『Refind Self』開発者新作の目隠し必須『Cling to Blindness』ってどんなゲームなの? 試遊体験も開発も“手探り”だった新感覚ホラーゲーム【TGS2025】 | Game*Spark - 国内・海外ゲーム情報サイト

ハードコアゲーマーのためのWebメディア

『Refind Self』開発者新作の目隠し必須『Cling to Blindness』ってどんなゲームなの? 試遊体験も開発も“手探り”だった新感覚ホラーゲーム【TGS2025】

ゲーム画面が一切ない『Cling to Blindness』は、どうやって遊ぶの? 操作は? 気になる点の数々を、試遊プレイとインタビューで迫ります。

連載・特集 インタビュー
『Refind Self』開発者新作の目隠し必須『Cling to Blindness』ってどんなゲームなの? 試遊体験も開発も“手探り”だった新感覚ホラーゲーム【TGS2025】
  • 『Refind Self』開発者新作の目隠し必須『Cling to Blindness』ってどんなゲームなの? 試遊体験も開発も“手探り”だった新感覚ホラーゲーム【TGS2025】
  • 『Refind Self』開発者新作の目隠し必須『Cling to Blindness』ってどんなゲームなの? 試遊体験も開発も“手探り”だった新感覚ホラーゲーム【TGS2025】
  • 『Refind Self』開発者新作の目隠し必須『Cling to Blindness』ってどんなゲームなの? 試遊体験も開発も“手探り”だった新感覚ホラーゲーム【TGS2025】
  • 『Refind Self』開発者新作の目隠し必須『Cling to Blindness』ってどんなゲームなの? 試遊体験も開発も“手探り”だった新感覚ホラーゲーム【TGS2025】
  • 『Refind Self』開発者新作の目隠し必須『Cling to Blindness』ってどんなゲームなの? 試遊体験も開発も“手探り”だった新感覚ホラーゲーム【TGS2025】
  • 『Refind Self』開発者新作の目隠し必須『Cling to Blindness』ってどんなゲームなの? 試遊体験も開発も“手探り”だった新感覚ホラーゲーム【TGS2025】
  • 『Refind Self』開発者新作の目隠し必須『Cling to Blindness』ってどんなゲームなの? 試遊体験も開発も“手探り”だった新感覚ホラーゲーム【TGS2025】
  • 『Refind Self』開発者新作の目隠し必須『Cling to Blindness』ってどんなゲームなの? 試遊体験も開発も“手探り”だった新感覚ホラーゲーム【TGS2025】

筆者が『Cling to Blindness』に初めて出会ったのは、発売発表トレーラーでした。こちらは映像なのですが、視覚的なゲーム映像は一切なく、足音のようなものが響くばかりです。

その後、ルールらしき説明が入りますが、「目隠しは絶対に取らない事」「あしおとさんに追いつかれない事」「お札を五枚全て回収する事」といったもので、ゲームのジャンルやプレイ方法などはまったく分かりません。

演出や断片的な情報からは、おそらくホラーでは……と推察できる程度。紹介されているWEBページを確認すると予想は概ね合っていましたが、目隠しは作中の設定だけでなくプレイヤーが実際に行うことや、画面には一切何も映らないことなど、確認したことでかえって謎が深まりました。

これはもう実際に体験してみて、さらに開発者の方から直接話を聞くしかないと考え、「東京ゲームショウ2025」の試遊出展に参加。さらに、開発者のLizardry氏へのインタビューも行いました。

■闇の中の光明は、聞こえてくる「音」だけ。不安に後押しされる想像力

『Cling to Blindness』の試遊台は、四方はもちろん上部も仕切られたブースの中に置かれており、TGSの会場ながら外の喧騒をちょっと遠くに感じます。

また、ノベルティを兼ねている目隠しを渡され、これで目を隠すか、目を閉じてプレイしてくださいと促されます。今回は出来るだけプレイ環境を整えるべく、目隠しをして体験に臨みました。

用意されているヘッドフォンを身に着けると、視覚も聴覚もかなり制限され、『Cling to Blindness』が発する音だけがほぼ世界の全て。操作はマウスで行うため、外界との接点はマウスの感触と音だけに絞られます。

ゲーム画面が一切ないため、プレイ中の様子を撮影。スタッフさんのご協力に感謝いたします!

