検証!7万円で買った「中華ゲーミングミニPC」は本当に“ゲーミング”なのか?【年末年始特集】 2ページ目 | Game*Spark - 国内・海外ゲーム情報サイト

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検証!7万円で買った「中華ゲーミングミニPC」は本当に“ゲーミング”なのか?【年末年始特集】

令和最新式のヤバイ奴!?

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そうして注文したのはよいのですが、到着予定日に物がちゃんと届くなんてことがないのはいつものことで、今回は無事に2週間程度遅れて製品が到着しました。

段ボール箱に入ってくるかと思ってましたが、なかなかの簡易包装です。梱包を解いていきます。

気持ち程度の緩衝材。左側の怪しい膨らみには……

中華ガジェット愛好家にはお馴染みの変換プラグがついてます。

そして「軽くぶつけた」程度では絶対に起こらないであろう傷。

マニュアルは中国語と英語のみです。

内容物は本体、電源ケーブル、ACアダプター、HDMIケーブル、VESAマウントプレートでした。Windowsの初期言語が日本語設定になっていないので、そこだけ変更すれば快適に使用出来ました。ファンの音は頑張ってる感があって少し気になります。

中華製品は平気で嘘をつくこともあるので、まずはスペックの確認です。サイトでの記載は以下のようになっていました。

ではCPU-Zで確認していきます。

パーツ構成に嘘は無さそうです。

スロット構成もサイト記載の通りですね。

ただ、筆者購入時には2.5インチSATA SSDを増設出来る空きスロットが1つあると記載がありましたが、ケースを開けてみると実際には空きスロットはありませんでした(サイトはその後こっそり修正済み)。

それでは早速その「ゲーミング」っぷりを検証していきます。ハードとしての基礎体力はそれなりと思いますので、CPU内臓GPUの「Intel Iris Xe グラフィックス」がどこまで戦えるのか?といったところでしょうか。ちなみに販売サイトでは目安として以下のように謳っています。

2022年発売の「ゲーミングPC」としてこのラインナップはどうなんだろうか……と言うことは一旦置いておいて、軽いソフトはきっちり動きますよと言った感じでしょうか?

そもそも何をもって「ゲーミングPC」というのかは「焼肉一人前」と同じくらい明確な基準はなく、フリマサイト等では「『フォートナイト』が遊べる!」を売り文句にしてる、ちょっと首をかしげるようなスペックの「ゲーミング」を名乗るPCが散見されたりしています。なのでここでは色々なベンチマークソフトや、実際にゲームをプレイして確認していきましょう。

ゲームプレイでの検証に先だっての説明になるのですが、筆者は前述の通り普段はPCではゲームをしていません。また、今回検証に使用したゲームソフトについては家庭用ゲーム機でもプレイしていないものが多くを占めることや、そもそも対戦系のタイトルは基本的にプレイしない為、「動く」と「遊べる」と「戦える」のレベル区分に曖昧な部分があることはご留意願います。

それではまずはサイトに記載のある『リーグ・オブ・レジェンド』を動かしてみます。FPS等の測定には「CapFrameX」を使用し、測定時間は60秒。近しい状況で複数回測定した結果から、中心値に近いと思われるデータを紹介しています(以下ソフトも同じ)。

多くを望んではいけないような予感もするので、最初から低スペックモードはONで見てみましょう。

最高値(棒グラフ最上段)は「140fps出ますよ!」の記載に近いものがありますが、やはり盛った感はありますね。ただ、ゲームプレイに関してはストレスは全く感じませんでした。

次は『オーバーウォッチ 2』です。

こちらも低め設定で確認します。AI相手のトレーニング、スカーミッシュで交戦が激しいと思われるシーンでの測定です。

遊んでいても、なんとなく「ゲーム出来てる感」はあります。しかし対戦ゲームとして平均60fpsを切っているというのはどうなんでしょう?

