Serafini Productionsが開発し、SHOCHIKU GAMESがパブリッシングを行う一人称視点ホラーアドベンチャーのシリーズ最新作『BrokenLore: UNFOLLOW』が、9月25日から9月28日まで開催中の「東京ゲームショウ2025」に出展しています。
本記事では、2023年に配信された体験版から、より進化した本作の試遊レポートとインタビューをあわせてお届けします。本作の重要な登場人物であるインフルエンサーのAkidearestさんと、『BrokenLore』シリーズを開発するセバスティアーノさんにお話を伺いました。
◆体験版よりリッチに進化した試遊版
ブースでの試遊版は、主にSteamにて配信された体験版にてプレイできるシーケンスと同じです。しかし、だからこそグラフィック面での進化に注目できます。
アイテムやクリーチャーのテクスチャはよりリッチに仕上げられており、本作の恐ろしさをより強く演出。一方で、ライティングにおいても調整がなされており、画面全体がより見やすく。移動速度においてもよりスピーディーになっており、プレイしやすい作りに仕上げられていました。

また、体験版にはなかった要素も追加されています。試遊版では、画面右下にて主人公である「アン」のフォロワーの増減が確認できるのです。
なんとこのフォロワー数、プレイヤーの行動やプレイングによってリアルタイムに変化。アイテムにインタラクトしたり、例えばネコなどに視点を向けるとフォロワー数が如実に増加。しかし、クリーチャーとの追いかけっこで詰まったり、ダレたプレイングをしていたりすると、フォロワー数はどんどん減っていきます。
「インフルエンサーの恐怖」をテーマにした本作ならではの仕組みと言えるでしょう。
ちなみにセバスティアーノさんによると、本作の開発はほとんど終了しており、現在はローカライズの作業を進めているとのこと。リリースについても期待できそうです。
◆Akidearestさんにインタビュー!
続いて、インフルエンサーとして活動するAkidearestさんと、本作を開発したセバスティアーノさんにお話を伺いました。

――まずは、Akiさんの自己紹介をお願いしたいです。
Akidearest(以下、Akiさん): Akiです。私はAkidearestというチャンネル名でYouTuberをしています。アニメやオタク文化についてのコンテンツをたくさん作ってきました。しかし、今は日本文化について、日本語について考える動画を投稿しています。
――動画をチェックしたところ、非常に面白かったです。『BrokenLore: UNFOLLOW』にはどのようにして関わることになったのでしょうか?
Akiさん:ゲームの制作前からセバスティアーノとは友達でした。彼は、私がコンテンツクリエイターだと知っていました。きっと私がSNSやクリエイターとして抱えてきた悩みをシェアしてきた過去も含めて、この作品に私を入れてくれたのだと思います。
――なるほど。本作のテーマはインフルエンサーに焦点を当てていますよね。主人公はSNS上での匿名の人々からのいじめや攻撃に苦しんでいます。現実の世界でもこうした問題は深刻化しているように思います。Xやインスタグラムのようなソーシャルメディアの現状について、どう思われますか?
Akiさん:SNSは良い面も悪い面もあると思います。人と繋がったり、自分を表現したりする素晴らしいツールですが、その一方で憎しみや嫉妬を増幅させてしまう部分もある。私たちはまだそのバランスの取り方を模索している時代に生きていると思います。

――確かにそうですよね。インフルエンサーだけでなく、一般の人を見る視線もすごく怖くなっていると思います。それが本作に強く現れてるかなと思うのですけれども、そういったテーマの着想について、セバスティアーノさんは、Akiさんのようなお友達からこういったインスピレーションを受けたのでしょうか?
セバスティアーノさん:インフルエンサーの悩みは無視されていると思います。外から見ると、みんな楽しそうで、お金もたくさんもらって、たくさんのフォロワーがいて、みんな好かれてると思われるんですけれど、それには実際、結構な悩みがある。
やっぱりこういうテーマとだからこそ、インフルエンサーから話も聞いて、インフルエンサー自身に出演してもらって、もっとリアルにしようと思いました。ゲームと現実世界との区別がつかないぐらい紙一重に近づいてくるのが、本作の恐ろしいところです。
一方で、YouTuberのファンたちでも、YouTuber本人との軽い交流で「自分はインフルエンサーと仲が良い!」と勘違いしてしまう人もいます。例えば「いいね」とかつけただけですごい仲良く感じちゃうとか、1、2回メッセージを交換しただけで仲良くなれたと勘違いしてしまうとか。
本作の主人公であるアンも、ゲーム内に登場するAkiとの交流で勘違いをしてしまうシーケンスがあります。