試遊体験は、主人公である「サツキ」の独白から始まります。彼女の日常を垣間見せつつも、「目隠しのまま、どこかへ行かなければならない」という事情が語られました。その理由はまだ開示されていませんが、サツキもプレイヤーも目隠しをしている状況なので、その不自由さに奇妙なリンクを感じます。

そして最初に行うべき行動は、案内人である女性の元まで歩くこと。マウスの左右で身体の向きを調整し、右クリックを押すとサツキ=自分が前に進みます。ただし、目隠しをしているため、進んでいることを視覚的に確認する方法はありません。

闇に閉ざされている中、何を目安にするかと言えば、案内人が発する「声」です。こちらに向かって呼びかけてくる声は、自分の位置によって聞こえ方が変わります。その声の聞こえ方を頼りに、左右や前後を調整しながら、手探りで声の発信源に近づいていきました。

……と、説明だけだと簡単そうに思えますが、判断材料が聴覚のみとなると自分の判断に自信が持てなくなり、かなりおっかなびっくりに進んでしまいます。この時点ではホラー要素は一切ないものの、暗闇にいる心細さも手伝って、心拍数が上がっていたかもしれません。

案内人によれば更に移動しなければならず、ここからは車に乗る模様。そこまで歩けるかと聞かれると、サツキは「ここまで来れたから大丈夫です」といった旨の発言をしますが、こちらとしてはまったく自信はありません。

今度は声ではなく、車から聞こえるエンジン音と、定期的に鳴ならしてくれるクラクションを頼りに、文字通り暗中模索で進みます。間違えるのが怖いので、マウスは小まめに動かして細かく修正しましたが、それでも感覚がズレているらしく、車の音は遠ざかるばかり。

プレイ後のインタビューで把握しましたが、この「微調整を繰り返すマウス操作」があまりよろしくなかったようで、車を求めてさ迷い歩き続けた結果、試遊時間はここで終了。ホラー要素にたどり着けずという、悲しい結果に終わりました。

ただし、『Cling to Blindness』がどういうゲームなのか、体験の方向性や操作の方法など、得られた情報も少なくありません。プレイ自体は拙かったものの、何も見えていないのに、出会った人の姿や、暗闇に浮かび上がる車のヘッドライトなどを、頭の中で勝手に想像したほどです。

聴覚のみという少ない情報が、想像と結びつくことで増幅することは、一度ならず経験したことがあります。あの感覚を、『Cling to Blindness』は自然な形で追体験させてくれたように感じました。そんなプレイ体験を経て、『Cling to Blindness』を手がけたLizardry氏:にお話を伺います。

■敢えて「リアルさ」を避けた『Cling to Blindness』、今後のブラッシュアップは?

――さきほど『Cling to Blindness』を試遊させていただきました。プレイヤーが受け取る情報は音だけという、かなりユニークな体験でした。このように“尖った”ゲームを作ろうと思った理由やその着想などをお聞かせください。

Lizardry氏:音だけのゲームというものは昔からいくつかありまして、それとホラーの相性がいいのではと考えていました。

でも、その時はまだ「画面のない音だけのゲーム」という構想しかなかったのですが、「目隠し必須」にしたらどうだろうと考えたところ、ユーザーさんがすごく興味を持ってくれそうだなと思いまして。これはすごくいいなと手ごたえを感じ、今の形に繋がりました。

また、画面が見えない理由も、プレイヤーの状況とゲーム側の設定をリンクさせ、「目隠しする必然性」を持たせています。

――プレイヤーが操作する主人公の女性も目隠しをしていて、プレイヤーが同一の体験を感じられる形でした。なぜ彼女が目隠しをしたまま進まなければならないのか、物語的にも気になります。

Lizardry氏:ストーリー上で「目隠しをしている理由」がきちんと示されますので、そこも楽しみながらプレイしていただければと思います。

――これは自分が悪かった面が大きいと思いますが、正直手こずってしまいました。最初の女性には会えたのですが、次に車へ向かう際、クラクションの音が遠ざかっているのか近づいているのか、前後の把握が難しくて。

エンジン音も聞こえるのですが小さくて判断しづらく、クラクションを頼りにしていたのですが、完全に迷子でした(笑)。

Lizardry氏:エンジン音はずっと鳴っているのですが、全体的に音量が低めだったのかもしれません。今回の試遊も含め、改善していきたいと思っています。

――その改善は嬉しいばかりです。あと、プレイして気になったのが「振り返り」ですね。通り過ぎたと思って振り返ろうとするのですが、正確に後ろを振り向けていないようで、どんどん悪化していったような気がします。

