
2月15日(土)と2月16日(日)に浜松町で行われたインディーゲームの展示会「東京ゲームダンジョン7」にて『TIMEMOON』を試遊させていただきました。
本作は月面都市を舞台に、時間遡行サービスを提供するタクシー会社「ムーン交通」の運転手となって、お客さんを正しい時間へと案内するSFADVです。

ゲームを始めると、運転手であるクラーク(※名前は変更可)のもとに知らせが届きます。母親が危篤であり、葬儀の準備をしなければならないということでした。葬儀は5日後ですが、この月面都市シルバードーンでは、市民はランク付けされており、主人公のランクでは到底葬儀を執り行うことができないようです。
葬儀を諦めようとするクラークですが、そこに彼が運転するタクシーのAIであるカレルが口を挟んできます。カレル曰く、先日起きた大統領暗殺事件の解決に貢献できれば、市民ランクを上げることも可能ではないか……ということでした。クラークは彼の話に乗り、大統領暗殺事件を調査するため、お客から話を引き出すことにしました。

ということで、早速乗ってきた一人目のお客は、保険会社ライフ・アンド・カンパニーのCEOラ・ウィルソン。いかにもやり手の企業家といった感じです。$というマークがついたスーツがいやらしすぎて面白いです。
とにかく時間に追われている彼は、一週間前に戻ってプレゼンの資料を作成したいとのこと。しかしここでクラークは、既婚者である彼が結婚指輪をしていないことに気づきます。

どうやら結婚指輪は二週間前に失くしてしまったようですが、それよりもプレゼンのほうが大事だと豪語する彼。ここで分岐が挟まります。一週間前に戻り、プレゼンを優先するか?それとも二週間前に戻り、結婚指輪を見つけるべきなのか? プレイヤーであるクラークは好きなほうを選ぶことができます。
筆者はここで結婚指輪を選びました。専用のカットイン演出が入り、かっこよく時間遡行を行います。

二週間前に戻ったことに対して彼は少し怒りましたが、観念してタクシーから降りていきました。帰り際に名刺すらくれて「君の力になろう」とまで言ってくれます。
こういった具合に、お客にどう対応したかによって、報酬額と市民ランクに増減があります。今回は5ポイントもらえたので8ポイントまでランクが上がりましたが、葬儀に必要なのは50ポイント……。まだまだ先は長そうです。

ちなみにクラークの取った選択はニュースに反映されます。ライフ・アンド・カンパニーの株価は下がりましたが、彼は何故か満足げな表情を浮かべていたそうです。
本作はお客の「オモテ」と「ウラ」を見極め、本当の目的地へと届けてあげるのが重要なようです。これぞADVの醍醐味ですね。

次に乗ってきたお客は、時間遡行技術「タイムムーン」の生みの親である「Dr.ウィンター」。彼女は「正しく運用されているか確かめたい」と言いますが、どうも嘘くさい気がします。案の定、彼女は体中に貼っているメモの一枚を剥がし、こちらに見せてきました。そこには“この会話は盗聴されている”……!?
この後も、ラ・ウィルソンから受け取った名刺を巡り、ひとつの山場がありました。徐々に大統領暗殺事件へとつながっていくミステリーの空気も存分に感じられるビルドであり、発売が待ち遠しくなりました。

選択と分岐の大事さを前面に出した、非常にオーソドックスなADVでありながら、タクシーの車内という限定されたシチュエーションがとてもユニークです。緻密なドット絵も美しく、かっこいいカット絵が何枚も挟まるのもリッチで良いですね。
『TIMEMOON』はまだ発売日や価格は決まっていないので、今のうちにウィッシュリストに登録しておきましょう!











