ゾンビ物のサバイバルゲームと言えば何を思い浮かべるでしょうか?ゾンビに溢れたポストアポカリプスの7日間を生きる『7 Days to Die』やMMO要素を加えて大ヒットを記録した『DayZ』を筆頭に、無料でプレイできる『Unturned』など数々の名作がひしめく本ジャンル。ゾンビゲーの金字塔『バイオハザード』シリーズもクラフト要素等を見ればサバイバルゲームと言えるかもしれませんし、世界で一番遊ばれているゲーム『マインクラフト』もサバイバルの側面が強いながら初プレイ時のゾンビに囲まれた夜を過ごす緊張感はまさしくこのジャンルのゲームに求められるものに感じられます。
本稿では前に挙げた中では『マインクラフト』しかプレイしたことがないゾンビサバイバル初心者の筆者が、そんな群雄割拠の本ジャンルに早期アクセスで果敢に殴り込むインディーズゲーム『Junk Survivor』のプレイレポートをお届けしていきます。
活発で無いゾンビで初心者でも安心プレイ!?UIの親切さも光る
本作は科学者が不死の技術を完成させるもその最初の実験が死者を用いて行われたために、ゾンビで埋め尽くされ荒廃した世界を生き抜くオープンワールドサバイバルゲームです。プレイヤーは自然や打ち捨てられた街から物資を集め、クラフトや建築を駆使して生き延び、ゾンビに立ち向かいます。元々はマルチプレイを想定して開発されている様ですが、早期アクセス版ではまだ実装されておらず、シングルプレイとなっています。また、日本語はサポートされていません。
ゲームを始めるとまずは初期スキルポイントの割り振りを要求されます。今回はクラフト要素が重要であると睨み、素材入手効率が上がるという知性にポイントを割り振ることにしました。ポイント割り振りと名前の設定が終わると、特に説明もなく世界に放り込まれます。
ソンビサバイバル初心者の筆者はいつゾンビが襲ってくるかとひやひやしましたが、どうやらこの世界のゾンビはそこまでアグレッシブではない様子。手始めに『マイクラ』よろしく木を殴ってみると木材と繊維を採取するできました。
本作の特筆すべき評価点はUIにあります。クラフト画面の開き方なども特に学んでいませんが右下の鞄マークに添えられたTABの文字からTABキーでインベントリが開けることはすぐにわかり、繊維から布を作成、木材と組み合わせて木斧の作成に漕ぎつけました。
斧で木材の入手効率が上がって木には困らなくなったところで建築に挑戦することにしました。繊維30個から作れる建築計画書を作成して装備し、まずは簡単な囲いを作ろうと画策。木壁の建築を試みましたがそのままの設置はどうやら不可能な様子で、いろいろと試行錯誤するうちに基礎を建ててからでないと壁や屋根は設置できないことがわかりました。
木材の重要さがわかったところでいよいよ夜がやってきます。『マイクラ』での経験から急いで囲いを完成させて備えましたが、夜になっても特に敵が増えたり活発になるということはありませんでした。とはいえやはり夜は新米サバイバーに牙をむき、著しく悪くなった視界の影響で高所からの落下を繰り返した筆者は初めての死を迎えました。
本作は死んでもすぐにすべてを失うということは無く、死した場所に以前の持ち物が残されるようになっています。さらに親切なことに死亡場所がアイコンで画面上に表示されるようになるため、回収もかなり容易に思えました。
いざゾンビとお手合わせ!動きは速いが大きな弱点が…
一夜明け少し探索範囲を拡大した折に街を発見します。もともと人が多かった場所である名残か、ゾンビの集団が遠くからでもちらほら確認でき探索は一筋縄ではいかないように思えましたが、意を決して侵入を決意します。覚えた建築技術で屋根を伝った侵入経路を作成しいざ街の中へ。ついにゾンビとの接触に挑みました。
手始めに一人で行動するはぐれゾンビに狙いを定め背後から殴り掛かります。しかし今まで寛容なふるまいを見せていてもそこはやはりゾンビ。こちらが殴れる距離に近づくより先に振り返って猛スピードで距離を詰められ、手痛い一撃を受けました。しかしそれに慄いて距離を取った所ゾンビは一定のエリアを離れると感知できないことが判明。そのエリア境界を出たり入ったりするだけで難なく攻略できてしまいました。
初コンタクトを成功させて気をよくし、つぎは3人の集団ゾンビとの戦いに挑みます。ここでは建築を利用してギリギリ通れない程度の隙間を開けた小屋を作成。その隙間へゾンビを引き付けてたこ殴りにする作戦です。こちらの通常移動よりも素早いゾンビの動きに苦戦しながらも作戦は見事成功!小屋に入って以降は楽々処理できました。
以降、一度乾き死にしたことを除いて特に苦戦することもなく探索を続けていると、トレーダーキャンプを発見。ここでは倒したゾンビが時々持っている通貨を利用して設計図やクラフト素材が交換できました。中には車のパーツを取り扱うトレーダもいましたがその価格はなかなかで、完成にはかなりのやり込みが必要なようです。
既に成熟したジャンルだけに現状では力不足か
以上のように本作はゾンビサバイバル初心者の筆者でも気負うことなくプレイできる難度で、個人的には思っていた以上に楽しめました。一方でそれはジャンルに熟達しているプレイヤーには物足りなく思えるとも捉えられ、事実筆者自身も、車の完成まではかなりの単調な作業になることを感じてゲームを切り上げています。
また、コンテンツの充実度についても、マップが簡単に端から端まで到達できるほど狭いことや、敵にバリエーションがないことなどまだまだ足りないと感じる部分が多い印象を受けました。比較的充実しているように思える建築要素も、ゾンビの行動制限や夜の襲撃がないことなどからゲームにおける有用性が限定され、必要性が薄れているのが現状です。
さらに、グラフィック等を見てもアセットの使用が強く感じさせられ、現時点では魅力的とは言えません。同価格帯や無料のゲームにヒット作が存在するジャンルの作品としてはどうしても見劣りしてしまいます。
とはいえ本作は早期アクセスのゲームであることを考えれば初心者でもわかりやすいUIや最低限のゲームシステムは担保されているのは評価点と言えます。まだまだ粗が目立つことは前提として捉えて今後に目を向ければ、マルチプレイの実装や更なるマップの拡張、電気的システムを含むクラフトの追加やクエストの設置等魅力的な要素の追加予定がアナウンスされており、ここから大きく化ける可能性に期待してもいいのかもしれません。
スパ君の一言
偉大な先達の存在を考えるとどうしても見劣りしてしまうのが現状といったところスパ…。今後の大化けに期待したいスパね。
タイトル:Junk Survivor
対応機種:PC(Steam)
記事におけるプレイ機種:PC
発売日:2023年4月28日
著者プレイ時間:2時間
サブスク配信有無:無
価格:1,900円
※製品情報は記事執筆時点のもの