Lizardry氏:マウス操作の仕方がプレイヤーごとに違うため、そこの調整が課題のひとつになっています。今のバージョンは、マウスを一度に長く動かす方が操作しやすい仕様になっていますが、マウスを少しずつ動かす人もいますからね。

この点については、ゲーム側がプレイヤーの操作傾向を自動的に収集し、自然に調整してくれる仕組みを導入したいと考えています。

――設定画面でプレイヤーが感度を直接いじるのではなく、自動的に調整してくれる仕組みは助かります! ブラッシュアップを楽しみにしています。
あと実感したのは、視覚情報が遮られると想像力が膨らみますね。登場人物の姿形に関する情報は(少なくとも試遊の範囲では)ありませんでしたが、声や喋り方、そして声優さんの演技によって、普通にゲームを遊ぶよりもイメージがより膨らみました。こうした効果も狙ったものなのでしょうか。

Lizardry氏:そうです。目隠しをすることで五感の一部を遮断し、より音に集中してもらえる。映像作品のように“流し見”するのではなく、意識の全てを1つの作品と向き合う体験を提供したい、という狙いがあります。

――スマホの普及もあり、動画を見ながらゲームをする、といったスタイルも増えました。しかし本作は、前提として視覚を遮るため、意識の全てが作品に集中し、体験がいっそう深まっていくと。

Lizardry氏:はい、そうですね。ですが、その狙いを実現するための開発は試行錯誤の連続でした。例えば、現実の音の伝わり方をそのまま再現すると、逆に分かりづらくなってしまいます。

現実世界では、右側で音が鳴ったとしても、その音自体は左耳でも拾っています。しかし、このゲームでそれを再現すると、音の方向が判別し辛くなるので、「リアルさ」より「遊びやすさ」を優先する設計に切り替えました。

――リアルに再現すればいい、とは限らないんですね。開発して初めて分かることもある、と。まさに、開発そのものが“手探り”だったわけですか。

Lizardry氏:そうです。ただ「音の方向を探って移動する面白さ」には確信があったので、そこはブレずに進められました。

――本作の場合、映像や画像では魅力を伝えにくいので、体験してもらうことが非常に大事ですね。

Lizardry氏:発売までの期間を考えると、実現できるかどうかはまだ分かりませんが、オープンな状況ではなくクローズドな環境でプレイを重ねてリリースに望みたいと思っています。

また、今回のTGSに試遊出展したことで、アトラクション的な提供ができる強みもあると実感しました。イベント向きだな、と。そのため有効活用できる機会があれば、リリース後も積極的に考えていきたいです。

――では最後に、本作に興味を持っている方へメッセージをお願いします。

Lizardry氏:「目隠しするような、音だけでプレイする体験」を提供するゲームはいくつもありますが、ジャンルとして初めて触れるプレイヤーさんもいると思います。そうした方に“新しい体験”を届けられることができれば嬉しいなと思っております。

――本日はありがとうございました。

Lizardry氏:こちらこそ、ありがとうございました。


『Cling to Blindness』は、PC(Steam)向けに配信予定です。

ライター:臥待 弦(ふしまち ゆずる),編集:みお


ライター/楽する為に努力する雑食系ライター 臥待 弦(ふしまち ゆずる)

世間のブームとズレた時間差でファミコンにハマり、主だった家庭用ゲーム機を遊び続けてきたフリーライター。ゲームブックやTRPGなどの沼にもどっぷり浸かった。ゲームのシナリオや漫画原作などの文字書き仕事を経て、今はゲーム記事の執筆に邁進中。「隠れた名作を、隠れていない名作に」が、ゲームライターとしての目標。隙あらば、あまり知られていない作品にスポットを当てたがる。仕事は幅広く募集中。

+ 続きを読む

編集/Game*Spark共同編集長 みお

ゲーム文化と70年代の日本語の音楽大好き。人生ベストは『街 ~運命の交差点~』。2025年ベストは『Earthion』。 2021年3月からフリーライターを始め、2025年4月にGame*Spark編集部入り。2026年1月に共同編集長になりました。

+ 続きを読む
【注目の記事】[PR]

編集部おすすめの記事

特集

連載・特集 アクセスランキング

アクセスランキングをもっと見る

page top