建設途中の家屋のケーブル敷設工事なんかもやった。
さまざまな現場を経て、僕の電気技師としてのレベルが上がってきたんじゃないかな!
まあどんなにレベルが上がっても、クソ配線はやめられないけどね。
次の依頼は、過去に電灯の増設を依頼してきたガスパーさんか。
依頼内容は、「家にはそんなに居ないのに、超高額な電気代を請求されたので、電気関係の不備がないか調べてほしい」とのこと。
ガスパー宅に行ってみると……ガレージの壁に巨大な穴を発見!?
ガスパー宅のブレーカーから伸びたケーブルは、お隣さんの敷地に向かって伸びている。って、もしかして盗電されてる?
お隣さんの家にはブレーカーが存在していないらしく、家中の電気をガスパー宅からパクっていたようだ。お隣さん、豪胆過ぎるだろ。
会社に帰ると、またガスパーさんからの依頼メールが届いていた。
今度は、「隣人が夜勤で家にいない間に不法侵入して、全てのランプのプラグを引っこ抜いてくれ!」といった依頼だ。
それって、不法侵入の上に器物損壊の犯罪行為なんじゃ……と思ったけど、なんでもやるのがおじさん電気のモットーだ。
例のガスパー宅の穴から、お隣さんちに無事侵入成功。
依頼では「プラグを抜く」と書いてあったので、コンセントを外すくらいのイメージだったんだけど……えっ、敷設されているケーブルを全て引っ剥がすの?普段は、お客さんに電気を届けるため、真心込めて敷設しているのに、今日はケーブルを自ら引っ剥がすの?
そんなの……そんなの……
楽しいに決まってるじゃん!
6時間ほどでクリアできました。依頼は全部で29件あり、1つの依頼は10分ほどで終わります。
シミュレーターというジャンルは、どうしてもリアルさを追求するあまりに操作が複雑だったり、システムを理解するのに時間がかかったりするイメージが強いのですが、本作では、難しい専門的な作業は取っ払われており、配線や機器の取り付けなど、電気工事の楽しい部分だけが上手く抽出されていたように感じました。電気的な事前知識は一切必要なく、“ブレーカーを切ったら電気が止まる”とか“通電している配線に触るとビリビリする”程度のことがわかっていれば、十分楽しめます。
惜しむらくは、ボリュームが少なめなことと、テキストの意味がわかりにくい箇所がいくつかあったことですね。ボリュームについては、今後のアップデートで新たな依頼が追加されることを期待しています。
『Electrician Simulator』は、PCを対象に配信中です。
吉田輝和のプロフィール:自画像の絵日記を20年以上書き続けている謎のおじさん。近年、「先輩がうざい後輩の話(一迅社)」や「吸血鬼すぐ死ぬ(秋田書店)」、「からかい上手の高木さん(小学館)」などの人気漫画のモブキャラとして登場している。何故こんなに漫画に登場しているのか、描いた漫画家も吉田本人もよくわからないらしい。吉田輝和個人のTwitterはこちら。