
千葉幕張メッセで開催された日本最大級のゲームイベント「東京ゲームショウ2025」。KONAMIブースでは、UGC(User Generated Content)の新ゲームプロジェクト『ワイワイワールド Craft(仮)』が発表されました。多くの来場者が詰め寄った発表会の様子をお伝えします。
なお今回の発表内容と野田クリスタルさんとのトーク内容は、インタビュー記事に繋がる内容のため、是非両記事ともお読み下さい。
ゲーム作りの大変さを突破する『ワイワイワールド Craft(仮)』
この発表では、初めにKONAMIのエグゼクティブディレクター谷渕弘氏が登壇。同氏は、『実況パワフルプロ野球』シリーズのプロデューサーを長年務めているほか、「Indie Games Contest 学生選手権 2025」の審査員も務めており、今回発表となったタイトルにも絡むものでした。

まず同氏は、新プロジェクトのコンセプトについてを説明。世の中には様々なエンターテインメントがありますが、エンタメの更なる飛躍として遊ぶエンタメだけでなく、作るエンタメもより面白いものです。この作るエンタメの面白さを届けたいとしたいのですが、ゲーム作りは様々なハードルがあります。
ゲームは完成するまでが大変ですし、リリースするのも大変です。これほどゲーム作りは困難なため、道半ばで諦めてしまう人も多いのです。ゲーム作りには「作る喜び、届ける喜び、繋がる喜び」が存在しますが、誰でも出来るようにすることが、このプロジェクトであると語ります。ここで新作『ワイワイワールド Craft(仮)』の映像を披露しました。
『ワイワイワールド Craft(仮)』はタイトルの通り、KONAMIから1988年にファミコン向けにリリースされたタイトルを継承したものです。この名前になった理由は「沢山のゲームやキャラクターが一つのサービスに集約される」というものを考えていた時に、「こんなタイトルがあったぞ」ということからでした。
ゲーム作りの難しさの解決案の一つとして、公式ゲームというものをベースにルールを変更するなど、作る道筋を多く用意したことにあります。対話形式でゲーム作りを進めてくれるマジックポットくんは、簡単にゲーム作りを経験し、そしてリリースするまでを導いてくれます。

ワールドエディターは地形やルールなどゲームの根幹を制御するもので、マップを作るだけでなく敵の配置や演出を簡単に作れることを特徴としています。また既存のものから選ぶだけでなく、何もない状態からも作れます。

最後のゲームリビルダーシステムは、システムのパラメーター調整のような編集システムで、ジャンプの高さや操作の割り当て、ヒットストップなども細かく調整できます。

本作テストプレイヤーのポジティブなコメントでは、簡単にゲームが作れて、さらにマルチプレイも即可能であることや、普段ゲームに不慣れな人も数時間で完成させた他、また作りたいという感想を得たそうです。
『ワイワイワールド Craft(仮)』はただのツールを目指しているわけでなく、クリエイターが作る→プレイヤーが遊び→制作を応援し協力する、というサイクルから、今までにない体験を生み出せるのではないかと語り、プレゼンテーションを終えました。


ゲーム作りは難しい…。野田クリスタルさんと語るゲーム開発のハードルの高さ
ここでパーティーゲーム『スーパー野田ゲーPARTY』などで知られるマヂカルラブリーの野田クリスタルさんが登壇。野田さん曰く、谷渕氏とは2年前の東京ゲームショウにて野田さんのブースに来られるということから交流があったという。

野田さんは過去プログラミングを勉強し、頑張ってゲーム開発を進めたところバグの山に遭遇したことがあると語ります。また、過去に『テトリス』作りにも挑戦したものの、積み上がる処理が実装出来ずにブロックが床を貫通していくという経験から、ゲーム開発にはそれなりのハードルの高さがあると述べました。
加えて谷渕氏も同じく過去にPCがマイコンと呼ばれた頃にプログラミングへ挑戦し、頑張って入力しても四角が少し動くだけなのを見て「ゲーム作りはなんて大変なんだ」と思ったと語ります。

ゲーム開発は全てを制御しなければならないため難易度が高いです。野田さんは、ゲーム作りは途中心が折れてしまうため、10本作った内の1本完成すれば良い方であり、完成するまでのハードルが高いことを語りました。そういう視点から見れば『ワイワイワールド Craft (仮)』は、最初の「完成しない」というハードルを超えた先に存在するために、作りたいところから作れるのが強みです。
また、ゲーム開発の難しさを思えば、先のインディーゲームコンテストに出場するまでの人は、選ばれし人であるとも表現出来てしまいます。
しかしながら、ゲーム開発ツールは日々進化しつつあることや、大ヒットを記録すれば映画化など歴史に名を残すほどの存在になることを含めてゲーム開発には夢があるのです。

野田さんは、これまでのゲーム作りの難しさを思えば、様々な補助がある『ワイワイワールド Craft (仮)』は、ある種の練習台にもなりますし、ここで様々なゲームを作った経験が将来のゲームクリエイターになった時にアイデアの宝庫として役立つと語ります。加えてインディーゲームで大変なのは作るだけでなく、「プレイしてくれる人がいない」ということ。
それに対して『ワイワイワールド Craft (仮)』は、小さな所から少しずつ有名になるという考え方を持っており、いきなり世界のトップと戦うのは難しいため、地元のヒーローからスタートして欲しいという考えがあるそうです。また初めてゲームを作った人が一般の人からどんな評価を受けるのか気になるし、1人でも評価を受ければ勇気を貰えるため、そこをどう増やせばよいかが課題であるそうです。
最後に、野田さんは誰でもゲームが作れる時代になったと語りつつ、昔に比べればゲーム作りの難しさは薄れたことから「ゲームを作ってみてください!」とコメント。谷渕氏は、「作ったゲームが遊ばれて、遊んだ人と化学反応が起こる世界を作ってみたい」と語りステージを終了しました。