――主人公のアンについて、Akiさんにお聞きしたいです。アンは家族との不和や友人関係のトラブル、そして摂食障害とも向き合っています。多くのプレイヤーが共感できる問題ですが、このゲームでは異様で不気味なクリーチャーとして表現されていますよね。こうした問題をゲームプレイを通じて表現することについてどう思われましたか?
Akiさん:ゲームは、他の人の立場や物語を体験できる素晴らしい手段です。これまでにも、他人の抱える苦しみを理解する助けになるゲームは数多くありました。この作品もまた、そのような葛藤をうまく描き出していると思います。
――摂食障害について、詳しくセバスティアーノさんにお聞きしたいです。体験版では食べ物のアイテムを取得すると、アイテム名と同時に摂取カロリーが表示されます。すごいシステムだと思いました。
セバスティアーノさん:どうして食べ物を手に取った時にカロリーが出てくるのか? それは摂取カロリーのことをどんな時でも考えなければならない人がいるからでしょう。カロリーが表示されるゲームはほとんどないですよね。本作だからこそ出てくる。
――体験版をプレイした後、アンの苦しみは“他人の視線”によって形作られているように感じました。Akiさんはインフルエンサーとして、常に見られているという重圧を感じることはありますか?
Akiさん:コンテンツクリエイターでいることは、常に地雷原を歩いているようなものです。ちょっとしたミスが一瞬で大きな問題になってしまう。ガラスの家に住んでいて、いつ壊れるかわからない感覚を味わったこともあります。
それでも、私を支えてくれる人たちがいて、なぜこの仕事をしているのか、なぜコンテンツを作るのが好きなのかを思い出させてくれる。そのおかげで、苦労を通して“忍耐”や“強さ”を学ぶことができたし、今もまだ学んでいる最中です。

――大変なことですよね……。本作ではインフルエンサーとして良い振る舞いをしないと、フォロワー数がどんどん減っていきます。Akiさんは実際にYouTuberとして活動して、そうした焦りを感じたことはありましたか?
Akiさん: 活動をスタートした頃は多かったですね。最初の頃はやっぱりちょっと注意とか心配したりして。今はもうチャンネルを始めて12年目なので、そうしたことは少なくなりました。
でも、そういった戦いを通して、フォロワーの数よりも自分の人生の方が大事だと学びました。“There is more to life.” 人生には大事なものがもっとある。自分にフォーカスしたとき、もっと素晴らしい世界が現れてくるんです。
――素晴らしい価値観だと思います。やっぱりそれが大事ですよね。主人公アンの親友であるグレイスについても、セバスティアーノさんにお聞きしたいです。
セバスティアーノさん:グレイスはとても重要なキャラクターです。ジョッシュやカミラなど、他にもキャラクターは登場します。そういった人との繋がりというのが、いわゆるネットの向こうでの繋がり、ソーシャルメディアでの繋がりとは別ですごく重要です。
そんな友達がYouTuberになってしまうと、最初は親友を大事にしていたはずなのに、会うたびに一緒に動画を撮ったりするから、すごくストレスが溜まっていっちゃうんです。もともと友達だったのに、相手のプライベートや感情は大事にしない。だから、どんどん関係が悪くなっちゃう場合もあるみたいです。
友達だけじゃなく、パートナーもそうだし。アンは自分自身のことにずっと焦点を当てているから、アンはグレイスとの友情を失ってしまうんです。皮肉ですよね。

――なるほど。今後のストーリー展開にも期待できそうです。話を変えまして、Akiさんは現在日本にお住まいだと伺いました。好きな日本食を教えていただけますか?
Akiさん:一番好きな日本食はうなぎ丼です。あまり外国人が一番に挙げる料理ではないかもしれませんが、私にとってうなぎは“海のバーベキュー”みたいな存在です。
――海のバーベキュー!ユニークな例えです。YouTubeチャンネルではアニメやマンガだけでなく、日本の文化や習慣についても発信されていますよね。日本文化に興味を持ったきっかけは何ですか?
Akiさん:アニメが日本文化への窓口でした。作品の中には自然と日本らしい要素が描かれていて、そこから好奇心が広がり、学び、そして日本に惹かれていきました。多くの西洋人にとっても、特にアニメのようなメディアが日本文化への入り口になっていると思います。
――アニメ好きが高じても、なかなかAkiさんほど日本文化に造詣が深くなるのはすごいことだと思います。日本独自の文化や、こちらのSNSの雰囲気について、ほかの国と比べてどのように感じていますか?
Akiさん:インターネット文化は、どこの国でも基本的に同じだと思います。匿名だから、誰でも自由に振る舞える。でも、オフラインの現実の方がずっと大事です。
日本で暮らすのが好きな理由のひとつは、インターネットから離れたい時に外に出れば、文化として“調和”や“平和”を大切にしている社会があること。誰も干渉してこない、その空気が心地良いんです。
――なるほど、ネットから離れられる環境が大事だと。先ほどの話とも繋がってきますね。最後に、日本のファンに向けて、それぞれメッセージをお願いします。
Akiさん:日本の文化や人生観から本当に多くのことを学ばせてもらいました。皆さんがこのゲームを楽しみ、そこに込められた大切なメッセージを受け取ってくれることを願っています。
セバスティアーノさん:このゲームを3回買って欲しい、コンソールで!……冗談です(笑)。私は、プレイヤーが重要なメッセージを読み取ってくれることを願っています。本作はSNS上にいる匿名の誰かとは関係なく、あなたがどのように生きてきたのか、それを守る戦いです。
意外とソーシャルメディアってすごく軽く見られていて。でも、知らず知らずのうちにすごい影響されちゃうことを、忘れないで欲しいです。大切なのはソーシャルメディアと、現実の生活は別だということ。
昔はこういうスティグマはなかったけれど、最近の若い人は結構そういう問題が生まれてるみたいだから。元々売れるためのゲームじゃなくて、メッセージを伝えるためのゲームなので、それを受け取ってくれたら嬉しいです。
――本日はありがとうございました!

『BrokenLore: UNFOLLOW』は、TGS2025のホール11-E07の松竹ブースにて試遊版を出展しています。なお、本作はPS5/Xbox Series X|S/PC(Steam)向けに配信予定で、リリースは2025年内予定です。
¥10,980
(価格・在庫状況は記事公開時点のものです)