次はベンチマークソフトでの確認として「ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ ベンチマーク」。こちらはデフォルトの標準品質で確認します。

なるほど、普通。グラフィックボードを積んでないPCとしては頑張ってるとも言えるのかもしれないですし「PS5よりお高いマシンでこの程度か?」とも言えるかもしれません。『FF14』が動くなら、次は調子に乗って「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION ベンチマーク」も試してみましょう。

やはり限界はありますね。動きもカクカクです。最低品質でも確認してみましたが、結果はあまり変わりませんでした。

PS4レベルのソフトとして、更に『ボーダーランズ3』も動かしてみます。こちらもほぼ最低品質での確認です。

残念ながら「遊べる」レベルではなくなってしまいました。このあたりが限界のようです。

最後に3DMARKのスコアを見てみましょう。「FIRE STRIKE」で確認しています。

CPUのスコアはそれなりに出てますが、やはりグラフィックが厳しいですね。トータルスコアもちょっと悲しいところにいます。

ここまで確認した内容では「ゲーミングPC」としては「ちょっとしたゲームなら出来るけどそれなりの重たいゲームには手も足も出ないよ」と言ったところです。ゲームをしなければ何の問題もないハイスペックミニPCなんですが、それならば2万円程度のミニPCで満足出来てしまうであろうことを考えると、サマルトリアの王子的中途半端さは否めません。

なら、筆者はまた失敗したのか?そう考えるのは早計です。ここまでは予想通りです。筆者の狙いはこの先にありました。このPCの購入の決め手となったのはThunderbolt 4端子の存在と前述しましたが、それは購入当時「GPU以外のスペックが高く見えるこのPCに、いつか世間のGPU価格が下がった時にそれなりのものを外部接続すれば、トータルとして安価にそこそこのゲーミングPCが完成するのではないか?」と考えたためです。

そして、その時が来ました。昨今のGPU価格の暴落。かなり安価に中古のRTX3070を入手した今こそ、このPCが完成する時なのです。中古のGPUなんていう、どれだけマイニングで酷使されたのかわからないような危ないものにとても手を出せないという意見もあるかと思いますが、そもそもそんな冷静な判断が出来るような人間ならば、最初から中華ゲーミングミニPCなんて買ってないです。

ここまで使用した総金額としては「グラボ暴騰期のRyzen 5にGeForce GTX 1660 SUPERを積んだPC」程度なので、狙い通りに働いてくれればある意味勝利です。では完成した「中華ミニゲーミングPCカスタム」の性能をチェックしてみましょう。

まずはノーマル仕様ではゲームにならなかった『ボーダーランズ3』です。

プレイフィールとしては快適に動作してくれました。幸先よい出だしです。次は同様に手も足も出なかった「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION ベンチマーク」です。

同条件でかなりのスコアUPですね。

4K高品質でも「やや快適」のスコアとなりました。これは感慨深いです。要求スペックの高めの『Halo Infinite』も確認しましょう。

こちらもちゃんと動いてくれてます。ちゃんと対戦するにはもっと欲しいところなのかもしれませんが、トレーニングを触ってる限りでは気になる場面はありませんでした。

それでは3DMARKのスコアも比較してみます。

当たり前の話ですが、グラフィック関連のスコアがかなり改善されましたね。個人的には満足いくスコアが出ています。今回は狙い通りのいい結果に……と言いたかったのですが、もう一度CapFrameXを見てみましょう。

CPU温度が高すぎですね。サーマルスロットリング全開で動いてる状況に見えます。

設計的に排熱が弱いのか、そもそもそこまで酷使される想定でないのか……ノーマル仕様時にもCPUが熱を持ちやすい傾向はあるんですが、3070接続時はほぼ常時90度前後になってます。かなり不安ですね。設定でどこまで折り合い付けられるかは、もう少し叩いてみようかと思います。



さて、本製品の「ゲーミング」っぷりの検証を進めて来ましたが、残念ながらミニPCとゲームの相性はそれほど良くないようです。しかしながら、「ゲーミング」の部分に目をつぶれば用途によってはコストパフォーマンスは悪くない製品であることも間違いないと思います。思えなくもない。思いたい。

筆者が購入したPCは完売となってますが、現在ほぼ同等スペックでファンレスタイプのNVISENFU01が販売中です。ファンレスということもあってか製品名から「ゲーミング」の文字はなくなっています。

Banggoodはしょっちゅう割引クーポンが発行されるので、クーポン利用すれば490ドルで購入出来るようです。興味ある方、セカンドマシンに如何でしょうか?


《YOSHI》
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